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2022.05.10
CURTiA

そして、ここから新しい物語が始まった。 CURTiA、2ndワンマン公演レポート!

 CURTiA(カルティア)は、トランプ=切り札メンバーの人生にとって切り札のようなグループであって欲しい、メンバー1人1人が切り札のような存在であって欲しい!そんな気持ちが込められた有沢美矢プロデュースの5人組アイドルグループ。先日、 1stCD『Doubt』をリリース。5月1日(日)、白金高輪SELENEを舞台に、「2nd ONEMAN Game」公演を行った。

オープニングアクト RURUDiAのライブレポートはこちら!


 とてもドレッシーでハイソサエティーな雰囲気も漂わせるメンバーたちの紹介映像とサウンドを入場のきっかけに、CURTiAのワンマン公演は幕を開けた。ライブは、友達や仕事・恋人との出会いや別れ、新たな事への挑戦など、誰もが一度は体験する切ない気持ちに寄り添いながらも次へのスタートに向けて背中を押してくれる、切ないメロディーながらも疾走感のある『藍色』からスタート。彼女たち自身が大切にしたい思いを、改めて胸に仕舞い込むように『藍色』を歌っていた。いきなり未来を語るのではない。それまでの自分たちの心に堆積した想いを改めて噛みしめ。そこから新しい未来を描き出そうと、CURTiAは物語の序章を成す『藍色』を歌っていた。さよならから始まる新しい物語。そんな小粋な演出を見せてゆくところがCURTiAらしいじゃない。

 一度ゼロに戻した自分たちをここからふたたび色づけるように、CURTiAは躍動するダンスビートに乗せ、気持ちを解き放つよう『雨降って透明』を力強く歌いだした。彼女たちは知っていた、新しく作り上げる物語を語るなら、まずは自分たちを一度フラットに戻すことが大切だと。そのうえで、会場に足を運んだ人たちや配信を見ている人たちと一緒に、新たに描く景色の中へ一緒に色を描き加えようと伝えてきた。いや、そんな風に感じていた。躍動するビートの上、思いを込めて歌う彼女たち。背景には、晴れた太陽を背に強く雨降り注ぐ映像が映し出されていた。

 「今日は楽しい思い出を更新していきましょう」の言葉へ、期待と一緒に胸が高まる。CURTiAはトランプゲームのダウトをコンセプトに制作したグループ。それをベースにしたオープニング映像に仕上がっていたことも、ここで報告していた。

  次に披露したのが、1stシングル「Doubt」のリード曲『Doubt』。この楽曲はトランプのゲームをモチーフに制作。歌詞や振りにも、それを匂わせるエッセンスをいろいろ取り入れている。曲調は、ライブで気持ちの熱をガンガンに上げてゆくアッパーで激しめの挑発チューン。愛らしい姿にも惹かれるが、『ダウト』で見せたクールに攻めてゆく凛々しい姿も、見ている側の気持ちを奮い立てる嬉しい魅力だ。

  キックの音も強烈なダンスナンバーに乗せ、メンバー一人一人が華やかなダンスパフォーマンスを描きだす。メンバーらによるダンスパートを挟み、次の物語へ。

  胸騒ぐ衝動を詰め込んだ、雄々しくも荘厳麗美な音が響き渡る。メンバーたちは激しい感情も少しだけ見せながら、影を落したクールな声で歌いだす。が、楽曲が熱を上げ、歌詞に綴った想いがメラメラと燃えだすのに合わせ、彼女たちの歌声にも熱が加わりだした。CURTiAは裏腹な感情の中で揺れ動く気持ちを、『Hold mE』を通して伝えてきた。ドラマチックな構成や展開を描く楽曲の中、揺れ動くいろんな感情の声を響かせる彼女たち。次第に力強い思いへと心を染めてゆくところにも、この曲の持つ魅力だ。
  新曲の『Wild Card』は、とても華やかでダンサブルな楽曲だ。胸の内側から沸き立つ情熱を、メンバーたちはカラフルな音を放つエレクトロでダンサブルな楽曲に乗せ、力強く歌っていた。胸の内に溜まった本心を吐き出すように、5人は凛々しいパフォーマンスを描きながら、感情を解き放つように歌声を響かせていた。とても感情的で、情熱を抱いた歌声だ。そこにはこのゲームに勝利し、誰にも手にした恋を渡さない強い意思が込められていた。
 この曲は、ブラックジャックをテーマに作った楽曲。振りでは21という数字を示すパフォーマンスも見せているので、そこにも注目していただきたい。

 会場を包み込んだ熱い空気へ切ない色を塗り重ねるように、CURTiAは『さよなら、シオン』を歌いだした。強く攻める姿もCURTiAの魅力なら、切なさに心濡らすか弱い乙女心も、彼女たちを形成する大切な要素。たとえ切ない思いでも、そこへ込めた気持ちが強すぎるからだろう。感情が込み上げるごと、熱を抱いた5人の歌声が心を強く揺さぶりだす。そうやって思いを深く伝えるところも、彼女たちらしいライブに於けるパフォーマンスだ。
  ふたたび表情や物語を塗り替えるように、彼女たちは、ファンとアイドルの関係性を描いた、届いてほしいけど届いて欲しくない、アイドル側からの気持ちともファン側からの気持ちとも取れるもどかしい恋心を描いた『君と僕の物語』を歌いだした。あふれだす好きな人に伝えたい思い。でも、それを伝えきれないもどかしい気持ちは、彼女たちだけではなく誰もが持っている感情だ。だから、5人が好きな気持ちを奥ゆかしく伝える姿に愛おしさを覚える。好きなのに、その思いに気づかれたくなくて疼く恋心。それを彼女たちは「好きなの」「気付かないで」と、思春期の乙女の恋心のように愛らしく歌っていた。
  続く『CandyPop』でメンバーたちは、"思わせぶりの恋心を、超甘々な楽曲に乗せて届けてきた。CURTiAが本編最後に見せた、思わせぶりの甘い時間をキャンディの甘さとして、当たって砕けるか(キャンディを噛んでしまうか)そのまま甘い時間を楽しむかというような恋心。歌が進むごとに甘く華やかな歌の刺激を強めてゆく彼女たち。甘い甘いこの世界へ今はどっぷり浸っていたい。終盤には、フロアへキャンディを投げ入れる場面も登場。その甘い衝撃に、心がメロメロにとろけていた。


 アンコールは、ふたたびこの空間に熱く、でも可愛らしいパワーを注ぎ込むように『Re:Game』からスタート。この曲はメンバーで曲名を決めている。歌詞などをメンバーでたくさん読み込めば、CURTiAはライブをゲームと呼んでいるので、リスタートの曲を自分たちらしく「リゲーム」という表現に変えて歌っている。「さぁ、始めよう 時計の針を止めて この世界をいつまでも エンディングの無いストーリーを」の歌詞も印象的だ。『Re:Game』の配信もスタート。こちらもチェックしていただきたい。

 MCでは、ここまであっという間に過ぎて、いろいろあったことさえすべて楽しく昇華してきたことを語るメンバーがいれば、楽しいことよりも、つらいことが多かったけど、たくさんの人に来ていただいて本当に嬉しいと伝えてきたメンバーもいた。有沢美矢は、始動した昨年5月1日の時点ですでに白金高輪SELENEの場所と日時を抑え、1年後にこの場でワンマン公演ができるまで成長しようと計画していたことを述べていた。有沢美矢が、以前所属していたグループで行ったワンマン公演時に於ける
最大キャパの会場が白金高輪SELENEだった。だからこそ彼女は、あのときの自分を超える姿を示したくて、白金高輪SELENEでのワンマン公演を一つの目標にしていたことも語っていた。その目標も、この日クリアすることができた。あとは、もっともっとこの規模を大きく広げていくだけだ。
  次に披露したのが、この日初披露となった新曲の『Prologue』。力強く疾走し躍動する楽曲とは裏腹に、歌詞には切ない思いを投影。前に進みたいけど進めない未練を歌った曲だが、彼女たちの歌声は、心を前へと突き動かす力を持って響いてきた。この歌が、これからどんな風に、どんな場面に似合う歌として響きだすのか、楽しみにしていようか。

  ふたたび、色濃い極彩色な光を放つように、CURTiAは『Wild Card』を力強く歌っていた。恋する乙女の強い意思を、彼女たちは、自分たちの夢をつかむ思いに重ね合わせ、「誰にも渡さない」と強い意志を胸に歌っていた。沸き立つ熱い感情に共鳴した大勢の人たちの手がフロア中から伸びれば、メンバーと同じ動きをしながら、思いを重ね合わせ楽しんでいた。

  最後にCURTiAは、アカペラで『藍色(アカペラ)』を歌唱。この日のライブの幕開けを告げた歌を、最後に5人の歌声だけで響かせた。一人一人が歌のバトンを繋ぐように歌いだした始まり。そこへ楽曲が重なりだすのに合わせ、5人は想いを重ね合わせた声で「ありがとう、さよなら また会う日まで 笑って、笑って 僕らまた出会えるなら」とサビメロを力強く歌い、この日のライブの幕を閉じていった。


  CURTiAは、夏に2ndシングルの発売も決まった。果たして、どんな表情が生まれるのか楽しみになってきた。


TEXT:長澤智典

LIVE

 

セットリスト
『藍色』
『雨降って透明』
『Doubt』
ダンスパート
『Hold mE』
『Wild Card』
『さよなら、シオン』
『君と僕の物語』
『CandyPop』
-ENCORE-
『Re:Game』
『Prologue』
『Wild Card』
『藍色(アカペラ)』


SNS
https://www.curtia.jp/
https://twitter.com/CURTiA01
 

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