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2025.01.26
maleficium

魂を揺さぶられろ。そして、maleficiumの僕になれt!「maleficium単独公演Ragnarøk(ラグナロク)tour final〜神々の涙〜 」公演レポート!!

 進化と挑戦を止めないmaleficiumが、2024年最後の挑戦の場として選んだのが、池袋harevutai。12月22日に同地で行った公演の模様を、ここに伝えたい。

 

1

 

  SEが場内を駆け巡ったとたん、この空間かち現実が消え去りだした。腰に激しく響く強烈なダンスビートに乗せ、メンバーらが次々と舞台へ登場。そして‥。幕開けを飾ったのが、maleficiumの進化した姿を明瞭に示した最新ナンバーの『Ragnarøk』。音が鳴り響いたとたん、メンバーらが雄々しき声を張り上げ、観客たちを煽りだす。挑みかかる??確かにその姿も見せている。むしろ今は、何時も通りの勇猛な姿を見せつつも、お前らどこまで5人とガチでぶつかれるのかと、観客たちを試すようにも見えていた。とはいえ、曲が進むごとに、メンバーらの歌声や身体を揺さぶる姿から気迫というオーラが滲み出る。彼女たちに身構えるなんて言葉は似合わない。何時だって、全身全霊でぶつかりあう。それこそが、maleficiumのライブの中にある唯一のルールなのだから。
  彼女たちが次に歌ったのが、maleficiumのライブを語るうえで欠かせない『Ēlysion』。5人とも、力の限り拳を振り上げ、観客たちを煽り続ける。いつも思うことだが、この曲を歌うときのCHIHO FUKUDAの雄々しい声に触れるたび、気持ちが奮い立つ。そのうえでサビへ突入すると、拳を力強く振り上げずにいれなくなる。夜縋らるむや紫雪れのんの気迫漲る歌声も、この曲の大きな魅力だ。同時に、5人が一つになって荒々しく煽る姿にも、魂を熱く揺さぶられていた。

 

2

 

 『EDEN』が流れだすのを合図に、5人はふたたび雄々しき声を上げ、この場を、この日にしか味わえない5人が作りだす楽園に染めあげる。彼女たちが腕を振り上げ「WOW OH WOW」と歌う声に合わせ、フロアからも多くの拳が突き上がる。その速さが、どんどん激しくなる。攻めた歌声を5人が突き刺すたびに気持ちが熱く騒ぎだす。ワンマン公演ではトラブルも仲間にしてきた今年のmaleficiumらしく、一度現実に連れ戻されようが、音が鳴ると、この空間を闇の司祭が司る毒々しい宴の場に染めあげる様は、さすがだ。
 まさか、ここで新曲の『DUALIS』を持って来るとは。観客たちの感情を高ぶらせた上で、毒々しくも壮麗/荘厳な音色と荒ぶる轟音を重ねた衝撃を持って、彼女たちは襲いかかる。胸を揺さぶるサビの美メロに触れていると、気持ちが高揚してゆく。破壊力を持った攻撃的な曲調の中へ壮麗さを描き加え、また新たな轟音シンフォニックな世界をmaleficiumは描きあげた。「教えて」の声から続く高揚したサビ歌は、本当に気持ちを嬉しく奮い立てる。アルカード・アリスに至っては、華麗に舞いながら歌う余裕を持った様さえ見せていた。

 

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 カオスでインダストリアルな音が響き渡る。こちらも披露して間もない新曲の『Beast of Blood』だ。5人は「Oi!Oi!」と観客たちを煽りながら、己の身体の中を駆けめぐる獣の血を沸騰させ、荒ぶる歌の牙を剥き出しに観客たちへ襲いかかる。この曲、「Oi!Oi!」と煽る部分も多いように、ライブで一体感を描きやすい楽曲だ。同時に、ゴス/インダストリアルというmaleficiumの根幹にある姿勢を、これでもから荒々しく突きつける曲でもある。それぞれが、どんな風にライブ中で「Oi!Oi!」と煽っていくのか。その姿も注視していただきたい。
 流れだしたのが、『Distopia』。「Oi!Oi!」と煽る彼女たちの声の勢いがさらに増せば、一人一人が雄々しき声を響かせ、観客たちから理性を次々と奪い去る。ときにメンバーと観客たちが身体を激しく折り畳み、共にカオスな宴の様を描きだす。紫雪れのんもそうだが、アルカード・アリスの歌も、maleficiumらしい毒々しさを放つ色に染まっている。主軸を成す歌い手が4人になったことで、より楽曲へ深みと攻撃力と存在感が増したのは間違いない。音と対等に張り合ってこそ生まれるmaleficiumの世界だけに、その成長ぶりを味わえたのが嬉しい。
  さらに攻撃力と破壊性を増した姿で、5人は『ユダの接吻』を歌いだした。いつもの定位置から巧みに移動し、並びを変えて歌う姿も新鮮だ。一人一人が自分の存在を鼓舞するように雄々しく歌う姿が、気持ちを奮わせる。5人が熱情した魂を一つにして歌い、吠えるその声も、気持ちを激しく揺さぶり続けていた。

 

4

 

 ファルセットも生かしたCHIHO FUKUDAのハイトーンヴォイスが響き渡る。跳ねた轟音ナンバー『悪徳に満ちた夜』でも、5人の挑戦的な雄々しき歌声を胸に突き刺され、フロア中の人たちが熱情した痛みを拳に変え、天に向って激しく突き上げていた。
  さらに刺々しい轟音を突き刺すように、maleficiumは『creator』を披露。この曲でも、巧みにメンバーがポジションを入れ換えれば、一人一人が激しく身体を揺さぶり、激情した踊り子のような様で、雄々しき歌声を突きつけていた。立ち位置が変わるだけでステージ上の見映えが様変わるのも、maleficiumだからこそ?!

 

5

 

 ライブも終盤へ。ここからさらに熱狂と轟音が渦巻く宴を導きだそうと、5人が舞台の上で交じり合いながら極美な踊りを見せてゆく。CHIHO FUKUDAと夜縋らるむの2人が雄々しき声を張り上げて歌えば、サビでは全員が気持ちを一つにし、『セラフィムの夜』を激麗に歌っていた。まるで漆黒の劇場の舞台の上、魔窟のオペラ歌手となった彼女たちが、この場に激しくも甘美な物語を歌い語っていたようにも見えていた。
  舞台の上から、さらに破壊性と甘美で妖艶さを抱いた音があふれだした。5人は、ときにその身をのけ反らせ、感情を思いきり奮わせ、『GENESiS』をぶつけてきた。メンバーと観客たちが共に「Oi!Oi!」と声を荒らげ、拳を突き上げ、この場に新たな世界を描きだす。ここまでに描きだした新世界へ、この曲を通して5人は更なる劇薬を注ぎ込み、この場に熱狂と興奮という大きな地殻変動を導きだしていった。
 最後にmaleficiumは,狂麗に舞い踊りながら『nocturne』を歌っていた。熱狂と激動のその先で5人が示したのは、刺々しい刺激も携えた、とても甘美で美しいメロディーと輝きを持った楽曲だった。攻撃的や絶望へ突き落とすのがmaleficiumではない。いつだって彼女たちは明日を見つめ,光をつかもうとしている。その姿勢を匂わせる様を見せ、宴を締めくくってくれたのが嬉しかった。

 

6


 アンコール前に彼女たちの口から、3月9日に下北沢シャングリラで新たな単独公演を行うことを発表。そして、アンコールの宴へ。最初を彩ったのが、『月は無慈悲な夜の女王』。激しく攻めるのではない、歌心を持って観客たちを酔わせ、熱狂へ導く楽曲を示し、maleficiumの持つ本質となる姿を見せてくれたのが嬉しい。この曲の後半には、メンバーと観客たちによる「Oi!Oi!」と熱情した気持ちをぶつけあうバトルの様が生まれていた。
 そのうえで5人は、ここにいる観客たちを至高の熱狂の場へ連れ出そうと、maleficiumの始まりを告げた『Stigmata』を突きつけた。この曲が、maleficiumのスタイルの一つのひな型を作り上げれば、過去の姿をさらに進化させ、また一つ新たな舞台へ上がったことを示していた。『Stigmata』に魂を揺さぶられ、maleficiumの僕になった人たちも多いだろうか。この曲が、今のmaleficiumをこれからどんな世界へ連れ出すのかが楽しみだ。終盤に生まれた「WOW OH OH」と歌い叫ぶシンガロングの景色。その様へ、気持ちが熱く熱く揺さぶられる。
  『Stigmata』がmaleficiumを新しい世界へ連れ出したなら、そこから更なる大きな世界へ、新曲の『DUALIS』が連れ出してゆく。そう予見させる様が、この日、早くも生まれていた。進化を止まないmaleficium、その言葉を熱狂の下で体感する形で味わえた単独公演だった。

 

7


TEXT:長澤智典

INFORMATION

2025年3月9日(日)
下北沢シャングリラ
「maleficium 単独公演~DUALIS~」

18:00/18:30
Sチケット
¥5000/¥5500+1D
Aチケット
¥3000/¥3500+1D
出演
maleficium 

★Sチケット
優先入場、
特典CD(私を○国に○れてってmaleficiumバージョン)、リハーサル見学17:30〜予定
★Aチケット
特典なし

当日の入場順
手売りチケットSチケット整理番号早番
→プレイガイドチケットSチケット整理番号早番→手売りチケットAチケット整理番号早番→プレイガイドチケットAチケット

手売りチケット
会場物販にて販売中

チケットプレイガイド
https://ticketdive.com/event/mareficiumShangri-la 

 


9

 

セットリスト
SE
『Ragnarøk』
『Ēlysion』
『lament』
『EDEN』
『DUALIS』(新曲)
MC
『Beast of Blood』
『Distopia』
『ユダの接吻』
『悪徳に満ちた夜』
『creator』
『セラフィムの夜』
『GENESiS』
『nocturne』
-ENCORE-
『月は無慈悲な夜の女王』
『Stigmata』
『 DUALIS』(新曲)


Maleficium
https://x.com/maleficium_idol

夜縋らるむ
https://x.com/maleficium_rrm
CHIHO FUKUDA
https://x.com/chihomaleficium
ゆら໒꒱· ゜
https://x.com/yuypon
紫雪れのん
https://x.com/maleficium_reno
アルカード・アリス様
 
https://x.com/maleficiumAlice
 

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