Speak emo
ごいちー|「今若い女の子が歌う渋谷系ってめちゃくちゃいいな」って思ったんですよね
レコーディングの時に「上手すぎないように歌って欲しい」と言われたんです
ーークマロボさん作曲、つのだゆみこさん作詞の「シャララ」。これはずばりディズニーランドですよね?
ごいちー:絶対そうですよね!フフフ。
ーーディズニーランドとかお好きですか?
ごいちー:ディズニーランドは好きな方ですけど。
ーーよく行ったりします?
ごいちー:もう1年以上行ってないです。今はなかなか行けないですし。でも好きですね。いるだけで楽しいので。
ーーめちゃくちゃ好きな人いるじゃないですか、アイドルさんとかでも年パスを買って「月1回は行きます」みたいな人とか。
ごいちー:cana÷bissのメンバーにもいます。
ーー新潟から?
ごいちー:そうです。年パス買ってるメンバーもいます・
ーーすごいですね。ごいちーさんにもこういう体験があるわけですか?
ごいちー:でも、ディズニーランドデートはしたことないですけど、歌詞の端々に出てくる「ポップコーン」とか「パレード」とか、もう「ディズニーランドのことだな」と思いました。完全に。
ーーあと「可愛くなりたいから5時に起きたり」するんですか?
ごいちー:ライブの時とか大事な何かがある日とか早く起きますね。それこそ先日のバスツアーは8時集合だったので、5時台に起きました。
ーーラストの「上の空モード」。先ほど「Shining Wonderland」のところでも少し言ったんですが、ポジティブな部分と不安や虚無感みたいなのとが同居するような詞かなと思ったりしてるんですが、ごいちーさんはどう捉えてますか?
ごいちー:この歌詞もほんとに私のことだなというのはすごく感じました。「だんだんと大人になるのはつらいね」とか。年齢的には既に大人なんですけど、つらいので(笑)。デビュー曲なので「期待したい」とか「ビビらないで」とか、新しいことの始まりに関して書いてくださってるのが伝わるので、そういう感じで歌いました。あと、レコーディングの時に「上手すぎないように歌って欲しい」と言われたんです。「ちょっとおぼつかないというかあどけない感じで、大人になりきってない感じで歌って欲しい」って言われました。なので、普段の歌声とはかなり違うんですよ。
ーーcana÷bissだとかなり強い声を出さないといけない曲が多いと思いますが、「上手く歌わない」という指示はなかなか難しいんじゃないですか?
ごいちー:そうですね。「もうちょっと下手っぽく歌って」とか言われて。抜いて歌うというか。「あまり上手く歌わないで」って言われたのは初めてでしたね。ソロとしての初レコーディングでもあったので、結構大変でした。
ーーこの曲が最初だったんですね。
ごいちー:そうですね。なので思い出深いというか。ここまで歌い方に関してディレクションしていただいたのも初めてだったので。cana÷bissの時は細かい指示みたいなのはあまりないんですよ。レコーディングのことはすごく思い出に残っています。
ーー難しいオーダーを出されて“上手くなく歌った”結果はご自身ではいかがですか?
ごいちー:音源を聴くとちょっとむずがゆいというか。可愛い声で歌ってる部分が結構あるので。
ーーそれこそがこの曲の味なんじゃないですか?
ごいちー:自分で自分の声を聴くのは恥ずかしいところもあるんですけど、でも完成形はすごく気に入ってます。
ーーこの曲は、ぱっと聴いた時に「渋谷系だ!」と思って、空気感としては渋谷系を感じるんですが、よくよく聴けば、音色やフレーズや音像をモロにトレースしたという感じではないですよね。
ごいちー:「上の空モード」は、SAWAさんに「渋谷系をお願いします」って言って、SAWAさんなりの渋谷系を作っていただきました。
ーーよくよく聴くと渋谷系だけに留まらないものがあり、なおかつ歌詞についても、今の時代に生きる若い女の子の感性が綴られているので、「とりあえず渋谷系の音持ってきました」というのではなく、当時の渋谷系がその時代に提示していたものを、現代で提示するならばこうなる、みたいな。そういう意味でも、今の表現としてものすごく高いレベルで成立してるという感じがしたんですよね。
ごいちー:SAWAさんにそのまま伝えたいです。フフフ。
ーー当時の渋谷系が流行っていた時代って、すごく豊かな時代だったんですよね。社会的にはバブル崩壊した後なんですけど、音楽業界ではまだバブルが弾けてなくて、めちゃくちゃ景気も良くて、経済的にも文化的にも豊かな時代だったと思います。で、そんな時代を女性が軽やかに生きていくみたいなことも、一つの価値観として提示されていたと思います。そこには享楽性や虚無感も漂っていて、それが新たな美意識を示していたような…。でも、あの頃と比べると今の時代って決して豊かじゃないじゃないと感じます。ごいちーさん的にはいかがですか? 今は豊かな時代だと思いますか、それとも…。
ごいちー:物というか機能というか、デジタルな物とかに関してはかなり豊かで、何でも1人でできちゃいますし、家でも何でもできちゃいますし、そういう意味ではすごく豊かだとは思います。ですが、カルチャーという点では、今は自由に表現しすぎるとすぐに叩かれたりとか、アーティストの方々が何か表現すると、すぐに「誰かの真似だ」とか「誰かのパクりだ」とかなるじゃないですか。そういうのを見ていると、当時の渋谷系ってすごく自由で、サンプリングとかしても、それがそういうものとして受け入れられていましたし、そういう面では今は慎重になる人が多くて、豊かに表現できない部分もあるのかなとは思います。表現方法が多くなったのはすごく良いことですけど、周りが意見を言いやすくなりすぎてちょっと自由でなくなったのかな、って。そういう意味では、豊かじゃないのかもしれないですね。やりづらい、生きづらいというか、表現しづらくなってるのかもしれないです。
ーーなるほど。機能としては何でも備わっていて、誰でも発信できますし、でも、それだけにそういうものが溢れていて、受け手も沢山いて、目を光らせていて、ちょっとしたことで叩いてくる。それゆえに送り手は表現を自主規制してる部分もあったりしますよね。ある意味、そこにも二面性があると思います。何でもできるという側面がありながらも、そこに生きづらさや表現しづらさといった側面もあって。例えば、これからソロとして羽ばたくにあたって、そういった不安みたいなのもありますか?
ごいちー:そうですね。自分の立ち位置というか、どういうスタンスでいったらいいかというのは悩みますし、考えますね。
ーー「本音と建て前を両方出す」という射手座の性格じゃないですけど、このミニアルバム『Shining Wonderland』は、ポジティブな部分と不安な部分というのが同居している感があって、そうしたアンビバレントな感じがまさにごいちーさんっぽい作品だなと思います。
ごいちー:結果的にそういうまとまりになったのかもしれないですね。全曲を通して。
ーーすみません。勝手にまとめちゃいましたが…。
ごいちー:でも、ほんとにそうかもしれないです。皆さんが私を思って書いてくださった曲なので、そういう結果になったのかもしれないですね。
ーー改めて、この作品の聴きどころをおっしゃっていただけますでしょうか。
ごいちー:聴きどころというと、曲によって歌い方がかなり違うところですかね。「本当に1人で歌ってるの?」って思われるかもしれないぐらい声もかなり違うので、それだけ色んな歌をうたってますというか、それだけ色んなことができます、というのを分かりやすく提示した1枚になっていると思います。私を知らない方にも、ごいちーを初めて聴く方にもわかりやすくていいかなと思います。
ーー今後のことはまだまだ分からない部分もありますが、ライブ活動なども条件付きではありますが少しずつ再開しつつあります。今後どんな風にしていこうとかありますか? 具体的じゃなくても、ご自身がやりたいと思ってることとか。
ごいちー:今後のことが全く見えないですけど、とりあえずこの曲たちをお客さんに生で聴いて欲しいですね。今回のミニアルバムの曲を歌っていると、最初は「DJで流す曲が全部自分の曲だったらいいな」っていう感じだったんですが、1人でステージに立って、マイク1本でやるっていうスタイルでもやれそうだなって。ソロシンガーとして。歌への関心が前よりも深まったので、まだまだ歌は未熟ですが、より一層頑張りたいなという気持ちですね。
ーーDJの時に歌ってたのを発展させて、自分の曲でやりたいっていう段階からさらに発展して、ソロシンガーとしてやっていきたい、と。それこそバンドを付けて歌ったりとか、そういうことなども視野に入ってきた感じですか?
ごいちー:生バンドでやれたら楽しいですね。これからソロの作品がどんどん増えていく予定なので、もっとシャキッとしなきゃなという気持ちです!
ごいちー イベント情報
7/24(金祝)「Shinig Wonderland RELEASE PARTY」
会場 GOLDEN PIGS RED STAGE
OPEN/START 17:00/18:00
料金 ¥3,000(別途ドリンク¥500)
※地域限定販売 限定50人
出演 ごいちー/cana÷biss/オモテカホ/雷都少女
ごいちー 商品情報
ミニアルバム『Shining Wonderland』
レーベル:doles U(ディスクユニオン)
発売日:2020/7/22
品番:DOLU30
価格:税抜2,273円(税込2,500円)
≪収録曲≫
1.le Sagittaire (作詞 つのだゆみこ・作曲 クマロボ・編曲 クマロボ)
2.限界リズム (作詞作曲編曲 SAWA)
3.正しい関係性 (作詞作曲編曲 SAWA)
4.Shining Wonderland (作詞作曲編曲 SAWA)
5.あなたにあげる (作詞作曲編曲 笹川真生)
6.シャララ (作詞 つのだゆみこ・作曲 クマロボ・編曲 クマロボ)
7.上の空モード (作詞作曲編曲 SAWA)