Speak emo
lyrical school|めちゃくちゃ逆境に強い“アイデア・グループ”なので
「私かわいい」っていうセルフボーストが成立して、それがこんなにカッコよくなるっていうことは、僕には思いつきもしなかったなって(キム)
ーーまずは「OK!」ですが、これは昨年からライブでやられてたんですね。
minan:そうですね。去年のツアーの福岡で、かな?
ーー今となっては世の中がこうした状況になっている中、「OK!」という言葉はすごく響きますよね。
minan:そうですね。できたときはこんな状況になるなんて思いもしなかったですけど、どんな状況にあっても"背中を押してくれる”曲、そんな詞を書いててくださるお2人(編注:ALI-KICK、大久保潤也)の素晴らしさですね。
ーー曲調もポジティブで、希望の光が見えるようなものです。その上で「OK!」と歌われるとすごく勇気が出ますよね。
risano:まさにそうです。誰でもちょっと疲れたなっていう時があると思うんですが、そういう時にこそ聴いて欲しいです。今日仕事で上手くいかなかったな、みたいなことがあった時にもぜひ聴いて欲しいですね。そんなこと忘れちゃってまた明日から頑張ろう、って思える曲かなと思います。
ーーかなりテンポ感があって、言葉をすごく詰め込んでいる印象です。まぁリリスクの曲って大抵そうだとは思いますが、この曲は特に。でも、詰め込みながらもしっかり言葉が聞き取れると感じたんですが、その辺って何か工夫とかされましたか?
risano:感情込めて「伝われ」と思って歌ってるのみですかね。
キム:あと、ALI-KICKさんの仮歌がそもそもそうだったよね。かなり速くてもめちゃくちゃ一音一音が聴きやすいラップなので、それを元にラップするメンバーもそうなるんじゃないですかね。どう?
minan:そうだと思います。先ほども言いましたが、レコーディング前にライブで初披露したので、その時はまだあやふやだった部分があったんですが、レコーディングで修正していきました。ALI-KICKさんがデモで示された“正解”に近づくよう意識して、それを自分なりに消化して作り上げていきました。初披露の時とはまた違う完成度にはなっていますね。
ーーでは、続いて「HOMETENOBIRU」。皆さんがセルフボーストするのはちょっと珍しいですね。
minan:珍しいです。初めてですかね。ここまでやるのは。
キム:そうだね。一応セルフボースト感のある曲は過去に少しあったことはあったけど、この曲はすごく明確にヒップホップアイドルとしてセルフボーストしてるよね。
ーーいかがですか? セルフボーストしてみて。
risano:こんな自信満々なことを言うのは、最初すごく恥ずかしかったですね。
ーー恥ずかしかったですか?
risano:まだライブでやったことがないので、たぶんライブになったらテンションが上がって「見て!」って感じで堂々とやれると思うんですが、最初は意外と抵抗ありましたね。自分で言うのが恥ずかしいみたいな。「ハッ?何かわいくないやつが“かわいい”とか言ってんだよ」っていう風に思われたらどうしよう、って(笑)。
minan:わかるわかる。だから私は勝手に全てのアイドルの気持ちを代弁してるつもりで歌ってます。自分の気持ちというよりも。
ーーなるほど。セルフというよりも、アイドルのために、と。
minan:まぁ私も“アイドル”なんで、一応セルフではあるんですけど(笑)。
ーー“セルヴズ”というわけですね
キム:ハハハ。
ーーでも、「リリカルスクールは褒めて伸び~る」っていうラインは、“恥じらいを含んだエクスキューズ”というか、ある意味リリスクらしいな、と感じました。「かわいい」「偉い」と言いつつも、「自分がそうだ」と言ってるというより、「そういう風に褒めて欲しい」「そうしてくれればかわいくなるから」「伸びるから」と言ってるようで、そこが面白いと思いました。
risano:でも、性格的には特にhinakoやyuuや私はほんとに褒められると伸びるので、タイトルどおりって感じですかね。
キム:minanもそうじゃない? あ、でもminanは褒められるのが苦手なのか。
ーーminanさん、褒められるの苦手なんですか?
minan:苦手というか、「いやいや、嘘でしょ」みたいな(笑)。「嘘でしょ」まではいかないですけど、その言葉の意味を100%そのままは受け取れないですね。
ーーminanさんとはこれまで5回ぐらい取材させていただいて、かなり“褒めて”きたと思うんですが、素直に受け取っていただいてないんですか……。
minan:え~っと…(笑)。「ありがとうございます」っていう気持ちでいます(笑)。
キム:そう言ってもらえるのは嬉しいけど、それをそのまま自分の中には持ち込めないってことでしょ? “伸ばす”方向とかには…。
minan:そうですね。そういうことかな。
ーー(笑)。でも、この曲面白いですね。
キム;今まで「私たちカッコいい」っていう曲はあったと思うんですが、「私たちかわいい」って言って、そう言うこと自体がカッコいいっていう曲ってなかったと思うんですよ。僕には気付けなかったところですね。
ーーなるほど。「かわいいって自分が言うこと自体がカッコいい」という表現になっている、と。
キム:僕、10年間やってきて全く気付けてなかったんで、それはほんとにvalkneeさんのおかげだなっていう感じです。一応「褒めて伸びる」っていうテーマ自体は、℃-uteさんの曲で「ほめられ伸び子のテーマ曲」っていう曲があって、valkneeさんもハロプロ好きなので、もしかしたら、そこが発想のきっかけになってるのかな?(笑) でも、「私かわいい」っていうセルフボーストが成立して、それがこんなにカッコよくなるっていうことは、僕には思いつきもしなかったなって。
ーーなるほど。自分のことを「かわいい」というセルフボーストもカッコよく響く、と。これはある意味「自分に自信を持って!」っていうことにもなるのかもしれないですよね。
キム:アティテュードというかスタンスみたいなものがやはりカッコいいと思うし、今の時代にもすごく合ってると思いますね。
minan:すごく合ってる。ガールズパワー系。派手な海外ドラマみたいな感じがするんですよね。女の子たちがいっぱい出てくるみたいな(笑)。
キム:今の時代だなっていう感じがしますね。
ーーということは、やっぱり“時代の先端に乗ってきてる”わけですね。
キム:ですね。ほんとvalkneeさんのセンスだと思います、これは。
ーーでも、そういう意味では、そこも“新しい挑戦”なわけですね。続いて「Last Summer」なんですが、かなりダウナーでアンニュイな雰囲気の曲で、それに合わせて歌やラップのやり方も変えてきてる印象です。
minan:もちろん合わせてます。「HOMETENOBIRU」とは随分とアプローチも変えてますし、そういう歌い分けはありますね。
ーーリリスクはいくつも夏曲を出していますが、これはまたこれまでにない特殊な夏曲になりました。
minan:アッパーじゃないですよね
risano:たしかに。
minan:でも私はこっちの夏の方が好きです。
ーーというと、あまり活動的に外に出ていくタイプではないということですか?
minan:そうですね。リリスクの夏曲は「夏が大好きでハッピー!」っていう曲が多いですけど、私が過ごす夏はいつもそっちの夏じゃなくて、「Last Summer」の方の夏なので。
risano:カッコいい。素敵だ。
minan:何もカッコよくないけど(笑)。ただの引きこもりなんだけど…。なので、キムさんが書いた「Last Summer」の歌詞はめちゃくちゃしっくりくるなと思って歌ってます。
キム:あ、作詞の「木村好郎」って僕の別名義なんですよ。「キムラスキロウ」「キムラスキロ」「キムヤスヒロ」って感じで(笑)。
ーーなるほど(笑)。risanoさんはいかがですか? このダウナーな感じは。
risano:私、こういう感じのR&Bが大好きなんで、こういう曲ももっとやっていきたいです。
キム:そうだね。サビのメロディとかrisano好きそうだね。
risano:チルな感じで。
ーーそれこそ“アンビエントR&B”みたいなイメージもしたりしますが、これも図らずもっていう感じですけど、去年の楽しかった夏を懐かしむみたいな詞ですよね。
キム:そうなんですよね。
ーーある意味、今年の夏にすごく当てはまるものになったというか…。
キム:あぁ。
ーーもちろん狙ったわけではないですよね。
risano:そしたら預言者です(笑)。
キム:去年の夏に書きましたからね(笑)。
lyrical school 商品情報
『OK!!!!!』
〈収録曲〉
1. OK! 作詞:ALI-KICK・大久保潤也(アナ) 作曲:上田修平・大久保潤也(アナ)編曲:上田修平
2. HOMETENOBIRU 作詞:Valknee、作曲/編曲:ANTIC
3.Last Summer 作詞:木村好郎(Byebee) 作編曲:高橋コースケ
4.Dance The Night Away feat. Kick a Show 作詞:Kick a Show 作曲/編曲:Sam is Ohm
5.Bring the noise 作詞:MC モニカ(Byebee)・泉水マサチェリー(Byebee) 作曲/編曲:泉水マサチェリー(Byebee)
品番:VICL-65367
発売日:2020年4月22日(水)
価格:2,000円(税込)