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2024.12.18
Empress

Empressの示したスタイリッシュなハードロックとは…。「Empress 1st FullAlbum Release ONE-MAN LIVE『-Departure-』」公演レポート!!!!

 Empressが最新アルバム『Departure』を手に、12月8日に下北沢ReGで、持ち歌を全曲披露したワンマン公演「Empress 1st FullAlbum Release ONE-MAN LIVE『-Departure-』」を行った。ゲストに、FullMooNも登場。後ろまでぎっしりと人が詰めかけた当日の公演の模様を、ここにお伝えしたい。

 

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  美しいピアノの旋律が流れだす。そこへ重なるストリングスの音色。目の前のスクリーンには、メンバー一人一人の姿が映しだされる。そのたびに上がる歓声。そして‥。
  ライブは、ここから新たな始まりを告げるように、『Restart〜君へ贈る歌〜』からスタート。メンバーみんながハーモニーを重ねた声も美しい。あえて激しく始まるのではなく、エモーショナルな、その場にいるみんなと気持ちを一つに、心の中でシンガロングしていける楽曲を通してライブを幕開けたのが嬉しい。これまでにもEmpressは、何度もRestartを重ねてきた。でも、改めてここからが本当の意味での新しい始まりになると伝えたくて、彼女たちはこの曲を、先のステージへ繋げていくうえでの最初の声として届けてきた。フロア中の人たちが、メンバーらのコーラスにあわせて大きく手を振る景色も美しかった。
  ここから、Empressは新たな姿をリビルドしていく。そう宣言するように突きつけたのが『Rebuild』だ。フロア中から沸き上がる熱情した声・声・声。その想いを全身で受け止めながらも、LeAは凛々しい姿で「自分の中の限界を超えていけ!!」と、みずからを鼓舞するように力強く声を上げていた。舞台の前では、大勢の人たちが身体を折り畳み、想いをぶつけていく。その姿を満面の笑みを浮かべて受け止めながらプレイするマリーの姿や、凛々しい表情でギターを掻き鳴らすみつきの姿も眩しく見えていた。

 

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 「熱くなれ、もっと!!私たちが、Empressだ!!」と叫ぶ、LeAの声も嬉しい。

  みつきのメロディアスなギターの旋律が胸を熱くときめかす。『運命』でも彼女たちは、胸の内から沸き立つ想いを、凛々しい歌声や演奏にしてフロア中に解き放つ。何が印象的って、ベースを弾くマリーがずっと笑顔でいたこと。凛々しいロックな姿勢を見せるみつきと良い意味で対照的だが、むしろ、そのコントラストも魅力だ。フロントに立つLeAも、つねに気持ちを前のめりに想いを声に乗せて吐き出す。3人を支えるいおりのドラムも、気持ちを嬉しく騒がせていた。
 いおりのドラムビートに乗せ、LeAが「春の風~」と雅な表情も巧みに加えながら『花蝶風月』を歌いだした。演奏が駆けだすのにあわせ、楽曲は和心と躍動するロックの衝動を巧みに重ねながら、この空間に艶やかな音の花を次々と咲かせだす。フロアのあちこちで突き上がる拳が揺れる花のように見えていたのも、『花蝶風月という曲が見せた妖しい魔力だ。
 雄大なうなりを持った演奏が、舞台の上からあふれだした。その演奏の上で、言葉のひと言ひと言に強い想いを込めながら、LeAは『ラストシーン』を優しく、でも胸込み上げる気持ちへほのかに淡い色を与えるように歌っていた。この曲でのLeAは、キリッと前を向くのではなく、自分の心の内へ問いかけるように歌っていた姿も印象的だった。LeAが歌う『ラストシーン』を、より深みを持って味わえたのも嬉しかった。
 みつきのクリーンなギターの旋律が届けたのが、『ハルジオン』だ。彼女のギターの音が歪みを上げるのを合図に、楽曲は躍動しだす。この曲でも、LeAの揺れ動く感情へ寄り添うように3人が演奏。一つ一つの楽曲に込めた想いへ、しっかりと輪郭を与え、際だつ姿で‥その曲のあるべき想いを持って届ける。だから、一つ一つの曲が、しっかりと胸の内でいろんなドラマを描きだしていた。

 

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 MCでは、新曲についての想いを述べていた。新曲のテーマに据えていたのが、「スタイリッシュハードロック」。その表情とは‥。

 「その耳で、心で、全身で浸って聴いてください。この熱い想い届け」のLeAの言葉を合図に、荒々しいドラムの演奏が炸裂。これまで以上に激しく轟くいおりのドラムの音に、一瞬でやられた。新曲の『Howling』は、ハードロックという枠を飛び越えた、荒々しくも勇ましい感情を大上段から叩きつける豪快なロックナンバー。初見にも関わらず、大勢の人たちが拳を突き上げ、野太い声をぶつけていたように、触れた人たちの気持ちを雄々しく奮い立てる楽曲だ。LeAの歌い方も、これまで以上に荒ぶる表情を持っている。いや、やさぐれたような様も匂わせて攻めていた。この曲では、いおりの攻撃的なドラムに注目してほしい。リズム隊が、これまで以上に重厚かつ攻撃的だからこそ、激しく唸りを上げて荒々しく攻めるみつきのギターの音も今まで以上に荒ぶっていた。
  みつきの唸るギターの音を合図に、LeAが感情を熱く高ぶらせて『Brand new stage』を歌いだした。とてもエモくメロディアスな楽曲だ。高らかに、気持ちを大きく解き放つように歌うLeAに向け、数多くの拳が突き上がり、熱い声のエールが飛び交っていた。解放感を持ったメロディアスなハードロックも、今の前向きな姿勢を強く打ち出したEmpressに似合う表情だ。みつきのメロディアスなギターソロ、落ちサビで、高らかに歌うLeAに向けて無数の手が伸びていた景色も胸を熱くした。
 止まることなくクラップナンバーの『晴レノチSummer』へ。立て続けに開放的な歌系ナンバーを届け、この空間にいる人たちと胸熱な気持ちを一つにしてゆく。サビでは、LeAと観客たちが振り上げた手を大きく左右に振る場面も登場。ともに心の翼を大きく広げ、演奏に乗せて高く羽ばたきだす。そんな気分でクラップをしながら、心晴れやかに歌や演奏に触れていられたのが嬉しい。

 

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 ここからは、メンバーのソロコーナーへ。最初に飛びだしたのが、ドラムとベースのリズム隊による、激しく唸る演奏。雄々しく地を這うような攻撃的なベースの音をタイトな音で支えるドラム。そこから演奏は巧みに表情を変え、まずはいおりのドラムソロへ。次々と手数多く音を叩きつける、いおり。そこへ、力強い音を濃縮したマリーの高速べースが炸裂。ドラムビートに乗って、ときにスラップしながら爆走するベース音が、気持ちを荒々しく刺激する。まさにスタイリッシュハードロックという言葉が似合う2人の演奏だ。フロア中の人たちが、拳を振り上げ、思いきり頭を揺らしていたのも納得だ。
  そこへ、70年代へレイドバックしたような、みつきのハードロック然としたギターが絡みだす。激しくリフを切り刻み、ときに華やかでメロディアスなソロを組み込みながら、みつきは爆裂するリズム隊の演奏へ美しくも狂気を帯びたソロを重ねてゆく。その様から、これからのEmpressが向うべき姿勢や方向性も見えてきた。


 続いては、ワンマンではお馴染みのパートチェンジコーナーへ。ここでは、みつきがドラムを、LeAがベースを、いおりがギターを、マリーがヴォーカルを担当。この編成で演奏をしたのが、『Days』。嬉しい驚きだったのが、多少ピッチに不安があったとはいえ、マリーが意外にもしっかりと歌えていたこと。いおりのギターも、しっかりと旋律を奏でれば、LeAも、ルートを追いかけて演奏。みつきは、ふたたびドラムを担当ということで、リズムも着実に安定。とはいえ、全体的におぼつかない面や、緩い表情を見せていたのもご愛嬌。むしろ、何時もとは異なるメンバーの一面を味わえたのが嬉しい。ファンたちもみんな温かい視線で、でも、しっかり声を上げ、拳を振り上げ、4人に熱いエールを送っていた。

 

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 Siriusのメンバーらによる、Empressの4人の私物プレゼントジャンケン大会という余興をはさみ、メンバーたちがふたたび舞台へ。

  後半の始まりを告げたのが、今のEmpressの姿勢や勢いをダイレクトに投影した『Departure』。とても力強くて雄々しい歌声と演奏だ。4人とも、確かな自信を胸に歌や演奏に向き合っている。だから一つ一つの表情が強い意志を持って胸に突き刺さる。荒ぶるその刺激に興奮を覚えた観客たちが声を荒らげ、身体を折り畳むのも納得だ。1曲の中、巧みに緩急をつけながら熱狂のドラマを描きだす。まさに、今のEmpressの顔とも言える楽曲だ。
 この勢いをさらに熱く、激しく加速するように、Empressは『カタルシス』を突きつけた。フロア中から上がる「Oi!Oi!」と叫ぶ野太い声と無数の拳。今にもフロアへ飛び下りんばかりの勢いで、雄々しい声を奮わせて歌うLeA。メンバーみんな攻撃的だ。サングラスの色の変わったみつきも、野太い音の旋律や、ときに音をハウらせながら観客たちを挑発。この曲ではマリーもキリッとした表情で観客たちへ挑みかかっていた。何より観客たちが、ずっと声を荒らげ、拳を振り上げ続けていた姿も印象的だった。
 そこへさらに激しく音をけしかけるように、4人は『MY GAME』を突きつけた。今のEmpressが示すハードロック然とした姿を、この3曲を通してしっかりと提示。今の、そしてこれからのEmpressは、野獣のように牙を剥きだした攻撃的な姿を強めていくのだろうか。この曲でも終始拳が突き上がり、荒ぶる声が響き渡ってっていたように、気持ちを熱く滾らせる面では、それも嬉しい表情だ。

 

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 「これからもEmpress、いろんな曲を進化させ、新しい形を見せていきたい。今のEmpressの楽曲を楽しんでいただきたい」とLeAが語る。そして。

 美しい旋律を爪弾くみつき。だが、ドラムカウントを合図に、楽曲はヒリヒリとしたスリリングな演奏に転化。そのうえで、歌が入ったとたんに、胸を潤すメロウな様に変化してゆく。『少年の翼』。原曲の持つ胸を揺さぶるメロディアスでエモーショナルさを生かしたうえで、激しくも鋼鉄の音の翼へと変えた様で演奏。これまでの楽曲を、どんどん今の4人のEmpressの色に染め上げてゆく。荒ぶるその進化ぶりから目を離せない。
 攻撃的な姿勢へ、さらに狂気の刃を刺そうと、4人は『ナイトメア』を突きつけた。フロア中から上がる「Oi!Oi!」とした野太い声と、ビートに乗せて叩く熱いクラップ音。激しくもエモーショナル?!『ナイトメア』へ触れるたびに、胸が熱く高揚し、エモい気持ちが身体中を包みこむ。だから場内中の人たちも、声を荒らげ、身体を折り曲げ、疾走し続ける楽曲へ身を預け、興奮と高揚に溺れていた。
 先ほどパートチェンジで届けた『Days』を、今度は正当なスタイルで演奏。激しい表情から、とてもハートフルでエモい表情に転化。でも、LeAの歌声が、とても力強く表情豊かに響いてきた。か弱く幼い心模様も、今のLeAが歌うことで、どんな逆境でも乗り越えてゆく、より強い意志を持った歌として響き渡る。それが、今のEmpressの姿であることを、この曲と次の歌が示していた。
 『ブルーライト』、とても胸に明るい光を射し込む楽曲だ。か弱き気持ちを奮い立てるのではなく、確かな自信を胸に大きく両手の翼を広げて飛び立つ。そんな輝きと自信に満ちた姿として、この歌が胸に飛び込んできた。どんなもどかしい感情さえも、すべて強い輝きと自信に変えてゆく。それこそが、今のEmpressの姿。フロア中で大きく揺れる数多くの手も、羽ばたく翼のように見えていた。

 

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 次に届けた『Rain』は、現在の第三期Empressとして始まりを告げた楽曲だ。確かな自信を胸に届ける力を持っているからこそ、彼女たちは終盤の盛り上がりをこの曲で描きだそうと高らかに突きつけた。フロア中から上がる野太い声と無数の拳。LeAも自信に満ちた表情で、おらおらと観客たちをけしかけるように歌っていた。その姿を、演奏陣が野太い演奏で力強く押してゆく。そう、この姿こそがEmpressだと示すように。
 さらにここで、活動初期からずっと歌い続けてきた『ビターブレンド』を演奏。LeAが、観客たちが、熱を上げて疾走する演奏に乗せて、手にしたタオルをくるくるとまわしながら気持ちを一つに熱狂してゆく。この曲へ触れるたびに、心がエモく熱情してゆく。淡い青春の香りも覚えるこの曲も、Empressを語るうえで欠かせない表情だ。幾つになっても、何時になっても、ずっと一緒に甘い青春の香りを覚えながら、共に飛び跳ねて熱狂できるのが嬉しい。
  Empressが最後に演奏をしたのが、バンドの始まりを告げた『渚』だ。「みんなでジャンプ」の声にあわせ、フロア中の人たちが飛び跳ねれば、エモく開放的なLeAの歌声にあわせて、熱くクラップしてゆく。ときに「Oi!」と声を張り上げながら飛び跳ねる観客たち。『ビターブレンド』や『渚』もまた、どんなに変化や成長しようと、Empressを語るうえで欠かしてはならない楽曲だ。こんな淡いけど強い意志を持った姿があったからこそ、今の逞しいEmpressへと成長してきた。その奇跡を最後に味わえたのが嬉しい。フロア中の人たちが眩しい笑顔で大きく手を左右に振りながらメンバーらを見つめる、その姿も眩しく輝いていた。

 

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 アンコールの前にLeAが、ここに立って歌える喜びを言葉にして述べていた。そのうえで、歌ったのが、今の4人の心模様を映しだした『BEST LIFE』だ。LeAの「歌え~」の声を合図に、メンバーと観客たちみんなが「Oh Oh Wow~」とシンガロングしてゆく。みんなで気持ちを一つに、腹の底から、思いきり喉を奮わせ、声を張り上げ、拳を振り上げて歌いあげる。そう、たったそれだけで笑顔になれる。それが音楽の持つ魔法だ。それを4人は知っているからこそ、一緒に歌おうと熱く呼びかけ、共に声を張り上げ、熱い熱い声を張り上げながらシンガロングし続けていた。そう、これこそが、ここにいる人たちみんなにとってのBEST LIFE。曲が進むごとにエモさを増してゆく展開も最高に楽しい!!!!だから、ずっとずっと歌い続けていたい。
  Empressが最後の最後に届けた『Believe in the way』でも、誰もが眩しい満面の笑顔で騒いでいた。とても青春の息吹を覚える楽曲だ。一緒に心の手を取り、共に未来へ向って駆けだしていける。そんな最高の笑顔と楽しさに満ちた想いで、この瞬間瞬間を燃え滾る気持ちで過ごせたことが嬉しい。だから、これからも心を一つにして、一緒に物語を動かし続けようか。

 

1
:
TEXT:長澤智典 


セットリスト 
『Restart〜君へ贈る歌〜』
『Rebuild』
『運命』
『花蝶風月』
『ラストシーン』
『ハルジオン』
『Howling』[新曲)
『Brand new stage』
『晴レノチSummer』
各メンバーソロパート
『Days』(パートチェンジ)
プレゼントコーナー
『Departure』
『カタルシス』
『MY GAME』
『少年の翼』
『ナイトメア』
『Days』
『ブルーライト』
『Rain』
『ビターブレンド』
『渚』
-ENCORE-
『BEST LIFE』
『Believe in the way』

 

9

 

SNS
https://x.com/Empress_tw
https://www.zillionmode.com/

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