Speak emo
「新たな名曲の誕生」って感じです!
「きっと」って言うことで、自分自身に「大丈夫だよ」って言っているような…(ともちぃ)
――「きっと、はじまりの季節」の歌詞がまたいいですよね。
のんの:「船」とか「旅」とかそういった言葉が好きですね。冒険がはじまるようなワクワク感があって。私、『ONE PIECE』さんが大好きなんです。
――おぉ、『ONE PIECE』を連想したんですね!
のんの:「船を建て」っていう表現がすごいなと思いました。船を「造る」んじゃなくて「建てる」んだ、って。
――捉え方によってかなり“絵”が違ってきますよね。『ONE PIECE』を想像しながら「舟を建てる」という表現を見ると、まさにワクワクする冒険が始まるような感じがします。他の方は『ONE PIECE』と捉えましたか?
ともちぃ・むうたん・みくちゃん:いやいやいや。
ともちぃ:捉えてないです。
――では、どういうイメージを抱きましたか?
みくちゃん:新潟の冬ってめちゃめちゃ雪降るんですよ。ずっしりと重い感じで。結構積もりますし。通勤通学が大変ですけどね。
――特に田舎からだとね。田舎からね。
みくちゃん:田舎から来ると(笑)。そう! バスとか止まっちゃったりするんです。でもこれは、冬に対してキラキラしたイメージを抱かせてくれる歌詞ですね。冬の雪のきらめく感じ。たまに陽差しが出てきて、雪が水みたいに反射して眩しい時とかあるじゃないですか。
――はい、ありますね。ダイヤモンドダストみたいなやつですよね。
みくちゃん:そう。それが歌詞から伝わってきますね。新潟の冬とはまたちょっと違う冬なので、絵本を読んでる感じですね。
――なるほど。実郁さんにはオモシロを期待してるんですが、めっちゃいいこと言ってますね。「風花」ってあるじゃないですか。
みくちゃん:雪ですよね。
――はい。
むうたん:最初、何かのお花なのかなって思ってました。
のんの:「なんで花が咲いてるんだ?」「冬なのに?」って。「弓木さんの冬はお花が咲くのかな」みたいな話をしてたんですよ…(笑)。でも違った!
――まさに「雪が花のように舞い散ってる」ってイメージですよね。でも、「積もった雪が風に煽られて二片、三片とわずかに散って、雪が降ってくるのかなって思って見ていると結局はそれは煽られたものだから実際には雪は降ってこない」みたいなイメージらしいんですよね。それこそ重厚な雪ではなくて、風に舞うような軽やかな…。
みくちゃん:そう、軽やかな。
――いゃあ、実郁さん、今日はいいとこ突いてますね。
みくちゃん:あざーす!(笑)
――友さんはいかがですか?
ともちぃ:初めに歌詞を読んだ時は、結構重い感じの曲なのかなと思いました。「旅する」とか「あなた忘れて」とか、失恋したり仕事辞めたりとか、重い悩みを抱えて旅に出る人なのかなって。でも曲として聴くと、新しいはじまりに向けてワーッとやる気を出すというか、気分を切り替える感じがして、かなり前向きな話だなって思いました。
――何かが終わって何かが始まるっていうのは、“別れ”といった重いものがあるのかもしれないですが、そこを敢えて軽やかにふわっと飛んでいく、という感じなのかもしれないですよね。
ともちぃ:そういう感じします。
――夢羽さん、いかがですか?
むうたん:私も前向きな曲だって思いました。「はじまりの季節」という言葉がサビの終わりに3回出てくるので、やはり「はじまりの季節」っていうことをしっかりと伝えたい歌詞なのかなって。
ともちぃ:「おわり」と「はじまり」があるよね。
むうたん:1箇所だけ「おわりの季節」になるんですが、「そこはおわりなの?」「はじまりじゃなくておわりなんだ!」と思ってグッと来ましたね。
――結局どっちなんですか?
むうたん:はじまりの季節です。はい…。えっ?どういうことですか?
――おわりなのかはじまりなのか、ってことなんですが…。
むうたん:おわりとはじまり?
――何かが終わるから何かが始まるということなのかもしれないですよね。で、これ「きっと」って付いてるじゃないですか。この「きっと」は何なんですか? どう解釈しました?
みくちゃん:希望というか、自分の未来に対する期待感だと思います。確実じゃないですよね、未来って。確実じゃないけど、自分にとっての転換期みたいな…。新しい季節がこれからはじまるんだなっていう意味の、希望の「きっと」だと思います。
――なるほど~。確かにそうですね。「はじまり」なので、そのあと何が起こるか実際にはまだ分からないわけですよね。だから「きっと」なんでしょうね。まだその時点では断定できないんですよね。でも、それだけに希望があるのかもしれません。
ともちぃ:私は、ちょっと不安があるけど、「きっと」って言うことで自分に自信を持とうとしてる、っていうか…。「いつでも変われるさ」っていう一節から不安が伝わってくるんですよ。自信たっぷりではなくて。でも、「きっと」って言うことで、自分自身に「大丈夫だよ」って言っているような…。
――おぉ、なるほど。「はじまりの季節」と言い切ってしまわない。「きっと」と付けると、ちょっと言葉が弱まる印象だったんですが、逆に言えば、不安な中で「きっと」って言うと、それを肯定的に強めてるニュアンスにもなりますね。
みくちゃん:おぉ。
――でもそれは、人それぞれの捉え方や気持ちによっても違うと思います。皆さんが歌う時も毎回毎回違うように、聴く人も毎回毎回変わってくるんですよね。で、ちょっと思ったんですが、この詞の世界観には俳句に通じるものがあるような気も…。
のんの:あぁ、俳句の世界…。
――「風花」ってそれこそ、2月もしくは晩冬の季語らしいです。
むうたん:「春遠からじや」とかもですか?
――はい。そういう言葉もそうですし、「陽差しは切り取る」といったイメージも俳句っぽくて…。メロディーも仄かにですけど和風っぽさがあるように思いました。
むうたん:曲調は、今言われるまで気付かなかったですけど、確かにそうだなって思いました。
みくちゃん:俳句って何だろうって今考えてたんですけど、気持ちと景色を両方描くじゃないですか。この詞もそんな感じがしますよね。自分の感情だけじゃないですし、景色だけでもないし、その両方が伝わってくるというか…。
――おぉ!
ともちぃ:(むうたんを指して)この人「俳句って何?」って言ってる(笑)。
一同:(笑)
――あれ?そこ?
むうたん:え? 俳句って何? 「春はあけぼの」みたいなやつ?
ともちぃ:それは違うよ。
――学校で習わなかったですか???
むうたん:えっと。習ったかな? あ、五七五のやつだ。今わかった。
みくちゃん:限られた字数の中で、自分の気持ち、不安やこれからはじまるぞっていう気持ちと、その時の光景っていうのが、一つ一つの歌詞にぎゅぎゅって詰まってる感じがします。
――いやホントに。言葉でイメージを連ねながらも、そこに感情がたっぷりこもっている感がありますよね。
みくちゃん:そうなんです、そうなんです。
――鋭いなぁ~。実郁さん今日はすごいですね。
みくちゃん:シャキーン!
――それはいらないです。で、もう一つ思ったのが、「黄昏のダイアリー」「センシティブサイン」とこの曲、何かちょっと通じるものってないですか? 歌詞に関して。
みくちゃん:これは私の考えじゃなくて、誰か……南波(一海)さんだったかな。なるほどって思ったのが、「黄昏のダイアリー」も「センシティブサイン」も「いつかこれが終わってしまうんじゃないか」みたいな感じがあって、でもそれを全面に出しているわけじゃなくて…。「ちょっと永遠ってないよな」みたいなのが薄っすらとあるって誰かがツイートしていて。確かにって思いました。「黄昏のダイアリー」では「いつか進んでも」と歌っているんですが、はじまりの季節に対する不安もあるけど、はじまりがあるってことはおわりもあるわけじゃないですか。だから永遠っていうのはなくて、いつかおわりが来てしまう…。そんな儚さや切なさがあの3曲に共通するのかなって思いました。
のんの:そういうのが漂ってるよね。
ともちぃ:ライヴでやってて共通してるなって思うのは、エモーショナルな感じです。詞を歌っていくにつれて気持ちが高ぶるのは、この3曲に共通する点ですね。
のんの:新しい何かを始めようとしている感じはありますね。「黄昏」も「センシティブ」も「はじまりの季節」も。「自分で進んで行く」って感じがあります。
――前回のインタビューでも皆さんと話し合いましたが、「黄昏のダイアリー」は、何かが終わってはじまる瞬間を捉えていて、それまでの想いを胸に抱きながら別々の道を進んで行く、といった感じでした。「センシティブサイン」は、乃々子さんの素晴らしい解釈によると、未来の自分へ向かってシグナルというかサインを送っている、と。この「きっと、はじまりの季節」は、おわりがあって、でもはじまりがあって、ちょっと不安を抱えながらも、そこから何かをはじめていく、みたいな。どれも時間軸上のことで、時の移ろいの中での想い、という共通点があるように感じます。僕はそれを“時間軸シリーズ”と呼んでるんですが…。
一同:おぉ。
――多分作家さんたちは意識してやってるわけじゃないと思うんですが…。まぁ、人間ってそんな時間の流れの中で生きていて、そこに感情が生まれるわけですから、そういう意味ではエモーショナルですよね。時間軸の上での時間の儚さというか…。
みくちゃん:「黄昏」は、ターニングポイントというか、別れと出会い、おわりとはじまりの瞬間で、「センシティブ」は自分が未来の自分に出すサインですよね。だとしたら、これはサインを出された未来の自分の曲じゃないですかね。もう一度はじまりを迎える自分というか…。
――なるほど!
みくちゃん:「サイン出てるな」って。サインを感じて「あ、今がきっとその季節だ!」って。
――おぉおお! 過去の自分が出したサインをここで受け取ってるのかもしれないですね。
みくちゃん:そうなのかも…。
むうたん:全部同じ人が進んでるってこと?
みくちゃん:うん。同じ時間軸の上をね。
――またいいこと言いましたね。
みくちゃん:ハハハ(笑)。
RYUTist ライブ情報
RYUTist “HALL” LIVE@りゅーとぴあ劇場
【日時】2020年6月20日(土) 開場17:00 / 開演 18:00
【会場】りゅーとぴあ 新潟市⺠芸術文化会館・劇場
【チケット】全席指定 ¥4,000(税込)
※入場時、ドリンク代(¥500)が別途必要となります。
※中学生以下保護者同伴・小学生以上チケット必要・未就学児童保護者の膝上であれば入場可
※写真、動画の撮影、及び録音は禁止とさせて頂きます。
オフィシャル先行販売
e+にて抽選販売
受付期間 11/5(火)19:00~11/15(金)23:59
(https://eplus.jp/ryutist-hp/)
RYUTist 商品情報
シングル「きっと、はじまりの季節」
レーベル:PENGUIN DISC
品番:PGDC-0011
価格:1,200 円(税抜価格)+税
収録曲:
M1.きっと、はじまりの季節 作詞・作曲:弓木英梨乃 編曲:sugarbeans
M2.Never let me back 作詞:南波一海 作・編曲:東新レゾナント
M3.愛のナンバー 作詞・作曲:°C-want you! 編曲:武藤星児 コーラスアレンジ:カンケ( ※M3 は°C-want you!のカバー )