Speak emo
ごいちー|「今若い女の子が歌う渋谷系ってめちゃくちゃいいな」って思ったんですよね
cana÷bissでDJやってても「もっと歌わせてくれよ」っていう気持ちになるんですよね
ーーDJ活動を始められたのは、いつ頃からなんですか?
ごいちー:DJは、プリエクにいた頃からずっと個人的に興味がありました。音楽が好きで、好きな曲を繋いでかけたりしてみたいな、と思ってました。DJは男性がやるイメージがあって、あと、女の子のやるDJは曲を繋がずにプレイリスト的な感じで曲が終わったら次の曲をかける、っていうイメージがあったので、「やりたいな」とは思ってたんですけど「難しいんだろうな」って。でも、元でんぱ組.incの夢眠ねむさんが、当時“DJねむきゅん”という名前でDJをやられていてて、その動画を観たら、すごく上手に繋いでらっしゃって、めちゃくちゃカッコよくて。「ちゃんとやりたいな」と思って練習をやり始めた頃に、たまたまプロデューサーがメンバーに「音楽への関心をより深めて欲しい」ってことで事務所に1台DJコントローラーを買ってくれて、「全員やりなさい」と言ったんですが、「やります」と言ったのが私だけで(笑)。結局私しかやらないまま今に至っています。当時買ってもらったコントローラーを、ボロボロなんですけど今もまだ使ってます(笑)。
ーー会社で買ったものを独占してるわけですね(笑)。
ごいちー:はい。
ーーそれはプリエク時代ですよね?
ごいちー:プリエク時代です。プリエク主催イベントの時とかにオープニングDJをやらせてもらったりとか、だんだん場数を踏んでいって、その話をだんだん外部の方が知ってくださって、新潟とか東京でもDJイベントなどに呼んでいただくようになりました。
ーーこれまた、今便利な時代ですから、ネットでごいちーさんの素晴らしいDJプレイを見させていただいたんですが。
ごいちー:あー!上がってますか? でも、その頃よりも上手くなってると思います。
ーーそうですか? あれもなかなかいいDJっぷりでしたよ。たしか去年の5月とかだったと思います。
ごいちー:ほんとですか。じゃあ大丈夫かもしれないです(笑)。
ーーまだ黒髪時代で、それこそラブリーサマーちゃんの「私の好きなもの」を最後に。
ごいちー:もう定番ですね。一番最後はそれです。
ーーあと、Night TempoがWinkをリエディットした「淋しい熱帯魚」とか。
ごいちー:じゃあ、けっこう最近ですね。
ーー安達祐実の「どーした!安達」とかもかけられていました。
ごいちー:あー!はい。
ーーあんなネタはどこから探してきたんですか?
ごいちー:レコードとかカセットテープとか、あとCDを中古で買うのが好きなんですけど、ディスクユニオンさんとかに通って掘るのが好きなんですよ。私、8センチCDがすごい好きで。あの細長い小さいやつが。あれを掘るのが好きで、「どーした!安達」はそれで見つけました。
ーー「どーした!安達」ってネタ曲みたいな感じですが、改めてクレジットを見ると、これ、作曲が福富幸宏さんで、作詞が森若香織さんっていう、すごい布陣なんですね。
ごいちー:歌手メインではない方がやってる音楽に結構面白いのが多くて、好きなんですよ。芸人さんがユニット組んでやったりとかあるじゃないですか。ブラビとかポケビとか。あと佐々木希さんの曲も好きで、そういうのかけたりしてます。そういう曲って大抵制作陣が豪華なので、いい曲しかないんです。佐々木希さんの「パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪」は、tofubeatsさんがリミックスしていて、それで知りました。
ーーなかなか深いところを掘っていますね。プリエクのデビューの頃には、音楽を掘るとかそういうのはなかったわけですよね?
ごいちー:いえ、その頃はツタヤとかで掘ってました。
ーー元々音楽が好きで、アイドルだけではなくていろんなものを聴いていたって感じですか?
ごいちー:元々はアイドルばかり聴いてましたけど、その後、渋谷系を好きになって、小沢健二さんにハマって、その周辺を頑張ってガキなりに掘ってる時期だったと思います。アイドルデビューの頃は。
ーー新潟で掘ってたんですか?
ごいちー:そうですね。お金がなくてCDが買えないので、借りて取り込んで借りて取り込んでみたいなのを繰り返してました。
ーー小沢健二さんからその後はどういう経路を辿ったんですか?
ごいちー:「渋谷系とは」みたいな記事って結構あるじゃないですか。ネット上に。そういうのを見て、フリッパーズ・ギターもそうですし、あとピチカート・ファイヴとかカジヒデキさんとか、とりあえず渋谷系と呼ばれる人たちを掘っていきましたね。
ーーそういうのを掘っていると、DJやりたくなりますよね。
ごいちー:そうですね。渋谷系の人たちはやはり“音楽オタク”のイメージがあって、何かからサンプリングしたりとか、元ネタをあれこれ使ったりとか、そういうものは掘っても掘っても終わらない、みたいな感じがすごい好きなんですよね。DJも基本音楽オタクの人なので、曲とその元ネタを繋いだりとか。そういったカルチャーに興味をもって、だんだんやりたくなってっていう感じですかね。
ーー未だに“渋谷系”というと議論されていて、「どう定義するか」というのは難しいんですが、色んなものが内包されているのは間違いないじゃないですか。例えばブラジル音楽だったりソフトロックだったり、レアグルーヴだったりサントラだったり。そういった洋楽系には行かなかったんですか?
ごいちー:小沢健二さんの『LIFE』の元ネタがそっち系ばかりなので、それを自分で探してプレイリスト作ったりとかはしていました。レコードも小沢健二さんのものは一応揃えました。めちゃくちゃ高騰してるもの以外は。そこから元ネタを掘ろうかなとは思ってるんですが、今レコードプレイヤーが壊れちゃってて掘れてないですけど(笑)。なので今は洋楽系はあまり掘れてないです。
ーーなるほど。でも興味はおありなんですね。
ごいちー:そうですね。聴いてみて「あ、ここか」とか「同じだ」とか言ってます。
ーーなるほど。今かなり楽しそうに音楽のお話をされていましたが、自分で掘ったものをかけるDJと、cana÷bissのステージでのDJって、また役割が違ってくるじゃないですか。
ごいちー:そうですね。全然違いますね。セットリストはメンバーとか運営さんで決めて、私がかけるという感じなので、cana÷bissでは曲を繋いだりという作業はあまりなくて、曲が終わって次の曲のキュー出しをするという感じですね。
ーーご自身で歌もうたわれてますよね。
ごいちー:そうですね。元々歌がすごい好きなので、ソロでDJをやる時もかけてる曲を歌ったりしていて、cana÷bissでDJやってても「もっと歌わせてくれよ」っていう気持ちになるんですよね。アハハ。「もっとパートくれよー!」みたいな。でも、私だけ東京にいて、私のいないライブもあるので、そうなってくるとパート分けはパフォーマーのメンバーに委ねるしかないので、仕方ないことなんですけどね…。
ーーなるほど。いない時にも成立するように、歌パートは多少少なめになってると。
ごいちー:そうですね。メインはDJということで。
ーープリエク時代も、cana÷bissになってからもそうでしたけど、a crowd of rebellionの丸山漠さんやcinema staffの三島想平さんらが曲を作られていて、プリエクの頃はかなりアイドルに寄せてる感があったんですが、cana÷bissではもう全然そんな感じはなくなって…。でも、ごいちーさんがDJとしてかけている音楽とはまた違うじゃないですか。
ごいちー:全然違いますね。
ーーそうした異なる世界観の音楽を並行してやるということに違和感はないですか?
ごいちー:cana÷bissの曲はcana÷bissの曲で大好きなので、やってる時はすごく楽しいです。普段も聴いたりしますし…。自分たちがリリースしたアルバムを聴いたりするのすごい好きなので、違和感とかはないですよ。どちらも好きな音楽です。
ーーcana÷bissはcana÷bissとして一つの大きな活動の柱であって、で、DJとしての活動にも、cana÷bissとはまた少し違いますけど一つの道筋みたいなものがあって、いずれもごいちーさんの中では大きな2つの柱である、と。
ごいちー:そうですね。
ごいちー イベント情報
7/24(金祝)「Shinig Wonderland RELEASE PARTY」
会場 GOLDEN PIGS RED STAGE
OPEN/START 17:00/18:00
料金 ¥3,000(別途ドリンク¥500)
※地域限定販売 限定50人
出演 ごいちー/cana÷biss/オモテカホ/雷都少女
ごいちー 商品情報
ミニアルバム『Shining Wonderland』
レーベル:doles U(ディスクユニオン)
発売日:2020/7/22
品番:DOLU30
価格:税抜2,273円(税込2,500円)
≪収録曲≫
1.le Sagittaire (作詞 つのだゆみこ・作曲 クマロボ・編曲 クマロボ)
2.限界リズム (作詞作曲編曲 SAWA)
3.正しい関係性 (作詞作曲編曲 SAWA)
4.Shining Wonderland (作詞作曲編曲 SAWA)
5.あなたにあげる (作詞作曲編曲 笹川真生)
6.シャララ (作詞 つのだゆみこ・作曲 クマロボ・編曲 クマロボ)
7.上の空モード (作詞作曲編曲 SAWA)