界隈最強のヲタク戦士たち/インキャなヒロインたち、それが NANIMONO。昨年は、KT Zepp Yokohamaで行ったワンマン公演をSOLD OUTさせている。まさに、ヲタクたちのニューヒーローとして活動をしているNANIMONOが、2月21日にメジャー初シングル『インキャのキャキャキャ / オタ恋』をリリース。2月２６日からは、東名阪を舞台にしたツアーもスタート。7人のヲタクアイドルたちに、今の心境を伺った。

（前編は、こちらから）

『オタ恋』にはヲタクだったら誰もが「わかるー!!」となるシチュエーションを書いているから、世代に関係なく、ヲタクの人なら全員共感してくれると思います。

──もう1曲の『オタ恋』では、MVも制作。中ではみなさん、ウェディングドレス姿も披露しています。ヲユタさん、ウェディングドレスを着たとき、どんな気持ちでした?

遊乃ヲユタ  自分はまだ18歳なのに、ウェディングドレスを着ちゃいました。 (年齢的に早いから？着るのは)嫌だったんですけど。ヲタクのみんなは、「うわっー!!」って沸いてくれます。『オタ恋』は、ヲタク側の気持ちを書いた曲。歌詞は……変です。

──りんかさんの、『オタ恋』の印象とウェディングドレスを着ての感想も聞かせてください。

紫苑りんか  『インキャのキャキャキャ』は私たちのことを含め、インキャの特徴を書いている歌でしたけど。『オタ恋』は、私たちというよりも、ヲタク側の目線の曲なのかなと思っていて。最初に歌詞を読んだときから、「えっ、ヤバ!!」みたいな…。「こんな曲を歌っているアイドルって、なかなかいないけど」と思って、最初はちょっとざわつきました。メンバーも最初は「オタ恋って何だ??」というところから始まったし、とにかく歌詞を含めて一癖ある曲なんですけど。『オタ恋』のMVでは、みんなウェディングドレスを着てすましているから、そこのギャップも楽しんでもらえると思います。

──みなさんも、ヲタク要素を持っている方々じゃないですか。『オタ恋』の歌詞の内容へ共感を覚える面もいろいろありました?

紫苑りんか  自分もヲタクをしていた時期があるんで、歌詞に書いてある気持ちはわかるんですけど。ここまでヲタクの言いたいことを歌詞として言語化するってなかなか無いからこそ、「これこれこれ」みたいに、ヲタクの言いたいことをこの曲が言ってくれています。
  ウェディングドレスですけど、わたし、仕事で着るのは2回目なんですよ。仕事でウェディングドレスを着ると婚期を逃すって聞くじゃないですか。なので、ヲタクの方々にたくさん愛してもらえる人生であれば、それだけでりんかは幸せでい続けられるなと思いました。

──次は、ねるさんにいきましょうか。

輪廻ねる 『オタ恋』は、ヲタク側の気持ちを書いている曲なんですけど。今は、すごく若い世代にもヲタク文化は浸透しています。それこそ、小学生までヲタ活や推し活をしてるんですよ。ちょっと前の世代の方々のときは、表立ってヲタ活動をしている人たちって少なかったと聞いてるけど。今の時代は、ヲタ活をして生きている人たちは本当にたくさんいます。SNSの普及によってヲタク仲間を増やしやすい時代だからこそ、ヲタ活も流行っています。そんな時代にこの曲が生まれたから、共感する人がとても多いんじゃないかと思います。『オタ恋』はとくに、歌詞に注目して聴いてもらえたら、共感してくれると思います。
  「好きな人に認知されている…?」という歌詞が出てきます。『オタ恋』は、好きな人に認知されてる意識とか、「今すぐおぎゃりたい!」など、ヲタクだったら誰もが「わかるー!!」となるシチュエーションを書いているから、世代に関係なく、ヲタクの人なら全員共感してくれると思います。
  わたし、『オタ恋』のMVを通して初めてウェディングドレスを着ました。その姿を見たファンの人たちが「綺麗」と言ってくれたように、ウェディングドレスってすごく綺麗に見せてくれる魔法を持っているんですね。だから、ウェディングドレスを着れたのは嬉しかったです。ヲタクの人たちには、ねると結婚をしたときの姿を想像しながら、妄想を膨らませてください。

『オタ恋』は推しへの気持ちが詰まりに詰まった曲だから、「なんか様子がおかしいぞ」と思ったその感覚は正解です。

──続いては、ミフユさんかな。

柊真ミフユ  わたし、小学生のときに貯めたお小遣いを使って初めて自分の好きな人のCDを買ったのをきっかけに、昔からヲタクをして生きてました。なので、『オタ恋』を聴いたときに「そうそう!」とヲタク側の気持ちへ戻っていました。『オタ恋』って、曲調がすごくいいんですね。この曲をライブで初披露したときは、まだ歌詞の内容がバレてないのもあって、ファンのみんなから「すごくいい曲」「素敵なバラードが生まれたぞ」「歌詞の内容まではわかんなかったけど、すごくいい曲だった」「感動した」という声をいただけていました。でも、歌詞のことを理解するほどに、みんな「普通の恋愛の曲ではないぞ」「なんかおかしいぞ?!」と気づき始め、『オタ恋』のMVが公開になり、歌詞も披露したことで、今度は、歌詞に共感するヲタクの人たちが一気に増えました。『オタ恋』は推しへの気持ちが詰まりに詰まった曲だから、「なんか様子がおかしいぞ」と思ったその感覚は正解です。

──『オタ恋』の歌詞を読むと，共感を覚える人が多いのはわかります。

柊真ミフユ  そうだと思います。MVで着たウェディングドレス姿は、メンバーみんな似合ってたし、リアルな姿だったけど。わたしはとにかく派手髪だから、普段とのギャップが凄すぎて、わたしだけコスプレをしているような感じがしていました。わたしもリアリティーが欲しかったから、黒髪になったとき、もう一度着てみたいです。

──ゆまさんの、『オタ恋』についての印象をお願いします。

ひなたゆま  『オタ恋』を初めて聴いたとき、すごく綺麗なメロディーで、歌詞もすごいじゃんと思いました。2番に、「好きな人に認知されている…？」や「待てよ、ワイはこんなに幸せでいいのだろうか…？」など、774ちゃんとぷりんちゃんの言うセリフがあるんですけど。その歌詞や言い方に母性が出ているからか、「あぁ、この曲はやっぱりヲタクの気持ちを歌った曲だなぁ」と凄く感じました。ヲタクの人からも言われますけど、個人的にも｢すいません3色チーズ牛丼特盛で！｣の部分、歌詞の内容的に自分じゃなくぷりんちゃんだと思っていたから、そこのセリフをわたしが担当になったのも驚きでした。「このセリフの部分、ぷりんちゃんの間違いじゃない?」と、２人で話してたもんね。

眠岸ぷりん  そう。そこのセリフ、てっきりわたしだと思ってた！

ひなたゆま  いただいた歌詞割がわたしになっていたから、わたしとぷりんちゃん共に「きっと間違えたんだろう」と思っていたし、実際にそのつもりでレコーディングにも行きました。現場では、一人一人レコーディングしていったわけですけど。先にぷりんちゃんのレコーディングが終わっていたから、わたしは、ここのセリフ部分もぷりんちゃんが録り終えてると勝手に思っていました。そうしたらプロデューサーに、「じゃあ、次はゆまちゃんのセリフの部分ね」と言われたから、「あっ、本当にゆまだったんだ」とそこでわかりました。そこのセリフの部分、最初は普通の感じでしゃべったんですよ。そうしたら、「もっとでゅふでゅふして」などいろんな欲求が出て来た結果、今のセリフになりました。セリフのあと、すぐにサビに入るからあまり聴こえてないかも知れないけど。セリフの最後の部分でちょっと笑ってるエモボ(イス)が入っているので、そこも聴いてほしいです。今もやってくれている人たちはいるけど、サビで「オゥフ オゥフ」と歌う部分は、ライブ中にヲタクの人たちと一緒に同じ振りをして盛り上がりたいから、ぜひ真似てください。
　ウェディングドレス姿は、とにかくサイズがデカくて。しかもスカートに膨らみを出すため、中に重ね着をしながら膨らみをつけていったんですね。ウェディングドレス姿自体、ファンの人たちに「かわいい」と言ってもちらえるのは嬉しいけど。座れないし、歩きづらいしと、なんか生活しづらいから、もう着たくないです。

自分もめちゃめちゃアニメヲタクやアイドルヲタクだから、サビで歌う「オゥフ オゥフ」とか、わたしも普通に使っていました。

──次は、774さんお願いします。

47774  自分もめちゃめちゃアニメヲタクやアイドルヲタクだから、サビで歌う「オゥフ オゥフ」とか、わたしも普通に使っていました。だから、「オゥフ オゥフと言うんだー」と思えて嬉しくなりました。ライブでそこの部分を歌うとき、みんなで手を上げて叩くような振りをしながら歌うんですけど。そこを歌うときめっちゃ気合が入るのか、「気合入れて叩いてたよね」とよく言われますし、それくらい自然に振りへ気合が入ります。
わたしとぷさん（眠岸ぷりん）のセリフが入ってるんですけど。それをいただいたときは、「わたしかぁ」と思ったのと、レコーディング当日は、ちょっと喉がヤバめだったから、「セリフの部分、いっぱい録り直しになりそう」と思っていたんですよ。でも、セリフの部分は一発目でOKが出たし、めっちゃ褒められました。だから、そこのセリフは何回も聴いてください。でも、ライブでそのセリフを言うと、ちょっとセクシーになっちゃうらしくて、「なんか音源と違う」とも言われます。自分ではまったく(セクシーにとは)意識してないから、何でですかね??でも、セクシーバージョンはライブだからこそ聴けるってことにしおきます(笑)。これからは、あえていろんな言い方をしてみようとも思っているから、ライブで『オタ恋』を聴くときは「今日、この言い方なんだ」と楽しみにしていただけたらなと思います。

──ウェディングドレス姿についての印象もお願いします。

47774  ウェディングドレスを自分の人生の中で着るとは思っていなかったから、仕事を通して着れて良かったです。でも、たぶんこれが最後です。ウェディングドレスとかそんな好きじゃないというか、あまり着たくなかったんですけど。MVを撮ってくださった監督さんがすごく褒め上手な方で、撮影中いっぱい褒めてもらえたおかげで自己肯定感高めで撮れたから、それも良かったです。

──最後は、ぷりんさんですね。

眠岸ぷりん  『オタ恋』のデモ音源を最初にいただいて、タイトルを見たとき、『オタ恋』って書いてあるから,「えっ??」となりました。"オタ恋"というマッチングアプリがあるんですけど、最初は「えっ、マッチングアプリの曲を歌うの??」とびっくりしました。そうしたら、ヲタクの恋の歌でした。でも、『オタ恋』のMVを公開し、Xでその告知をポストしたら、Xで公式の"オタ恋"さんがリポストをしてくださっていたから、自分では勝手に"オタ恋"さんの公式曲になれたと思っています(笑)。
  自分もヲタクだから、歌詞はめっちゃ共感できます。わたし、以前から普通に「おぎゃりたい」とか「めっちゃバブみ感じたー」という言葉を使えば、そのたびに、メンバーからは「えっ?!どういうこと??」と不思議がられていたんですけど。だからこそ、この歌詞を読んだときは、「ヤバい、これはわたしのための曲だー!!」という気持ちになりました。『インキャのキャキャキャ』『オタ恋』ともに、いろんなネット用語が入っていますけど、わたしは全部わかります。とくに『オタ恋』の中、わたしと774が言ってるセリフは、ヲタクの言葉そのまんまだから、歴の長いヲタクの人ほど刺さります。わたしのファンの人たちも、「共感する」と言ってました。
  ウェディングドレス姿ですけど、ウェディングドレスって真っ白だし、腰のところがキュッとなっているじゃないですか。ウェディングドレス姿の撮影のとき、わたし、めっちゃお腹が空いていたんです。だけどわたし、食べるとよくこぼしてしまうから、白いウェディングドレス姿だと汚してしまうので食べられなかったし、衣装姿も白を基調としていたから、ずっとご飯を食べられなくて悲しかったです。

『ジャージは戦闘服★』『インキャ・オブ・ファイヤー』ともに、ねるちゃんの歌声を加えたバージョンを作りました。

──今回のシングル、TYPE-Aには『ジャージは戦闘服★ 2024ver.』を、TYPE-Bには『インキャ・オブ・ファイヤー 2024ver.』を収録しています。なぜ、この2曲を収録したのかも気になります。

輪廻ねる  この2曲は、わたしの歌が入ったバージョンとして音源化されました。

ひなたゆま  『ジャージは戦闘服★』『インキャ・オブ・ファイヤー』ともに、「NANIMONOのライブといったらこの2曲」というくらい、ライブでは絶対に歌う曲。新メンバーとして加入したねるちゃんのいるバージョンでも出したかったから、ねるちゃんの歌声を加えたバージョンを作りました。

輪廻ねる  わたしのファンの方々も、「ねるちゃんの歌声の入った音源もほしい」と前々から言ってくださっていたから、ついに「いつでもわたしの声が聴けるバージョン」も生まれて、すごく嬉しかったです。今後もっともっとNANIMONOが売れて、これまで形になった曲たちにも全部ねるの歌声も加えた新しいバージョンを作りたいし、いつか、この7人でフルアルバムを出せたらなぁという夢も持っています。

ひなたゆま  メンバーそれぞれも歌唱力面で成長しているから、今の7人バージョンで過去の曲たちを録ってみたい気持ちは、確かにある。

輪廻ねる  みんなの歌い方にも変化が出ているからこそ、いつか新バージョンとして形に出来たら嬉しいです。

NANIMONOが、インキャのみんなが外に出るきっかけになるアイドルになれたら嬉しいです。

──2月26日からは、メジャーリリースツアー「なにものといっしょ!」が東名阪で行われます。

眠岸ぷりん  全部の会場の規模が大きくなったし、それぞれの会場へ人が来てくれるのか不安ですけど。パンパンの会場を見たいので、「みんなライブに来て」とぜひ書いてください。

──新宿BLAZEのときは、本当に満員の景色が広がっていましたよね。やはり、あのときのような景色を…。

眠岸ぷりん  見たいです。新宿BLAZE公演のときはすごく楽しかったし、いっぱいの人たちが楽しんでくれました。やっている私たちのテンションもアガっていたから、今回のツアーのどの会場にもいっぱいの人が来てくれたら嬉しくなります。

ひなたゆま  NANIMONOは、ほんと今年が勝負なんですよ。このツアーを成功させて、その先にきっとある2周年公演も成功させて、その先へ向かうためにも、今回のツアーは絶対に成功させなきゃいけないツアーだと自分たちでは感じています。

輪廻ねる  いつかはNANIMONOとして日本武道館のステージに絶対に立ちたいからこそ、そこへ向かうためにも、まずは目の前のツアーを成功させなきゃね。

紫苑りんか  今年はしっかりと結果を残していかないと、その先の展開も見えなくなってしまう。だからこそメンバーみんな、目の前のツアーを成功させる意気込みは本当に強く持っています。だから,「家に籠もっている場合じゃないよ、みなさん来てください」と伝えてください。

ひなたゆま  こんなにインキャな僕らでも頑張って外に出ているんだから、みんなにも外に出てきてほしい。

紫苑りんか NANIMONOが、インキャのみんなが外に出るきっかけになるアイドルになれたら嬉しいです。

TEXT:長澤智典