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2024.12.07
大宮I☆DOLL

大宮I☆DOLL 10thワンマンライブ『Cross Road』第2部「今野梨奈卒業」公演レポート

大宮I☆DOLLの第1期メンバー今野梨奈、最高に輝いた姿で卒業。

 さいたま市大宮駅東口から徒歩数分の場所に拠を構えている、アイドル育成型ライブカフェ「I DOLL」。同店舗を拠点に活動を続けているのが大宮I☆DOLL。同グループが、11月で活動10周年を迎えた。それを記念し、11月24日(日)に大宮I☆DOLLは白金高輪SELENE b2で2部に分けたワンマン公演を行った。第1部は、大宮I☆DOLLの10周年を祝う公演。2部は、アイドルとして14年間活動。第1期メンバーとして大宮I☆DOLLを10年間支え続けてきた今野梨奈の卒業公演。ここでは、新たな旅立ちを告げた今野梨奈の卒業公演の模様をお伝えしたい。


 ここは、一人一人の心の中に、その後に続く人生という道の選択をするうえでのいろんな想いが巡り、重なり合う場。そして、新たな道へと歩みだす今野梨奈の、一つの人生の区切りを祝い、その旅立ちにエールを贈る別れの場。この日のライブを終えたら、彼女は、みずからに輝きを与えたステージという場から離れることになる。だからこそ本人も、大宮I☆DOLLのメンバーやスタッフたちも。そして、ここに集まった今野梨奈と巡り続けた日々に幸せを感じてきた人たちも、今野梨奈を中心に、この場に最高の輝きを生み出そうとしていた。


 気持ちを熱く騒がせる重厚でエレクトロなSEが流れだす。フロア中から起きた熱く野太い声のエール。ライブは、その気合に熱狂を降り注ぐように『Realize』から幕を開けた。熱を求める観客たちへ、ステージ上の5人は、とても凛々しい表情で挑みかかる。一緒に熱を高めあうなんて生温い姿ではない。熱狂する観客たちへ戦いを挑む姿勢で、5人は胸の奥から沸き立つ熱い感情を、唸らせたその声にぶつけて歌っていた。間奏では、メンバーと観客たちがそれぞれにスクラムを組み、身体を激しく折り畳む。熱い、早くもこの空間には、ヤバいくらいに身体中を火照らす熱が生み出されていた。
 観客たちの絶叫にも似たMIXの声に乗せ、『GET OVER』が飛びだした。ライブはまだ2曲目だ。でもフロアの熱気は、すでにライブの終盤のような様を生み出している。5人もそれを肌で実感しているからこそ、身体中から気迫というエナジーを引きずり出し、ときに荒々しくラップもぶつけながら、雄々しさを胸に観客たちと向き合っていた。共に歌い、走り、目指した景色は、この日、最強の世界を描きだそうとしていた。さぁ、いろんな運命を蹴っ飛ばしてアガり続けろ!!!!!
  Co2が吹き上がる景色の中で5人が、込み上げる熱い想いを『永遠Dreamer』に乗せて歌っていた。光を携え疾走する楽曲の上で、5人と観客たちが想いを一つの大きな塊にして、この場に魂奮い立つ景色を生み出していた。だから、限界を突き抜ける勢いで叫び続けていたかった。

 舞台背景のスクリーンには、生まれてから現在までの今野梨奈の生い立ちと、歩んできた日々の写真が映し出されていた。そして…。卒業衣裳に身を包んだ今野梨奈が舞台へ。彼女がソロで披露したのが、『ガチ恋エスカレート』。まさに王道アイドルらしい、愛らしくもチャーミングな姿で「君が大好き」と歌う彼女の姿に気持ちがメロメロだ。この曲は撮影OKだったので、歌うその姿は、ぜひSNSを通して見てほしい。乙女心満載で歌う姿や甘いセリフに、本気で心がとろけていた。
  もう1曲ソロとして歌ったのが、今野梨奈のアイドルとして生きた証を歌にしたような『My way of life』。とてもキラキラとした輝きを持ったこの曲は、今野梨奈の14年間のアイドル人生が、輝きそのものの日々だったことを示していた。でも、けっして平坦ではなかった日々の気持ちを歌にしていたように、その輝きも、闇となる暗い影があったからこそ、ひと際輝かせていたことを伝えていた。そう、「これが今野梨奈のアイドルとして生きた理由や証だ」と伝えるように。

 キラキラと輝く宝石のような歌声で、今野梨奈が『Jewel Drops』を歌唱。彼女の歌声へ誘われるように4人も舞台へ。今野梨奈が、これまでどんな想いを胸に夢や輝きを追い求めてきたのか、どんな憧れの景色を描き駆け続けてきたのか。その想いを改めて感じる、卒業公演という場にとても相応しい歌だ。落ちサビを歌う今野梨奈に向けて4人が想いを捧げる姿を見せれば、旅立つ今野梨奈に、4人が、想いを込めた言葉を述べていた様も心を潤ませた。
 立て続けに、彼女たちは『ガチ恋ジレンマ』を歌唱。王道アイドルらしい、胸をときめかせる甘い楽曲を立て続けに歌ってくれたのが嬉しい。君へ想いを寄せるその歌が、この日は、彼女たちからのガチ恋の告白のようにも響いていた。だから、「僕だけを見てほしい」し「僕だけの君でいてほしい」気持ちで、ステージの上を見つめていた。
  彼女たちは『Starry Days』を歌いながら、この場に生まれた煌めいた輝きを、疾走した楽曲に乗せて場内中へ振りまきだす。「一緒に飛ぼうよ」の言葉に合わせて飛び跳ねるメンバーらと気持ちを重ねるように、フロアでも大勢の人たちが飛び跳ねていた。大宮I☆DOLLには、何より今野梨奈には、強い意志を胸に、仲間たちと一緒に夢に向って走り続ける楽曲がとても似合う。「あきらめることなら何時だって出来る」と、反逆の意志を示し、輝きをつかもうとするように力強く歌う今野梨奈の歌声が、この日はひと際嬉しく気持ちを奮わせた。
 ノンストップでライブは続く。『偶像Moments』で5人は、これまで以上に凛々しい姿を見せ、挑発するようにせまっていた。自分たちが率先して、未来へ突き進む意志を示す、その力強い意志を見せ続けてきたからこそ、その姿にずっとついてきたし、これからもついていく。そんな気持ちを、『偶像Moments』を聴きながら改めて感じていた。「いつかは終わる‥儚いストーリー‥どれだけ伝わるの‥覚えていて‥忘れないでいて‥君と過ごした‥今日のことを」と5人がアカペラで声をリレーした姿にも、胸を熱く揺さぶられた。
 旅立つ今野梨奈へ贈るように、最後に届けたのが『I will…』。今野梨奈というアイドルは、ここで一つの人生に終止符を打つが、彼女が重ね続けきた思い出はけっして消えはしないし、何時までだって消えない想いや思い出として、未来へ繋がっていく。歌詞の一節ではないが、夜が明けて目覚める明日の世界は、どんな景色だろう。でも、いつだって心の片隅に、この日の景色をずっと映していたい。フロア中から起きた「きっと」の熱い歌声や、熱情した口上も、その場に一緒にいたからこそ、気持ちを熱く騒がせた。新しく始まる世界で、今野梨奈とまた出逢えるだろうか。正直、それはわからない。でも、ずっと希望は消せずに持っていたい。

  ここで、今野梨奈が手紙に乗せて届けた言葉。それを、ここへ記したい。

 「大宮I☆DOLLとして10年間、アイドルとして14年間、今野梨奈を応援してくれてありがとう。それぞれ出逢ったタイミング、場面は違うけど。その人とわたしの思い出がとっておきの宝物だと思っています。わたしのアイドル生活の14年は、一人で歩んできたものではなく、みんなの協力があって、ここまで来れたと思っています。
  わたしが「アイドルをやりたいんだけど、どうしよう」って相談をしたときに、「梨奈ならぴったりでしょ、やりなよ」って背中を押してくれた友達。「アイドル向いてるから、売れるように頑張ろう」と言ってレッスン費を出してくれて、名古屋でたくさんわたしの自慢をしてくれたおばあちゃん。わたしのアイドル活動に対して、高校生のときからずっと肯定して、そっと影から応援して、サポートしてくれた両親。そんなまわりからの応援もあって、伸び伸び大好きなアイドル活動に向き合えたこと、とっても感謝しています。
  そして、大宮I☆DOLLを応援してくれるアイドールファミリーへ。このグループを、大宮I☆DOLLを好きになってくれてありがとう。10年間の中でいろんな時期があって、けっして順風満帆なグループではなかったからこそ、一人一人の力を、より大きく感じたよ。だから、逆にみんなから見て、わたしは力になれてるかな?幸せに出来てるかな?応援してもらっているぶん恩返し出来てるかな??って、いつも思っていました。アイドールファミリーは、10年間何時もわたしの日常にいる人たちで、一人一人かけがえのない存在だと思っています。いつも、ありがとう。
  メンバーへ。美咲ちゃん。りなりーのことをきっかけに大宮I☆DOLLを知ってくれて、加入を目指そうと思ってくれたこと、すごく嬉しかったよ。最初はみんなに「ヲタクが入ってきた」と思われた中でいたけど。今は、大宮I☆DOLLの戦力になっているの、すごいなと思ってる。でも、ふいに見せてくれるヲタク魂で、「りなりーのここが好きです」って説明してくれるの、めちゃくちゃ嬉しい。遠征を経て仲を深められて、美咲ちゃんといる時間がとっても楽しくなってきました。最後に一緒に活動できる新メンバーが美咲ちゃんで良かったです。
 律っちゃん。まずは、キャプテン就任おめでとう。「大宮I☆DOLLに加入して2年2カ月でキャプテンだなんてスピード出世だね」なんて冗談で言ってたけど、でもすごく覚悟のいることだったのは、わたしもすごくわかるから。律っちゃんなら責任感も強いし、周りもよく見えるし、パフォーマンス面での向上も意志も高いから適任だとわたしは思うし、きっと安心してみんなもついてきてくれると思います。そのぶん、誰よりも繊細で、考えすぎちゃうことも多いと思うから、あんまり根を詰めずに、自身のアイドル生活を楽しんでね。梨奈は、何時でも飲みに行くよ。
 花凛ちゃん、花凛ちゃんが候補生のとき、りなりーのYouTube動画を観て、「大宮I☆DOLLに入りたいと思ってます」と言ってくれたとき、すごく嬉しかったのを今でもずっと覚えてるよ。だから、花凛ちゃんと早く一緒にグループ活動がしたくて、正規メンバーとして昇格したときは誰よりも嬉しかったし、今では欠かせない大宮I☆DOLLの歌姫になったね。花凛ちゃんはおしとやかなイメージだけど、胸に秘めてる熱い思いをパフォーマンスでぶつける格好良さに、いつも魅了されていました。花凛ちゃん大好きなの。カフェデートしようね。
  ひいちゃん、ひいちゃんのパフォーマンスの伸びしろが本当にすごくて、いつも圧倒されるし、大宮I☆DOLLの期待の星だとわたしは思ってる。センスの塊すぎるから、早く世の中に広まれーって思うの。わたしもそのひいちゃんの才能に見惚れている一人です。遠征先のホテルとか、日常でも、一番一緒にふざけてくれて、毎回りなりーを笑かしてくれて、ひいちゃんがいなかったら、こんなに楽しい時間にはなっていなかったと思うから、本当にありがとう。寂しくなったら、わたしが会いに行くね。
  綾ちゃん、この10年間家族や友達よりも一番長い時間を過ごしたね。だから、一番思ったことをストレートに言えるようになったし、後輩から、「2人のコントみたいな会話が好きです」って言われるようになったね。スポットライトが当たった日もあれば、苦しい時間も多くて、一緒にすべてを乗り越えてきた唯一のメンバー。37歳なのに、一番赤ちゃんみたいなところもかわいくて、誰よりもプロ意識を持って頑張る姿を、いつも隣で見て、尊敬してました。10年間ありがとう。
  社長へ。10年間優しく厳しく始動してくださり、一緒に活動してくださり、本当にありがとうございました。20代前半の頃とかは、「なんでわたしばっかり注意されたり、怒られるんだよぉ」なんて思っていたこともあったんですけど。今思うと、すべてそれは社長の愛だったんだなぁと感じています。少しでも悩みがあると、気になって相談にのってくれて、今の自分を変えたいと思ったとき、精一杯尽力してくれたおかげで、今、とても大切なリナフレというチームができました。10年間のことをすべて語るのは計り知れないのですが、わたしはこの場所で、大宮I☆DOLLでアイドル活動ができて良かったって、心から思っています。
 最後にリナフレのみんなへ。今日もたくさんの準備をしてくれて、素敵な時間を作ってくれて、本当にありがとうございました。りなりーのことを何時も支えてくれて、ありがとう。あなた達にどれだけ救われてきたか。どれほど幸せにしてもらったか、数えきれない思い出ばっかりです。いっぱい、一緒に笑ったね。一緒に泣いたね。わたしにたくさんの自信をくれたリナフレがいたから今、わたしはアイドルとして輝くことが出来たと思っています。一番近くで応援してくれてありがとう。何時も味方でいてくれてありがとう。わたしはリナフレを心から愛しています。
  わたしはアイドルとして、みんなの、あなたの心に残すことは出来ていますか??少しでも人生の幸せな一部になれていたら嬉しいです。最後まで、ありがとうございます。本日、11月24日、わたしは大宮I☆DOLLを卒業します。ありがとうございました」

 最後にファンたちから贈られた卒業証書を受け取り、今野梨奈は、大宮I☆DOLLという大切な場から、次の物語へ向けて羽ばたいていった。


  まだ別れたくない。その気持ちを持って、リナフレたちが全力で叫んだ「りなりー」コールに乗せ、アンコールのステージへ。ライブは姫宮花凛を加えた6人編成で、今野梨奈自身のアイドル人生を物語ったような『My way of life』を歌ってスタート。今野梨奈が、ステージの上に立っているメンバーみんなが、自分たちのアイドルとして生きる証を示すように、強い意志を持ってこの曲を歌っていた。だから場内中の人たちも真っ赤なペンライトを全力で振り、熱い想いを絶叫した「りなりーコール」に声に乗せて届けていた。熱唱する今野梨奈に向けて、ひと際大きく絶叫した声で「りなりー」コールが飛び交う様は、胸を熱く奮い立て、心を潤さずにいれなかった。
 飛びだしたのが、この会場をさらにバーニングしてゆく熱情熱狂ナンバーの『REVIVER』。魂を熱く奮い立てる楽曲に触れ,気持ちがガンガンに燃えたつ。だから、今野梨奈の上げる拳の動きに合わせて全力で叫ばずにいれなかった。フロア中で激しく揺れる赤い輝きが、この日のみんなの気持ちの色を示していた。ここに生まれていたのは、みんなで作りだした最強の輝きを放つ景色。この景色を、これからもずっとずっと、大宮I☆DOLLと一緒にライブという場に描き続けたい。
 その熱狂を繰り返すように、大宮I☆DOLLは最後の曲として、ふたたび『REVIVER』を熱唱。今野梨奈の、大宮I☆DOLLとしての10年の歩みを、14年に渡るアイドルとしての人生を、みんなで最高の熱狂と輝きで送り出す。ほんと、ずっと燃えたぎる気持ちを胸に爆走し続けてきた、今野梨奈の14年のアイドル人生を締めくくるに相応しいしい輝く景色だ。そんな軌跡と奇跡をみんなで生み出しながら、輝いた姿のまま、今野梨奈に旅立つための燃え盛る真っ赤な翼を与え、羽ばたく姿を熱い声のエールを持って送っていた。「みんな、今日までありがとう」の言葉。輝き続けたその姿、ずっと忘れない。ほんと、「最高の時間をありがとう」。


LIVE

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PHOTO: Sadahiro Aida
TEXT:長澤智典


セットリスト
『Realize』
『GET OVER』
『永遠Dreamer』
『ガチ恋エスカレート』
『My way of life』
『Jewel Drops』
『ガチ恋ジレンマ』
『Starry Days』
『偶像Moments』
『I will…』
-ENCORE-
『My way of life』
『REVIVER』
『REVIVER』


■大宮I☆DOLL
ドリーミングワークス所属。2014年より活動を開始。さいたま市大宮駅近郊にあるステージ常設型の飲食店、「アイドル育成型ライブカフェ アイドール」を拠点に活動。外部でのイベントはもちろんのこと、自前の店舗でのライブステージで日々パフォーマンスを磨き、“アツくエモーショナルな心揺さぶるライブ”を届けている。メンバーそれぞれの"想い""生き様"が詰まった熱いパフォーマンスは彼女たちを知れば知るほど深みが増していく。お客様、会場の空気すべてが一体となるライブパフォーマンスに注目だ。

2024年は10周年を迎え、初の海外遠征・台湾での単独公演を開催。11月に白金高輪SELENE b2にて開催された10年間の集大成となるワンマンライブでは初期メンバーでありグループの象徴であった今野梨奈が卒業し、翌25年01月01日には新メンバー春夏秋冬サラを加え新体制がスタートする。
11年目となるが未だに新たな魅力を生み出し成長を続ける大宮I☆DOLLから目が離せない!

▼公式Twitter
https://twitter.com/idoll_omiya

▼公式YouTube:大宮アイドールチャンネル
https://www.youtube.com/c/omiyaidoll

▼各種楽曲配信サービスにて楽曲配信中
https://big-up.style/artists/176120

▼各種リンクまとめ
https://lit.link/omiyaidoll

 

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