FEATURE
ARCANA PROJECTの物語が、ついに幕開けた。1stワンマンライブの模様を、ここにレポート!!!!!
TVアニメ『白い砂のアクアトープ』2クール目オープニングテーマ「とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか」も好評なARCANA PROJECT。リリースに先駆け、10月24日(日)、恵比寿LIQUIDROOMを舞台にARCANA PROJECTが「1st One-Man LIVE"Sacre de L'ARCANA PROJECT"」を行った。当日の模様を、ここに紹介したい。
これから壮大な物語が始まる。そんな予感を覚えさせる、まるでアニメのオープニングのような幕開けだ。音色が大きく膨らむのに合わせ、メンバーが舞台へ登場。壮麗で勇壮な音色を背に5人がゆっくりと姿を現し、観客たちに一礼。その後、舞台後方に並べた5つの玉座へ5人は銘々に鎮座した。一瞬のブレイク。そして…。
優しい音色が響くのに合わせ、「Hello, My heart 白い太陽 僕らはゆく片手に薔薇 Hello, My heart 崖の上から無限の旅路が始まる」と、花宮ハナと桜野羽咲が歌声を繋ぐ形で歌いだした。楽曲が華やかさを増すのに合わせ、5人が気持ちを一つに美しいハーモニーを描き出す。ライブの幕開けを飾ったのは、「Hello True my heart」だ。メンバー一人一人が声を繋ぎながら、美しくも雄々しい歌を響かせる。それは、王宮の高い場所に据えた玉座から、5人の王妃が、民たちへ向けこれから始まる物語を語りだすようにも見えていた。楽曲がきらめくのに合わせ5人は立ち上がり、「Hello, My heart ひらめきは今」と胸に手を当て、美しい歌声を会場中に響かせてゆく。 とても壮麗な幕開けだ。5人の無垢な王妃たちは、これから始まる物語を呼び寄せるように、視線を"その先の未来"へ向けて歌っていた。ここからどんな旅が始まるのか、ドキドキやワクワクとした期待が胸を騒がせる。物語は、ついに歌の絵筆を走らせた。
ふたたび玉座に座った王妃たちが、オリエンタルな音色に乗せ歌いだした。彼女たちは、見ている人たちを不思議の世界へと誘いだす。楽曲が華やかさと勢いを増すのに合わせ、玉座から立ち上がり、大勢の観客たちへ向け、「迷わないConquest」を、迷い無き心で力強く想いをぶつけるように歌いだした。彼女たちは玉座も巧みにパフォーマンスの中へ組み込みながら。胸を熱く騒がせる気持ちのまま、「どんな無謀だって飛び越えてゆけ」と凛々しい表情で歌声を響かせてゆく。勇壮なドラマを描くように次々と展開を変える楽曲に合わせ、5人も歌声の表情を巧みに変えながら、迷う事なき確かな意志を持って力強く叫び続けていた。その姿に、凛々しい歌声に気持ちが熱く揺さぶられる。
魔法の世界の物語が始まるようにダークでファンタジックな音色がフロア中に流れだす。ARCANA PROJECTが「ウたえうタえ狂エる夜に」と歌いだしたのが「Ophelia」だ。闇や痛みを孕んだ楽曲を、彼女たちは想いをはべらせるように歌っていた。ときに戦慄覚える旋律の上で、彼女たちは嘆くように歌っていた。中盤には、舞台に寝そべり歌う様も登場。そう、彼女たち自身が曲ごとに物語のヒロインとなり、舞台の上で歌い奏でてゆく。その麗しき姿に、心が強く惹かれていく。
まるでミュージカルの一場面のように、カラフルでファンタジックな「123!」が飛び出した。「123」と魔法の言葉を唱えるたびに、キラキラとした世界が目の前に広がりだす。5人は「123で開けてく運命は自分の手でめくっていかなきゃ」と、自分たちの強い意志で運命を変えてゆく気持ちを、笑顔浮かべ高らかに歌っていた。「ARCANA PROJECTの戴冠式へようこそ」「私たちの伝説はここから始まるよ」と語った言葉も印象的。とても胸を弾ませる楽曲だ。彼女たちは、目の前にどんな艱難辛苦が訪れようと、自分たちの手で運命を切り開いてゆく強い意志を「123!」を通し明るく宣言してきた。まるでミュージカル劇を見ているような感覚で、彼女たちの歌い躍る姿を楽しめば、いつしか僕らも華やかな宴の中へ123!を合図に一緒に飛び込み、運命は自分たちの意志を持って切り開くんだという気持ちを胸に、未来への期待に想いを馳せていた。この曲を歌っているときのメンバーたちの姿が、とにかくチャーミングだった。
「今からあなたに起きる奇跡、私たちARCANA PROJECTです」と挨拶。MCでメンバーらは、「今日は戴冠式ということで、ここからがスタートです。ここから先、どんな物語が待ち受けているのかとっても楽しみです」「私たちの国を作っていきましょう」と語れば、メンバーみんなで、腕を振り上げ「建国!建国!」とはしゃぎだす。花宮ハナの「最高のセレモニーにします」の言葉を受け、次のブロックへ。
流れだしたのが、ゴシックでシンフォニックなドラマを描き出す「天運ヘキサグラム」。運命を委ねるのではなく、自分たちで運命を、天命を作りあげる強い意志を示すように、5人は感情を込めた歌声をぶつけていた。「この運命は決して誰にも占えない」と、彼女たちは自分たちの決意を示すように、凛とした歌声を響かせていた。凛々しい姿で舞い躍る姿からも、ずっと視線を逸らしたくなかった。
スリリングな空気を会場中へ作りあげるように、ARCANA PROJECTは「ドンケア」と攻めた声で歌いだした。とても挑戦的な歌声とパフォーマンスだ。彼女たちは闘争本能を呼び起こすように、痛い感情を突きつけるように、黒い心をさらけ出すように歌っていた。早口で言葉をまくしたてるたびに気持ちが騒ぎだす。心地好くも緊張感を持ったスリリングな世界が、そこには広がってゆく。痛い感情をぶつけるように歌う尖った声に刺激を受け、気持ちが荒々しく騒ぎだす。
表情を一気に塗り替えるように、ARCANA PROJECTは声を張り上げ「ヒトリガタリ」を熱々とした姿で歌っていた。熱く転がり続ける楽曲に乗せ、彼女たちも気持ちをヒートアップしながらも、凛々しさと、がなる歌声を巧みに混ぜ合わせ歌っていた。彼女たちが口を開くたびに言葉が、歌声が躍りだす。どんどん気持ちが上がってゆくのが、その歌声や躍動したパフォーマンスから伝わってくる。巧みに転調しながらも攻めるアップテンポな楽曲の上で、彼女たちは次々と歌を掛け合いながら、スリリングな熱狂のドラマを作りあげてゆく。挑発するような歌声を突きつける彼女たち。爆裂する跳ねた楽曲の上でスリリングな色とソリッドな空気を彼女たちの歌声が作りあげる。凛々しく絶唱する様に、心が嬉しく奮い立つ。気持ちが熱く騒ぎだす!!
「水溜まりに浮かんだ僕は何色か?」。痛みを覚える歌声とソリッドな楽曲がクロスオーバーしながら、切なくも不思議な緊張を作りあげる。彼女たちは、射貫くような凛々しい姿で「TWO of WANDS」を歌っていた。彼女たちが「何回も 分かったんだって、分かんないだって どうやったっていいんだ」と突き刺すように歌声をぶつけるたび、切っ先鋭いナイフのようにその言葉が胸へと突き刺さる。迷いも、惑いも、悩みも、全部「どうだっていいんだ」と突っぱねるように、彼女たちは凛々しい姿と攻める強い声に乗せ心の声を叫んでいた。
桃源郷へと続く道が、暗闇の先に見えてきた。ARCANA PROJECTは、嘆く感情をぶつけながら、惑う気持ちを絶叫に変え「Ace of Pentacles」を歌っていた。闇の中へ身を委ね、痛みに心奮わせ、嘆く気持ちをぶつけながらも、その先に希望の光を求めるように彼女たちは歌い叫んでいた。「ここから一歩踏みだす」「ここじゃないどこか遠くへ」と、彼女たちは今の環境を抗うように歌っていた。心壊れるように嘆き絶叫するメンバーらの歌声が、胸をきつく締めつける。絶望や暗闇という痛みに激しく身悶えながら、彼女たちは光を求めるように心の声を上げていた。
「どこまでだってかがやけるはずさ」と、絶望や悲しみの中から抜けだし輝きの世界へと連れてゆく新しい風に乗って羽ばたくよう、5人は希望を胸に、力強く高らかに「キミトナラ」を歌っていた。舞台の上へ一気に降り注ぎだした声の光がとても眩しい。それまで嘆く絶望の景色の中へいたからこそ、希望や輝きに身体中が包まれたときの幸せ感がハンパない。胸にキラキラした輝きが降り注ぐ。彼女たちは「君となら、なんだってできるよ」と笑顔で歌いかけてきた。その言葉に強い勇気が沸き上がる。「キラキラこぼれるような未来にしよう」と誘う声へ向け、一緒に輝きの中へ飛び込んでいきたい気持ちに心が染まってゆく。「みんなで一つになろう」の声を受け、フロア中の人たちがメンバーと一緒に大きく手を振りながら一つに溶け合う。なんて素敵な風景だ。闇から光へと続く素敵な旅路に触れながら、輝く未来をARCANA PROJECTと一緒に作りたい気持ちに心が染まっていた。
MCでも、メンバーらは「戴冠!戴冠!!」「建国!建国!!」と叫びながら騒いでいた。「ここからはARCANA PROJECTの中で思い入れの強い、特別な曲たちをお届けしたいなと思います」の言葉に続いて披露したのが、これまでに歌ってきたアニソンナンバーの数々。
最初に歌ったのが、アニメ『白い砂のアクアトープ』のオープニングテーマ「たゆたえ、七色」。メンバーたちは両手を翼のように広げ、大海原の上を飛ぶように、華やかな気持ちを胸に歌っていた。とても美しくも壮麗な景色が広がる楽曲だ。5人は舞台の上で舞うように踊りながら、想いを歌声に乗せていた。とても澄み渡る声だ。その歌に触れていたら、心がスーッと溶けてしまいそう。なんて心にドラマを映し出す楽曲だろう。軽やかに舞いながら歌う彼女たちの姿を見ながら、心は彼女たちと一緒に海岸線を飛び交っていた。
次に飛びだしたのが、アニメ『白い砂のアクアトープ』2クール目オープニングテーマの「とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか」。まさかの流れに心が騒ぎだす。2曲とも壮麗な、美しくもスケール大きな世界観を描いているよう、先に心の中に描いた景色をさらに深くドラマチックに広げるように、この曲を受け止めていた。真っ直ぐな希望を抱いた想いに胸が躍る。澄み渡る彼女たちの歌声に触れていると、同じように心が晴れ渡る。この歌を相棒に一緒に大海原を羽ばたいてゆく気持ちになれる。とても胸が晴れやかだ。
「カンパネラ響きわたれば この空でいまめぐりあえる」とメンバーたちが気持ちを一つに綺麗な歌声を響かせた。アニメ『モンスター娘のお医者さん』のオープニングテーマ「カンパネラ響く空で」の登場だ。この歌も、気持ちを晴れ渡る青空へと連れ出してゆく。とても華やかな気持ちに心が染まる。5人が想いを一つに、無垢な気持ちで響かせる歌声に心が洗われる。彼女たちが笑顔で伸ばす優しい心の手を握りながら、一緒に素敵な景色の中へ羽ばたいていきたい。ブルーのペンライトの光がフロア中に青空を描いていた。なんてドラマチックな景色だ。胸が弾む、心が華やかに騒ぎだす。この感覚がたまらない。
イントロが流れたとたん、胸がドキドキ騒ぎだした。彼女たちが歌ったのが、アニメ『回復術士のやり直し』のエンディングテーマ「夢で世界を変えるなら」。歌が進むごとに、どんどん光と輝きが降り注ぐ。まるで夜空から輝いた光が次々と降ってくるよう。とてもキュートでファンタジックな楽曲だ。ネガティブな自分の気持ちも認めたうえで、すべてを解き放つように歌うメンバーたち。胸弾む楽曲に触れている間中、ずっと笑顔と幸せな気持ちに心が包まれていた。彼女たちの希望を抱いたキラキラ輝く歌声に照らされ、気持ちがどんどん晴れ渡る。彼女たちは「夢で世界を変えた時は」と歌いかける。でも僕らは、彼女たちの歌声に、ARCANA PROJECTという存在に夢を変えられたからこそ、彼女たちの描く夢を見たくてここに集まれば、想いをぶつけていた。
「夢でなら世界を変えられる。でも現実だって、どんなつらい世界だって、自分たち次第で変えられるとわたしは思います」(空野青空)「ほんの少しの今日の変化で、みんなの未来が、明日からが少しでもよくなりますようにと願っています」(桜野羽咲)「明けない夜は絶対にない。大丈夫、物語を紡いでいこう」(天野ひかる)
見失った心に光の道筋を示すように、彼女たちは明けない夜はない、明けない未来はないと「Dawn of the Future」を歌っていた。訪れた一人一人に、ライブ配信を通して見ている人たちの心にも、彼女たちは輝く歌声で未来の道を指し示してきた。メンバー自身が、いろんな痛みを乗り越えてきた人たちだからこそ、希望を胸に始まりを歌うその歌声に希望を覚えてゆく。5人の想いを一つにしたハーモニーが心を揺らしていった。
最後にARCANA PROJECTは、「何だって怖くない 何度も越えていくんだ」と「星影のファンタジア」を歌いだした。ここにいるみんなで想いを掻き集め、大きな希望や未来という地図を描き、描いたその地へ一緒に向かおうと、彼女たちは未来へ進む道標が記す先へ向かって歌っていた。未来を見据え力強く歌う姿がとても凛々しい。彼女たちの歌は、希望に満ちている。伸ばしたその手に光を覚えるからこそ、フロアでも5人に向け手を伸ばしたり、その場で跳ねながら、一緒に未来へ続く道を駆けだしていた。
アンコールは、デビュー曲の「ACE of WANDS」からスタート。ふたたびこの会場に新しい始まりの景色を描くように、5人は自分たちの運命を信じ、その運命を自分たちの懐へ引き寄せようと高らかに笑顔で歌っていた。希望に満ちた歌声に、一緒に手を取り進もうと誘いをかけるその歌声にずっと触れていたい。彼女たちは輝く運命を手にすることを願うように。いや、絶対につかむという強い意志を持って歌っていた。自信に満ちたその歌声に触れていると、僕らも勇気をもらえる。彼女たちは一緒に熱情した気持ちで進もうと呼びかけてきた。その想いを、僕らも5人と同じようにこの手でつかみたい。
「私たちがずっと届けたいなと思ってきた音楽の世界はみなさんに届きましたでしょうか」(桜野羽咲)
「今までにないパフォーマンスだったり、ティアラを付けて躍ったりとか、ワンマンならではの緊張感の中で、最初はこんなに曲覚えられないよと思ってたんですけど。こうやってアンコールまで歌い切れて、5人で歌うのってすごく楽しいなと思いました」(天野ひかる)
「戴冠式という一つのコンセプトで。セレモニー的なイメージでやらせていただきました。セットリストも試行錯誤を繰り返しながら、この世界観を作り上げることができたなぁと思って、それをみんなにセレモニーとしてお届けし、このひとときをみなさんと一緒に迎えられたことがとても嬉しいなと思いました。無事、戴冠しました」(空野青空)
「「Ace of Pentacles」には"成長"という意味があって。私たちもどんどんいろんな曲に挑戦させてもらいながら、どんどん成長してきた1年じゃなかったかなと思います」(花宮ハナ)
「今年は、今まで私たちが「やりたい」と言ってきたことを、みんなのおかげで叶えさせていただきました。これからも、みんなが知ってるようなアニメソングのイベントに出れるように、アニメを好きなみんなから愛される存在になりたいのが、私たちの今の目標です」(相田詩音)
「ARCANA PROJECTの次なる目標は、アニメソング界でもっともっと愛される存在になること。大好きなアニメにずっと関わる人生を送りたいと思っているので、その未来にたどり着くように願いを込めて、この曲をお届けします」(桜野羽咲)
その言葉を示すように、最後にARCANA PROJECTは「きっと、その未来にたどりつくから。」を歌っていた。とても希望に満ちた華やかな歌だ。その中には、強い意志と躍動した音も詰め込まれている。それは、絶対に夢を叶えてやろうという強い意志を持った今の5人の姿のよう。願うんじゃない。つかむという強い意志と自信を持って今の5人は歌っている。その自信が、舞台の上から見せるキラキラとした表情に現れていた。自信や強い意志を胸に抱いたその歌声に気持ちが引き寄せられる。だから、その歌声を道標に、僕らも彼女たちの進む旅路を共に進む旅人であり続けたい。
素敵な戴冠式だった。ここからARCANA PROJECTがどんな物語を描くのか、さぁ、一緒に歩みを進めようか。
PHOTO:チェリーマン
TEXT:長澤智典
セットリスト
「Hello True my heart」
「迷わないConquest」
「Ophelia」
「123!」
=MC=
「天運ヘキサグラム」
「ドンケア」
「ヒトリガタリ」
「TWO of WANDS」
「Ace of Pentacles」
「キミトナラ」
=MC=
「たゆたえ、七色」
「とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか」
「カンパネラ響く空で」
「夢で世界を変えるなら」
=Short MC=
「Dawn of the Future」
「星影のファンタジア」
-ENCORE-
「ACE of WANDS」
=MC=
「きっと、その未来にたどりつくから。」
ARCANA PROJECT『とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか』
https://www.youtube.com/watch?v=qh1MuDT-o3w
https://arcana-project.com/
https://dearstage.co.jp/artist/arcana
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