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2023.07.30
音之雫

音之雫がかけた黒い魔法は、この空間を異境の社交場に変えてゆく。音之雫、地元福島でのライブレポート!!!

 7月23日(日)にKORIYAMA CLUB#9を舞台に行われたイベント「LOCODOLE SONIC !!」。ここでは、同イベントに出演していた、福島発☠️ゴシック系デジロックユニット"音之雫"のライブの模様をお届けしたい。

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 轟音響き渡るSEに乗せ、3人が舞台へ。星屑蘭は、女王様のような口調と高貴な出で立ちで観客たちを煽りだす。音之雫のライブは、エレクトロでダンサブル/ゴシック浪漫&耽美な中にも激しさを秘めた『アリア』からスタート。一人一人が歌を繋ぎながら、観ている人たちの気持ちに火を付けてゆく。「躍れ!躍れ!!躍れ!!!」と歌い、煽りながら、彼女たちはこの空間を華やかな宴の場へ染めあげる。3人が手にしたカラフルな扇子が舞うたびに、フロア中の人たちも手を扇子変わりに大きく揺らし、3人と一緒に心を解き放ち、踊りに興じていた。彩色豊かな音を奏でながらも、そこへ妖しい陰りを覚えるのは、彼女たち自身が心に闇を抱えながらも、その闇へ強く前向きな光を当てているからか?!パラパラダンスを躍るように、3人が華麗に扇子を振りながら「躍れ!躍れ!!躍れ!!!」と歌い煽るたびに、フロアの中にも華やかな景色が広がり続ける。熱狂する観客たちとは裏腹に、クールな装いを持って攻めるところも音之雫らしい。

 

 教会の荘厳な鐘の音を合図に、音楽が流れだす。彼女たちが『仮面の夜想曲』を通して連れだしたのが、真夜中の妖しい宴の場。音之雫はここを中世時代の秘めた大人の社交場へと染めあげ、見ている人たちをゴシック浪漫な世界へ連れだした。切ない歌詞ながら、この曲でも3人は「躍れ躍れ」と誘いながら、見ている人たちの心を仮面を付けた紳士や淑女に塗りあげ、熱情した宴の中へグイグイ引き込んでいた。3人が軽やかに舞い躍る姿に合わせ、フロアにいる人たちも身体を揺らし、共に快楽の宴へと溺れてゆく。3人は月変わりの闇夜を照らす照明の光を浴びながら、観客たちを宴を彩る妖しいキャストに変え、この日限りの悦楽の場をここに作りあげていった。

 

 最後に音之雫が歌ったのが、『黒薔薇のロンド』。音之雫らしいゴスで耽美、でも華やかさとダンサブルな要素が混じり合った楽曲だ。この曲でも3人は高貴な歌姫たちにその身を染めあげ、観客たちを熱く挑発してゆく。ゴスメロでエモいサビ歌に触れていると、このまま陶酔し、落ちてしまいそうだ。3人がかけた黒い魔法は、この空間を異境の社交場に変えてゆく。華麗に、可憐に舞いながら歌う3人へ導かれるように、フロアにいる人たちも同じ動きをしながら、共に快楽へ身を投じていた。3人の動きを真似ながら躍る観客たち。3人とも自信に満ちた表情を持って迫るからだろう。その姿へ吸い寄せられるように、みんな楽しく踊りに興じていた。

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TEXT:長澤智典

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セットリスト
『アリア』
『仮面の夜想曲』
『黒薔薇のロンド』

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