FEATURE

2020.10.06
アクアノート

アクアノート 4thワンマンライブ『EVER/BLUE』ライブレポ- 未熟なまま、未発達なまま、未完成なまま、走り去った883日。-

高輪白金に佇む、そのホールは早くもアクア色に染まっていた。会場は期待が高まりステージに集中しているのか、直前シーンと静まりかえる、そこにステージ裏から5人の始まりの気合の声が響く。

静まり帰った水面に、一つのしずくが落ちるように。

 

オープニングは今日、ここまで辿ってきた映像が流れる。

この先もエバーブルーと。彼女たちは、この先も何にも染まらず永遠にアクア色なんだと。

 

メンバーがステージに登場すると、客席は、一斉に立ち上がり、拍手で迎える。

 

アクア

登場した5人が纏うのはこの日、初披露目となる新衣装だ!今までのアクアノートらしさを継承する、真っ白な衣装。膝上のミニスカートに、メンバーカラーがウエスト部分でアクセントとなっておりスタイルを強調する。袖の先が少しだけ水色に染まり、腰から後ろ側にリボンの裾のように長く伸びた先も水色になる。アクアノートの衣装としては初のチョーカーも、大人っぽさとあどけなさを演出している。チョーカーについたブローチはしずくがモチーフになっているので、ぜひ特典会など、近くで見るときには注目して欲しい。

 

ライブは、この日、ファンの前では初披露となった「水を目指した日」からスタート!自粛期間中に、何か家でできるのではないか、ということが発端で作られたこの曲は、スマホを使って家でレコーディングされた。ファンに向けてのエールを送る思いで作られたとのことで、今日この日に、ファンの前でライブができることをかみしめるように歌っている姿が、ミディアムテンポの少し切ないメロディに乗せて歌い上げる。

 

続く「じゃんぴん・じゃんぴん」は、ポップなサウンドで彼女たちのフレッシュさにマッチをしている。6人から5人体制に変わってから初めてもらったこの曲は、彼女たちも思い入れがある曲だ。

昨年の11月ぶりに見る5人は、少し大人びていて、よりアイドルになっていた。それが嬉しくもだんだん手が離れていくようで寂しさもある。

 

MCを挟み「水花火」へ。衣装のウエストにつけていたメンバーカラーのベルトを外す。するとシースルーのロングスカートに早変わり!!実はツーウェイ仕様になっているこの衣装は、今までにないロングスカートは、大人な清楚の印象になり、キレイなシルエットを映し出す。夏の終わりを感じるこの曲に、大人を感じるその姿に目が潤む。

ミニスカートの上から重なるロング丈は、彼女たちが回った時に綺麗に広がるように計算されており、まさに水花火のようだ。

 

アクア

 

美波ももかは、最年長の高校2年生とあってか、誰よりも表情や所作が大人ぽくなった。歌やダンスでグループ全体を引っ張る。自分自身がどうするのがバランスがいいのか、美波の成長がグループ全体の成長になるくらい中心にいる印象だ。

夢咲摩萌は、昨年見たときは一番大人っぽいと思っていたのに、カワイイが増してきていて、新たな魅力を感じる。ただ時折見せるアンニュイな表情にもドキッとさせられ目が離せない。ノビのある歌声は健在で、ライブが進むごとに調子を上げていく声に、毎回ワクワクする。

佐山すずかは、変わらずの一所懸命さ。よりエネルギッシュに、よりアクティブに動く姿が、長身からすらっと伸びる手足が強調される。何より彼女はその誰よりもステージに気持ちを込めて動くさまに心打たれ、MCでの言葉選びや口調から聡明さを感じる。

高梨有咲は、笑顔を絶やさずステージを見渡す、会場ひとりづつにしっかり気持ちを届けている。余裕ができたのか、いい意味で力の抜きどころ入れどころをを手に入れたように見える。冷静に踊るところ感情を込めるところ、その見極めにハッとする。そこが彼女のセンスなんだろう。

双葉樹里は、あの頃ぎこちなかった表情が柔らかくなっている。5人になってから一番成長を感じるのは彼女ではないだろうか。より目立つようになったのは、ただ人数が減ったからではない、アイドルとしての何かを掴んだに違いない。

 

 

「未来線ダイヤグラム」「挑発Selifsh」とダンサブルなナンバーが続く、全員が綺麗に揃っている姿が実力の証だ。ただうまくなったのではない、5人の絆とお互いを欠けているところを補うようなチームワークが、よりうまく見えているのだろう。

 

「夕立とアンチノミー」「さよなら六花」と叙情的なナンバーが続く、歌詞もメロディもエモく、歌唱としても難易度の高いものだ、今の彼女たちの実力の限りで歌う。クールな中にも5人が歌うと爽やかさが残る、この感じ方が1年後2年後どうなっていくのか想像するのも楽しい。

ワンマンライブらしいセットリストに続くは、お待ちかねの新曲「恋心クレッシェンド」だ。タイトルの通り、乙女の切ない恋心を歌う、キラキラとした優しいメロディが甘酸っぱさを感じる。作詞作曲が多田慎也のこの曲は、サビでは多田サウンドらしい盛り上がりを見せる。スカートの裾をちょんとげる仕草がキュートなザ・アイドルソングだ。

 

歌謡曲の雰囲気の残る「青春日和」に続き、「あの夏に」が始まる。

6人の時も5人の時もこの曲とともに歩んできた。アクアノートの道程が詰まっている曲。"出会ったこの道を過ごした毎日を"5人の声が重なる時、彼女たちの思い出を重ねているようで、客席を見つめる彼女たちの目が潤む。

ここからはラストスパート「いろみず」「乙女心はアクアマリン」とコールを入れたくなるくらい会場の一体感を感じる楽曲が続く。

 

アクア

 

残り2曲を前にメンバーから今日のライブについての挨拶が、

 

「5月から延期になって、今日、無事に開催できてうれしく思います。一時期は、みなさんに会える機会が少なくて寂しい思いもあったんですけど、去年のような当たり前の週末がとりかえせるかなと思っています。 アクアノートは、私には家族と同じくらい大事な場所です。アクアノートがなければこんな素敵なメンバーに出会うこともなく、スタッフさんやファンのみなさんにも出会えなかったので、今ここにいれてよかったと思ってます。ありがとうございました。」(夢咲)

 

「こうやって大変な状況の中、集まってくれて皆さんありがとうございます。こんな状況になったから、たくさんの人に囲まれてワンマンライブができることは、本当に幸せなことだと思っています。これからもアクアノートの夢や目標を皆さんと一緒に達成していって喜びを分かち合いたいと思っています。本日はありがとうございました!!」(美波)

 

「今日は本当に楽しくて、レッスンや学校で忙しかったけど、努力して準備してきた甲斐があります。それがみんなに伝わってたらいいな。アクアノートはまだまだ続くし、成長していきます。それに皆さんがついて来てくれたら嬉しいです。本日はありがとうございました。」(双葉)

 

「もともと5月に開催予定だったこの4thワンマンライブ。そこでは目標を立てて、前回よりもっともっと頑張ろうと目標をかかがてたけど、2月3月4月の大事なライブも一気になくなってしまって、不安な毎日を過ごしていました。なので今、皆さんの目の前にいられるのが感謝しかないです。ぜひアクアノートを信じてついてきてください。コンセプトにもある何色にも染まらずにアクアノートはこれからも突き進んでいきます。これからも応援よろしくお願いします!!」(佐山)

 

「今年の3月から状況が変わり、大きいライブもなくなり悔しい思いがありました。今日もたくさんの方たちが来てくださって感謝してます。この感謝の気持ちをこのライブで伝えて、これからもみんながアクアノートを応援したいって思えるような、ライブにしたかったんですけど、大丈夫でしたか?

これからも頑張っていきたいと思いますので、アクアノートをよろしくお願いします。」(高梨)

 

本来5月開催であったこのワンマンライブだったが、9月まで延期されそれでもファンの前で開催されたことに感謝をそれぞれの言葉で語られた、そして、佐山が「まだまだ予断を許さない状況で、皆さんの気持ちも沈んでいるのかもしれないけど、そんな皆さんへエールを贈る気持を込めてこの2曲を届けます!!」との声を発す、その声に呼応して、事前にファンの有志が会場中に配布をしていたアクア色のサイリウムが一気に輝く、キラキラした水面の上に5人が立つような、にくい演出だ。「ドリームノート」「アクアソニック」と一気に駆け抜ける。

 

最後まで全力で、汗だくになりながらも歌い踊る彼女たちの姿で元気をもらう。こんなに心踊るものかと

癒されるのものかと。アクアノートは未完成のまま、これからも走り続けるだろう。それは完成されないのではない、彼女たちが常に目標を追い求めるがゆえに、これからもずっと"未完成"なのだ。

 

<セットリスト>
01.水を目指した日
02.じゃんぴん・じゃんぴん
03.水花火
04.ラブ☆サマー
05.未来線ダイヤグラム
06.挑発Selifsh
07.夕立とアンチノミー
08.さよなら六花
09.恋心クレッシェンド
10.青春日和
11.あの夏に
12.いろみず
13.乙女心はアクアマリン
14.ドリームノート
15.アクアソニック

 

<インフォメーション>

毎週土曜日 AKIBAカルチャーズ劇場にて
定期公演開催中!!

1stSingle「アクアソニック」販売決定!
ジャケット全3タイプ。それぞれカップリング別。

A

[A-type]
価格: 1,000円(税抜)
品番:AQNT-1004
【収録曲】
1.アクアソニック
2.じゃんぴん・じゃんぴん
3.アクアソニック Instrumental
4.じゃんぴん・じゃんぴん Instrumental

 

B

[B-type]
価格: 1,000円(税抜)
品番:AQNT-1005
【収録曲】
1.アクアソニック
2.さよなら六花
3.アクアソニック Instrumental
4.さよなら六花 Instrumental

 

C

[C-type]
価格: 1,000円(税抜)
品番:AQNT-1006
【収録曲】
1.アクアソニック
2.未来線ダイヤグラム
3.アクアソニック Instrumental
4.未来線ダイヤグラム Instrumental


公式サイト:
https://www.aquanote.jp/

公式Twitter:
https://twitter.com/aquanote_info

 

取材・文:もりたはぢめ
取材協力:株式会社センターグローブ

 

 

特集FEATURE

FEATURE
最新記事更新日 2024.12.16
イベント情報
最新記事更新日 2024.11.19
ガルポ!ズ INTERVIEW