FEATURE

2021.10.30
Risky Melody

Risky Melody インタビュー:アルバム「ESPERANZA」を聴いてくれた人たちは、ESPERANZA号へ乗り込んだ仲間の一人。みんなをRisky Melodyが希望輝く未来へ連れ出すから。3回目!!!

Risky Melody インタビュー:アルバム「ESPERANZA」を聴いてくれた人たちは、ESPERANZA号へ乗り込んだ仲間の一人。みんなをRisky Melodyが希望輝く未来へ連れ出すから。3回目!!!

 バンド結成から7年半以上が経過。第二期Risky Melodyとなり、現在のメンバーになってから数えて3年半強。現体制として初となるアルバム「ESPERANZA」が完成した。希望というタイトルに相応しい、ここには未来へ向かう自分たちの意志を記した曲たちを多く詰め込んでいる。
  Risky Melodyはアルバムの発売日となる11月3日に渋谷CLUB QUATTROで行う主催公演より、このアルバムを北海道から沖縄まで届けに行こうと全国各地を駆けまわる。ファイナルは、2022年1月11日の渋谷CLUB QUATTRO公演。この日は、アルバム「ESPERANZA」が入場チケット変わりになる。つまり、アルバム「ESPERANZA」を会場に持参すれば無料になる(会場でもアルバムを発売)。
  Risky Melodyが今、どんな強い意志を胸に活動しているのか、アルバムの全曲解説を含め、彼女たちの言葉をお届けしたい。

(1回目はこちらから)
(2回目はこちらから)


「未来への地図」
Risky Melodyの場合、「戦う」歌詞が多い中、「未来への地図」は「戦わない」歌です(笑)。


――ここから、表情は一気に変わります。 

ALICE 「CLAZY LOVE」に続いて「未来への地図」が流れると、「同じバンド??」と疑ってしまうくらいガラッと表情が変わりますからね。でも、ここから曲調が多様化してゆくところも、アルバム「ESPERANZA」の魅力です。
  今回の曲順は、アルバムのセットリストを作るような気持ちで組み立てました。それこそ、クレイジーな気持ちになって心を解き放てたからこそ、未来を感じれるような…。「REBOOT(再起動)しよう」と言いながら激しい楽曲でどんどん聞き手を翻弄し、そのうえで「未来への地図」を通して未来を作ろうと呼びかけてゆくような…。
  この楽曲は、AYAちゃんがRisky Melodyと並行してやっているHONEYBEEの世界にも繋がる表情。AYAちゃん自身も明るく真っ直ぐな子だし、HONEYBEEの楽曲に描き出している耳心地好いメロディーって、AYAちゃん自身の姿にも強く重なるように、そういう曲もRisky Melodyの中にあってもいいだろうと思って作りました。しかもこの楽曲を発表したのが、AYAちゃんがアイディアを出す担当のワンマンの日。そういうのも加味したうえで、「未来への地図」が生まれています。

HaRU  最初デモ音源を聴いた時、正直間違えて送られて来たのかなって思ってしまうくらいポップでびっくりしましたね(笑)

AYA  第二期Risky Melodyになって以降、シングル「Diamonds」のC/Wに2曲ポップな曲調を入れてましたが、それ以降は、歌詞も、曲調の面でも、ポップな表情から離れていってました。そんな中で生まれたのが、とてもJ-POPのノリに近い「未来への地図」でした。Risky Melodyの場合、「戦う」歌詞が多い中、「未来への地図」は「戦わない」歌です(笑)。

ALICE  この曲を作っていた頃はまだコロナ禍前で、「きっと素敵な未来が待っている」と私たちも希望を持って歌っていたんですけど。この曲を出してまもなく世の中がコロナ禍になってしまい、未来がなくなってしまいましたからね。だから、また戦い始めたんだと思う。(笑)

Asumi  まさに、そういう流れになってしまいました。

ayae この曲の歌詞が、今聴くと昨年を表しているようで、聴くタイミングによって感じ方が変わる面白さを感じて貰えたらと思います。

ALICE  ちょっと皮肉な捉え方にはなるけど。世界中が大変な状況へ陥ったからこそ、「未来はある」とこの歌を通して想いを伝えゆく楽曲に変われたなと言いますか。今もまだ未来がはっきりとは見えてない世の中だからこそ、「未来が見たい」と思える曲になったなと思います。


「Missing Man」
いまだに閉塞した時代ですけど、同時に、物凄い速度で物事や価値観が変わっている時代でもある。そういう今の世の中を「心の行方不明者」を題材に、皮肉混じりに言葉にしたのが「Missing Man」です。


――続く「Missing Man」も、これまでのRisky Melodyにはなかった新しい表情を持った楽曲として胸に届きました。

ALICE 「Missing Man」は、ダンスミュージック的な要素も持った楽曲。でも、歌のメロディーはちょっと歌謡曲っぽい要素も持っています。ギターのリフメロも、ちょっと懐かしさを感じさせますしね。タイトルへ「行方不明者」と名付けたように、今の時代の中、自分の居場所を失っている人たちが多いようにも感じれば、心に抱えているフラストレーション、そんな心の様さえも歌詞には詰め込みました。嫌なことを忘れるために家でお酒を飲んだり、新たな趣味を探して部屋の中で没頭したり、そうやって過ごしながらも、いまだ現実は戻ってこない。そんな憂鬱な感情をここには書きました。
  あまり憂鬱な歌詞を書くことはないんですけど、今も、まだまだ鬱々とした感情を抱えている人たちが世の中にはたくさんいます。わたし自身もそういう体験をしてきたし、今のまま過ごしていたら、自分だけ時代に取り残されてしまうんじゃないかと感じたこともありました。それは、今も感じること。確かにいまだに閉塞した時代ですけど、同時に、物凄い速度で物事や価値観が変わっている時代でもある。そういう今の世の中を「心の行方不明者」を題材に、皮肉混じりに言葉にしてみました。

HaRU  REBOOTもそうでしたけど、最近作った曲は結構皮肉が込められてますよね(笑)そういう意味でそれをどう表現するか私も迷走しまくってました。

Asumi  「REBOOT」や「Jealous Heart」を打ち出したときにも、新しいスタイルを提示していたから「おぉっ!!」と気持ちが騒いだんですけど。「Missing Man」では、さらに違う新たな方向性を打ち出してきたから、また「おぉっ!!」という気持ちになりました。

ALICE  「Missing Man」は転調もすごく多ければ、あえてスタイリッシュさとは逆のベクトルへ向いた要素も掛け合わせるなど、短い曲の中へいろんな要素をギュッと詰め込んだ、とてもボリューミーな楽曲だからね。途中に、マリオがゲームの中で大きく飛び跳ねるようなキャーンいうコインを使って出したみたいな音が入ってるんですけど。その音が、曲の中で大きなアクセントにもなっています。他にも、細かい音の遊びをいろいろ入れてるように、ぜひ、そこを探ってください。

Asumi  自分たちでも、ちょっと迷走しながら作ってましたね。

ALICE  タイトルからして迷走しているからね(笑)。

AYA  曲調も、歌詞も今までにはなかったスタイル。こういう挑戦的な楽曲を作れたのも、良い意味で可能性を広げてくれたなと感じています。

ayae  ちょっと気怠い感じで、遊び心を持たせつつ、今までにはないドラムのアプローチをしていっている曲です。


「My Story」
「My Story」は聴いた人が「懐かしい」という感覚を覚えてほしいなと思って作ったように、耳触り良く温かい楽曲を目指して作りました。


――「My Story」の中で繰り広げたラップも、なかなか新鮮でした。

ALICE  この曲は、ayaeちゃんが得意とする打楽器、しかも民族楽器の持つ音の温かさを、楽曲自体にも温かさを持って反映した作品。アルバム曲の中では、声を張った強めの歌声が多いですけど。地声は意外と柔らかいように、地声に近い雰囲気で歌っています。この曲は、聴いた人が「懐かしい」という感覚を持って欲しいなと思って作ったように、耳触り良く温かい楽曲を目指して作りました。

ayae ドラムを叩かず、パーカッションでリスメロのライブをする日が来るとは、、、当初思ってましたね。
コンガで表現出来る雰囲気を大事に、ウィンドチャイムなどでアクセントをつけていきました。
これを機に、これからも色んなサウンドを取り込んでいけたらなと思います。

Asumi  Risky Melodyの楽曲の中、初めてアコースティックギターを用いて演奏した曲になりました。ラップも活かした温かいギター演奏も心がけています。

HaRU  わたしは結構激しく攻撃的な曲を好んでいましたが、そんな人でも心地よく感じる曲になったかなと思います。

ALICE それまであまり強調してこなかった柔らかい歌声を、しっかりと使いだしたのが「My Story」からになります。とくにこの曲は、いろんな歌声や歌い方を活かした曲になりました。よーく聴いてもらえたら、後ろのほうでうっすらと声質を変えて歌っていたり。いろんな表現のニュアンスを付けているように、そこも味わっていただけたらなと思います。

AYA  他の曲でもそうだけど、歌声で曲の中へいろんな表情を付けていますよね。

ALICE  たとえば、リズムとシンクロした形で響くちょっとした吐息なども含め、収録した曲たちの中、いろんな表現のアプローチにしています。

AYA  今回のアルバム制作を通して感じたのが、コーラスの種類の多さです。1曲の中、その楽曲に合う歌声をいろいろ詰め込んできたのには、同じメンバーでいながら驚かされたといいますか。それこそ、ゾンビのような(笑)歌声でコーラスを入れるなど、細かく聴くと本当にいろんなことをやっています。そこは、ライブでは絶対に味わえない魅力だからこそ、ぜひ音源を通して味わってもらいたいなと思います。

ALICE  楽曲によっては、1曲の中へ10人の私がいたりしますからね。そこへ、メンバー4人が、それぞれ自分を増やしながら(笑)演奏しているから、曲によっては参加人数がすごいことになってます(笑)。


「2020」
「2020」のタイトル通り、2020年という世の中の状況を音楽に残したい気持ちを持って作った楽曲でした。


ALICE  タイトル通り、2020年という世の中の状況を音楽に残したい気持ちを持って作った楽曲でした。じつをいうと、最初は違うテーマで楽曲を仕上げる予定でした。それがコロナ禍へ入ったことにより、書きたかったテーマとズレてしまったことから、作業を中断。コロナ禍の中、自分たち自身がいろんな模索した活動を続けていく中、どうしても「今の時代(2020年)」を音楽に記録したいと思ったときに、再びこの曲とも向き合って、タイトルも、テーマも、歌詞の内容もすべて変えて作り上げたのが「2020」になります。
  Risky Melodyというバンドが何時まで続くのか、それは正直わからない。でも、10年後どころか、20年後や30年後の活動の中、「2020年のRisky Melodyはこんな時代の中で生きてたんだ」というのを振り返れたり、その時代にRisky Melodyの音楽を聴いてくれている人たちに、「そんな時代があって、今があるんだ」というのを知ってもらえたらなと思って、この曲を作りました。何より、「今を形にしたかった」気持ちが心を一番突き動かしました。
  この「2020」を通してRisky Melodyとして発信したかったのが、「君と一緒にいることで自分は生きていることを感じれてる」想い。その「君」がファンのみんなであり、一緒にこの時代を生きている人たちみんなであったり。コロナ禍以降、人と人との関係性が薄くなりだした。そんな世の中に対して、「一番大事にすべきなのは"君と一緒に生きてく(歩む)こと"だろう」と言いたくて「2020」を作りました。
  この曲が生まれたのは2020年というコロナ禍の中でしたけど。ここへ記した想いは、いつの時代でも必要とされること。タイトルへ「2020」と名付けましたが、どの時代に触れ、その年の年号を付けても、変わらぬ想いを感じてくれる歌になったらいいな思います。


HaRU  ワンマンツアー残すは福岡と東京だけというところで延期を余儀なくされてしまって、延期になった福岡ワンマンで発表されたものなのですが、あの1年のことはきっとずっと忘れないと思うし、今でもライブでこの曲は気持ちが高ぶってしまいがちです(笑)繊細で熱いこの曲はとても伝え方が難しいですが大変な思いをした人みんなに聴いてほしく、なによりも音源になるべき曲だと思います。

Ayae  2020年の最後の日、MVをこの曲だけ出しました。2020年に起こった事を何度でも思い出せるように。
この曲は、自分を初心に戻すきっかけになった曲の1つでもあります。
目まぐるしく過ぎていく先の見えにくい日々の中で、たまにこの曲を聴いてみてもらえたらと思います。

Asumi  私はこの曲では「2020」ともう一つ、「2011」もテーマにあります。
私は宮城県出身で、私のまわりには原発事故で地元に住めなくなって引っ越してきた友達も、家族がいまだ行方不明の友達もいました。人と人との繋がりについて思うことは、今も多くあります。それと同じ意識で、私は「2020」も受け止めています。

ALICE  今もそうですけど、2020年はとくに、今まで当たり前だと思っていたことが、けっして当たり前じゃなかったんだというのを、みんなが等しく体感してきた年でした。だからこそね。
「2020」もコーラスなどは多く入れてますけど演奏自体は余計な飾りを取り、歌声と歌詞とメロディーで、本当に伝えたい想いをしっかり伝えることに終始して作りました。とてもシンプルな楽曲だからこそ、歌詞の中へ詰め込んだ感情が、より明瞭に伝わると思います。伝えたい想いを、Asumiのギターも同じように旋律を通して語ってきた。「2020」は、その想いを歌とギターが語り合う楽曲にもなりました。

Asumi  ギターソロでも、私なりの言葉をフレーズに乗せながら弾いています。どんな言葉かは、、、秘密です。

(4回目へ続く)


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


誰もが多くの失意を味わった2020年。
あらゆるものを飲み込んで行く波のような出来事。
未来はだれにも分からない。希望の光はきっと皆の心の中に。

The night is long that never finds the day.
明けない夜はない。

必ず来るであろう未来に向けて、Risky Melodyからのメッセージ。
 
『共に荒波に抗おう。
もう一度立ち上がる力をこの歌で。』
 
 
Risky Melody3年半ぶりのフルアルバム「ESPERANZA」、遂に完成!
 

JKT

Risky Melody New album
「ESPERANZA」

2021.11.03 on sale
発売元:MAGNIFIQUE RECORD
販売元:コロムビア・マーケティング株式会社
価格:¥3,000(税抜)                                    
▼収録曲▼
 
1.REBOOT
2.It’s OK
3.Jealous Heart
4.CRAZY LOVE
5.未来への地図
6.Missing Man
7.My Story
8.2020
9.YOZORA
10.Esperanza



LIVE

【TOUR SCHEDULE】

11/3(水祝)東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
11/6(土)栃木・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 2/3(VJ-4)
11/7(日)千葉・柏ThumbUp
11/13(土)沖縄・コザRemy’s
11/14(日)沖縄・那覇Output
11/19(金)東京・MINI ONE-MAN LIVE
11/20(土)下北沢サーキットライブ
11/23(火祝)大阪サーキットライブ
11/23(火祝)大阪・Bigtwin Diner PANHEAD GROOVE
11/27(土)神奈川・Thunder Snake ATSUGI
11/28(日)宮城・仙台MACANA
12/1(水)東京・MINI ONE-MAN LIVE
12/4(土)北海道・札幌PIGSTY
12/5(日)北海道・札幌LIVE HOUSE Solid
12/11(土)愛知・今池GROW
12/12(日)大阪・Bigtwin Diner PANHEAD GROOVE
12/13(月)大阪・MINI ONE-MAN LIVE
12/15(水)東京・赤羽ReNY alpha
12/18(土)福岡・LIVE HOUSE OP’s
12/19(日)福岡・graf
12/19(日)福岡・MINI ONE-MAN LIVE
12/21(火)広島・CAVE-BE
12/22(水)愛媛・松山SALONKITTY
12/26(日)東京・MINI ONE-MAN LIVE
12/29(水)東京・青山RizM

▶️TOUR FINAL ONE-MAN LIVE◀️
2022/1/11(火)東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO


 

■メンバー

アー写
ALICE


アー写
ASUMI


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