Speak emo

2019.05.25
フィロソフィーのダンス

武道館に立っても「通過点だ」って言うと思います

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これまでで一番“声”が堪能出来るアルバムになったと思います(奥津)

――で、アルバム『エクセルシオール』。どんな作品になりましたか?

十束:まさにエクセルシオールな、常に向上していく私たちが見られるアルバムだなと思っています。楽曲の幅も広いし、メンバーの表現の幅も広くなったし、これまでに積み重ねて来たものがちゃんと形になってるので、「いいアルバムが出来た」と思っていますね。

日向:「バラード系の曲が多いアルバムになったかな」と思います。「パレーシア」だったり「シャル・ウィ・スタート」「スピーチ」だったり、全体を通した中でまったりと聴ける曲が今までのアルバムより多いかな、と。それでも成立するのは、自分たちの声の幅が広がったからだと思っていて…。月1でどんどん新曲をリリースしていった中で、「次はこういう曲を書いてみよう」って思ってもらえたのも、メンバーが積み重ねて来たものがちゃんと実を結んでいるからなのかな、と思いますね。

奥津:このアルバムでは、私たちの声のバリエーションが大きく広がっていると思います。この3枚目にして、ずっとやってきたことがちゃんと形として出せたなっていう感覚がすごく強くて…。ここまでいろんなことをやってきたから、今また新しいものにも挑戦できていたりとか。そういう深く深く深く掘り下げてきたことが、この3年間積み重ねてきたことがしっかり出せたかなと思いますね。音楽的にも制作的にもメンバーの歌唱的にも表現力という点でも。これまでで一番“声”が堪能出来るアルバムになったと思います。

佐藤:アルバムのリリース・パーティーでこの曲順のままライブをやったことがあるんですが、それでもちゃんとライブが成立したんですよね。アルバム1枚通して聴いても緩急があるので全曲飽きずに最後まで聴ける。そういう曲順も含めて「いいアルバムだな」と感じました。

――アルバムの曲にそれぞれの役割とういかポジションみたいなものがあって、それぞれの曲がきっちり役割を果たしてる感がありますよね。例えば「ハッピー・エンディング」なんてまさにエンディングですし。

佐藤:この曲はまさに“締め”ですね。

――ですよね。終盤に置かれた「ヒューリスティック・シティ」なども、どこかエンディングに向かう感覚があったりとか。アルバム全体で一つの“ショー”というか“物語”が繰り広げられているみたいな感じがあります。ちょっと幾つかお訊きしますが、「イッツ・マイ・ターン」。この詞の中に「コペルニクス的な転回」という言葉が出てきますが、ここではどういう意味になりますか?

十束:物事が180度変わること。なので「私たちのターンが来るぞ」「私たちのターンだ」っていう決意の歌になってます。

――グルッと変わって自分たちのターンが来た、と。来てますか?皆さんのターン。

十束:はい。でも、「来る」と思って歌わないと絶対にいい曲にならないので。この曲が鳴って、みんなで前に一歩踏み出したら「もう俺たちのターンだ!」って思ってます、毎回。

――なるほど。で、アルバムには「全体に通底するテーマ」といったものがあるのかなと思っているんですが…それは何でしょうか?(笑)。

奥津:あ、そうだ、前にもクイズ出されたことあった!何でしょう…。

十束:ホントだ。クイズターイム!(笑)

――アハハ(笑)。

日向:ウチらが出されるんだ(笑)。

奥津:そう、前回も出されるのあったよ。

十束:難しいな。

佐藤:なんだっけ?質問忘れちゃった(笑)。

――全体に通底するテーマ。じゃあヒントを差し上げましょう。

奥津:くれくれ!(笑)

――例えば、この「イッツ・マイ・ターン」には「踊る運命も/踊らない?っていう誘いもね」という一節があります。「踊る」「踊らない」というのは、ある意味「本能に訴えかける」部分じゃないですか。あ、ちょっと全部言いそうになった(笑)。

奥津:(笑)。アルバムの全体に通じることですよね?

――はい。それはもう「フィロソフィーのダンスの本質」と言えるかもしれないですね。

日向:それ誰が決めたんですか?(笑)

――あ、僕が思っただけなんで(笑)。多分(作詞の)ヤマモトショウさんが考えられていることはまた全然違うとは思うんですが…(笑)。

奥津:曲ですか?歌詞ですか?

――主に歌詞ですかね

奥津:わかった!「Choose Dance」ってことですか?

――えっと…。

奥津:違いますか?違うんだ。じゃあ違う…。わかんない…。

――はい(笑)。例えば、「踊るか踊らないか」っていう命題は本能に問い掛けるものだと思うんですが、それを、ある意味、論理的思考に基づいて分析していく、っていうところにこのグループの本質があって、そうした命題がこのアルバムにも通底するのかな、と感じたんですが…。矛盾してると言えば矛盾してるじゃないですか。「踊るか踊らないか」、つまり「踊りたくなるかどうか」っていうのは本能が決めることだと思うんですが、このグループでは「どういう思考でそうなってるのか?」っていうのを「ちゃんと語ろうとしてる」というか「辿ろうとしてる」みたいなところがあるように思えて…。

奥津:ああ、「踊る」「踊らない」の選択を…。

――はい。例えば「ロジック・ジャンプ」に「恋は論理じゃなくもない」という一節がありますが、ちゃんと論理という“轍”を踏む必要性を説いているようにも思えます。この曲には「いつも共感するのは/それ以上を自分で考えなくなるからで」という一節がありますが、それも「共感しました」だけで終わるのではなくて、二つの考えの共通性や差異を認識した上でそれら二つを認めて共存させる、ということが必要なんじゃないかと歌われているように思います。

奥津:哲学の本質ですね。なんか2つのもの比べて、ああしてみたりこうしてみたり、みたいなことですよね。なるほど、哲学だ!ショウさんのお陰だ!(笑)

――(笑)。まさに「フィロソフィーのダンス」っていうグループ名も、「フィロソフィー」っていうのと「ダンス」っていうのが相反する言葉のような…。

奥津:あぁ確かに、共存しなさそうな2つの言葉が共存している、と。

十束:でも、そこまで考えて加茂さんは「フィロソフィーのダンス」にしてないっていうのが、いいところですね。

――え?(笑)

奥津:たまたまです。奇跡です。

――たまたまですか。

奥津:すごい。

十束:そうやって考察していただけるのは大変ありがたいんですが、最終的に加茂さんは特になんも考えないで「フィロソフィーのダンス」にした…っていうのがおもしろい。

奥津:「なんか語呂いいな」みたいな。

佐藤:そこがおもしろいところだと思います。

――いやでも、もしかして考え…

十束:いや、考えてません!

――ないですか?

十束:はい。

一同:(笑)。

十束:そこは自信をもって言えます!

――本能的にどっか察知してる、ってところもあるかもしれないですよね…。

奥津:そうだとしたら、センスありますね。

取材・文
石川真男

フィロソフィーのダンス 商品情報

●3rdアルバム『エクセルシオール』

1.イッツ・マイ・ターン
2.ラブ・バリエーション
3.スーパーヴィーニエンス
4.ロジック・ジャンプ
5.フリー・ユア・フェスタ
6.パレーシア
7.シャルウィー・スタート
8.スピーチ
9.バイタル・テンプテーション
10.ヒューリスティック・シティ
11.ライブ・ライフ
12.ハッピー・エンディング

   
▼通常盤(CD)
通常盤

品番:UXCL-198  価格:¥3,000(¥3,240)
 

▼初回限定盤(CD+ボーナスCD)
初回限定盤(CD+ボーナスCD)

(ボーナスCD収録曲)
Live at Stellar Ball 2018/12/16

1.ファンキー・バット・シック
2.イッツ・マイ・ターン
3.すききらいアンチノミー
4.アイム・アフター・タイム
Funk Up Medley
5. (1).バッド・パラダイム~(2,)ライク・ア・ゾンビ~(3)バイタル・テンプテーション
(4),エポケー・チャンス~(5)バッド・パラダイム(Reprise)
6.アルゴリズムの海
7.コモンセンス・バスターズ
8.ラブ・バリエーション
9.はじめまして未来
10.ライブ・ライフ
11.アイドル・フィロソフィー
12.ベスト・フォー
13.ジャスト・メモリーズ
14.ダンス・ファウンダー

品番:UXCL-200  価格:¥3,500(¥3,780) 
  

▼初回限定盤(CD+ボーナスDVD)
初回限定盤(CD+ボーナスDVD)

(ボーナスDVD収録曲)
Visions of 2018

Music Video
1.ダンス・ファウンダー(Re:Vocal&Single Mix)
2.ライブ・ライフ
3.イッツ・マイ・ターン
4.夏のクオリア(remixed by ikkubaru)
5.ヒューリスティック・シティー
6.ラブ・バリエーション WITH SCOOBIE DO

Bonus 映像
7.Girls Are Back in Town Vol.1 転換映像1
8.Girls Are Back in Town Vol.1 転換映像2
9.ヒューリスティック・シティー メイキング映像

品番:UXCL-202  価格:¥4,000(¥4,320) 

●ライヴDVD
ライヴDVD

『ライブ・アット・ステラボール』
UXCL-207/¥4,200(税抜)

●配信リリース
配信リリース

「ライク・ア・ゾンビ~ヒャダインのリリリリ☆リミックス ~」

6ヶ月連続でリミックス・バージョンの配信決定!第一弾はヒャダインさんリミックス好評配信中!

●「ライブ・ライフ」7インチ・アナログ・レコード
「ライブ・ライフ」7インチ・アナログ・レコード

「ライブ・ライフ」(7インチ・アナログ・レコード)

カップリングには「ソバージュ・イマージュ」の
ニュー・ミックスを佐藤まりあのソロ・ボーカル・バージョンを収録。

フィロソフィーのダンス ライブ情報

・2019/6/12(水)
Experimental Forbidden Night vol.3
東京都・TSUTAYA O-nest
開演 19:00

・2019/6/30(日)
Funky But Chic vol.27 
大阪府・アメリカ村DROP
開演16:00

・2019/7/16(火)
奥津マリリ生誕祭
東京都・TSUTAYA O-WEST
開演19:00

・2019/7/19(金)
Funky But Chic vol.28
愛知・名古屋 ell Fits ALL
開演19:00

メディア情報

テレビ朝日「フィロのス亭」
隔週水曜日深夜2:24-2:54 

PROFILE

PROFILE
フィロソフィーのダンス
2015年、コンテンポラリーなファンク、R&B、哲学的な背景を持つ歌詞をアイドルに歌わせるというコンセプトの元、氣志團、ナンバーガール、ベースボールベアー、相対性理論などを手がけた加茂啓太郎がオーディションとスカウトでメンバーを集め結成。 2016年には早くも東京アイドル・フェスティバル、@JAMという2大アイドル・フェスティバルに出演。 同年11月20日には原宿アストロ・ホールで初のワンマン・ライブを行う。 同月23日にファースト・アルバム「Funky but Chic」をリリースする。 ライムスター宇多丸、マーティー・フリードマン、平成ノブシコブシの徳井健太などから絶賛された。 2017年3月渋谷WWW、同年7月新宿BLAZEでのワンマン・ライブをソールドアウトさせる。 同年11月セカンド・アルバム「The Founder」をリリース。 オリコンウィークリー・チャートで35位となる。 また収録曲「ダンス・ファウンダー」はSpotifyのバイラル・チャートでアイドルとしては初めて1位となる。 2018年2月シングル「ダンス・ファウンダー(リ・ボーカル&シングル・ミックス)」をリリース 、オリコン・ウィークリー・アルバム・チャート33位となる。 同月callmeとの2マン・ツアー「レッツ・スティック・トゥギャザー」を東名阪で開催した。 6月16日に恵比寿リキッド・ルームで初のバンドセットでのワンマン・ライブを開催する。 この日のライブを一流ミュージシャンにサポートしてもらいDVD化するために行ったクラウド・ファンディングは目標金額の300万を一晩でクリアーし、最終的には1,000万超を達成。また、6月30日名古屋、7月1日大阪でのワンマン・ライブを含む東名阪ツアー全3公演をソールドアウトさせ、大成功に収めている。
十束おとは(Totsuka Otoha)

誕生日8月9日
獅子座
血液型A型
出身地 神奈川県
Twitter:@ttk_philosophy

日向ハル(Hinata Haru)

誕生日7月11日 
蟹座 
血液型O型 
出身地 神奈川県
Twitter:@philosophy092

佐藤まりあ(Sato Maria)

誕生日9月13日 
乙女座 
血液型B型  
出身地 埼玉県
Twitter:@_satomaria