FEATURE

2022.04.25
d-girls

d-girls、最新アルバム『START!!』全曲解説第一弾! d-girls インタビュー・1

 d-girlsと言えば、オリジナル曲はもちろん。プロデューサーのdenchuが手がけたグループで歌った曲たちも多く歌い継いでいる。4月23日に会場/通販限定で販売したアルバム『START!!』は、d-girlsとして作った曲ばかりを集めた作品。本作について、メンバーが2回に渡り全曲解説をしてくれた。


アルバム『START!!』はd-girlsの歴史が詰まった作品。


――アルバムを発売するのは…。

杉本よしみ  Starving Trancerさんが手がけた楽曲をカバーしたアルバム『step forward』を昨年8月に出せば、2020年2月にはアルバム『Smile again -Remix-』、2019年5月にもベスト盤『d-girls'19』を発売と、実はコンスタントにアルバムを出し続けています。その前後に、シングルやリミックス盤も出しているから、毎年止まることなく作品をリリースし続けています。

瀬戸千花  d-girlsと言えば、オリジナル曲はもちろん。プロデューサーのdenchuさんが手がけたグループで歌った曲たちも多く歌い継いでいます。今回発売するアルバムの『START!!』は、d-girlsとしての8年間の歩みの中、新曲を中心に、これまでd-girlsとして歌ったdenchuさん制作の楽曲のみを集めた作品。そこが一つの色になっています。

――アルバム『START!!』へ収録した楽曲の中で一番歌唱年年数の長いのが…。

杉本よしみ  (2014年7月発売の)1stシングルの表題曲になった『Voyage』になります。

瀬戸千花  今のメンバーで、当時も在籍していたのはよしみだけですからね。わたしは(2014年11月発売の)2ndシングル『moment』からの参加でした。そう考えたら、アルバム『START!!』はd-girlsの歴史が詰まった作品にもなりました。


『natural』


――ここからは、アルバム『START!!』に収録した楽曲の解説をお願いします。1曲目を飾ったのが、フジテレビ系全国ネット「全力!脱力タイムズ」エンディングテーマにも起用になった『natural』。作詞を、千花さんが手がけています。

瀬戸千花  作詞自体は、『natural』で2作目になります。

百瀬めい  このときは「全力!脱力タイムズ」のエンディングテーマとして流れるオファーがあったから、番組のことも意識して作詞をしてたよね。

瀬戸千花  そうなんです。プロデューサーのdenchuさんから、フジテレビ系全国ネット「全力!脱力タイムズ」エンディングテーマとして流してもらえる話をまとめてきたから、そこに向けて前向きな歌詞を書いて」と最初に言われたんですよね。番組自体がニュース番組風だったからニュース報道が流れてくるのをイメージして、Aメロの歌詞に「嬉しい言葉 聞こえたり 悲しい言葉傷ついて」と書きました。同時に、まだ作詞をして間もない頃だった理由もあって、当時のわたしの伝えたい思いをダイレクトにぶつけた内容にもしてあります。

――そこ、具体的に聞かせてください。

瀬戸千花  今もわたしの気持ちの根底にあることですけど、「みんなと違ってていいじゃない」「今のままでいいじゃん」「自分は自分でしかないんだから、人と比べる必要はない」という意志や想いを『natural』には記しました。 
 アイドル活動をしているときのわたしは一切猫かぶりすることなく、素のわたしでみんなの前に立っています。そんなわたしを受け入れてくださっているのが、今のわたしのファンの方々であり、d-girlsファンたちになります。
  ご存じの方も多いですが、わたしはアニメファンのようにヲタク気質の強い性格。以前はキモい存在として扱われていましたし、そこを気にした時期もありました。だけど、それも含めてのわたしだし、そういうわたしをたくさんの人たちが認めてくれている。そういう想いも軸に据えたうえで、「一人一人が特別な存在なんだから、自分らしくいようよ。そんな君らしい姿も、わたしから見たら輝いた存在だから」という想いを『natural』には書きました。

百瀬めい  『natural』は、めちゃくちゃいい曲なんですよ。ただし、振りの難しさはd-girlsナンバーの中でも三本指に入るくらいの難しさ。だから、ライブ中のダンスは大変です。ファンの方々でも『natural』を「好き」と言ってくださる方が多いから、ライブでやると好評です。

斉東由奈  『natural』のMVを制作するため、d-girlsとして初めてクラウドファンディングにも挑戦しました。あの当時は、MV制作ではまだ珍しかったドローンを使って撮影。その映像も観てください(https://www.youtube.com/watch?v=2sLrG6FKgN4)。


『trust me』


――『trust me』は、由奈さんが作詞を担当しました。

斉東由奈 わたしが初めて作詞を手がけた曲になりました。歌詞を書く場合、聞いた方に共感していただくことも大事ですけど。このときは初作詞という理由もあって、自分の気持ちを一番に出しながら書きました。

――ネガティブな感情も見せてゆくけど。でも、しっかり未来を見据えているところも特色だと感じました。

斉東由奈 わたし自身、落ち込みやすいネガティブな面も持っています。しかも飽き性だから、同じことをずっと続けてゆくこともできない性格でした。そんなわたしが、時に落ち込むことがあっても、ずっとd-girlsのメンバーとして続けているのは、ファンの方々や、メンバー、スタッフさんたちの支えがあったからこそです。でも一番は、わたし自身が折れない心を持てるようになったこと。今でもネガティブな気持ちへ陥ることはあります。でも、「強くいたい」ポジティブな気持ちにもなれれば、しっかりと前を向いて進みたい自分でいることができる。そんな、当時のわたしの感情を『trust me』には書きました。

百瀬めい わたし、d-girlsの楽曲の中で、『trust me』が三本指に入るくらい大好きです。振付も、トラックも、歌詞もめちゃくちゃ好き!『trust me』は格好いい系の楽曲。とくに、セクシーさも折り込んだ格好いい振りは、ぜひライブで見てもらいたいです。

杉本よしみ 『trust me』のダンスは格好いいけど、そのぶんとても難しくて。わたし、初めて映像の再生速度を落として、それを見ながら振りを覚えたほどでした。振りでは細かい動きも多く見せているから、そこにも注目してください。

斉東由奈 よしみさん、この曲でのツインヴォーカルの組み合わせに嫉妬してましたよね。

杉本よしみ そう。この曲は、千花ちゃんと由奈ちゃんのツインヴォーカルなんですけど。由奈ちゃんが歌うことが先に決まってて、わたしが由奈ちゃんの相談に乗りながら歌い方のアドバイスをしてたんですよ。だから、てっきりわたしが一緒に歌うのかな…と思っていたら、denchuさんが千花ちゃんを起用したから、「あれ??わたしじゃないんだ!!」と、あのときは嫉妬心も覚えました(笑)。


『Monopolize』


――次は、めいさんが作詞を手がけた『Monopolize』になります。

百瀬めい  わたしの初めての作詞曲でもあるんですけど。それ以上に、百瀬めい生誕祭のときに、わたしが歌うことを前提にdenchuさんに作っていただいた楽曲だったのが、すごく嬉しかったんです。
  それまでにも、わたしがリードを取る楽曲はありましたけど。今までは、先に歌っていた方がいて、その楽曲をわたしが受け継ぐ形ばかりでした。しかも、わたしは「2021年の目標は作詞をすること」と掲げていたことから、百瀬めい初のメイン曲であり、初の作詞曲という夢が『Monopolize』で一気に叶いました。ただし、作詞にはめちゃめちゃ苦労しました。あの当時は何を書こうか悩みすぎて、そのことばかりを考えながら、数時間歩いて家路に着いたのも覚えています。

――歌詞に込めた想いも、ぜひ聞かせてください。

百瀬めい  d-girlsには、あまり恋愛系の歌がなかったのと、わたし自身が独占欲の塊みたいな性格だから、独占欲剥き出しの歌詞を書きたいなと思いました。わたし、アニメヲタクなんですけど。自分が大好きな作品に登場するキャラクターのことを思いながら書きました。

杉本よしみ  わたし、自分の中にはそれまでなかった感情だったからか、めいちゃんの書いた「愛しさが 捻れてく」という歌詞がすっごく心に残ったし、めいちゃんの表現力ってすごいなと思った。

瀬戸千花  わたし、格好いい曲調や恋愛系の歌詞の内容も含め、「乙女系作品の主題歌みたい」と聴きながら感じてた。

百瀬めい  その言葉、嬉しい!!裏情報として伝えると、『Monopolize』のレコーディング日にものすごいプレッシャーを感じ、緊張しすぎた中で何とか乗り越えたのもあったのか、翌日、胃腸炎になりました(笑)。ほんと、いろんな意味で思い出深い楽曲です。


『Distance』


――こちらは、よしみさんが作詞を手がけています。

杉本よしみ この歌詞のタイトルへ、『Social Distance』と名付けたいくらいでした。今も、いろいろ制限や制約は多いですけど。一時期は、本当にお客さんがライブ会場に足を運ぼうにも運べない環境があれば、「無観客ライブ配信」も経験しました。お客さんを目の前にしてライブができない状況が続いているときは、ステージに上がっても、いつもなら目の前にいる人たちが誰もおらず、「あの人もいない、この人もいない」と寂しかった想いも感じていました。その当時の気持ちを、『Distance』には素直に書いています。恋愛風にも捉えられる書き方をしているから、そこは、聴く方それぞれ自由に受け止めてもらえたらなと思います。

――『Distance』は雄大な楽曲のように、これまでのd-girlsとは異なる魅力を発揮しています。

杉本よしみ  めちゃくちゃトランス/エレクトロな格好い曲に仕上がりました。ただ、わたしに明るい歌ではなく、こういう楽曲の歌詞がまわってくるのは嬉しい驚きでしたね。

百瀬めい  この曲はダンス面でも見せるパフォーマンスの多い曲だから、好きです。

瀬戸千花  『Distance』のイントロを聞いたときから、ライブに於ける照明の照らし方のイメージなどいろいろアイディアが沸いてきました。機会をいただけるなら、そのイメージを膨らませ、格好いいMVも作りたいです。

杉本よしみ  『Distance』は、メンバーの「指名動員1位を手にした人に曲を提供します」という企画で1位を取って作っていただけた楽曲なんですね。だからこそ余計に、「寂しいよ」というみなさんへ向けての気持ちが歌詞に出てしまったんでしょうね。


『stream』


――『stream』の歌詞は、千花さんが手がけています。

瀬戸千花  わたしが初めて作詞をしたのが、『stream』でした。当時、「作詞をお願い」とプロデューサーのdenchuさんに言われ、それが嬉しかったし、ありがたい話だと思ったんですけど。それまで歌詞を書いた経験がまったくなかったから、そもそも作詞の仕方がわからない状態(笑)。
  わたし、自分で文章を書くのは好きですけど。書いた文章を誰かに見せたり、まして、それを人前で読まれるなんてすっごく嫌でした。『stream』の歌詞は、書いた内容をよしみに添削してもらいながらまとめあげたんですけど。「これを全部わたしが書きました」と言うのに恥ずかしさを覚えていたことから、「作詞をしたのはわたしだけど、よしみも手伝ってくれたように、自分だけで書いたんじゃないぞ」みたいな、変な建前を作って人に言ってた思い出もあります。

杉本よしみ  わたしは、千花ちゃんが書いた歌詞を、うまくメロディーに当てはめてくお手伝いをしたくらいだったけどね。

瀬戸千花  メロディーを聞いたときに「ここは、同じ言葉を繰り返してほしいんだろうな」という意図が伝わってきました。だけど当時は変な反発心もあったのか、求められているのをわかりながらも、あえて繰り返しを使わずに書いたんですよ。そうしたら、「ここのメロディーの部分は同じ言葉を繰り返してくれ」と言われ、それで「きっときっと」「もっともっと」など、繰り返しの言葉も多用する歌詞にしました。個人的には、「強い風は雲を 動かし 晴れ間見え いつかは きっと」の歌詞を気に入ってます。

斉東由奈  d-girlsの振付って、いつもyuko先生にお願いをしています。でも、この曲の振付は違う方が担当しました。何時ものd-girlsの振りとはひと味違う振りにも注目してください。

杉本よしみ  けっこうスタイリッシュな感じだからね。


『destination』


――『destination』の歌詞を書いたのが、由奈さんですね。

斉東由奈  『destination』は、わたしの生誕祭のときに発表した歌になります。そういう背景もあったから、いつもライブを通して応援してくれているファンの方々への感謝の気持ちを歌詞に乗せました。
  自分のことを書いた『trust me』とは違って、『destination』は完全にファンの方々へ向け、ステージに上がったときに湧き出る気持ちを書きました。結果、わたしからファンの方々へ向けた手紙のような内容にもなりました。

崎山サラ  『destination』は、とにかく歌詞が素敵なんです。ただ、歌メロが多いからずっと歌いっぱなしだし、歌詞の量も多いから、由奈さん、ライブで歌うの大変そうだなといつも思ってしまいます。

斉東由奈  歌うのも大変だけど。悩みに悩んで書いた歌詞だったから、生み出す作業も大変でした。そのぶん思い入れも深くなれば、しっかりと手応え覚える内容にも仕上げられたので満足しています。ぜひ、じっくりと歌詞も読んでください。

――続いてが、 『only once』になります。

杉本よしみ  この曲は…。 


(2回目へと続く)

TEXT:長澤智典
 

<インフォメーション>

ジャケット
アルバム『START!!』
d-girls
発売日 2022/4/23
価格   3,000(税別)
品番 : FDCD-0020
発売元 フューチャードライブ株式会社

d-tranceから始まる数々のユニットの楽曲を引き継いできたd-girlsですが、今回のアルバムは
d-girlsとして書き下ろされた楽曲のみで構成されたオリジナルアルバムとして発売になります。
正規メンバーとして昇格した崎山サラは、ジャケット初登場!

曲目
1.natural
2.trust me
3.Monopolize
4.Distance
5.stream
6.destination
7.only once
8.Dream on
9.moment
10.START!!
11.Voyage

SNS

https://d-girls.info/
https://twitter.com/d_girls_FD
https://www.youtube.com/channel/UC8euxj6m45YadeM7MpEcyHA?app=desktop
 

 

特集FEATURE

FEATURE
最新記事更新日 2024.03.29
ガルポ!ズ LIVE レポ
最新記事更新日 2024.03.21
ガルポ!ズ INTERVIEW