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2022.04.27
虹のコンキスタドール

虹のコンキスタドール初の日本武道館ライブ!「武道館にメンバーと一緒に揃って立つことができたことを誇りに思います」7年半追いかけ続けた夢を叶えた瞬間をレポート

2022年4月16日・17日の2日間にわたり、虹のコンキスタドールが『Over the RAINBOW〜なんたってアイドルなんですっ!!〜in 日本武道館』と題して、初の日本武道館ライブをおこなった。メンバーたちの夢が叶う瞬間を共に過ごすために全国からファンが駆けつけた。16日、開演前からお祭り騒ぎとなっていた、待望の日本武道館ライブ。汗と涙が輝く、誰もが熱狂したライブの一部始終をレポートした。


会場を照らすライト。観客たちは大きなクラップで、メンバーたちが登場するのを待っている。BGMが最高潮に達した瞬間、メンバーたちがステージに現れた。会場のファンはサイリウムを大きく振ってその興奮を伝えている。
最初から大盛り上がりを見せた一曲目は「世界の中心で虹を叫んだサマー」。メンバー全員が登場しての壮観なパフォーマンスで見せる。虹のコンキスタドールの明るさとキラキラしたメンバーたちのパワフルさでのっけから圧倒された。虹のコンキスタドールの歌姫とも呼ばれる清水理子は出し惜しみせずに最大出力で伸びやかな歌声を会場いっぱいに響かせて見せた。膨大な熱量を含んだシャウトとも言えるような歌声がファンの心に突き刺さるように響く。

2曲目は「THE☆有頂天サマー!!」。息継ぎなんてさせない疾走感あふれるパフォーマンスで見せ、3曲目は「キミは無邪気な夏の女王」と、3曲続けて虹のコンキスタドールを代表する夏曲が披露された。このご時世ゆえの湿った空気など全部吹き飛ばすようなパワフルなダンスと底抜けの明るさを感じさせる歌声に、聞いているこちらも、日々の鬱屈した気持ちなど全て吹き飛んでしまった。

続いて歌うのは「ジャポニジフェス」。それまでメンバーの中継映像が流れていたステージ後方に設置された大型モニターに、「ジャポニジフェス」用の映像が流れるなど、力の入った演出が見られた。4曲目で待ちに待った花道とアリーナ中央ステージでのパフォーマンスも披露され、さらに会場はヒートアップしていた。

続けて「パラドキシカル・コンプレックス」ではさきほどまでとは打って変わって、愛らしくておしとやかなダンスを見せてくれる。

等身大の女の子の元気はつらつな乙女心を描いた「パウダースノーランデブー」でも愛くるしいダンスと歌声を響かせた。

「in(door) the Summer」はインドア派のメンバーで構成された虹のコンキスタドールならではの楽曲。インドア派の女の子が好きな男の子のために外出デートを決意する、健気でかわいらしい歌詞が魅力的な楽曲だ。その世界観には、彼女たちのポジティブで何事にも挑戦していく姿も映し出されているようだった。消え入りそうな高音の歌声に、歌詞のなかに存在する、女の子の切ない恋心がうかがえた。

ここまでノンストップで走り続けたステージからメンバーが立ち去り、暗転。虹のコンキスタドールが誕生するきっかけとなった「つくドル」のCMが流れると、突如としてステージ下から的場華鈴と中村朱里が飛び出した。ここからはメドレー形式で虹のコンキスタドールの人気曲が披露される。二人が歌うのは「女の子むてき宣言!」。大型モニターにはまだアイドルを始めたばかりの初々しい姿のメンバーたちが映った。

「電撃タクティクス」、「↓エイリアンガール・イン・ニューヨーク↑」「†ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†」と懐かしい名曲に合わせて、メンバーが次々と登場する。当時のMVを大型モニターで映し出しながら、ステージ上でもMVでのダンスや変顔を再現するなど、虹のコンキスタドールを何年も追いかけてきたファンにとって、笑いと涙が止まらないメドレーとなった。

的場、中村、根本、鶴見、大和で構成される虹のコンキスタドール赤組が曲作りに挑んだ「天文学的ノンフィクション」はメンバーも一緒に振り付けを考えたという、思い出の一曲。的場が大和明桜にお尻でぶつかってみせるなど、コミカルな振り付けでつい笑みが溢れてしまう。わちゃわちゃと楽しそうに踊るメンバーたちに、彼女たち同士の信頼や、仲の良さがうかがえた。

「ブランニューハッピーデイズ」はそそっかしくも可愛らしいダンスが魅力的な一曲。楽しいいことに真っ直ぐに向かっていく、彼女たちの純粋さがのぞけるような、爽やかなナンバーだ。

これまでの思い出が走馬灯のように駆けていくような、疾走感あふれるメドレーが終わると、メンバーはステージを去り、モニターに一枚のイラストが映った。メンバーそれぞれが描いたイラストだ。
日本武道館でのライブステージのタイトルにもなっている「なんたってアイドルなんですっ!!」になぞらえて、どんなときに「なんたってアイドルなんですっ!!」と思うかと聞かれたメンバーがその質問に答えたインタビュー音声が流れてきた。

清水理子「ファンの皆さんと目が合って、歌で通じ合ってるなと思ってるときが、アイドルでよかったなあと思う瞬間です」

中村朱里「メンバーとファンの皆さんと、そのとき、その瞬間にしか味わえない時間を過ごせることが幸せです」

神田ジュナ「ステージに立ったときに、ファンのみなさんの顔とかペンライトとかいろんなものが目に飛び込んできた瞬間に幸せを感じます」

石原愛梨沙「かっこいい衣装やかわいい衣装を着て、ライブをするというのが夢だったので、武道館でライブができて、虹のコンキスタドールは最高のグループだなって思います」

的場華鈴「ライブが終わって汗をだらだらかきながら、『今日はアウェーだったね』とか『今日はよかったね』とか、『今日はどうだったかわからないけど、私たちは楽しかったよね』って話してるときに、自分にとっての青春はアイドルだったんだなって思いました」

大塚望由「『みゆちゃんのおかげで変われたよ』とか『救われたよ』って言ってもらったときに思います」

岡田彩夢「ライブのために考えたりがんばったりしたことを披露しているときに、ファンの皆さんが心からそれを楽しんでくれているなって感じた瞬間。みなさんの目からみなさんの思いが伝わってきます」

根本凪「メンバーやスタッフさんだったり、ファンだったり、いろんな人に出会えたこと、いろんな場所にいけたことが本当にすごい嬉しい思い出だなと思いました」

大和明桜「『虹コンなにしてるのかな』ってどきどきしてませんか?ハラハラしてる人もいるかもしれませんね(笑)アイドルってどんなときでもいろんな感情にさせてくれるのが最高だなって思います」

山崎夏菜「ファンの方って一人一人年齢も職業も全然違う人たちだと思います。そんな皆さんが虹コンのライブによって集まることができるっていうことが素敵だなって思います」

桐乃みゆ「ファンの方がペンライトを振っているのを見ると、『なんたってアイドルなんです』って思います」

隈本茉莉奈「私が何かの行動を起こしたときに『元気がでる!』とか『楽しい!』って言ってもらえたときに、嬉しい気持ちになって『なんたってアイドル』だなって思います」

鶴見萌「みなさんと人生を共有し、一緒に幸せになれるところが『なんたってアイドル』って感じです」

蛭田 愛梨「あのかわいいキラキラの衣装を着れたら、自分もきらきらのアイドル〜みたいになれるのでそれです!」

映像が終了すると、いよいよ後半戦。虹のコンキスタドールメンバーはシルバーのラメが輝く衣装に着替えて登場。後半の1曲目に選ばれたのは「戦場の聖バレンタイン」。まだまだ彼女たちは全力で踊り続ける。疲れなんてまったく感じさせない全力のパフォーマンスを見せてくれた。「戦場の聖バレンタイン」はロックサウンドに、バレンタインでの譲れない女の戦いを描いた熱量あふれるナンバーだ。
次に歌われたのは「Luv♡Unbalance」。前半戦までの女の子のかわいらしさがあふれる元気でポップな雰囲気とは違った魅力が引き出される楽曲が続く。彼女たちの表情もクールなものに変わっていた。

「chaos and creation」は自分の力を信じて突き進めというメッセージが込められた歌詞が印象的な楽曲。メンバーたちの歌声には、聞いている人の闘志さえ呼び起こすような力強さを感じる。

次に歌うのは「ジャスナウ!」。夕暮れ時の夏の浜辺をイメージさせるような楽曲だ。男女の恋の駆け引きを描いた歌詞を、その熱情を表現するように、声を枯らして歌ってみせてくれた。

歌い終えると、的場と清水が日本武道館ライブを振り返ってファンに語りかけた。
的場は「ありがとうございます!夢って叶うんですね、叶ったときの気持ちとか、ここに立ったとき、自分はどうなるんだろう?と考えたりしたんですけど、実際今の気持ちはめっちゃ楽しい!めっちゃ幸せ!っていうものでした。そしてもう一つ浮かんできたんですけど、ここにいる虹コン大好きマンのみなさまの中には夢がある方もいると思いますし、夢があってもなくてもいろんな思いがそれぞれにあると思います。そんな方に虹コンのことを思い出して、ちょっと笑っちゃうな、楽しいなってみなさんの暮らしのなかに彩りをあげられてたらいいなと思います。笑わせたり、楽しませたり、ときには泣かせてしまうこともある私たちですが、アイドルというのはどんなときもそばにいる、みなさんのヒーローみたいなものだと思います。今日は楽しんでいきましょう!ご静聴ありがとうございます!」と語った。
清水は「今日はみなさんの大切な時間をくださってこんな素敵なステージをさせてくださってありがとうございます。数えきれない幸せをみなさんからもらってます。ときにはお手紙だったり、このように光らせてくれるサイリウムの光だったり、ありがとうの言葉だったり。みなさんからもらったものは大切で尊いものだと思ってます。それをこうして日本武道館に立って夢を叶えて、少しみなさんにお返しできるかなと思いましたが、なんとまた、たくさんの幸せをいただいてしまいました。そうやって幸せが連鎖するファンの皆さんとアイドルの関係って本当に素敵なものだと思います。私たちはここで夢を叶えました。みなさんも幸せですか?これからもたくさん幸せを見つけていきましょう!みなさんのことが大好きです!」と話した。

続けて「夢の輪郭」を歌う。それぞれが自分のこれまでの思い出を、夢を思いながら、この歌詞を噛み締めるように歌っていることが伝わってくる。
隈本のソロから始まった「夕暮れグラデーション」。ファンを見つめるメンバーの視線には確かに感謝と愛情がこもっていた。前半で見せてくれた笑顔がファンを元気にさせたい、幸せを送りたいという願いを込めた笑顔だったならば、今の彼女たちの笑顔はこの幸せと、応援してくれるファンへの感謝を伝えようとしている、そんな笑顔だった。

虹コンらしいコミカルで元気な歌が帰ってきた。「愛をこころにサマーと数えよ」の登場だ。コミカルさのなかに、彼女たちの可愛さが最大限引き出された振り付け。ファンのクラップがメンバーのパフォーマンスとリンクし、会場の一体感が味わえるのもこの楽曲の魅力といえる。
ライブの最後を飾ったのは「BE MYSELF」。清水を筆頭に、メンバーが伸びやかな歌声で会場を包み込んだ。

名残惜しさを感じるなか、メンバーがステージをあとにする。会場のファンは声に出せない思いの分までサイリウムを振り、クラップで彼女たちが帰ってくるのを待った。どのぐらい経ったのだろう。ファンの拍手が鳴り響くなか、メンバーたちが担当カラーのライブTシャツに着替えてステージへと戻ってきてくれた。

アンコール曲は「さよならタイガー」。次々と視点が切り替わるめまぐるしい展開のなか、どこか切なさを孕んだメロディと歌詞が絶妙に調和したこれまでの虹のコンキスタドールの楽曲にはない、新しい魅力が詰まった一曲だ。曲が終わると、メンバーが一人一人、今の思いを述べる。

清水は「今日は本当に幸せな1日でした。あと1日続くということで、こんな贅沢な時間が明日も楽しめるということで嬉しいです。最高の2daysで、心に起こる2日間だったといえるように楽しんでいきましょう!ありがとうございました」と語り、
的場は「日本武道館のステージに今日初めて立ってみて、これが憧れていた人たちの見てきた景色なんだなと思うと感慨深いぶん、今のうちに焼き付けておかないと、と思ってたくさん皆さんのことを見つめてました。自分がぱたりとなったときに走馬灯でこの光景が出てくると思います。みなさんにとってもそんな思い出になったらいいなと思います。ありがとうございました」と感謝を述べた。
大塚は「私、大切なことをすぐ忘れちゃう性格なんですけど、今日のこの景色はずっと…あれ、言いたかったこと忘れちゃった。武道館最高!」と叫び、ステージを駆け回った最後には寝転ぶなど、喜びを大胆に表現。メンバーからは「そんな楽しみ方ある?」とツッコミが入った。
大和は「虹コンたのしかったですか〜?楽しすぎて私は今日ここに出てくる前に泣いちゃって、こんなに私が涙もろいと思ってなくて、7年間アイドルをしてきて涙が溢れたのはこれが初めて…というのは嘘です(笑)7年間アイドルをしてきてたくさん涙が溢れました。ライブが終わった後はみなさんぐっすり寝てくださいね。私もぐっすり寝ます」とジョークを交えて今日を振り返った。

全員がコメントを言い終えると、ここで根本凪が登場。会場は彼女を出迎えるように、緑色のサイリウムの光でいっぱいになった。
根本は「武道館にね、こうやってメンバーと一緒に揃って立つことができて、メンバーを不安にさせたりもしたんですけど、こうしてステージに立つことができたことを誇りに思います。みなさん今日はどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶を述べた。

14人が揃って歌うのは「響け!ファンファーレ」。そして。最後には虹のコンキスタドールを世間に知らしめた「トライアングル・ドリーマー」が披露された。一見何気ない三角形の恋を描いていたはずが、2番に入ると、ライバルだと思っていた親友が好きだったのは実は自分だった!という意外なストーリーが話題を呼んだ人気曲だ。根本をセンターに最後まで元気に踊るメンバーたち。一度根本が「ちょっとおっぱいがでちゃって」と珍ハプニングを起こしてステージを抜ける場面もあり笑いを誘った。

アンコールを含めたすべての楽曲を披露したのち、メンバーたちは名残惜しさを感じながら、会場のファンへと感謝の言葉をいつまでも投げかけていた。7年半、虹のコンキスタドールとして日本武道館に立つことを夢見てきたメンバーたち。ファンの愛情に包まれながら幕を閉じた1日目。楽しい時間にはあっという間に終わりがくることを実感する。
まだ終わりたくない、終わらせたくないという思いに駆られながらも同時にこのライブの続きが早く見たいと焦る気持ちもやまない。メンバーもファンも同じ気持ちだっただろう。的場と根本の卒業も控えた日本武道館ライブ。寂しさはあれど、まずは2日目を楽しみにしたいと思う。

TEXT : たかはしみるく


LIVE


<セットリスト>
「世界の中心で虹を叫んだサマー」
「THE☆有頂天サマー!!」
「キミは無邪気な夏の女王」
「ジャポニジフェス」
「パラドキシカル・コンプレックス」
「パウダースノーランデブー」
「in(door) the Summer」
MOVIE
メドレー
「女の子むてき宣言!」
「電撃タクティクス」
「↓エイリアンガール・イン・ニューヨーク↑」
「†ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド†」
「心臓にメロディー」
「ココロPRISM」
「天文学的ノンフィクション」
「真夜中のテレフォン」
「美味いものファンクラブ」
「ブランニューハッピーデイズ」
MOVIE
「戦場の聖バレンタイン」
「Luv♡Unbalance」
「chaos and creation」
「ジャスナウ!」
「夢の輪郭」
「夕暮れグラデーション」
「愛をこころにサマーと数えよ」
「サマーとはキミと私なりっ!!」
「ずっとサマーで恋してる」
「BE MYSELF」
アンコール
「さよならタイガー」
「響け!ファンファーレ」
「トライアングル・ドリーマー」


<プロフィール>
自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系・正統派アイドルグループ。通称“虹コン”。ハイレベルの歌やダンスはもちろん、コスプレイヤーやイラストレーターなど、アイドルとして以外の特技を持っているのも魅力。それぞれが自分の個性を生かした活動に専念し、さまざまなシーンに活躍の場を広げている。
 

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