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2021.11.10
つぼみ大革命

ずっとずっとこのパラダイスがノーテンキに続けばいいのに。つぼみ大革命 ライブレポート

 11月7日(日)、品川インターシティホールを舞台に、つぼみ大革命が『つぼみ大革命ワンマンライブ 〜ここが正念場だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!〜』を行った。最新アルバム「最強つぼみDX」に収録した曲たちを中心に、得意の小芝居(コント)も織りまぜて行なった当日のライブの模様を、ここへ紹介しよう。


 ライブは、アルバムの冒頭を飾っていた「逆襲のYEAH!」からスタート。ド頭から彼女たちは「夢でも見なきゃやってられない」と、胸の内に溜め込んでいた本音を熱くぶつけてきた。9人は、舞台の上からあふれんばかりパワーを客席へと振り注いでゆく。東京でのライブの開催は1年10ヶ月ぶり。コロナ禍による延期や中止などにより、メンバーたちはライブをやりたくてもやれない環境の中にいた。ここまでずっと我慢に我慢を重ね、ようやく開催に漕ぎ着けたライブ。だからこそ、彼女たちは最初から満面の笑顔で、何より沸き立つ想いを「YEAH! YEAH! YEAH! WOW! WOW! WOW!」と歌いながら思いきりぶちまけていた。その熱い想いに刺激を受け、見ている側まで気持ちが嬉しく奮い立つ。コロナ禍になんて負けない。今の時代に逆襲の熱狂を振りまいてやる!!そんな気持ちを胸に、つぼみ大革命は「夢でも見なきゃやってられない」と力強く歌っていた。

  岡本りんの「いっくっぞー!!」の熱い声を合図に飛びだしたのが、メンバー紹介ナンバーの「9」だ。激しい楽曲に乗せ、メンバーたちが凛々しい声をぶつけだす。メンバーのキャラクターに合わせ次々と表情を変えてゆく、展開めまぐるしいドラマチッチな楽曲だ。ときに凛々しく勇壮に、ときに舞台上をかけまわるなどいろんな表情を見せながら、彼女たちは感情を剥きだしに歌い騒いでいた。「限界超えてゆけ」と歌い叫ぶパワーと気迫に煽られ、フロア中でも数多くのカラフルなサイリウムの光が騒いでいた。

  終始叫び続ける、岡本りん。メンバーらも1年10ヶ月ぶりの東京公演ということで興奮を隠せずにいた。

 「100万回キュンキュンできますかー!」。吉岡久美子の煽り声を合図に飛びだしたのが、胸をキュンキュンとしたハート色に染め上げる「恋愛ランチ」だ。彼女たちも愛らしく…と伝えたいところだが、9人はキュンキュンときめく気持ちを数培増しくらいのパワーに膨らませ届けてきた。まるでOLたちが昼下がりにわちゃわちゃガールズトークしていくような弾けっぷりだ。でも、恋にときめいてるときは、誰だって無敵の妄想パワーが沸き立ち、テンションがガンガンに上がってゆくもの。この日の、つぼみ大革命のメンバーたちのようにね。

  それまでの弾けた姿から、少しだけ清楚な乙女へと変貌。メンバーたちは舞台の上を軽やかに舞いながら、胸の奥に溜め込んだ愛しい想いを少しずつ零すように「いつキスすんねん」を歌っていた。彼女たちに「いつキスすんねん」と甘く。でも、どこか切なさを抱いた声で求められたら、心が嬉しすぎて不安定になってしまう。その甘いアプローチにメロメロになりそうだ。内に秘めた想いを少し遠慮ぎみに伝えてくる彼女たち。でも、その歌声は、さりげなく伸ばした心の手のようにも思えていた。その歌声の手をギュッとつかみ、グイッと引き寄せてもいいんですよね。

 次に披露したのが、新曲の「クエスチョンマーク」。いつも笑顔炸裂しているつぼみ大革命にとても似合う、カラフルな色の詰まったペンキ缶たちを一気にぶちまけたような色濃い華やかな楽曲だ。この曲に触れ、フロア中が鮮やかに色づいてゆく。メンバーらは舞台上でわちゃわちゃ騒ぎながら、めっちゃハイテンションになってゆく。まさにこの曲は、つぼみ大革命流のパーティチューン…いや、感情をアゲアゲにしてゆくブチ上げた祭り曲だ。声を上げられるようになったとき、彼女たちと一緒に「オッケー!!」と大きな声を張り上げながら祭り上がりたい。触れたとたん、無条件に気持ちをアゲてゆく最高の盛り上げ曲の誕生だ。

 ここからは、元つぼみ大革命のメンバーであり、3時のヒロインの福田麻貴が作った長大なコント…というよりは、夢を追いかけ続ける女性(芸人)たちの物語が、コミカルだけどシニカルに描き出されてゆく。

  VTRには、吉岡久美子を司会に、「BGMって何の略?」「(B)ばり (G)ガチ (M)マサシ」「(B)僕 (G)が (M)マザコンです」などコミカルなやりとりを行う、売れてない女芸人たちが集まったトークショーの様子が登場。メンバーたちが少し下品に、笑いを取ろうとやりとりしてゆく姿を映しながら、そのやりとりの中、メンバーそれぞれが思っていた心の声を伝えてゆく形で映像は進んでいった。

  舞台は、街中へ。番組を終え、バイト先へ向かう杉山優華。そこへお笑い公演のチケットを売りにやってきた松下千紘・岡本りんコンビ。さらにそこへ水森依音・糸原沙也加コンビも加わり、2組が、杉山優華へ無理やりチケットを売ろうとする様がコミカルに描き出されてゆく。

  そこからライブは、松下千紘・岡本りん・水森依音・糸原沙也加による、チケットを手売りしてゆく大変さをシニカルに歌った「TE・U・RI」へ。歌詞に絡めた小芝居も中へ組み込みながら曲は進んでゆく。楽曲の内容に紐付いた小芝居を見せながら、物語を彩る劇中歌のように「TE・U・RI」を聞かせてゆく手腕が、とても冴えている。

  歌い終わり、ふたたび芝居へ。そこでは、争っていた2組のメンバーは、それぞれに昔一緒に組んでいたコンビ(岡本りん・糸原沙也加/松下千紘・水森依音)だったことが判明。でも、今は感情剥き出しに互いをけなしあう関係へとなっていた。

  舞台は変わり、吉岡久美子としよりが、可愛らしさをアピールしながらも、おっさんの癖が出てしまうしよりの姿へ、吉岡久美子が突っ込んでゆくという漫才を展開。 芸に徹するしより。でも吉岡久美子は、つい素の自分も見せてしまう。

  2人が歌いだしたのが、大好きな人に「わたしの気持ちに気付いて」とアプローチしてゆく心の声を歌にした「ぷにゅ」。吉岡久美子としよりを歌い手に、ダンサーとして松下千紘・岡本りん・水森依音・糸原沙也加も参加。「お腹や二の腕がぷにゅっとしたところも全部きみのためなんだよ」と可愛らしい仕種をたっぷりに、好きな人へ向けた女の子の想い寄せる気持ちを、2人は愛らしさたっぷりに歌っていた。

  舞台は、杉山優華がバイトしているカラオケ屋さんへ。お笑いのセンスは欠けているが、バイトスキルはめちゃめちゃ高く、いつの間にかお店を仕切る立場になっていた恵梨華。彼女を支える、同じくバイト仲間の杉山優華。そこへ新たにバイトとして入ってきたのが、芸人としてはそこそこ売れている樋口みどりこ。みんな、本当はバイトを辞めて芸人のみで食べていきたいが、現実は…。そんな想いを背負いながらも、真面目に働く杉山優華と恵梨華に対して、ひたすらさぼりまくる樋口みどりことのやりとり。客としてやってきてカラオケを楽しむしよりと吉岡久美子。3人がバタバタ働く中へやってきた、樋口みどりこの後輩という松下千紘と岡本りん。さらに水森依音と糸原沙也加も足を運び、そこで杉山優華との関係性が見えてくるなど、いろんな人間ドラマがコミカルに繰り広げられる。そのうえで飛びだした「バイトやめたい」の声から、楽曲は「バイトやめたい」へ。

  舞台劇の中、一番の盛り上がりシーンを描くように、メンバーみんなで「バイトやめたい」を歌い踊りながら、わちゃわちゃとライブを展開。バイトをやめてアイドル(芝居の中では芸人)だけで食べていきたいと歌う姿はまさに、ある時期までの彼女たちの姿そのもの。自分たちのリアルな体験も重ねながら、ここへ至るまでの小芝居の流れを踏まえた上で、この場所で輝きたいんだと歌う姿を見ながら、「その夢、応援しているぞ」と熱いエールを送りたくなっていた。

  舞台は、変わり、路上でお笑いのネタ合わせをしていた松下千紘と岡本りんの姿が映像に映し出された。そこへ糸原沙也加がやってきて、岡本りんへ「コンビを復活させたい」と直訴。そこから、元々コンビだった岡本りん・糸原沙也加。そして、松下千紘・水森依音のコンビが復活。さちに、バイト先では、杉山優華・樋口みどりこ・恵梨華がお笑いトリオを作れば、吉岡久美子・しよりもネタ合わせに勤しんでいた。彼女たちが狙っていたのは「お笑いグランプリ」。そして…。

  そこから続いた、新曲「正念場Do Da」へと続く流れにニヤッとさせられた。ふたたびアイドルの衣装に着替えたメンバーたちは、沸き立つ気持ちをパワフルな歌声とパフォーマンスに乗せ、思いきりぶつけていた。先の芝居から繋がる想いを、楽曲を通して全身を奮わせ歌い躍るメンバーたち。すっかりそのノリに巻き込まれ、夢を追いかける彼女たちを応援したい気持ちになっていた。

  彼女たちは「売れたいねん」と、胸に抱いた気持ちをぶつけるように「All tag need」を歌っていた。アイドルとして売れたいそれぞれの人生模様を、9人は「売れたいねん」と力強く叫びながら、いつか大きく夢のつばみが花咲くことを願うように歌っていた。彼女たちはリアルな心の叫びを、欲望のままにガツガツぶつけてゆく。そのパワーに引き寄せられ、フロア中でも数多くのカラフルなサイリウムの光が大きく揺れていた。 

  「私たちはなにがあってもあきらめないと心に決めているので、大丈夫です。私たちがみなさんを元気にするので、何度でも会いに来てください。むちゃくちゃ楽しいライブをするから」という言葉。

  「最後に笑って終えたいと思います」の言葉に続き、本編最後に、つぼみ大革命は「一気にジャンジャンジャンプ めっちゃめちゃ騒げ」と「笑DNA」をパワフルに歌いだした。そのパワーへ引っ張られる形でフロア中も沸いていた。何より、メンバーたち自身が身体に残っているエナジーをマックスまで絞り出す勢いで、超テシンョン高い姿を見せながら、笑顔と元気で人を幸せにする歌の大革命を巻き起こしていた。彼女たち自身が、元気を作り出す源だ。この日も自分たちが楽しみながら、人を笑顔にするパワーをガシガシと注いでいった。おかげで、すっかり笑顔だ。

 アンコールは、ふたたびこの空間に、温かい空気と笑顔を注ぐように「Viva!人類」からスタート。彼女たちが歌う「Viva!人類 ガンバレ 負けるな」という歌声を聞いてると、心が嬉しく高ぶりだす。この曲は、気持ちをガツガツと上げ、嬉しく奮い立たせる感情高陽曲だ。フロア中の人たちも、彼女たちと一緒に心の中で「Viva!人類」と歌いながら、勇ましい気持ちで熱い手拍子をぶつけていた。


  ここで、2022年2月2日にミニアルバム「GOCHAMAZE(ごちゃまぜ)」を発売することを告知。この日披露した「正念場 Do Da」「クエスチョンマーク」を含む全部で6曲入りになる。

  届けたのが、つぼみ大革命らしい超ハイテンションナンバー「ノーテンキパラダイス」だ。最後の最後に超ブチ上げソングを彼女たちはぶち噛ましてきた。ノーテンキにはしゃぐその姿が、最高にキラキラ輝いていた。「頭から花咲かせてなんぼやん」の歌詞通り、ネガティブな感情など全部カラフルな幸せ色で塗りつぶし、笑顔で騒ぎまくればいい。みんなではっちゃけてこそ、つぼみ大革命のライブ。ここでじっとしているのがもどかしい。本当なら一緒にわちゃわちゃ騒ぎたい。いや、身体は椅子の上だけど、心の中は、間違いなくご機嫌にはしゃいでいた。この楽しさが終わらないでほしい。ずっとずっとこのパラダイスがノーテンキに続けばいいのに。だれもが心の中でそう思いながら、笑顔の花を咲かせていた。


LIVE


TEXT:長澤智典

 

ミニアルバム情報は、以下を参照。
http://yoshimoto-me.co.jp/artist/tsubomi/discography_series/R09DSEFNQVpF/


つぼみ大革命 SNS 
https://www.tsubomi-daikakumei.com/
https://twitter.com/tsubomi_hana
https://www.instagram.com/tsubomi_daikakumei/
https://www.youtube.com/channel/UC9uBt0fC_XOQeEykUvgFJ4g


セットリスト
「逆襲のYEAH!」
「9」
MC
「恋愛ランチ」
「いつキスすんねん」
「クエスチョンマーク」
VTR/コント
「TE・U・RI」
コント
「ぷにゅ」
コント
「バイトやめたい」
コント/VTR
「正念場Do Da」
「All tag need」
MC
「笑DNA」
-ENCORE-
「Viva人類」
「ノーテンキパラダイス」
 

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