Speak emo

2020.06.25
lyrical school

lyrical school|めちゃくちゃ逆境に強い“アイデア・グループ”なので

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「私かわいい」っていうセルフボーストが成立して、それがこんなにカッコよくなるっていうことは、僕には思いつきもしなかったなって(キム)

 

ーーまずは「OK!」ですが、これは昨年からライブでやられてたんですね。

 

minan:そうですね。去年のツアーの福岡で、かな?

 

ーー今となっては世の中がこうした状況になっている中、「OK!」という言葉はすごく響きますよね。

 

minan:そうですね。できたときはこんな状況になるなんて思いもしなかったですけど、どんな状況にあっても"背中を押してくれる”曲、そんな詞を書いててくださるお2人(編注:ALI-KICK、大久保潤也)の素晴らしさですね。

 

ーー曲調もポジティブで、希望の光が見えるようなものです。その上で「OK!」と歌われるとすごく勇気が出ますよね。

 

risano:まさにそうです。誰でもちょっと疲れたなっていう時があると思うんですが、そういう時にこそ聴いて欲しいです。今日仕事で上手くいかなかったな、みたいなことがあった時にもぜひ聴いて欲しいですね。そんなこと忘れちゃってまた明日から頑張ろう、って思える曲かなと思います。

 

ーーかなりテンポ感があって、言葉をすごく詰め込んでいる印象です。まぁリリスクの曲って大抵そうだとは思いますが、この曲は特に。でも、詰め込みながらもしっかり言葉が聞き取れると感じたんですが、その辺って何か工夫とかされましたか?

 

risano:感情込めて「伝われ」と思って歌ってるのみですかね。

 

キム:あと、ALI-KICKさんの仮歌がそもそもそうだったよね。かなり速くてもめちゃくちゃ一音一音が聴きやすいラップなので、それを元にラップするメンバーもそうなるんじゃないですかね。どう?

 

minan:そうだと思います。先ほども言いましたが、レコーディング前にライブで初披露したので、その時はまだあやふやだった部分があったんですが、レコーディングで修正していきました。ALI-KICKさんがデモで示された“正解”に近づくよう意識して、それを自分なりに消化して作り上げていきました。初披露の時とはまた違う完成度にはなっていますね。

 

ーーでは、続いて「HOMETENOBIRU」。皆さんがセルフボーストするのはちょっと珍しいですね。

 

minan:珍しいです。初めてですかね。ここまでやるのは。

 

キム:そうだね。一応セルフボースト感のある曲は過去に少しあったことはあったけど、この曲はすごく明確にヒップホップアイドルとしてセルフボーストしてるよね。

 

ーーいかがですか? セルフボーストしてみて。

 

risano:こんな自信満々なことを言うのは、最初すごく恥ずかしかったですね。

 

ーー恥ずかしかったですか?

 

risano:まだライブでやったことがないので、たぶんライブになったらテンションが上がって「見て!」って感じで堂々とやれると思うんですが、最初は意外と抵抗ありましたね。自分で言うのが恥ずかしいみたいな。「ハッ?何かわいくないやつが“かわいい”とか言ってんだよ」っていう風に思われたらどうしよう、って(笑)。

 

minan:わかるわかる。だから私は勝手に全てのアイドルの気持ちを代弁してるつもりで歌ってます。自分の気持ちというよりも。

 

ーーなるほど。セルフというよりも、アイドルのために、と。

 

minan:まぁ私も“アイドル”なんで、一応セルフではあるんですけど(笑)。

 

ーー“セルヴズ”というわけですね

 

キム:ハハハ。

 

ーーでも、「リリカルスクールは褒めて伸び~る」っていうラインは、“恥じらいを含んだエクスキューズ”というか、ある意味リリスクらしいな、と感じました。「かわいい」「偉い」と言いつつも、「自分がそうだ」と言ってるというより、「そういう風に褒めて欲しい」「そうしてくれればかわいくなるから」「伸びるから」と言ってるようで、そこが面白いと思いました。

 

risano:でも、性格的には特にhinakoやyuuや私はほんとに褒められると伸びるので、タイトルどおりって感じですかね。

 

キム:minanもそうじゃない? あ、でもminanは褒められるのが苦手なのか。

 

ーーminanさん、褒められるの苦手なんですか?

 

minan:苦手というか、「いやいや、嘘でしょ」みたいな(笑)。「嘘でしょ」まではいかないですけど、その言葉の意味を100%そのままは受け取れないですね。

 

ーーminanさんとはこれまで5回ぐらい取材させていただいて、かなり“褒めて”きたと思うんですが、素直に受け取っていただいてないんですか……。

 

minan:え~っと…(笑)。「ありがとうございます」っていう気持ちでいます(笑)。

 

キム:そう言ってもらえるのは嬉しいけど、それをそのまま自分の中には持ち込めないってことでしょ? “伸ばす”方向とかには…。

 

minan:そうですね。そういうことかな。

 

ーー(笑)。でも、この曲面白いですね。

 

キム;今まで「私たちカッコいい」っていう曲はあったと思うんですが、「私たちかわいい」って言って、そう言うこと自体がカッコいいっていう曲ってなかったと思うんですよ。僕には気付けなかったところですね。

 

ーーなるほど。「かわいいって自分が言うこと自体がカッコいい」という表現になっている、と。

 

キム:僕、10年間やってきて全く気付けてなかったんで、それはほんとにvalkneeさんのおかげだなっていう感じです。一応「褒めて伸びる」っていうテーマ自体は、℃-uteさんの曲で「ほめられ伸び子のテーマ曲」っていう曲があって、valkneeさんもハロプロ好きなので、もしかしたら、そこが発想のきっかけになってるのかな?(笑) でも、「私かわいい」っていうセルフボーストが成立して、それがこんなにカッコよくなるっていうことは、僕には思いつきもしなかったなって。

 

ーーなるほど。自分のことを「かわいい」というセルフボーストもカッコよく響く、と。これはある意味「自分に自信を持って!」っていうことにもなるのかもしれないですよね。

 

キム:アティテュードというかスタンスみたいなものがやはりカッコいいと思うし、今の時代にもすごく合ってると思いますね。

 

minan:すごく合ってる。ガールズパワー系。派手な海外ドラマみたいな感じがするんですよね。女の子たちがいっぱい出てくるみたいな(笑)。

 

キム:今の時代だなっていう感じがしますね。

 

ーーということは、やっぱり“時代の先端に乗ってきてる”わけですね。

 

キム:ですね。ほんとvalkneeさんのセンスだと思います、これは。

 

ーーでも、そういう意味では、そこも“新しい挑戦”なわけですね。続いて「Last Summer」なんですが、かなりダウナーでアンニュイな雰囲気の曲で、それに合わせて歌やラップのやり方も変えてきてる印象です。

 

minan:もちろん合わせてます。「HOMETENOBIRU」とは随分とアプローチも変えてますし、そういう歌い分けはありますね。

 

ーーリリスクはいくつも夏曲を出していますが、これはまたこれまでにない特殊な夏曲になりました。

 

minan:アッパーじゃないですよね

 

risano:たしかに。

 

minan:でも私はこっちの夏の方が好きです。

 

ーーというと、あまり活動的に外に出ていくタイプではないということですか?

 

minan:そうですね。リリスクの夏曲は「夏が大好きでハッピー!」っていう曲が多いですけど、私が過ごす夏はいつもそっちの夏じゃなくて、「Last Summer」の方の夏なので。

 

risano:カッコいい。素敵だ。

 

minan:何もカッコよくないけど(笑)。ただの引きこもりなんだけど…。なので、キムさんが書いた「Last Summer」の歌詞はめちゃくちゃしっくりくるなと思って歌ってます。

 

キム:あ、作詞の「木村好郎」って僕の別名義なんですよ。「キムラスキロウ」「キムラスキロ」「キムヤスヒロ」って感じで(笑)。

 

ーーなるほど(笑)。risanoさんはいかがですか? このダウナーな感じは。

 

risano:私、こういう感じのR&Bが大好きなんで、こういう曲ももっとやっていきたいです。

 

キム:そうだね。サビのメロディとかrisano好きそうだね。

 

risano:チルな感じで。

 

ーーそれこそ“アンビエントR&B”みたいなイメージもしたりしますが、これも図らずもっていう感じですけど、去年の楽しかった夏を懐かしむみたいな詞ですよね。

 

キム:そうなんですよね。

 

ーーある意味、今年の夏にすごく当てはまるものになったというか…。

 

キム:あぁ。

 

ーーもちろん狙ったわけではないですよね。

 

risano:そしたら預言者です(笑)。

 

キム:去年の夏に書きましたからね(笑)。

 

 

取材・文
石川真男

lyrical school 商品情報

OK!!!

『OK!!!!!』

〈収録曲〉
1. OK! 作詞:ALI-KICK・大久保潤也(アナ) 作曲:上田修平・大久保潤也(アナ)編曲:上田修平
2. HOMETENOBIRU 作詞:Valknee、作曲/編曲:ANTIC
3.Last Summer 作詞:木村好郎(Byebee) 作編曲:高橋コースケ
4.Dance The Night Away feat. Kick a Show 作詞:Kick a Show 作曲/編曲:Sam is Ohm
5.Bring the noise 作詞:MC モニカ(Byebee)・泉水マサチェリー(Byebee) 作曲/編曲:泉水マサチェリー(Byebee)
品番:VICL-65367
発売日:2020年4月22日(水)
価格:2,000円(税込)

PROFILE

PROFILE
lyrical school

lyrical school 略称 “リリスク” キング・オブ・アイドルラップになるべく邁進中! メンバー?、hinako、hime、minan、yuu、risano5人。 

2018年6月にフルアルバム『WORLD’S ENDをリリース。 翌7月から?全国14箇所リリースツアーを敢行。ツアーファイナル新木場STUDIO 

COASTを成功させ、ますます勢いを増す中、ビクターエンタテインメント「コネクトーン」へ移籍を発表! 6月7月8月と3ヶ月連続デジタルシングルを先行配信、9月11日にアルバム『BE KIND REWIND』リリース決定! 

今、最もアツくピースフルなGirl’s Rap Unitだ!! 

minan

身長168cm高身長。
立教大学 現代心理学部 映像身体学科 卒業。 日本漢字能力検定 準2級、実用フランス語技能検定3級取得。 グループ活動みならず、個人としてトークライブなどにも多数出演し、この春から地元ラジオ局FM GUNMA で週1パーソナリティーにも就任。
また、とあるウェブ配信番組内企画で練習し始めたMPC(AKAI professional)演奏動画が「lyrical school minan MPC叩いて歌ってRAPしてみた動画 」というタイトルでいくつかYouTubeにあがっているで要チェック。 また、海外ドラマが好きで「ウォーキング・デッド」「ストレンジャー・シングス」に詳しく、ハリコンにも足を運ぶほど。 Instagramに私服コーディネート写真をアップしているで注目していただきたい。 

Twitter : @Minan1205

hime

lyrical school最年少。
HIP HOP好き両親もとに生まれ育った。現在大学生。
普段からHIP HOPを愛聴しているもあって、ラップスキル高さ確かなも。 OFF日積極的にHIP HOPLIVEに足を運んでいるようだ。 お気に入り音源を聴きながらドライブする動画をInstagramストーリーに投稿している。 

Twitter : @hime_514

risano

アメリカ帰りハスキーボイス。とにかく明るくポジティブシンキング。 高校生のときにL.A.に単身ダンス留学していた経験を活かし、帰国後リリスクに入るまで?子どもたちにダンス を教えたり振付もしていた。
#risanonews というハッシュタグをつけて英語で日本ことを海外に発信する動画をTwitterで毎日アップしてい る。 またrisano画伯と呼れる独特タッチで共演者方々似顔絵を描いてInstagramにアップしているで注 目していただきたい。
夢?risano王国国王。 

Twitter : @risano_0928

hinako

ディズニー大好きhinako。 hinakoキュートな笑顔と、ハピネスなライブパフォーマンスは必見。 今年、看護師国家資格を取得。アイドル活動と受験勉強を両立させる努力家。 写真手書き加工が得意で、Instagramに投稿している。TikTokにもチャレンジしている。 

Twitter : @hinako_805

yuu

透き通った高音が特徴的な声で、minanと一緒にメロディーやコーラスを担うことも多い。 ラジオ局FMおだわら「アイドル放送局」で月に2回パーソナリティーをつとめる。
大映画好きで「第1回 輝け!yuuデミー賞2018」という独自視点で映画をプレゼンテーションするweb番組を 放送。 

最近では「映画」に携わる仕事もチラホラ。 普段標準語だがインスタライブ放送中や気を抜いた時など、関西弁で話すことも多い。

Twitter : @yuuuuuu_1220

公式サイト: http://lyricalschool.com/