西園寺未彩（かんたんふ）：早めに活動休止して、苦しむ人を増やさない方がいいなって思いました

 

 

メンバー全員が「これで食べてます」って言えるようにしたくて

 

 

――それにしても我々は今、すごい時代を生きていますよね。コロナ禍はどのように終息すると思いますか？

 

西園寺：全員一度罹って集団免疫ができて終わるか、特効薬かワクチンができて終わるか…。分かんないですけど、基本的にそういう形で落ち着くんだろうと思います。落ち着くことはあってもウイルス自体が消えることはないかもしれないですね。

 

――ワクチンができるまでには、まだ1年以上は掛かるみたいですが…。

 

西園寺：完全な終息は2年とか掛かるかもしれないなと思っていて。

 

――例えば、完全な終息まであと2年と見た場合、そこまでライブはやれないことになりますか？

 

西園寺：ちょっと考えますね。それはいろいろ。

 

――無観客ライブをやったりしているアイドルもいます。ただ、潮流としては、先週ぐらいまでは割とそれをやってたりしていましたが、今や無観客でもスタッフを何人も集めて密閉空間で長時間作業するのが憚られるような雰囲気も出てきました。

 

西園寺：ライブは関わっているスタッフさんが結構いるんですよね。あと、アイドルって、アイドルだけじゃないかもしれないんですけど、体調不良でも仕事に行かなきゃいけないとこがある気がします。替えのきかない存在で居なければいけない職業というか。なので、コロナ云々じゃなくて、常に思ってるのが、風邪以上の病気になった時は「休ませてあげてください」ということです。絶対ちょっとおかしいですよね。考え方が。もう全員に移るじゃんっていう。アイドルグループっていつも誰かしら不調メンバーが居るイメージですもん。楽屋で、誰かしら体調悪いし、誰かしら過呼吸だし、誰かしら泣いてる、というのをよく見かけるので。そういう風にならない業界であって欲しいと思います。

 

――まだ先が見えない状況ではありますが、敢えてお訊きします。新生かんたんふとして何か目標とすることとかありますか？

 

西園寺：前から言ってるんですけど、メンバー全員が「これで食べてます」って言えるようにしたくて。すごく大きなステージに立てているアイドルさんでも、それだけで食べていけてなかったら、割と趣味みたいな…。まぁ趣味じゃないけどちょっと趣味みたいな、そういう感覚になっちゃうじゃないですか。なので、めちゃくちゃ大きなところを目指すというよりは、みんながそれで食べていけるような形で回していければと思ってます。まだそんな感覚じゃない子も多分いると思うんですけど、できるだけそうしたいなって。自分もアイドルとして一番考えるのがそこだったので、「仕事」ってはっきり言えるように自分もなりたいですし、そんな風に言える環境を作ってあげたいとは思います。

 

――過度に大きなところを目指すのではなく…。

 

西園寺：とにかく無理せずにやっていきたいっていうことです。

 

――ちゃんと回しながら“長く”やりたいですか？

 

西園寺：そうです。私の場合、Stereo Tokyoもブチって切れちゃいましたし、ReLIeFもちぃちゃんの卒業で終わりましたし…。活動が途切れると信用がなくなると思うんですよ。でも今は自分でやってるから続けられるじゃないですか。頑張れば。なので、長くちゃんと続けて信頼とファンを獲得していきたいなっていう感じです。

 

――Negiccoさんとかだと、30歳を過ぎても大活躍されてます。そんな感じで活動していきたいですか？

 

西園寺：私自身がどうなるかは分からないですけど、グループ自体はちゃんと長くできるようにしたいですね。

 

――それこそAKB48さんとかモーニング娘。さんとか、メンバーは変わってもその名前で継続していくような…。例えば何年後か分からないですけど、西園寺さんが運営なりプロデューサーなり社長に専念して、そういうグループを作って育てていく、といったこともあり得るわけですか？

 

西園寺：あり得えます。

 

――そういう未来像って描かれているわけですね。

 

西園寺：やはり長くやらないと。何でもそうなんですけど、結論って出ないじゃないですか。それに、そこまで積み上げてきたものはゼロにはならないですよ。残るから。だから長くやりたいんですよね。

 

――メジャーデビューなども狙ったりしますか？

 

西園寺：メジャーでやるとしても先だと思います。実績ができてからだと思いますね。じゃないと、やっただけでポシャることになっちゃうと思いますし、今はメジャーとインディーズの大きな違いを感じないです。

 

――でも、メジャーという目標はあるわけですね。

 

西園寺：先ほど「仕事として回っていくように」と言いましたが、「ずっと小さい規模でいいや」とかそういう話ではなくて、大きなところでやれるように成長はしていきたいです。

 

――なるほど。まずは仕事としてちゃんと回るように。でも、小さいところで満足するわけではなく。

 

西園寺：「年１回BLITZ規模の会場で単独ライブができるグループ」は多分「仕事だ」って言えるぐらいになってる。それを目指したいです。いろいろと兼ね合いが難しいとは思うんですけど、でも大きくはなりたいです。いい音楽をやっていこうと思っているので。