RYUTist｜今メンバーができる最大限が最高に詰まったアルバムだなって思います

 

 

テクノロジーをいろいろ駆使して勉強しました（笑）（横山）

 

 

ーー「きっと、はじまりの季節」はシングルリリースの際に詳しくお話ししましたので軽く行きますが、これ、「サビを強く歌った」っておっしゃっていました。

 

宇野： はい。

 

ーーなので、「ALIVE」での抑制された、表情を付けない表現との対比がいいですよね。

 

一同：あぁ。

 

五十嵐：確かに。結構上と下に離れてるような感じがするかも。

 

横山：「きっと、はじまりの季節」も最初のAメロに関しては結構抑制して歌ってるんですよ。これも１コーラス目では日常のことを歌ってると感じていて…。まぁ自分の解釈なんですけど。なので繋がりはありますよね。

 

宇野： どちらも始まりって感じがします。

 

ーーそうですよね。「ALIVE」がある意味抑制されたトーンで来て、「きっと、はじまりの季節」のピアノのイントロがすごい解放感をもたらすといいますか、キランッ！って感じですよね。そこで目の前がガッと開ける感じがしていいですよね。そこから再び少し抑制して、サビで強く、と。

 

横山：いいですよね。

 

ーーでは続いて「ナイスポーズ」。これはいかがですか？

 

五十嵐：楽しいです。

 

横山：うん。

 

宇野： 楽しいです。

 

佐藤：練習とか考えずに、レコーディング前に一番口ずさんでいた気がします。

 

五十嵐：なんか歌っちゃうよね。

 

佐藤：流れたら絶対歌っちゃう曲ですね。「ナイスポーズ」は。

 

ーー歌いやすいですか？

 

横山：難しいです。

 

ーー難しい曲ですよね。どういうところが難しいですか？

 

横山：高低差がすごくて、低いところはものすごく低いし、高いところはものすごい高いんですよ。あと、リズムの取り方が、“オン”で取るところもあるけど急に裏で取ったりとか、小節をまたいでリズムをとるところもあるので、すごく難しかったです。

 

ーー言葉の乗せ方とかも非常に緩急がありますよね。詰めるとこは詰めたり、伸ばすとこは伸ばしたり、みたいな感じがあって。

 

横山：難しかった。

 

宇野： 歌詞の詰め込みがすごいですよね。

 

ーーこれもまた曲の構成が面白いですよね。

 

佐藤：そうですね。

 

五十嵐：出てきたことのないメロディーがラストに出てきますよね。サビが２つみたいな感じなのかな。

 

ーーそうですよね。ABがあって、なんというか“疑似サビ”みたいなものがあって、一番最後の「ナイスポーズ」っていうところでようやく本当のサビが出てきた、みたいな感じがします。

 

五十嵐：そこでバーンと盛り上がりますもんね。

 

ーーですよね。

 

横山：最後の最後にやっとタイトルが出てくるみたいな。そこもいいなと思います。ラストまで言ってこなかったけど、伏線をずっと張っていて最後で全回収みたいな。

 

ーー確かに確かに。

 

横山：歌ってて気持ちいいです。

 

ーー歌詞も面白いですよね。

 

佐藤：歌詞すごく好きです。

 

ーーどこが好きですか？

 

佐藤：特に「ぎりぎりで青だった」からのところが、登場人物の行動がすごくよくわかって、そしてその行動がまた可愛らしくていいなと思いました。この二人の関係が。

 

五十嵐：なんかもう見えてくるよね、景色が。

 

横山：すごいよく見えてくる。これ、柴田さんが「青春てんこ盛り」で作ってくださった曲なんですよ。安部さんと柴田さんの間で「どういう曲作りますか」みたいな話をした時、「青春っぽい曲を作りたい」っていうお話が出て、柴田さんの思う青春を全部詰め込んでくださった曲なんですよね。なので、歌っててぐっとくるよね。特にこの最後サビのところは。

 

ーー柴田さんのちょっとひねくれた感じも随所にあって。実郁さんのパートだと思うんですが、サイケデリックなエコーが掛かったパートがあったり。

 

一同：あぁ。

 

ーー英語で歌ってますよね。

 

横山：はい。歌ってます。あんな風にこう「みょみょみょーん」ってエコーが掛かると思わなかったですけど、また新しい感じですよね。

 

ーー続きまして、「好きだよ…」なんですが、これはなんかちょっと安心しますよね。

 

宇野： NOBEさんとKOJI obaさんの曲ですね。

 

ーーはい。今までRYUTistのいろんな曲を作ってきた方で、ある意味“RYUTistらしい感じもあり…。

 

横山：そうですね。

 

ーーそれまでがかなり難解な曲だったりもするんですが、とても明快な“恋の歌”というか、まぁ三角関係って感じですが。

 

宇野： せつない～！

 

横山：こんなに「好きだよ」って言葉を連発することもないですね。

 

宇野： ストレート。

 

横山：そう。こんな“どストレート”な歌はRYUTistにはあまりないもんね。

 

五十嵐：タイトルからズバリ言ってるからね。

 

宇野： あと、こんなに強く歌うこともすごく久しぶりな気がします。

 

五十嵐：こんなに声張って出すのはね。

 

宇野： 『日本海夕日ライン』の前ぐらいまでは結構ありましたけど。「Bitter With The Sweet」とか。なので、すごい久しぶりでした、こんなにガツンと声出して感情を前に出して歌うのは。

 

五十嵐：強いよね。

 

ーー『ファルセット』ではいろんな挑戦をされていて、新機軸が沢山あるんですが、なんかこういう曲もしっかりあって、ここにも皆さんらしさがすごくあるような気がして、アルバムのコンセプトに合っているように思います。

 

一同：あぁ。

 

ーーで、皆さんに取材する際、今までは色恋沙汰については敢えて触れないようにしていたんですが（笑）、皆さんこういう気持ちわかりますか？

 

横山：わからないです。

 

ーー早い！ 即答ですね（笑）。

 

宇野： 女の子に対してはある。

 

佐藤：好きなアイドルさんとか？

 

宇野： そう。

 

横山：でも、こんなじゃなくない？ こんなこと思ってるの？？？

 

佐藤：ここまで強く？

 

五十嵐：そこまでいくとちょっと怖い（笑）。

 

佐藤：「キミの勇気になりたいのに」って言ってますけど（笑）。

 

宇野： ない？　

 

五十嵐：なんか好きすぎて幸せ願う感じかな。

 

宇野： 好きな友達とかがあるじゃん。

 

佐藤：あー。

 

宇野： 私、中学校の時に憧れてた女の子がいたの。

 

佐藤：なんか言ってたね。そんな話。

 

宇野： すっごく可愛くて、自分の中では完璧な女の子がいたのね。でも、ずっと見てるだけで想いを伝えられない、みたいな感じがありました。

 

ーー「伝えたいのに伝えられない」っていう気持ちですね。夢羽さんは、そういった経験はありますか？

 

五十嵐：ないです。ないですけど、この曲歌うにあたって、この子の立場だったらって考えたら切ないなって思いますね。経験はないんですけど、この子の立場ってすごく可哀想だなって思いながら…。

 

横山：私は勉強しました。

 

ーーどうやって勉強したんですか？

 

横山：映画とか（笑）。経験がないので、そういう恋愛モノを観て勉強しました。たいてい恋愛映画って、好きな男の子がいて、でもそんな簡単に上手く行くことはないじゃないですか。ライバルが出てきて、なんか向こうが上手くいって、ムシャクシャして、でも最終的には結ばれる、みたいな。そういうのを観て、主人公の気持ちに成りきって、「辛いなぁ」「あ、こういう気持ちなのか」みたいなのをちょっと勉強してから、この曲を歌いました。

 

ーー具体的に何を観たんですか？

 

横山：『アオハライド』とか『ストロボ・エッジ』とか。

 

ーー今はいいですね。そういう“教材”に手軽に触れられて。

 

横山：はい。テクノロジーをいろいろ駆使して勉強しました（笑）。