Speak emo
「しっかりしたパフォーマンスを見せれば認めてもらえる」と思ったので、頑張りました!
昨今のアイドル界は“解散ラッシュ”の様相を呈している。たしかに、ここ数ヶ月でもバニラビーンズ、ベイビーレイズJAPAN、ベボガ!、PASSPO☆、AIS、チャオ ベッラ チンクオッティなどが、さらに少し遡れば、GEMやアイドルネッサンスなどが解散。また、この11月にはX21が、来年2月には妄想キャリブレーションが活動を終えることとなっている。この数年間シーンを牽引し、“アイドルブーム”に貢献してきたグループが相次いでその活動に終止符を打っているのだ。
だが、筆者はこの状況を決して悲観的な目だけで捉えてはいない。解散があれば、新たなグループも生まれている。また、解散したグループのメンバーも新たなグループの一員として、あるいはソロという形で、再びシーンに新たな血を送り込もうとしているのだ。いわばこれは“新陳代謝”という循環であり、それはある意味、それだけシーンが長く持続していることの証左なのではないだろうか。考えてみれば、昨年の春頃にも“解散ラッシュ”があり、その時は筆者も少々悲観的にもなったりしたものだが、いくらかの多寡はあれども、毎年そうしたことが繰り返されてきたように思う。さらに言えば、SNSなどで情報収集していると、有名無名グループを含めると、まさに毎日のように解散、卒業、脱退が報じられており、同時に、毎日のように新しいグループも生まれている。まさに“血”が入れ替わっているのだ。
だが、ネガティブに捉えざるを得ない側面もある。それは優れた楽曲が埋もれてしまう可能性があるということだ。グループが解散してもメンバーはシーンに戻ってくることができるが、楽曲は権利関係などの諸問題があり、封印されてしまうケースが少なくない。もちろん、残された音源でそうした名曲を楽しむことは可能だが、やはり“ライブアイドル”の醍醐味はライブ。そうした名曲をライブで体感できなくなるのは、やはり大きな損失である。
そんな中、そうした名曲を歌い継ぐグループとして今大きな注目を浴びるのが、このG-COMPLExである。GALETTeの「She is WANNABE!」や「Neo Disco」、そして「じゃじゃ馬と呼ばないで」といった楽曲群を、さらにはそれらの作曲者である筑田浩志が書き下ろしたオリジナル曲をレパートリーとし、“ガールズファンク”を標榜するグループだ。
例えば、ひめキュンフルーツ缶のようにメンバーを一新しながら「例えばのモンスター」といった名曲を歌い継ぐグループや、There There TheresのようにBELLRING少女ハートから改名しながら「the Edge of Goodbye」といった名曲を歌い継ぐグループはあれど、G-COMPLExのように、特定のグループの楽曲やサウンドを母体も名称も全く異なるグループが継承するケースは、極めて稀なのではないだろうか。
G-COMPLExは、オフィシャルに謳われているように、「公式にGALETTeやGIRLS4EVERのガールズファンクを継承」するグループである。GIRLS4EVERは、SMAP「青いイナズマ」の作曲者としてしられる林田健司がプロデュースしたガールズファンク・ダンス&ヴォーカルユニット。G-COMPLExの桜庭かすみと八木くるみがかつて在籍しており、GIRLS4EVER解散直後に、桜庭と八木を迎え、「そのコンセプトを継承」する形でG-COMPLExがスタートした。いわば、There There Theresのような“改名”する形でその母体となったグループのサウンドを受け継いでいる側面もあるのだ。
そういう意味でも、G-COMPLExは「GIRLS 4EVERのスピリットを受け継ぐ桜庭と八木が、新たにメンバーを加え、伝説と化したガールズファンクのアイドルグループ、GALETTeの楽曲を引き継ぐ」という“二つの継承”を標榜するグループであると言えよう。インタビューでも言及されているとおり、それら二つの“G”の“複合体(complex)”なのだ。先述の筑田楽曲を中心に、林田健司のペンによるGIRLS4EVERの「Down the Line」、あるいはSPEEDのプロデューサーとして知られる伊秩弘将が書いたGALETTeの「Brand-New Style」「至上の愛」などを、これまでにステージで披露してきている。ガールズファンクのスペシャリストたちの楽曲を歌い継ぐことで、アイドル文化が生んだ名曲の伝承に寄与しているのだ。
そして、彼女たちの魅力はなんといっても、そうした名曲を臨場感たっぷりに再現するライブである。筑田流ファンク(古典ファンクの写実的かつ懐古的な再現ではなく、かといって最先端のビートに寄せたエッジの効きすぎたものでもなく、彼独自の咀嚼によってその機能性を抽出し、普遍的なダンスミュージックへと再構築したものだ)の溌剌としたビートに乗って、あたかも“永久機関”のごとくアンストッパブルに歌い踊る。その迸る躍動感ときたら! 一度ステージを観れば、圧倒されること請け合い。そして、それだけ動きながらも、起伏に富んだ筑田メロディをブレることなく歌いこなすのも驚きである。
2018年4月15日結成ゆえに活動期間はまだ半年。7月1日に檜森ももかを迎えて現在のラインナップとなり、都内を中心に全国各地で精力的にライブを行いながら、その弾けるようなグルーヴでぐんぐんと知名度を上げてきている。
10月27日には「筑田浩志トリビュートライブ in Tokyo」に出演、翌28日には、同じく筑田プロデュースの九州女子翼とのツーマンに臨むなど、熱いライブが目白押し。そして来年4月15日には一周年ワンマンライブも控えており…。そんな彼女たちにインタビューを敢行。現在療養中のYu-kaを除く、桜庭かすみ、八木くるみ、檜森ももかの3人にお話を伺った。
ライブでは常に動いてますね(桜庭)
――まずは、G-COMPLExとはどういうグループなのか、ご説明いただきたいと思うのですが…。
八木くるみ(以下:八木):G-COMPLExは、GALETTeさんとGIRLS4EVERのガールズファンクを継承したグループです。「スピード感」「疾走感」「Groove感」があるグループで、歌もダンスも激しめですね。
――「スピード感」と「疾走感」というのは、どう違うんですか???
桜庭かすみ(以下:桜庭):「スピード感」と「疾走感」は…。難しい質問ですね(笑)。
――突っ込みますよ、こういうところ(笑)。
桜庭:「スピード感」は…
八木:速い!
桜庭:「疾走感」は…
檜森ももか(以下:檜森):「駆け抜ける」イメージですかね…。難しいですね。
――「スピード感」は数値的な「速さ」を表していて、「疾走感」は常に動いているような躍動感も含んだ「速さ」という感じでしょうか?
桜庭:そうですね。ライブでは常に動いてますね。
檜森:静かになるところはないですね。
八木:ないよね。ずーっと動いてます。
――ライヴはまだ数回しか拝見していないんですが、ホントにずっと動いていて止まらない感じですよね。疲れるだろうなぁ、って見ていました。
八木:でも、ライブ中はアドレナリンが出てるので、全然しんどくないです。
――そうですか。終わった後とかは?
檜森:終わった後は汗だくですね。
桜庭:汗が止まらない。
――でも1日に2本3本とやられることもありますよね?
檜森:全然大丈夫です。
――ところで、G-COMPLExという名前なんですけが、これにはどういう意味があるんですか?
八木:「G」が、GALETTeさんの「G」とGIRLS4EVERの「G」っていうのをコンプレックス…
桜庭、檜森:コンプレックス(笑)、
八木:「G」を混ぜた、みたいな(笑)。
――「コンプレックス」っていうと、いわゆる「コンプレックス」とか「固定観念」「強迫観念」という意味もあれば、「複合体」という意味もあって…。
一同:そうですね。
――それを合わせたということですよね。で、やっぱり「x」が小さくなってるっていうのは…
一同:GALETTeさんの「e」に合わせてです。
――なるほど。で、先ほどもおっしゃいましたが、GALETTeとGIRLS4EVERを公式に継承してるとのこと。そういうコンセプトは、皆さん事前に聞かされていたんですか?
一同:はい。
――そういうコンセプトをどう思いました?
八木:元々くるみとかすみさんはGIRLS4EVERでそういったファンク系の曲をやっていたので、「GALETTeさんの曲ができる」ってことを聞いた時はすごい嬉しかったです。
――そういう意味では、GALETTeのようなジャンルの曲はお好きだったというか、やりたかったという感じですか?
一同:はい。
八木:やりたかったです。
――でも、GALETTeって思い入れの強いファンの方もたくさんいらっしゃると思うんですが、プレッシャーみたいなものは感じなかったですか?
桜庭:最初はありました。
八木:お披露目の時は「どういう反応がくるのかなぁ」といった不安もあったんですけど、「しっかりしたパフォーマンスを見せれば認めてもらえる」と思ったので、頑張りました!
――では、初めてG-COMPLExとしてステージに立った時は、しっかりと準備して、自信もあったわけですね?
八木:そうですね。たくさん練習したので。
桜庭:私も最初は「いろいろ思われるだろうな」とは思ってました。やっぱりGALETTeさんを思う気持ちが強い人たちからは「ええ~、そんなユニットどうなのかな」って思われるだろうなと。でも、「歌い継いでくれる人がいて嬉しい」と思う人もきっといるだろうなと思ったので、そこは気持ちで負けないように自信を持ってやっていこう、と思うようにしました。
――檜森さんはその時はまだいらっしゃらなかったんですよね。
檜森:はい。G-COMPLExには7月1日に加入しました。GALETTeさんは前やってたグループの時に見させていただいてて、それで「すごいな」と思ってて。まさかそのGALETTeさんの曲をできるなんて思ってなくて…。どの曲もいい曲で、ファンの人の思い入れもあって…。そんな曲を歌わせていただけて、すごいありがたいです。だからGALETTeさんのファンの人にも、もっともっと認めてもらえるような、GALETTeさんの曲を歌って認めてもらえるようにはなりたいなって思いました。
――G-COMPLExのお披露目ライブは観られたんですか?
檜森:いえ。観てないです。
――では、そもそも皆さんどういうふうに集まったというか、集められたというか…。どういう経緯でG-COMPLExが結成されたんでしょうか?
桜庭:大人の人たちから呼び寄せられました(笑)。
一同:(爆笑)
桜庭:先ほど言ったみたいに、私とくるみはGIRLS4EVERで活動していたんですが、その縁があってというか…。そこで「こういうユニットをやるんだけど、もし良かったらやらないか?」という風にお誘いをいただいて、「是非お願いします」とお答えして、やらせていただくことになりました。
――G-COMPLExのお披露目が4月で、GIRLS4EVERも割と直前まで活動してたんですよね?
桜庭、八木:はい。
――じゃあ、すんなりと新しいグループに移行した、と。失業することなく(笑)。
八木:そうですね(笑)。元々N-FlavoRの一部のメンバーがGIRLS4EVERも兼任していたんですよ。くるみはGIRLS4EVERだけで…。
桜庭:私はGIRLS4EVERとN-FlavoRを兼任していて。
八木:で、GIRLS4EVERが解散になって、兼任していたN-FlavoRのメンバーはN-FlavoRに一本になって、という感じです。
――で、そのお披露目が4月15日にあったわけですが、その前日にも何かあったんですよね?
桜庭、八木:はい。プレお披露目が。
――プレお披露目というのは何だったんですか?
八木:「ジーコン、こういう曲やるよ」みたいな。「こういう活動していくよ」みたいなのを、前日に少し見せたというか…。
――その時はGALETTeの曲を継承するってことは公言していたわけですよね?
マネージャー:言ってはいましたけど、その日はGALETTeの曲はやりませんでした。
桜庭:オリジナル曲を2曲やりました。
――なるほど。それは対バンみたいなのに出たという感じですよね?
八木:そうですね。
――で、翌日に本番のお披露目となったわけですが、いかがでしたか?
桜庭:お披露目の時にすごい感じたのは……GALETTeさんの楽曲のイントロが流れた瞬間のお客さんの反応がすごくて! 「うおおお!」みたいな。もう、それがすごい嬉しくて。すごい喜びとか楽しさとか、そういう記憶が強く残ってます。
――その1曲目って何をやられたんですか?
桜庭:ライブの1曲目は…。オリジナルをやったんだよね? 確か…。覚えてない(笑)。
八木:「G to G」だった気がする。
桜庭:うん、「G to G」だ。で、MCで自己紹介とか「これからよろしくお願いします」というのを言って、その後「これからGALETTeさんの曲を歌わせていただきます」って言って、「Brand-New Style」と曲名を言って、イントロが「デュデュデュデュ♪」って鳴ったら、もうワーー!って感じでした。
――八木さんはいかがでした?
八木:やっぱりステージに立つ前はすごいドキドキして、何かもう「どうなっちゃうんだろう」と思ったんですけど。ステージに立って、お客さんがすごいいっぱい来てくれてて…。それを見て「これからここで本当に頑張っていこう」という強い気持ちになりました。
――終演後の特典会ではファンの方からも直接いろいろお話があったと思うんですが、どんな反応がありましたか?
八木:「楽しかったよ」とか。結構いい反応だったので良かったです。
桜庭:GALETTeさんのファンだった方とかも結構来てくれてたので、その人たちに「楽しかった」「パフォーマンスもしっかりしてた」「またライブ来るね」って言ってもらえたのがすごい嬉しかったです。
――当日は盛り上がりがすごくて、皆さんのアドレナリンもすごく出てって感じで、その時にはちょっと分からなかった部分もあると思うんですが、後から振り返って、例えば反省点とかありました?
桜庭:う~ん。でも、練習期間がかなり短かった割には、お披露目の時はそれなりのパフォーマンスはできたかなとは思うんですけど…。でも、後から映像とか見て振り返ると“激しさ”がまだ足りてないなみたいな。ちょっと何か「上手にやらなきゃ」みたいな感じが見えるなって。その後、「激しさを見せよう」といったことを考えながら色々と工夫していったんですが、今思うと、最初の頃はまだまだ足りなかったかなと思いますね。
――なるほど、まだ“爆発”が足りなかったと。
桜庭:まだまだでした。
八木:今に比べるとやっぱり動きの激しさが足りなかったと思いますね。
G-COMPLEx 商品情報
1st シングル好評発売中!!
G to G
品番:RVM-0009
価格:¥1,000(税込)
G-COMPLEx ライブ情報
2018年10月27日(土)
筑田 浩志 トリビュートライブ in Tokyo
会場:Space emo 池袋
時間:開場16:00/開演16:30
料金:前売り:2,800円(別途1ドリンク600円)
※前売り券は完売しました。
当日:3,300円(別途1ドリンク600円)
出演: G-COMPLEx /IsTaR / 九州女子翼 / くるーず~CRUiSE!~ / Mi☆nA / 村山しほり (順不同)
MC 古森結衣 ゲスト筑田 浩志
2018年10月28日(日)
九州女子翼×G-COMPLEx 2MANライブ
会場:Space emo 池袋
時間:開場16:00/開演16:30
料金:1,500円(別途1ドリンク600円)
2,000円(別途1ドリンク600円)
出演:九州女子翼 / G-COMPLEx
2019年4月15日(月)
古森結衣プロデュース
G-COMPLEx2nd.ワンマンライブ
~2019G魂祭 何かが起こる??春の陣~
supported by JOYSOUND
会場:SHINJUKU BLAZE
時間:OP18:00 ST19:00
料金:3000円+D代前売り
3500円+D代前売り
出演:G-COMPLEx
ファミリーマートのファミポートを使用した
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イベントコード F6ddad0006f
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