Speak emo
nuance「横浜の懐の深さとJ-POPが重なるのかなって思ってるんですよね」
「nuance」ってニュートラルな言葉じゃないですか(misaki)
ーー以前から取材させていただこうとしていたんですが、実はなかなか皆さんのことが掴めなかったんですよ。
misaki:と、いうのは?
ーー例えば音楽にしても、ファンクとかラウドロックとかに振り切ったものではなくて、いろんな要素が入っているじゃないですか。例えばライブでは、皆さんがガーンと盛り上げるのかというのではなく、ちょっと“平熱”な感じもして、とはいえ、終盤になると執拗に煽ったりする場面もありますし…。皆さんのキャラクターも“何キャラ”みたいなものがあるようなないような気がして…。どうも掴み辛らかったんですよ。ファンの方は掴んでらっしゃるんですか?
珠理:えぇ~?
わか:どうなんだろう?
misaki:ファンの方も掴んでいないと思います。
ーーそうですか。
misaki:私たちも掴んでないもんね。自分で自分を。
ーーそうですか。
わか:「何キャラだから、こうしなきゃ」とかがない。
ーーそもそもなんですが、nuanceというグループ名にはどういう意味が込められてるんですか?
わか:何だっけ。
珠理:忘れたな。
ーー何か“設定”みたいなものがあったんですか?
珠理:何だっけ。
misaki:もう完全に忘れた。何だっけ。
珠理:何だっけ。
わか:何だっけ…。
みお:なんか”ズレ”みたいなのなかったけ…。
珠理:差異がどうたらこうたらみたいな。
みお:微妙な違いみたいな感じで。
わか:微妙な差異が何だったのかがよくわからない。フランス語で、みたいな。
珠理:何だっけ。忘れちゃったね。
misaki:それは完全に忘れたんですけど、私の中では「どうとでも意味づけできる」って感じですかね。何かがっつり意味がある言葉だと、グループ名にイメージが引っ張られちゃいますけど、「nuance」ってニュートラルな言葉じゃないですか。だから便利だなって思って。自分ではそんな風に納得しています。
ーーなるほどね。僕なりにも思ったんですが、先ほど言ったようにちょっと掴みにくい。例えば、ダンスをガンガンにやるグループではないですけど、ダンスもとても特徴的で魅力的で、でも決して“ダンスグループ”ではない。ということは、それそのものじゃなくてあくまで“nuance”なんですよ。
一同:ふ~ん。
ーーそのものではなく、そこに差異がある、ズレたところがある、というか。それは「交わしている」みたいな感じもあって、どこか掴みにくい感じ敢えて出していて、そんな風に不思議に思っているうちに、いつの間にか引っ張り込むみたいな。そんな魅力があるんじゃないですか?
misaki:おぉ。でもなんか、さっきファンクとかロックとか決めているわけじゃないって言ってましたけど、私が思うのは、私たちがやっているのはやっぱり王道J-POP、王道歌謡曲なのかなっていう意識ではいますね。外からはそう見えていないのかもしれないですけど…。自分たちはJ-POP、ポップスかなと思っています。
ーーJ-POPというのはいろんな要素がありますから、方向性が一つに決まっていなくて、何でもできる。そこもある意味“掴みにくい”ですよね。
misaki:あぁ、そうですね。確かに。
ーーですよね?
みお:(うなずく)
ーー首だけでうなずいても原稿にしにくいんですが…(笑)。で、先ほど少しお話が出ましたが、ダンスも皆さんのセールスポイントの一つなのかなと思います。先ほど振り付けをされている浅野康之さんともご挨拶をさせていただいたんですが…。やはりそういった特徴的なダンスも自分たちの武器だと思いますか?
わか:“武器”というほどちゃんとできているかはわからないです。もっとカッコよく踊れたら武器になるかもしれないですけど。「ただ変わってるだけ」みたいになってるんじゃないかっていう不安要素はあります。
misaki:「変わってる」って、どういう風に「変わってる」?
わか:え? 変わってるよね。
misaki:言語化するのむずいよね。
ーー“nuance”でしか伝わらない。
misaki: うまい!
わか:一見ダサいようなポーズをカッコよくやるのがいい、みたいな?
ーーなるほど。それは楽曲にも言えるかもしれません。思いきり「カッコいい」に振れているのではなく、ちょっと昭和歌謡だったり、まあ「ダサさ」って言っていいのかはわからないですけど、そういった歌謡曲っぽい味もあったりして、ちょっとズラしている感があって。
一同:あぁ。
ーーそのへんにも微妙な差異があるんですかね。
misaki:振付けしてくださってる浅野さんは劇団の方で、劇団員の方が振り付けしてくれているということ自体、あまり他のグループでは聞いたことがないですよね。nuanceのファンで舞台とかをよく観ている方々からは「動きがちょっと舞台っぽいね」って言われます。私たち舞台に精通しているわけじゃないのでよくわからないんですけど。そういう風に見えているんだなって思いますね。
ーー椅子を使ったりもしていますよね。
misaki:あぁ、そうです。
ーーどうですか、そういう表現って難しいですか。
一同:難しいです。
misaki:めっちゃむずい。
ーー皆さんそれぞれ憧れていたアイドルだったり好きな音楽だったりがあると思うんですが、そういう人たちの振付けとはやはり違うなって感じますか?
misaki:私はもともとアイドルそんなに詳しくなかったけど、わかはAKBがずっと好きだったから、そういうダンスとか詳しいよね? 振りコピとかしてた?
わか:してた!
misaki:比べるとどう?
わか:う~ん。振りコピはしてたけど、ダンスの経験はなかったから…。難しいですね。体の型とか動かし方とか難しいです。
ーーでもそれがnuanceの魅力になっているという感じですよね?
わか:のかもしれないですね。
ーーあと、横浜っぽさってありますか?
わか:歌詞に横浜の場所の名前が入ってたりはします。
ーーマリンタワーとか。
わか:そうです。
ーー皆さん横浜に住まれているんですよね?
一同:そうです。
ーーたまに「住んでない」みたいなグループもあったりしますけど。
一同:住んでます。
ーーいわゆる“浜っ子”ですか?
misaki:浜っ子です。
ーー地元大好きですか。
misaki:好きです。好きです横浜!
ーー僕も横浜市民なんですが、もともとは関西人で、住んでいるのも緑区なのでいわゆる“横浜”は全然わからないんですが、皆さんも港に住んでいるわけじゃないですよね? いわゆる“パブリックイメージ的な横浜”というか…。
misaki:「みなとみらい」とかってことですか?
珠理:みなとみらいは住めないよ。
misaki:高いもん。
珠理:相当よ。
わか:タワマンみたいな。
-ー例えば、兵庫の人とか沖縄の人が横浜っていうものをイメージする時、あまり青葉区とか緑区じゃないじゃないですか。
misaki:あぁ。
ーーで、皆さんの曲には「マリンタワー」とか「ハーバー」といった歌詞が入ったりしていますが、決して、いわゆるご当地アイドルのように“パブリックイメージ的な横浜”を打ち出しているわけじゃないですよね?
misaki:そういうのもやろうとしているのかなぁ…。でも、う~ん。難しいな。
わか:そういう意識でやってはいないけど。
misaki:個人的になんですけど、横浜って、それこそ超懐深いなと思っていて。「みなとみらい」みたいにすごくお洒落なところもあるし、関内みたいに、外国人の方とかいろんな人がいて、いろんな職業あって、みたいな場所もあって、結構広いし雑多だなと思うんですよ。そんな横浜の懐の深さとJ-POPが重なるのかなって思ってるんですよね。私的には。
ーーおぉ、素晴らしい考察ですね。
misaki:ありがとうございます。なので、あからさまな地名は出ていなくても、そこは横浜なのかなって。私たちがJ-POPやっていること自体が“横浜”なのかなって思う。
ーーnuanceがやっているのはJ-POPであり、ある種“横浜”を象徴するようなものでもあり、そしてそれは、決して類型的な横浜ではなく懐の深い横浜だと。
misaki:はい。そうかなって私は思います。
わか:そうだと思います。
misaki:絶対思ってないでしょ(笑)。
わか:(笑)。
nuance ライブ情報
2020.03.10.(火)at 渋谷TSUTAYA O-EAST
naucen oneman tour “osu” tour final 【PEONY】
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 3,500 DOOR 4,000(+1D)
・チケット
https://eplus.jp/sf/detail/
nuance 商品情報
2019.12.18リリース
5th mini album『botän』
1.tsukeru(作曲:佐藤嘉風)
2.I know power(作詞・作曲:佐藤嘉風)
3.雨粒(作詞・作曲:yukiko / 編曲:佐藤嘉風)
4.ハーバームーン(作詞・作曲:佐藤嘉風)
5.Which ’s Witch(作詞・作曲:オレノグラフィティ / 編曲:佐藤嘉風)
6.ピオニー(作詞・作曲:志賀ラミー)
7.きっといつか(作詞・作曲:佐藤嘉風)