Speak emo

2018.04.13
CoCoSoRi

老若男女から愛される、まさに“グローバル”“ユニバーサル”なK-POPデュオ、CoCoSoRiの新たな一歩。

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K-POPには、どこか“開かれた”イメージがある。それは音楽的にも、あるいは戦略的にも、だ。

躍動するビートと起伏に富んだ韓国語の抑揚が紡ぎ出すグルーヴは、ある種の覚醒感をもたらし、染み入るバラードから溢れ出る叙情性は、サビで存分に歌い上げたかと思えば大サビでさらに一音上がるなど抑制とは無縁の表現によって、えも言われぬカタルシスを生じさせる。あたかも、聴き手の情動を揺さぶり、その心を解き放つかのようだ。サウンドそのものも、あらゆるジャンルに門戸を開き、多種多様なものを取り込む雑食性に富む。戦略的にも、韓国国内市場をターゲットにするのみならず、日本やアジア諸国、さらには北米や南米や欧州に至るまで、グローバルな市場を見据えてアグレッシブな展開を行なう。S.E.SやBoAといった海外進出の先駆者たちや直近の成功例であるTWICEなどを見れば分かるとおり、いずれも英語や日本語に堪能なメンバーを要することで(あるいは、そうなるように育て上げることで)世界市場に対応するなど、常に“外向き”である印象だ。

あらゆる音楽ジャンルを飲み込み、それを国籍や文化を問わず世界へと向けて発信する。K-POPは、そんな風に“開かれた”音楽だと言えるのではないだろうか。そして、そんなK-POPの系譜に連なる新たな勢力として注目あれるのが、ここにご紹介するCoCoSoRiである。

2016年1月に韓国デビューしたダンス&ヴォーカル・デュオ、CoCoSoRi。CoCoは米国で生まれ育ち、ネイティブな英語を話す。SoRiは日本の高校及び大学で学び、流暢な日本語を話す。既に2度の来日を果たしており、各種イベントで多くの日本のファンを魅了している。そして、まだレパートリーはさほど多くないが、ダンス・ミュージックを基調に、韓国の大衆歌謡“トロット”からヘヴィ・メタル、アニソン、J-POP、ラテン、バラードなど、曲ごとに新機軸を打ち出している。

こうした“K-POPの遺伝子”を継承する彼女たちだが、それらと一線を画す個性あるいは武器がある。それは“親しみやすさ”である。近年のK-POPが欧米色を強めた洗練されたダンス・ミュージックを標榜し、ともすればやや“敷居の高さ”を感じさせるのに対し、CoCoSoRiはトロットの要素を取り入れたり、レトロなディスコや日本のアニソンのフィーリングを加えたりすることで、まさに老若男女が楽しめるものを提示している。さらには、二人の人柄やMVなどで随所に見せるコミカルな側面も“親しみやすさ”を打ち出すのに一役買っていると言えよう。

そんなCoCoSoRiが今年2月にミニアルバム『Mi Amor』をリリース。そのプロモーションのために日本を訪れた二人に取材する機会を得た。韓国語、英語、日本語が飛び交ったこの日のインタビュー。まさに“グローバル”な環境の中で、ミニアルバムについて、日本での活動について、など多岐に渡ってお話しいただいた。

CoCoSoRi
© M.O.L.Entertainment

「ピンク・レディーのような長く愛されるデュオになろう、と」(SoRi)

――まずはCoCoSoRiとはどんなグループか、ご紹介していただけますか?

SoRi:CoCoSoRiは二人組のグループです。今の韓国シーンで二人組は珍しいんですが、そんな中で頑張って活動しています。日本のピンク・レディーのようなデュオを目指して2016年にデビューしました。

CoCo:老若男女を問わず誰が聴いても楽しくなれるような音楽をやっているグループです。

――ピンク・レディーという名前が出てきましたが、お二人はご存じだったんですか? 音楽や映像を聴いたり観たりしていました?

SoRi:デビューする前にピンク・レディーさんの「UFO」とか「渚のシンドバッド」とか、いろいろカバーしました。

――おぉ、カバーもしてるんですね。もちろん“リアルタイム”で聴いていたわけではないと思うのですが、どうやって知ったんですか?

SoRi:まず事務所の社長に薦められて映像を観たんです。そうしたら完全にハマっちゃいました!

――社長はピンク・レディーのファンだったとか???

SoRi:いえ、ファンというより、私たちが2人組だったので「どのようなコンセプトのデュオがいいだろう?」っていう戦略会議をして、一緒に考えました。日本の大スターであるピンク・レディーさんが30年経った今でもすごく人気があって、今もアイドルがカバーしたりしていますから、そんな長く愛されるデュオになろう、って話しました。

――当時の日本では社会現象になるぐらいでしたからね。

SoRi:そうですよね。全米にも進出されてましたし。

――よくご存じで。

SoRi:はい!

――ところで、CoCoSoRiの楽曲を聴かせていただいたのですが、本当にいろんな要素が入っていますよね。

SoRi:私たちは普通のアイドルとは違って、子供から大人まで老若男女に楽しんでいただける歌を歌おうという以外は、決まったコンセプトとかジャンルはないんです。デビュー曲「Dark Circle」はトロットの要素が入っていますし、2曲目の「絶猫」はヘヴィメタルの要素が入っていたり、新曲ではラテンの要素が入っていたりしています。なので、韓国のアイドルにはないユニークさがあると思います。

――韓国ではどんな風に受け入れられているんですか?

CoCo:デビュー曲は小さなお子さんに支持されたんですよ。ちょっと予想外だったんですが…。「ジャンルは決めずにいろんな要素が入っていて幅広い層にアピールする」というCoCoSoRi独自のコンセプトがあるので、それを好きと言ってくださっています。

SoRi:それに「二人組」というのもユニークな点だと思います。

CoCo:年齢や性別に関係なく親近感を持っていただけるグループだと思います。

――確かに、今のK-POPはカッコいい曲が多く、ともすれば「隙がない」というか「近づきがたい」ような雰囲気もあるかもしれませんが、CoCoSoRiの場合は、おっしゃるとおりとても親しみやすいですよね。お話ししやすいです!

CoCo&SoRi:おぉ、ありがとうございます!

――いや、まあ、お二人ともお綺麗なので緊張はしていますが…。

CoCo&SoRi:アハハ(笑)

――(笑)。実際、ファンの方々ってどれぐらいの年齢層なんですか?

CoCo:本当に幅広いです。幼いお子さんから大人の方まで。

――幼いお子さんって何歳ぐらいなんですか???

SoRi:5歳ぐらいからファンでデビュー当時から応援してくれている人もいます。「CoCoちゃん、SoRiちゃん、頑張って!」って言ってくれます(笑)。元々はお母さんがファンで、その影響で好きになったっていうお子さんもいます。

――2世代で応援してくれているんですね。韓国ではもう2年ぐらい活動されているんですよね。どんな活動をされてきたんですか?

CoCo:いろんな音楽番組に出たりとか、『アイドルマスター.KR』にも出演しました。また、YouTuberとしても活動していますし、それぞれCMやレポーターのお仕事などもしています。

――日本にもたびたび来られてますよね。ライブをやられたりインストアイベントをやられたり…。海外は他の地域にも行かれたりしてるんですか?

SoRi:日本以外は中国に一回YouTuberとして行ったことがあります。CoCoSoRiとしては韓国と日本のみです。これから他の国にも行きたいです。

取材・文
石川真男

PROFILE

PROFILE
CoCoSoRi
女性デュオ「CoCoSoRi」(ココソリ)は、アメリカ育ちで英語が堪能なCoCoと、日本在住経験があり日本語が堪能なSoRiの2人からなる韓国出身の女性デュオ。 2016年1月にシングル「Dark Circle」(ダークサークル)でデビューし、トロットを思わせる独特な曲調と二人のユニークなダンスが大きな話題を呼んだ。 今後日本での活動もどんどん増やしていく予定
CoCo(ココ)

本名 : イ・ココ
生年月日 : 1991年3月25日
身長 : 164cm
特技 : ダンス / 趣味 : 剣道
言語 : 韓国語、英語、スペイン語
アメリカ育ちの韓国系アメリカ人。 幼少時よりダンス・歌が好きで多くのレッスンを受ける。
2010年ミス・ロサンゼルスのフォトジェニック賞を受賞。
同年韓国に移住、語学力を生かし国際映画祭やK-POP コンサート(済州島)のMC、また海外向けチャンネルArirang TV Pops in Seoul のMCを務める。
2016年1月、CoCoSoRiとして正式デビュー。

SoRi(ソリ)

本名 : キム・ソリ
生年月日 : 1990年7月21日
身長 : 164cm
特技 : ダンス / 趣味 : スノーボード
言語 : 韓国語、日本語、中国語
高校~大学まで日本で教育を受ける。 高校時代はチアリーダーとして活躍。
大学進学後かねてより夢だったアーティストを志し帰国。
イニスフリーや農心、hite、SIDIZ椅子等の広告モデルや、 KBSドラマ「ハイスクール」に出演するなど、練習生としてトレーニングを積みながら芸能活動をスタート。
2016年1月、CoCoSoRiとして正式デビュー。

公式サイト: http://www.cocosori.jp/