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2025年も、3人と一緒に混沌とした世界へ堕ち続けな!!! 『混沌少女2025現目黒鹿鳴館ラスト単独公演「最期ニ目黒デ晩餐ヲ...」』公演レポート!!!
混沌少女が、2025年最初のワンマン公演であり、移転を前にした目黒鹿鳴館では最後となる『混沌少女2025現目黒鹿鳴館ラスト単独公演「最期ニ目黒デ晩餐ヲ...」』公演を1月8日に行った。当日の模様を、ここにお伝えしたい。
ステージの背景には、混沌少女の大きなロゴが映えたクロスを敷いたテーブルと、その上に3体の首上の人形を設置。背景にはいくつもの絞首刑用の縄をプリントした垂れ幕が下がっていた。
ステージの上にはゴスロリ風の衣裳を着たメンバーたちの姿があった。一礼した後に流れだした『此畜声明』と題したSE。「全員声だせ!」の煽りを合図に、場内中から野太い声と拳が突き上がる。
混沌少女のライブは、互いに熱情した声をぶつけあう『此ノ世ハ闇ダラケ』から始まった。3人とも、最初から身体を激しく折り畳み、腹の底から声を振り絞り、観客たちへぶつけだす。3人とも沸き立つ感情を、身体を前のめりに、叫ぶ声や歌に乗せて激しく叩きつける。混沌少女らしいよね。でも、その何時もらしさへひと際気合を感じるのも、それだけ彼女たちが、この日のライブに賭けていたからだ。さぁ、3人と一緒に右手を高く掲げ、この光景を身体に、その両眼にしっかりと焼きつけろ!!!
「僕ハ欠陥品」の言葉が場内中に響きだす。この歌を、欠陥品の3人が、さらにみずからの身体や脳味噌を壊す勢いで歌い叫ぶところに面白さを覚える。『欠陥品ノ僕カラ君へ』でも、3人とフロア中の欠陥品たちが、荒ぶる感情をぶつけあう。信じた一つの感情のみを研ぎ澄まし、互いに全力でぶつけあう。その姿で作りあげるライブこそが、他の何処にも存在しえない欠陥品たちだからこそ作りだせる唯一無二の光景。誰にも負けない研ぎ澄ました感情や姿を全力で曝け出してこそ、最高に光輝くダメな人間という誇りを持って生きる証になる。
『死にたいなんて嘘です。』が始まったとたん、3人が綺麗に身体を折り畳みながら気合満載な声を張り上げる。3人は、いきなりフロアへ飛び込み、観客たちをガンガン煽り倒す。この会場すべてが彼女たちにとっての舞台であり、自分たちの感情をぶつける場。みずからの気持ちが動くままに暴れ尽くす。だからフロア中の人たちも、声を荒らげ、拳を振り回し、野獣のような様で騒ぎ続けていた。
止まることなく『首棘』へ。3人は、両手でマイクを握りしめ、ときに身体を大きく反らし、ときに身体を激しく折り曲げ、奮い起つ気持ちのままにどろどろとした感情をぶつけ、十字を切っていた。煽るだけじゃない、しっかり歌を響かせる。2つの生々しい感情を巧みに駆使しながら、3人は、この世界を混沌とした赤黒く毒々しい社交場に染めあげていった。
魑魅魍魎の「お手を拝借」の言葉を合図に、メンバーと観客たちが一斉にクラップ。『あなたのあのこ』か始まったとたん、3人はとち狂ったラジオ体操のような踊りを見せ、「嫌い、嫌い~大嫌いです」と歌えば、みずからを巻いた螺子が壊れたサイコな人形の様に変え、ステージの上で予測不能に踊る姿を見せていた。フロアでも同じ踊りをしながら、誰もがサイコな輩になっていた。
ノイズ混じりの「お経」を挟み、『四角い部屋』が流れたとたん、3人が「FUCK YOU!!」と連呼し、身体を激しく折り畳みだす。メンバーも理性のストッパーを壊して乱れ狂えば、場内中の人たちも本能のままに暴れていた。3人が「この指とまれ」と突き出す指に向け、大勢の狂信者たちが、その指をつかもうと群がる。互いの感情を0距離にしながら狂ったように求めあう姿は、最高にイカれ‥‥イカしてる。
『Re;birth』では、3人とも胸の内側から沸き立つ思いを赤黒く染め上げ、その歌声と絶望のハーモニーで観客たちの身体の内側を揺らしていく。ただ激情していればいいのではない。楽曲の持つパワーと説得力で触れた人たちの気持ちをつかみ、揺さぶる。その力を3人は持っているからこそ、フロアからもたくさんの無言の拳が3人に向けて伸びていた。
『青春謳歌』が流れるのにあわせ、ふたたび3人が「僕らは死んでないから歌うんだと」と歌いながら、この場にいる人たちを、病んだ世界の中で生きる意味を求める青春物語の中へグイグイ引き込んでゆく。頭を激しく振り乱し歌う彼女たち。魑魅魍魎に至っては身体を半分フロアへ預けながら、ここで生きて叫んでいる意味を力の限り示していた。
続く『HATE』でも、3人と観客たちが「HATE HATE HATE」と叫びながら、興奮と高揚を導きだす楽曲に感情のすべてを預け、狂い上がっていた。混沌少女流のエモナンバーは、気持ちを嬉しく奮い起こす。だから、3人がくるくる回す手の動きにあわせて観客たちも一緒に手を回せば、野太い声を張り上げ、高く拳を突き上げていた。ともにシンガロングしたくなる気持ちにしてゆくのも嬉しい。この混沌としたエモさも、混沌少女らしさの出た青春讃歌。だから3人と一緒に、ずっと「HATE HATE HATE」と叫んでいたかった。
『鬱々鬱』で3人は、左へ右へと踊りながら走りだす。その様にあわせ、フロア中の人たちも民族大移動してゆく。3人の歌に向けて観客たちが荒ぶる声を上げれば、掛け合いしてゆく様も誕生。この場に足を運んだ人たちみんなで絶叫と興奮の宴の様を描きだす。「回る回る」の声にあわせて腕をくるくる回す人たちも誕生。3人と観客たちが一緒に声を張り上げ、掛け合うことで、この曲の間中、誰もがサイコで最高の姿になれる。
「逃げずにここまでやってこれたのは、あなたの存在があったからです」。魑魅魍魎の言葉を受けて3人が届けたのは、エモくてメロディックな感情高揚歌の『軌跡を投じる。』。3人が魂を奮い起て、エモーショナルに歌うからこそ、この曲に込めた思いの一つ一つが、熱情した矢となって胸に突き刺さる。彼女たちは歌っていた、未来へ向けて気持ちを奮い起てて進撃してゆく思いを。「何回だっていこう」と繰り返すたび、その言葉を道標に、一緒に突き進みたくなる。だからフロア中の人たちも拳を高く突き上げ、3人に向って飛び跳ね続けていた。
ふたたび3人は暴走/暴発した楽曲に乗せ、心の奥底から感情を振り絞りながら『我、命』を絶唱していた。みずから魂を奮い起て、激情したままに感情を突きつける様を見せるからこそ、観客たちも魂が奮い起てば、一緒に絶叫の宴の中で騒ぎ狂っていたくなる。
ふたたび流れだした『犯行声明』のSE。ライブもついに終盤へ。3人は轟きだした『地獄ニ堕-ジゴクニダ-』に乗せ、早口で病んだ荒ぶる感情を次々と吐き捨てる。3人が煽るたび、熱情した感情へ呼応するように、フロア中でも無数の拳が突き上がっていた。「堕ちろ」の声にあわせ、3人が座ってヘドバンに興じれば、みずからも闇の世界へ飛び込む勢いで「闇闇闇闇闇」と絶叫し続けていた。
『みなごろち』が唸りを上げて爆走。荒ぶる楽曲の上で、3人は「僕の事を邪魔するやつらはみなごろち みなごろち」と歌い叫んでいた。フロアでは興奮を抑えきれずに激しくその身を揺さぶる人たちや、身体を寄せあって騒ぐ人たちも誕生。みずからがぶっ壊れるまで、みんなでぐちゃぐちゃになってしまえばいい。3人も、フロア中を見下ろしながら「僕の事を邪魔するやつらは みなごろち みなごろち」と歌い叫びながら、燃えたぎる血潮を声に乗せて振りまき続けていた。
「ここにいる全員で狂っていこうぜ」と叫ぶ不朽不滅の声を合図に『MAD MAD GiRL』へ。3人の「踊り狂え 歌い狂え~」の煽りへ誘われるように、フロア中の人たちも「Oi!Oi!」と大声で叫び、騒ぎ、狂い続ける。さぁ、この熱狂を身体中にまとわりながら、3人と一緒に落ちていけ。何処へ??狂った熱狂の先にあるのが何かは、みんなわかっているだろう!!!落ちサビでは、メンバーらに無数の手が伸びる。ほら、見えるだろう、歌い踊り騒ぎ狂った様の先にある快楽という天国が‥。
「最後、ブチ上がっていこうぜ」と叫んだ天下統一の言葉を合図に、混沌少女は最後に「カリスマ カリスマ 俺のカリスマ」と叫び狂う『カリスマ』を叩きつけ、フロア中を「Oi!Oi!」と声を張り上げ暴れる祭りの場に染めあげていった。途中、魑魅魍魎がフロアに飛び込み観客たちと一緒に暴れる場面も誕生。3人が折り畳む姿にあわせてフロア中の人たちも身体を折り畳めば、手にした扇子を振り回し、共に高く高く飛び跳ねながら、昇天して逝った。
今年も、ずっと混沌少女は狂い続けていく。その様を見て、一緒に現実を蹴飛ばしたいと思ったのなら、あなたも、その輪の中に飛び込み、狂ってしまえばいい。
PHOTO:SEKI@seki_Photo513
TEXT:長澤智典
セットリスト
『此畜声明』(SE)
『此ノ世ハ闇ダラケ』
『欠陥品ノ僕カラ君へ』
『死にたいなんて嘘です。』
『首棘』
『あなたのあのこ』
(お経)
『四角い部屋』
『Re;birth』
『青春謳歌』
『HATE』
『鬱々鬱』
『軌跡を投じる。』
『我、命』
『犯行声明』(SE)
『地獄ニ堕-ジゴクニダ-』
『みなごろち』
『MAD MAD GiRL』
『カリスマ』
2025年04月04日(金)
1st 8cm Single
「右脳ヲ蝕ス晩餐」
全2曲入り
2025年07月25日(金)
3rd FULL ALBUM
「狂惡少女-キョウアクショウジョ-」
2025年07月25日(金)
3周年単独公演