FEATURE

2023.05.17
Neo Standard

「僕らいけるよ」と歌うその言葉を、今は素直に信じていたい。Neo Standardデビュー公演レポート

 5月15日(月)、渋谷WOMBを舞台に、噂の新アイドルグループNeo Standardのデビュー公演、その名も「Neo Standard -Debut Live-」が行われた。横山みい奈・松倉みゆ・小嶋凛・船戸ゆきの・胡桃かりん、ここから新しい物語を綴りだす5人の雄姿を、ここにお伝えしよう。


 爽やかな風を覚えるSEに乗せ、メンバーらが次々と舞台へ登場。ライブは、メンバーの歌う声から幕を開ける『Sunrise After Dark』からスタート。一人一人が思いを繫ぐように始まった歌へ、みんなの声が寄り添い一つに重なりあったとたん、楽曲が一気に華やいだ。フロアからは早くも熱いコールが飛び交えば、楽曲に合わせて飛び跳ねる人たちも登場。5人とも、過去の経験を経た上で、夢を胸に集結。新たに誕生したNeo Standardを通して、この日から新しい本(グループ)に物語を綴りだした。彼女たち自身が、夢だけを無邪気に食べて羽ばたけるなんて幻想だと知っている。だからこそ、自分たちの経験を糧に、ここから確かな足跡を一つ一つしっかりと印しながら旅立とうとする意志を示していた。とても爽やかな歌声だ。でも、その中に深みを覚えるのも、歌詞に綴られた、弱さを知ったうえで、それでも未来へ進む強い意志や思いの大切さを、全員が実感を持って受け止めているからだ。今の5人は、絶対に輝く未来がその先にあると信じて、力強く歌声の羽根を羽ばたかせていた。時に、胸に手を寄り添え、軽やかにステップ踏みながら、ここから5人は、確かに空(未来)へと羽ばたいていた。今は、まだまだ小さな翼かも知れない。でも、「僕らいけるよ」と元気いっぱいに歌う声を聴いたとき、その翼がさらに大きく広がったようにも感じていた。

 5人は、遠くを見つめながら手を伸ばしていた。その視界の先に映っていたのは、未来の自分たちの姿?!躍動する四つ打ちのビートに、希望を抱く気持ちを寄り添え、5人は優しい爽やかな歌声で『スタートライン』を歌っていた。この曲にも、未来へ進む彼女たちの意思や、それぞれが心に抱いた思いを言葉にしている。5人が心を一つに重ねて歌うサビの声は、まるで初夏の風のように、心地よくも熱や力を携えた声として胸に響いていた。一人一人の歌うパートから、さりげなく5人の声の色も見えてきた。とても、心を晴れた気持ちに染めあげる楽曲だ。

 

1


 MCでは、ついに始まった今の気持ちを、5人が無邪気な表情を浮かべ、はしゃぐように語りあっていた。小嶋凛が「めっちゃ緊張しててドキドキが止まらない」と言えば、胡桃かりんが、披露した曲たちの感想をファンたちに求めたところ、フロアから「良かったよー」の声が届いていた。船戸ゆきのが衣装について語り始めたとき、なんと胡桃かりんがスカートに付けるリボンを付け忘れていた(落としてしまっていた?)ことが発覚、袖に走り、急いで付けるハプニングも起きていた。


 Neo Standardのオリジナル曲は、現状、先に披露した2曲のみになる。ここからは、小嶋凛と船戸ゆきのが以前在席していたグループの楽曲を、Neo Standardの形に変えて届けてくれた。

  胡桃かりんの力強い歌声から、楽曲は『palette』へ。この曲に馴染みのある人たちも多いのか、フロアのあちこちから熱情した声が飛び交いだす。観客たちの熱いエールも胸に、5人はドキドキが止まらずに走り出す気持ちを、爽やかに、キュンとした乙女心も覗かせながら歌っていた。サビではメンバーたちが元気いっぱいに歌いながら、ジャンプ。その姿が、とても華やかだ。落ちサビを歌う松倉みゆに向かって、観客たちがケチャする場面も新鮮だ。たくさんの夢を抱えながら走り出した5人の熱い感情は、もう止まらない。

  愛らしい5人の仕種が、胸をキュンとさせる。彼女たちは少し甘えた仕種も見せながら、思いを告げるように『ワタシノキモチ』を歌っていた。甘えた素振りで、「どうして君なんだろうね」と歌いかける姿が、胸をときめかす。5人は、この曲でも無邪気な表情を浮かべ、とろけそうなくらいに甘く誘いをかけてきた。まだ何色にも染まっていない彼女たち。そんな5人が、この曲では恋心を淡い水色に染めて誘いかけてくるんだもの、その姿に触れて心がズッと騒いでいた。観客たちも一瞬で恋に落ち、心が大きく膨らんでゆくときと同じような、ときめいた気持ちで彼女たちを見つめていた。満面の笑顔ではしゃぐ5人に刺激を受け、フロアからも熱い声が飛びかえば、その場で飛び跳ねる人たちもフロアのあちこちに誕生していた。

 本編最後を飾ったのが、『ユメ/ウツツ・ボーダレス』。これまでの華やかな表情を生かしながらも、大人の女性としての香りもさりげなく振りまきながら、5人は笑顔で。でも、フロアにいる一人一人のハートに直接歌声の手を伸ばし、今の自分たちの気持ちを伝えてきた。彼女たちは「叶ってゆく 叶ってゆく」と歌っていた。無邪気な夢見る乙女ではなく、現実もしっかりと見据えたうえで、5人は、ここから物語を始める決意を、『ユメ/ウツツ・ボーダレス』を通して伝えてきた。オリジナルはもちろん、カバーしたどの曲も、これから新しい物語を綴りだすNeo Standardに似合う曲たちだ。未来に向かってゆくうえでの今の自分たちの思いや決意、強い意思を示す歌ばかりなのも嬉しいじゃない。


 アンコールでは、ふたたびオリジナル曲たちを歌唱。最初に歌ったのが、『スタートライン』。心地よく躍動するダンスビートに乗せ、メンバーたちは晴れた声を響かせるように爽やかに歌っていた。心地よく揺れる歌声と力強いダンスビートがシンクロするたびに、気持ちが嬉しく騒ぎだす。5人は、胸に抱いた思いを親しい仲間たちへ語りかけるように歌っていた。彼女たちがこれから向かう場所は何処だろう。それはまだわからない。でも、未来に期待を馳せるように歌う彼女たちの晴れた表情や歌声に触れていると、心が軽やかに弾みだすのは間違いない。少しネガティな感情さえ胸に受け止めながら、5人はこの日、この場所から始まる景色を、観客たちの目にしっかりと映しだしていった。

 

  ここで、メンバー一人一人が、この日の思いを語りだした。

  「アンコールでネーオスタ!とコールしてくれて本当に嬉しかったです。今もすごく緊張していて何を話そうか頭が真っ白なんですが、これからもこの5人で大きい舞台に立ってみたいです。とてもプレッシャー過ぎて、頭が真っ白なんですけど。これからおっきくなっていきたいなと思っています。これからも応援してくれると嬉しいです」(小嶋凛)

  「たくさんの方がNeo Standardのために時間を割いてくださって、本当に感謝でいっぱいですし、こうしてみなさんに会えて嬉しいです。わたしは、3月に(前のグループを)卒業してから、もうアイドルをやる自信がなくなってしまい、アイドルをやらない決断をしていました。だけど、みんなに会えなくなるのが本当に寂しかったし、何より、みんなと楽しい時間が共有できるライブが本当に好きだったから、それがすごく出来なくなるのは寂しかったです。でもこうやってNeo Standardという新しい機会を得られたので、 これから頑張りたいですし、みなさんと楽しい思い出と素敵な未来を作っていきたいので、これからもよろしくお願いします」(横山みい奈)

 「わたしも昨年12月に(前のグループを)卒業して、アイドルを続ける道はもういいかなと思っていました。他の仕事もしようかいろいろ考えたんですけど、みんなに会いたいなと思ったから、またここに立っています。1年後、もっともっと大きいステージに立って、もっともっといろんな人に見つけてもらえるように、これからも一緒に頑張っていきたいと思っているので、素敵な時間を共有していきましょう」(松倉みゆ)

 「かりんは、1か月ぶりにステージに立っています。前のユニットを辞めたときは、またみんなに会えるかわかんないと思っていたけど。こうやって今日、久しぶりにステージに立って、みんなに笑顔で会えて本当に感謝です。ありがとうございます。そして今回、素敵な4人に会えたので、これからはNeo Standardとしてすごい頑張っていきたいと思ってるし、みんなとおっきいステージに、みんなと幸せになれるステージを一緒に見に行けたら嬉しいなと思っています」(胡桃かりん)

  「わたしも前のグループを卒業して、準備期間を経て、ここからまた頑張りたいなという気持ちで、ここに立ってやらせていただいています。今はまだNeo Standardにはオリジナルが2曲しかない中で、対バンイベントにも出させていただくんですけど。わたしは応援してくださる方を幸せにしたいと思ってやっていますし、みなさんに応援していただいてこそ、もっとライブも輝いていくと思っています」(船戸ゆきの)

 


  最後に歌ったのが、この日のライブの始まりの景色を描き出した『Sunrise After Dark』。「サンライズ 探してた あの日々を けっして心から消さないで 描いた未来に 笑顔続いているんだよ」と歌う声が、光のように心へ降り注ぎだす。これからNeo Standardは、『スタートライン』と『Sunrise After Dark』を二つの翼にしながら羽ばたいてゆく。一人一人が、胸に希望を抱きながら、晴れた声でこの曲を歌っていた。『Sunrise After Dark』に詰め込んだ願いや思いが、これからNeo Standardが綴ろうとしてゆく未来へ向かって響いていた。そんな風に感じてしまう姿を、彼女たちは見せていた。今の笑顔を消すことなく突き進んでゆくことが、Neo Standardを応援する人たちの心にも光となって輝く未来を照らしてゆく。そんな気持ちに染めてくれたのが嬉しい。「僕らいけるよ」と歌うその言葉を、今は素直に信じていたい。 

 

2


TEXT:長澤智典


セットリスト
『Sunrise After Dark』
『スタートライン』
『palette』
『ワタシノキモチ』
『ユメ/ウツツ・ボーダレス』
-ENCORE-
『スタートライン』
『Sunrise After Dark』
 

SNS

Neo Standard
https://twitter.com/Neo_Standard_

横山みい奈 
https://twitter.com/miina_yokoyama

松倉みゆ
https://twitter.com/mii17_xx

小嶋凛
https://twitter.com/rin_kojima

船戸ゆきの
https://twitter.com/yukino_3512

胡桃かりん 
https://twitter.com/karin_twinkle

特集FEATURE

FEATURE
最新記事更新日 2024.12.16
イベント情報
最新記事更新日 2024.11.19
ガルポ!ズ INTERVIEW