Speak emo

2018.06.16
大阪☆春夏秋冬

もちろん私たちを見て好きになってくださるのも嬉しいんですけど、音楽から好きになって欲しいっていう思いもありますね

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意見を言わさせていただいた部分がほんまにいっぱいあります(YUNA)

——では、アルバムについてお訊きします。先ほど「楽曲についても意見を出している」といった発言がありましたが、皆さんがどれぐらいアルバムの制作に関わっているのかにとても興味がありまして。それこそ「スネアの音が~」みたいなとこまでおっしゃっていましたけが、かなりいろんな意見が入っているわけですね?

ANNA:まずはアルバムのタイトルから、一緒に考えさせていただきました。「どんな名前にする?」っていう会議にもメンバー全員参加させていただいていて、その会議の前にも、メンバー一人ずつ「どんなタイトルがいいか」提案をさせていただいていて。で、話し合った結果、やはり「ファーストアルバムやから自分たちの名前にしよう」ってみんなの意見が一致して、このタイトルに決定しました。シンプルに名前でいこうっていう…。

――タイトルからもうみなさんの意見が入っている、と。「春夏秋冬」っていうと、これまでは泉谷しげるさんでしたけど、これからは「春夏秋冬」と言えば、大阪☆春夏秋冬ですね!

一同:ありがとうございます!(笑)

――しかも「SSFW」とオシャレに英語の頭文字で綴られていますよね! 他に何か意見を出したりとか、ありますか?

YUNA:何十曲ある曲の中から選ばせていただいたり、振付師さんを私たちから提案させていただいたりもしましたし、アルバム・ジャケットに関しても色々と聞いてくださったりして。意見を言わさせていただいた部分がほんまにいっぱいあります。

――これがジャケットですよね?

ANNA:はい。和のテイストを入れたいっていうことを言いました。

EON:日本の良さはどこかで取り入れたいなっていうはありましたね。着物とか浴衣とか。

MANA:だけど、「和」過ぎずモードな感じにしていただいて。

EON:ちょっと「洋」っぽいテイストも入っていて…。

YUNA:インパクトもあって、って感じにしていただきました。

ANNA:あと、エイベックスカラーの「青がいい」っていうのも、自分たちで提案させていただきました。

――おぉ、なるほど。「和」を打ち出したいというのは、やはり目標の先には「世界」があるってことですか?

一同:はい、あります!

MANA:メンバーの中でも話してるんですが、私たちが目指す最終的な「てっぺん」はどこ?って言われた時に、「世界だな」って言っていて。言葉で通じ合うのは難しくても、やっぱり音楽で伝えられるものはたくさんあると思うので。その音楽で「世界中にいる一人一人の心を響かせていけるよう頑張ろうね!」ってみんなで話しています。

――海外遠征されたことは?

EON:上海には一度だけ。その時に結構反響があって、まさに言葉通じやんくても、音楽で好きになってもらえた、って感じました。

――他に行ってみたい国や都市などありますか?

MAINA:ニューヨークですね。ニューヨークシティーには行ってみたいです。私たち小さい頃からダンスをやっていたので、ダンスとかミュージカルとか、そういうものを学ぶには最適だと思うんですよ。あと、アポロシアターのステージに立ってみたいです。大阪☆春夏秋冬で。ずっと小っちゃい頃から「いつか絶対あそこに立ちたい」って思って頑張っているっていうのもあって…。

――僕、ニューヨークに住んでいたことあるんです。音楽がめっちゃ近いですね。

MAINA:おぉ!やっぱりそうですか!

――ジャズにしろクラシックにしろ、もちろんロックにしろ、ふらっと見に行けるんですよね。アクセスしやすいです。それに、すっごい刺激的ですね。音楽にしろアートにしろ。

MAINA:うらやましい…。

――ぜひ一度行ってみてください。

MANA:はい。ぜひ行きたいです。そこから他にも色んなところに行けたらいいなぁ…。

――なるほど。そのためには、戦略的にもそういう「和」っていうのは使えるかもしれないですね。

MAINA:いいと思うんですよね。「なんか日本人おんで!」みたいな(笑)。「日本人で、歌って踊ってる6人組の女の子、何かやってんで!」みたいな感じでね(笑)。

「手紙」を聴いて、手紙の大切さに改めて気付いて、手紙を書くようになったんですよ(RUNA)

――アルバム制作に関して、他に何かこだわったところなどありますか?

MANA:「ローリングストーン」っていう曲では、MAINAのヴォーカルをノーエディットの一発録りなんです。

――それは、どういう経緯でそうなったんですか?

EON:いきなりやってんな? スタジオ入ったら…。

MAINA:はい。いきなりで。レコーディングスタジオ入って、「じゃあ、録ろうか!」って言われて、「もうロックで行くで!」みたいな感じで、マイクをバンって渡されて、「わかりました」って(笑)。一発撮りで、バーンって歌って、戻ったら、「OK!」みたいな(笑)。

――もうほんとに一発なんですか?

MAINA:ほんまに一発でした。

――ある意味“ライブ”なわけですよね。

EON:ですね。なのでMAINAのブレスとかも感じられます。

MAINA:テンポとかピッチとか「ずれているやん」みたいなとこもたぶんあると思います。

――臨場感のあるレコーディングだったんですね。

MAINA:楽曲を提供してくださった方が「今のありのままの姿を見せたい」って言ってくださったので、それだったら、「一発録りで、編集もなくて、ありのままの今の実力をアルバムに収める」っていうのが、一番わかりやすい「ありのまま」じゃないかということになっったんですよね。

ANNA:後から聞いた話なんですけど、「ローリングストーン」を歌う時、「じゃあハンドマイクで一発で撮るぞ」って言われて、MAINAにスイッチが入ったんですよ。録音している最中は、私たちにはMAINAの姿が一切見れなかったんですけど、イスをお立ち台にして、一人でライブしているみたいな歌い方で歌ってたみたいなんですよ。

EON:ワンマンライブを一人でやっていたみたいで。

――イスに立たないと歌えなかった感じだったんですか?

MAINA:落ち着かないというか…。

――え? イスの上の方が、不安定で落ち着かないってことはないですか?

MAINA:ハハ(笑)。でも、ツーコーラス目あたりは、座って歌っていましたね。

――イスに?

MAINA:はい。イスに座って。それも足組んで格好つけて(笑)。

ANNA:顔もどや顔で歌っていたみたいなんですよ(笑)。

――それ、撮ってないんですか? 絵になりますよ、絶対!

ANNA:撮ってないんですよ。もったいないんですけど…。

MANA:そういうのも、想像しながら曲を聴いてください(笑)。

――じっくり聴くと、そういう息づかいとか、「ここ足組んでいるな」っていう箇所が、分かるんですね(笑)。でも、そういう意味では、みなさんの「表現」というものにおいて、それこそ「ローリングストーン」って曲がある種のメッセージとなるのかもしれないですが、最も重要なのは“ライブ”なのでしょうか?

RUNA:そうですね。アルバムだと私たちメンバーとスタッフさんとかで制作させていただくんですけど、ライブではファンの方々もいてるので…。ファンの方々と一緒にその曲を作り上げていくっていうのを、ライブではすごく感じます。ファンの方々と私たちとで「今この瞬間を作り上げているな」って感じられることが、すごく嬉しいですね。

――どこかで歌っていましたね、そういうことを。「明日でもない/昨日でもない/この現在(いま)という時を感じたいんだ」って。

ANNA:「SSFW」ですね!

MAINA:でもホント、CD音源聴くよりもライブに来てもらった方がより楽しめると思います。CDでは感じられないものが感じられるんじゃないか、と。そのぐらい自信持っているので、ぜひライブに来てください! これ、書いておいてくださいね(笑)。

――はい! しっかり書かせていただきます。他には…。

MANA:私たちがアイデア出したわけじゃないんですけど、このアルバムの特徴としては、ドラムのほとんどが生なんですよ。特に「手紙」っていう曲は…。普通はオケができてからそこにMAINAの声を乗せるっていう録り方をするんですけど、このアルバムを作っていくにあたっては、私たちも色んなところでこだわらせていただいて、色んな思いを込めていて…。そばで支えてくださっているスタッフさんが、それを見て、「ここまでこだわっているなら、もっとこだわりたい」って言ってくださって。「手紙」っていう曲は、逆にMAINAの声に合わせてドラムを入れていただいたんですよ。

EON:完全生音でね。

MANA:なので、細部まで演奏を聴いていただいたら、MAINAのそのブレスとか、ちょっと抜いて歌っているところとか、楽器もそれに合わせてくれているので、すごい新しいというか、心地良いですね。楽器も歌っているような感じに聴こえます。

――あのバラード曲は、すごい情感が出てますよね。シンプルな演奏じゃないですか。でも、その隙間というか行間というか、そこにある空気に色んなものが詰まっている感じがしました。

一同:ありがとうございます!

――僕、ジャズが大好きなんですけど、最近アイドルさんとかの取材が多くなっていて、アイドルさんだと打ち込みが多いじゃないですか。まあ、僕自身もちょっとそういう機械をいじったりするんですけど、そういうガチッとプログラミングされているものばかり聴いていると、ジャズの「相手がこう出るなら、こっちはこう行こう」みたいな“対話”のような空気感はないんですよね。まあ、どちらが良いということではなくて、あくまで表現というか手法の違いなんですが、プログラミングされたものばかりを扱っていると、そういう“対話”の良さが一層感じられるんですよね。でも、そういう意味では、皆さんのやられている音楽には、そういった“対話”というか、“生モノを扱っている”ような部分もあるわけなんですね。

MANA:あと、事前にいただいていたものをレコーディングしながら変えていただくこともよくありますね。歌割りとか、フレーズとか…。「ここの音ない方がこの歌は良く聴こえるんじゃないですかね?」とか言わせていただいて、スタッフさんも賛成していただいて。合いの手とか裏で鳴ってる音とかを無しにしようとか、このコーラスを無しにしようとか、結構ありました。

――アルバムにはライブで結構歌ってきた曲も入ったりしてるんですよね?

EON:「SPARK!」と「Travelin‘ Travelin’」の2曲だけです。これは、メジャーになってからのシングル曲で、他は全くの新曲ですね。

――このアルバムのために作った新曲と。

MANA:そうです。9曲あります。だから珍しいです。レコーディング先行です。

――みなさんそこそこ長く活動されて、ようやくアルバムのリリースに至ったわけですが、これまでのレパートリーは入れず、新しいので勝負しようと。

MAINA:そうですね。

EON:でも、インディーズ時代に手掛けてくださった作家さんに3曲書いていただいたり、メジャーになってからのシングルを手掛けてくださった作家さんにも書いていただいたりして…。そうした作家さんたちに、しゅかしゅんの「今」と「これから」を描いていただいたんですよ。

――なるほど。しゅかしゅんの魅力が凝縮されたと。

EON:ふんだんに詰め込まれています!

RUNA:あと、 みんな楽曲に対してこだわったところを言ってくれたんですけど、私は“手紙”というものにこだわりを持つようになったんです。この「手紙」っていう曲を聴くまでは、やっぱり今の時代、SNSや、LINEとかを使って思いを伝えることが多かったんですけど、この「手紙」を聴いて、手紙の大切さに改めて気付いて、手紙を書くようになったんですよ。今までは、もうほんまに手紙を書かなくて、お誕生日のメッセージとか、母の日とかにも、SNSでメッセージを届けていたんですけど、この間の母の日に母に手紙を書いて渡したら、すごい喜んでくれたんです! “手紙”というもので思いを伝える。そういういったことにもこだわりを持ちましたね。

――このインタヴューをしている時点では、まだこの曲はファンの方には届いてないですけど、発売されたら、手紙が来るんじゃないですか?ファンの方からも。

RUNA:ほんとですね。

――ね。ファンの方もお母さんとかに手紙を書くかもしれないですし。

ANNA:そうなったら、うれしいね。

RUNA:うれしい!

――でも、そういう、人の温もりの感じられる手動によるコミュニケーションっていうのは、その先ほどのジャズの話じゃないですけど、皆さんの「一発録りのレコーディング」や「お客さんと作るライヴ」などにおける“音楽的な対話”にも繋がる部分があるかもしれませんね。

一同:はい!

取材・文
石川真男

大阪☆春夏秋冬 商品情報

SSFW

[CD only] SSFW(エスエスエフダブリュー)
発売日:2018年6月12日
AAVC1-93902 ¥3,000(税込)

【CD収録内容】
01 SSFW/02 Evolution/03 Travelin’ Travelin’/04 世界には僕らだけ/05 シーズンズ/06 ローリングストーン/07 SPARK!/08 See you again/09 手紙/10 ROCK SHOW/11 PLAYER

SSFW

[CD+DVD] SSFW(エスエスエフダブリュー)
発売日:2018年6月12日
AVC1-93900/B ¥4,000(税込)

【CD収録内容】
01 SSFW/02 Evolution/03 Travelin’ Travelin’/04 世界には僕らだけ/05 シーズンズ/06 ローリングストーン/07 SPARK!/08 See you again/09 手紙/10 ROCK SHOW/11 PLAYER
【DVD収録内容】
2018.01.13「東京進行大作戦~進撃のしゅかしゅん Vol.1~」@新宿BLAZE
■ LIVE VIDEO (①SPARK!/②C’mon!/③Let you fly/④Stay/⑤Travelin’ Travelin’)
■ LIVE 密着FILM(メンバーインタビュー&OFF SHOT MOVIE)

SSFW

[CD+Blu-ray] SSFW(エスエスエフダブリュー)
発売日:2018年6月12日
AVC1-93901/B ¥5,000(税込)

【CD収録内容】
01 SSFW/02 Evolution/03 Travelin’ Travelin’/04 世界には僕らだけ/05 シーズンズ/06 ローリングストーン/07 SPARK!/08 See you again/09 手紙/10 ROCK SHOW/11 PLAYER
【Blu-ray収録内容】
■ Travelin’ Travelin(’ MUSIC VIDEO) ■ SPARK(! MUSIC VIDEO)■ 世界には僕らだけ(MUSIC VIDEO) ■ 世界には僕らだけ(OFF SHOT MOVIE)■ 1st FULL ALBUM「SSFW」メンバーインタビュー

PROFILE

PROFILE
大阪☆春夏秋冬
カタヤブリな浪花のロックンガール!! メインヴォーカルMAINA のアイドルという枠組みから逸脱している圧巻の 歌唱力と、セカンドヴォーカル5人の個性溢れるコーラスワークで、ソウルフルな ROCK・ファンク・POPS・聴く人を虜にするバラードまで幅広い音楽を、歌と ダンスで表現する驚きのパフォーマンスは一度観ると必ずまた観たくなる! CDや配信等の音源データでは満足出来ない、本物のLIVEアーティスト!
公式サイト: https://syukasyun.com/