FEATURE

2020.12.28
寺嶋由芙

寺嶋由芙 NEWシングル&アーティストブック発売記念インタビュー「どんどん新しいゆっふぃーを見せていきたいです!!」前編

世の中のあり方が変わった2020年。寺嶋由芙も、前所属事務所を退所し環境が大きく変わった。そんな中、新たな試みへ進もうとする彼女へ、NEWシングルの制作秘話や1stアーティストブックへの想いを語ってもらった。

前編は、豪華制作陣によるNEWシングル「みんな迷子/あたらしいわたし」について聞いてきた!

 

日本語が美しく聞こえる曲になってます。

 

 

ーー12/16に発売になった新曲より「みんな迷子」について、お聞かせください。

 

寺嶋:この曲は作詞が松井五郎さん、作曲編曲は山川恵津子さんと豪華な方々に作ってもらいました。私は「古き良き時代から来ました」と自己紹介をしてますが、それがいよいよカタチになったと思います。

 

ーーお名前を見たときには、びっくりしました!

 

寺嶋:そうなんです。すごい方々が手掛けてくださって、ありがたいです。さらにはレコーディング現場にも来てくださり、一緒に作った感じが強く、個人的にも背筋が伸びる曲をいただいたなと思ってます。

 

ーー「みんな迷子」の作詞作曲を発表したとき反響はどうでしたか?

寺嶋:私のことを応援してくれている方々には、どんぴしゃ世代な人が多かったと思うんですけど、それ以上の広がりが見えて、(松井さん、山川さん)お二人のファンの方が気づいてくださり、すごくうれしかったです。

 

ーー曲をいただいたときの印象はどうでした?

 

寺嶋:まず歌詞をいただいて、すごくきれいな歌詞だなって思いました。ちょっと大人な恋を感じつつも、ピュアな気持ちで恋している大人の初恋というか、大人になってから、本当に今までと全然違う恋をしてしまったぞ、みたいな、そういう曲だと思います。そこがすごくアイドルとして大事にすべき、ピュアさみたいなところを感じて、うれしかったです。

 

ーー実際に歌ってみてどうでしたか?

 

寺嶋:めちゃくちゃ難しかったです。光栄なことに仮歌とコーラスを山川さんご本人の声でいただいて、すごく柔らかい歌声の方なので、なるべくその雰囲気で私もこの曲を歌いたいなと思って、練習をしてたんですけど、実際レコーディングに行ってみたら「仮歌通りに歌唱するよりに引っ張られるよりも、もっと力強く芯がある感じで歌ったほうが似合う」と山川さんに言っていただいて、歌い方をレコーディング中にガラっと変えて、声を張る感じにしたら逆に良くなったんです!そういう歌唱アプローチを試しながら、松井さんと山川さんにアドバイスいただきながら、作っていきました。

 

ーーまさに一緒に作り上げた作品なんですね。

 

寺嶋:本当に難しい曲だったので、作ってくださった方々のイメージを直接聞きながらレコーディングできたのがすごくありがたかったです。

 

ーーお二人に言われて印象に残ったことはありますか?

 

寺嶋:私、普段は滑舌が良くない方なので一生懸命、一言一言の言葉をハキハキ歌唱するように心がけていたのに対して、山川さんに「今回は別のアプローチをしよう」と言っていただいて。

例えば『この真水に落ちたインク』の「ク」はほぼ発声しないで、『気持ち半分隠してぼんやり』は「て」と「ぼ」を一緒に歌う気持ちでレコーディングをしようってなって、私にとってはあたらしい歌唱法を細かく教えていただきました。

松井さんも作詞の方なので、歌詞は、はっきり歌ってと言われるかなと思いきや「日本語かどうか分からないくらいの発音だといい感じに聞こえる」と言っていただきまして。

 

ーー面白い。

 

寺嶋:『心に従えば』は、「えば」じゃなくて英語の「EVER」って感じなど、すごく具体的にお二人とも指示をくださり、それはライブでも思い出して歌うようにしてます。

それによって、今までの私の歌とちょっと違う一面を表現できたと思ってて、本当に「新しい寺嶋由芙」ができたと感じました。自分だけでレコーディングしてたら、多分今までのゆっふぃーが難しい歌に挑戦しましたで終わっちゃったと思うのが、お二人のおかげです。

 

ーー歌詞やメロディの音の流れもあるのですかね?

 

寺嶋:歌詞で「迷子」っていうところが大事だっていうのを山川さんが読み解いて、そして「迷子」がちゃんと立つような譜割にしてることや、松井さんも書いてらっしゃる時点で、言葉の流れが聞いたときにきれいになるようにっていうのは意識されてたそうです。それをさらに山川さんがどうやって乗せたら、母音が揃うとかちゃんとすごく計算して作った曲だからとおっしゃってました。

 

ーー見えないこだわりがあるんですね。

 

寺嶋:しゃべっているときと同じリズムで歌えるから、日本語が美しく聞こえる曲になってて、とっても素敵な楽曲を頂きました。

 

みんな迷子 (Official Music Video)

 

ーー続いてMVについて、完成されたのを見て率直にどうでしたか?

 

寺嶋:これも「新しいゆっふぃー」だ!って

 

ーー(笑)

 

寺嶋:今まで笑わないMVがあまりなくて、”ニコニコ”アイドルらしさがあるのが多かったんです。ソロなので、ずっとカメラに抜いてもらえるから、いつもカメラ目線でにこにこしてるんですけど、今回はカメラをほぼ見ないで、自分一人で踊ってる様子を撮る。アップのシーンもニコニコしたり、手振りとかでごまかさずに、もう視線だけでうったえるみたいな映像だったので難しかったです。

今までは、ちょっと手振りを入れたりとか、歌詞になぞらえて動きをつけてみたり、ときにはウィンクなんかしてみたり、いろんな要素を入れて遊べたんですけど、今回はもうただまっすぐカメラを見て、何なら首も振っちゃだめみたいな感じでした。

 

ーー90年代アイドルは、そういうパターン多かったですね。

 

寺嶋:そうなんです!なのですごく懐かしい雰囲気が出たんじゃないかなと思います。

 

ーーほぼ、踊ってましたね。

 

寺嶋:ライブでも踊る振付ダンスなんですが、カメラを見ずに、好き勝手に縦横無尽に部屋を踊ってくれっていう演出だったので、結構向きとか視線とかはあえてぐちゃぐちゃにしてます。

 

ーー感情を体で表現してるように見えました。

 

寺嶋:そう見えるといいなあと思って踊ってました。

 

ーー踊りのシーンの撮影は大変でしたか?

 

寺嶋:撮影は、シュールでした(笑)暗い部屋で一人で何カットも踊って、画角が限られてるので何回も何回も踊ってるんです。もう本当にかなりの時間、ダンスシーン撮ってました。

 

ーー景色もすごく綺麗なお部屋でしたね。設定は港町でしょうか?

 

寺嶋:そうですね。ちょっと異国情緒がある町というか、大人な町な感じで撮影したのですが、「みんな迷子」の楽曲の世界観にもとってもマッチしていると思いました。

 

あくまでも、新しくなったゆっふぃーにお願いしますと気持ちでした。

 

 

ーー続いて両A面のもう一曲「あたらしいわたし」についてもお聞かせください

 

寺嶋:はい。こちらは、私が、ただのファンなんですけど、作家の加藤千恵さんに、「わたしになる」という曲を2016年に歌詞を書いていただいたことがあるんです。当時もその曲にすごく励まされたんですけど、このコロナ禍で、私もそうだし、オタクのみんなも「わたしになる」を聴いて頑張ってるよ!みたいな声をたくさん聞いて、何となくそのときの気持ちを思い出すような年だなと思っていました。それで加藤さんと宮野さんの「わたしになる」と制作してくれたお二人に、今のゆっふぃーを重ねるような曲を書いていただけたらと思ってお願いしました。

 

ーー「わたしになる」は印象的でしたね。

 

寺嶋:ありがとうございます。この曲のおかげで広がったものはいっぱいあったと思います。いろいろ実験を重ねた結果、たどり着いた王道みたいなところが「わたしになる」にはあって、そこで一つ自分の好きなものが見えたというか確立できました。だから、演歌もできるし、音頭もできるし、ゆるキャラの曲もできるしみたいな。その芯になるものを「わたしになる」でもらいました。そのイメージで、自分もこの新しい環境になり、世の中も不安げなこの時期に、また芯になるものが欲しくなって、お二人にお願いしたんです。

 

ーー実際に「あたらしいわたし」が出来上がった時は?

 

寺嶋:もう最高!って感じで、めちゃくちゃ気に入ってます。私もだし、作ってくださってる方も、スタッフさんもテンションが上がる曲をいただいたね!ってよく話してます。

 

ーーそれは「わたしになる」があったからなんですかね?

 

寺嶋:あったからだと思います。だからといって続編のつもりで加藤さんにお願いしたわけではなく、あくまでも、新しくなったゆっふぃーにお願いしますと気持ちでした。私、デビュー曲の「#ゆーふらいと」が、過去を引きずらないタイプの出発の曲だったのですけど、今回のは、過去をちゃんと引き連れて進む、大人になりましたな曲なので、そういう感じが伝わるといいなと思ってたら、もう本当にばっちりの歌詞をいただきました。

 

あたらしいわたし(Official Music Video)

 

ーー「あたらしいわたし」もMVを撮られたのですか?

 

寺嶋:はい。実は「みんな迷子」と「あたらしいわたし」同じ日に撮ってまして、同じホテルの部屋だし、同じ町なんですけど、全然印象が違う。昼と夜っていうのもあるんですが、お昼の明るい雰囲気で、新しい私が1日を過ごしてる様子が見られこちらはカットなしで撮っていて、ずっとカメラが追いかけてカット割りがないのがすごく新鮮に見てもらえるんじゃないかなと思います。

 

ーーこういう撮影は始めてですか?

 

寺嶋:初めてやりました。カット数をいっぱい分けて撮るときより、もう一発撮りなんで、撮れちゃえばOKだから(笑)。意外とスムーズで楽しかったです。

 

ーー「あたらしいわたし」の寺嶋さんは、笑ってます?

 

寺嶋:こっちの私は、すごい笑ってます。ゆっふぃーが新しくなって、ご機嫌な感じになってます(笑)

 

ーー「あたらしいわたし」はどんな曲なんですか?

 

寺嶋:ミディアムテンポで、気持ちを明るくしてくれる曲です。歌詞もそうだし、曲調も気持ちが明るくなる、新しいことが始まる感じがするので、すごく元気出る曲になってます。

 

ーーライブのときのお客さんの反応はどうでした?

 

寺嶋:「あたらしいわたし」に会いにいくために、扉をノックする振り付けがあるんですけど、そういうのをみんな真似してくれたり、手拍子がいいテンポで叩ける曲なので、今コールができない中でも、すごく一体感が出しやすい曲です。

 

ーーもともと寺嶋さんのライブって、声出せない状況下でも、楽しめるのでは?

 

寺嶋:そうなんですよ!もちろんオタクの声がないのは、さみしいんですけど、コール曲に頼らなくても、セットリストが組めてて「みんな迷子」や「あたらしいわたし」もそうですけど、今までの曲も、座ってじっくり聞いてもらってもそんなに違和感がない曲が実は多くて、それはすごく曲に助けられてます。

 

ーーこうなることを予測していた訳ではないけど

 

寺嶋:対応できました。それにオタクがちゃんとそれに対応してくれるんです。うちのオタクの皆さんは本当に分かり手というか、声出しちゃいけないって言ったら、じゃ、出せない中でどう楽しむかっていうのをすごい考えて、手拍子がやたらうまくなってなりとか。

 

ーー(笑)。

 

寺嶋:やらなきゃいけない大切なことだけど、消毒や検温とかちょっと大変なことも、ネガティブに捉えずに乗り越えてくれるオタクのおかげで、この状況でも、めちゃくちゃわたし自身がポジティブにいられるのは、オタクのおかげだと思います。

 

ーー規制された中でも、その中でどう楽しもうっていうのを感じて素敵ですね。

 

寺嶋:ありがたいです。もちろんお仕事の都合とかご家族のことがあって、来られない方もいるじゃないか。けど、そういう人たちも、ライブは行けないけど、だからこそ配信を見るねとか、オンラインの特典会に参加するねとか、オタ活ができないフラストレーションをちゃんと別のかたちで解消しようとしてくれてるのが、すごくありがたいです。私は私で、本当だったら北海道だってツアーも行きたいし、沖縄もやりたいしとか思っているけど、なかなか行けるところばかりじゃないっていうのを、ちゃんとみんな分かってくれて、いつかのリベンジのために、今できるオタ活をしてくれているので、このコロナ禍でも快適にアイドルをさせてもらってると思っています。

 

ーーライブ音源も収録されているんですよね。

 

寺嶋:はい。なかなか声を出したりするライブができないっていう中で、今年の秋に、だったらしっとりアコースティックでやろうとなり、「あたらしいわたし」を作ってくれた宮野さんにギターやピアノを弾いていただいたアコースティックライブのライブ音源をそのまま入れてます。

 

 

<インフォメーション>

13th シングル

「みんな迷子 / あたらしいわたし」

2020年12月16日発売

初回限定版

≪初回限定盤≫
TECI-756(TEBI-30632)
POS:4988004159473
価格:2,727円+税

[CD]
M1:みんな迷子 作詞:松井五郎、作曲:山川恵津子
M2:あたらしいわたし 作詞:加藤千恵、作曲:宮野弦士
M3:わたしを旅行につれてって “Yufu Terashima Acoustic Live〜推しは秋色〜” Ver.
M4:君も好きだったんだね、夏 “Yufu Terashima Acoustic Live〜推しは秋色〜” Ver.
M5:101回目のファーストキス “Yufu Terashima Acoustic Live〜推しは秋色〜” Ver.
M6:天使のテレパシー “Yufu Terashima Acoustic Live〜推しは秋色〜” Ver.

[DVD]
『みんな迷子』MV&MVメイキング

 

通常盤

≪通常盤≫
TECI-757
POS:4988004159480
価格:1,364円+税

[CD]
M1:みんな迷子 作詞:松井五郎、作曲:山川恵津子
M2:あたらしいわたし 作詞:加藤千恵、作曲:宮野弦士
M3:みんな迷子 -Off Vocal-
M4:あたらしいわたし -Off Vocal-
M5:わたしになる “Yufu Terashima Acoustic Live〜推しは秋色〜” Ver.


 

まじめ

寺嶋由芙 1st アーティストブック

「まじめ」

2020年12月19日発売
撮影:勝岡ももこ、サトウノブタカ(五十音順)
価格:3,000円+税
発売元:株式会社blueprint

 

寺嶋由芙

公式サイト:
http://yufuterashima.com/

公式Twitter:
https://twitter.com/yufu_0708

公式LINE:
https://line.me/ti/p/%40terashimayufu

公式Instagram:
https://www.instagram.com/yufu_terashima/

特集FEATURE

FEATURE
最新記事更新日 2024.12.16
イベント情報
最新記事更新日 2024.11.19
ガルポ!ズ INTERVIEW