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2021.11.10
ピュアリーモンスター

石飛恵里花と柳木みりの卒業という分岐点をきっかけに、これからピュアリーモンスターがどのように進化していくのか…。 「ピュアリーモンスター ワンマンライブ 〜石飛恵里花、柳木みり卒業ライブ〜」レポート。

  ついに、この日が来てしまった。ピュアリーモンスターを活動初期から支えてきた石飛恵里花と柳木みりが、11月3日に品川インターシティホールを舞台に行った「ピュアリーモンスター ワンマンライブ 〜石飛恵里花、柳木みり卒業ライブ〜」を持って卒業した。当日の模様を、ここにお伝えしたい。 


  舞台の上に横一列に並んだメンバーたち。彼女たちは大きく空に手を伸ばし、みんなで声を重ねるように「行こう 走り出せ 夢は道標 未来さえも超えて」と歌いだした。幕開けを飾ったのが、最新シングルの「Wake up to a Brand new day」だ。どんな困難さえも、小さな胸に抱えた熱い想いと希望、そして仲間たちがいれば乗り越えていける。「誰にも邪魔させないよ 私たちの明日を」の言葉通り、強い決意と自信を手にした彼女たちの歌声はキラキラ輝いていた。光に満ちた言葉の数々が舞台の上から降り注ぐ。元気に笑顔で歌う9人の姿を見ていたら、自然と心が熱くなる。その熱を、これからもっともっと温めていこうか。

  キラキラとした魔法を振りかけるように、ピュアリーモンスターが歌いだしたのが「らぶティカル☆パレード」。止まることなく…どころか、曲を重ねるごとハートをごっそり奪い取るように、彼女たちはメロメロになる魔法をかけてゆく。気持ちがどんどんはしゃぎだす。一緒にキラキラとした輝きの中、共に行進していきたい。いや、気持ちの中では、先頭に立って力強く手を上げ歌い進む9人の後にしっかりついていきながら、同じように手を振り上げ足踏みしていたんだけどさ。

  彼女たちに「Chu Chu I LOVE YOU Chu Chu」とせまられたとたん、これまでもドキドキしていたのに、ますますハートの鼓動が大きく鳴りだした。無邪気な笑顔で「Chu Chu I LOVE YOU Chu Chu」と「Secret Story」を歌いかけられ、ボーッと見ていられると思う?愛らしい歌声で愛の告白を受けたなら、素直にその想いを受け止め、もっともっといじらしい気持ちを膨らませていたい。そうしている今が、とても楽しい。このドキドキを止めたくない。キラキラを失くしたくない。


  MCでは、石飛恵里花と柳木みりが話をリードしながら進行。2人とも、ピュアリーモンスターとしてのMCはこれが最後というのを噛みしめるように語っていた。この日の2人は白いショートなドレス姿。 その姿もチャーミングだ。


 次のブロックは、ドラマチックで勇壮な。でも、どこか哀愁も抱いたファンタジーRPG『エターナルリンケージ〜蒼穹のアムネシア〜』の主題歌「まだ誰も知らない明日へ」からスタート。ゲームの世界観ともリンクするスケールあふれた壮大かつ麗美なシンフォニックナンバーの上で、メンバーたちは凛々しい歌声を響かせていた。サビ歌で力強く声を上げる姿へ引っ張られるように、気持ちが高ぶりだす。愛らしい姿にも惹かれるが、キリッとした凛々しい様にも心が奮い立つ。

  続く「Infinite Horizon」は、ゲーム「りっく☆じあ〜す」のテーマソング。とても勇壮でシンフォニックな楽曲に乗せ、彼女たちは勇ましい姿のまま深い包容力を持って歌っていた。「まだ誰も知らない明日へ」も「Infinite Horizon」も、そう。交響曲のクライマックスを彩るような楽曲もピュアリーモンスターに似合う表情だ。気持ちを奮い立たせるように歌う革命のメロディーに刺激を受け、見ている側の気持ちも同じように奮い立っていた。

 気持ちをワクワクときめかせる楽曲の登場だ。青春の1ページを描くように9人が歌う「蒼空の彼方」に触れながら、未来が無限の可能性を持って見えていた頃の自分に戻っていた。現実を知ってしまったからと言って嘆くことはない。彼女たちの歌をエールに改めて前を向けば、これまでとは少し違った風景が見えてくるはずだ。それが小さな抵抗や勇気でもいい。少しでも心が動いたら、その気持ちを信じてみよう。彼女たちと一緒にこの曲の間だけでも青春の風景の中へ飛び込んでいけば、少しは輝く気持ちを手にできるはずだ。

  理屈も屁理屈も、どーでもいい。今は頭をからっぽにポップにスプラッシュした「PURE×PURE×PURE」を歌い踊り、無邪気にはしゃぐ彼女たちと一緒にわちゃわちゃと、チャオチャオとはしゃげばいい。途中、メンバーとはしゃぎながら歌っていた石飛恵里花が、感極まったのか涙ぐむ場面も登場。この楽しさが最後と思ったら、つい涙ぐんでしまう気持ちもわかるよ。思いきり飛び跳ねながらわちゃわちゃはしゃぐメンバーらの姿、とても眩しかった。

 メンバーも、観客たちも、会場中の人たちも、みんなで気持ちを重ねながらクラップを始めた。ピュアリーモンスターは「DREAM PLANET」を歌いながら、この場をときめき降り注ぐドリーミーな空間に染め上げていった。とても胸をキュンキュンときめかせるポップでラブリーな楽曲だ。この歌に乗ってキラキラな空間まで飛んでいきたい。もちろん、9人と一緒にね。


 次のブロックからはスペシャルなユニットでの楽曲をプレゼント。柳木みりを筆頭に、今野優月・立川怜奈・杉田夏海の4人が歌ったのが、わちゃわちゃ弾けたポップチューンの「Trip Stream!!」。4人は次々と歌を繋いだり、みんなで声を合わせながら、テンション高い楽曲へ高ぶる気持ちをシンクロさせてゆく。思いきり弾けながら歌う姿が、眩しく見えていた。

 続いて登場したのが、石飛恵里花を中心に、吉咲みゆ・安藤鈴菜・塙有咲・勝野里奈の5人。彼女たちは凛々しい表情を魅力に「瞬感リスグラシュ」を届けてくれた。胸の内側から沸き立つ情熱的な想いを、5人は歌声に乗せ解き放っていた。5人が笑顔で力強く歌う姿を見ていたら、その魅力に心落ちてしまった。


 今回のユニットスタイルを取った理由は、新メンバーそれぞれの魅力はもちろん、メンバー一人一人の歌声をしっかり届けたい想いからとのこと。


  「あこがれの場所 真っ白な地図の上 自分の手で描こう」とメンバーみんなの声が重なり響きだした。「真っ白な地図」だ。このタイミングで「真っ白な地図」を聞くと、卒業する2人が、これから真っ白な地図の上にどんな道や景色を描いてゆくのか。そんな想像も巡らせてしまう。メンバー一人一人の歌声の魅力もしっかり味わえるのも、この曲の嬉しいポイントだ。9人の重なりあった歌声にも惹かれるが、そのハーモニーを形作っている一人一人の歌声の魅力を短い中からでもつかめたことが嬉しかった。

 「キセキを君にもあげるよ…」の歌声に心がときめいた。メンバーみんなが気持ちを一つに「多次元トラベリング」を歌う姿を見ていたら、とても温かい想いに身体中が包まれていた。「キセキを君にもあげるよ」と歌う彼女たちの歌声に触れながら、今、ここで見ている景色が、その軌跡であり、奇跡なんだろうなという、ちょっと感傷的な気持ちにも心染まっていた。

 彼女たちは、未来を見据えながらこう歌っていた。「あの日僕たちが追いかけてたもの 輝いて さざめいて きらきら光る」と。ハートフルな最新ナンバー「Juvenile」の登場だ。この歌も、2人の卒業という景色に合わせて聞くと、とても感傷的になってしまう。「もう 僕たちが戻れないあの場所は いつだって きらめいて 笑ってるんだ」の言葉通り、輝きを消すまいと、9人が未来を見据え笑顔で歌う姿を見ながら、少しウルウルとした気持ちも胸の内に覚えていた。やはり涙はあふれちゃうよ。

  続く「Good Luck Charm」を歌ったのが、柳木みり・石飛恵里花・今野優月とピュアリーモンスター初期メンバーたち。まさかの嬉しい組み合わせだ。しかも届けたのが、大切な人への感謝の想いを伝えながら、それぞれの道へ進もうという内容。歌っていた3人も、少し声が震えていたように、涙を堪え、必死に笑顔を浮かべ歌っていた。ここで涙腺が少しでも決壊したら止めどなく涙色の想いがあふれてしまうからこそ、3人は、お互いの絆を確かめあいながらも、笑顔の自分でいた…はずなのに、柳木みりが落ちサビで想いを堪えきれず泣いてしまう。両瞼にたくさんの涙の滴を溜めながら歌っていた石飛恵里花。2人をくしゃくしゃの顔で慰める今野優月。この3人の姿、見ている側の涙腺も壊してゆく。


 ふたたび9人が舞台に勢ぞろい。メンバーみんなペンライトを手に歌いだしたのが、「Forever My Friends」。舞台の上に、フロア中にライトブルーの光の波が揺れだした。メンバーどうしの、ファンたちとの絆を確かめあいながら、彼女たちは「もっと大きな夢叶えるよ」と誓いを立てるように歌っていた。薄闇の中、ライトブルーの光が揺れる姿が、とても美しい。

 続く「群青プロローグ」が、柳木みりと石飛恵里花の卒業ソングのようにも胸に響いてきた。ファンたちも含め、メンバーみんながここまでの歩みを噛みしめながら、この景色を笑顔で思い返せるようにと想いを込めながら歌っていた。 

  「Over the Future」もこの日は、旅立つ2人へ向けたエールソングにしか思えなかった。とても前向きな、輝く未来を信じてゆく歌だ。でも、この日だけは石飛恵里花と柳木みりの未来へ羽ばたく姿と、それを送り出す7人という姿を重ね合わせてしまっていた。彼女たちは力強く笑顔で歌っていた。だからこそ、余計に胸が騒いでいた。

  最後まで笑顔で盛り上がってこそピュアリーモンスター。その姿勢を示すように超ハイテンションナンバーの「超純正ピュアリーチューン」が飛びだした。舞台の上で笑顔を浮かべはしゃぐメンバーらの気持ちに引っ張られ、いつしか一緒にはしゃいでいた。きっとそれでいいんだと思う。笑顔の景色こそ、2人に向けた最高の笑顔のプレゼントになるのだから。


 ここで、メンバーたちが卒業する2人へ。そして、卒業する柳木みりと石飛恵里花が卒業の言葉を述べていた。


  ライブの最後を飾ったのが、デビュー曲の「教えてダーウィン」だ。いろんな想いを背負いながら、ピュアリーモンスターの歴史の歩みの中、ずっと一緒に進んできたこの歌を、みんなが少し崩れそうな笑顔で歌っていた。「ふとした事 ちょっとした事で 未来は進化してく」ように、この日の経験が、これからのピュアリーモンスターの進化した姿の糧となってゆく。石飛恵里花と柳木みりの卒業という分岐点をきっかけに、これからピュアリーモンスターがどのように進化していくのか。その続きの物語も、引き続き追いかけ続けたい。


TEXT:長澤智典



セットリスト
「Wake up to a Brand new day」
「らぶティカル☆パレード」
「Secret Story」
「まだ誰も知らない明日へ」
「Infinite Horizon」
「蒼空の彼方」
「PURE×PURE×PURE」
「DREAM PLANET」
「Trip Stream!!」
「瞬感リスグラシュ」
「真っ白な地図」
「多次元トラベリング」
「Juvenile」
「Good Luck Charm」
「Forever My Friends」
「群青プロローグ」
「Over the Future」
「超純正ピュアリーチューン」
「教えてダーウィン」
 

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