FEATURE

2023.10.26
usabeni(宇佐蔵べに)

思い立ったら一歩踏み出す、その勇気って大事だなと改めて感じました。 usabeni インタビュー1

 アイドルユニット「あヴぁんだんど/avandoned」のメンバー兼プロデューサーとして活動。その後、みずから自主レーベルを立ち上げ、ソロプロジェクトを始動した宇佐蔵べに。これまでに3枚のシングルとアルバム『NEW』をリリース。平行して活動しているトイ楽器バンドCHILDISH TONES feat.宇佐蔵べにとしても数多くのレコードをドロップし続けている。

 このたび、アルバム『NEW』を共に作りあげた音楽プロデューサーの加納エミリとタッグを組み、彼女が新たに立ち上げたBlute Co.内のレーベルより、新作をリリース。それが、10月25日に発売するミニアルバム『textures!』になる。同作品より、アーティスト活動の名義をusabeniに改名。表現スタイルに合わせ宇佐蔵べに/usabeniを使い分けてゆくことも発表した。ここでは、ミニアルバム『textures!』の魅力を中心に、今のusabeniとしてのスタンスを伺った。


わたしが業務提携という形でレーベル参加を決めたのも、自分の中でこだわりがあってのことでした。


――usabeniさんは、あヴぁんだんど時代から積極的にクリエイトな面を担い続けてきました。活動をする以上はみずからすべてをクリエイトしていきたい気持ちを以前から持っていたということでしょうか。

usabeni その気持ちは強く持っています。今回、加納エミリちゃんが音楽プロダクションBlute Companyを立ち上げ、わたしが業務提携という形でレーベル参加を決めたのも、自分の中でこだわりがあってのことでした。

――その理由が気になります。

usabeni わたし自身、表現活動をしていくうえで、みずからのこだわりを押し出したい気持ちを強く持っています。その"こだわり"を作品に直接投影すれば、それが"宇佐蔵べにの色や個性"になることもわたし自身強く実感しています。それもあって、制作面に於いては自分が主導していきたいからこそ、今回、業務提携という形を取りました。と言っても、加納エミリちゃんに誘われてではなく、わたしから声をかけ、そういう形でお願いをしたわけですけど。

――すべてを自分の手でハンドリングしていこうとは思わなかったのでしょうか。

usabeni  みずからレーベルを立ち上げ、1年間ほど活動していく中で実感したのが、得意な分野と、苦手というか、自分の力や知識ではまだ補えきれない面があるなということ。たとえば、流通やプロモーションの部分はあまり得意ではないこともあって、すべてを自分でクリエイトしていく時期ではまだないかなと判断。それと、加納エミリちゃんがタイミングよく会社を設立したこともあれば、音楽制作やプロデュース面では強い信頼を持っていたことから、わたしが不得手としている部分をお願いしよう。そのぶん、わたしは制作へ集中したいと思い、所属ではなく、業務提携という形で彼女にお願いをしています。

――お互いに得意な分野を生かしながら、一つの動きを活性化しようということだ。

usabeni  そうです。これからも、お互いに得意なところを伸ばしつつ、わたしの苦手な面を補ってもらいながら進んでいけたらなと思っています。
 

スナップ


結果的に自分の手に職に変わっていました。


――usabeniさん自身、早い時期からクリエイト/プロデュース業を手がけていましたよね。

usabeni  わたしのアイドル活動は、あヴぁんだんどというグループからスタートしています。グループが立ち上がったのは良いけど、プロデューサーが放任主義だったことから、ライブのセットリストも自分たちで組めば、活動を始めた頃はライブで歌える曲数も少なく、「どうやったらお客さんたちに楽しんでもらえるか」も自分たち自身が考えなきゃいけない状況でした。当時から、メンバーみんなの中に「自分たちで動かなきゃ」という意識があったことから、ランドセルを背負ってライブをやれば、ランドセルの中からファミコンのカセットを取り出しては、それをフロアに投げつければ、客席にダイブするなど、今振り返ると、意味のわからない行動をよく取っていました。そういう行動へ走ったのも、「何事も自分たちでやらないとグループの活動が進まない」状況下へ置かれていたことも大きかったと思います。
  わたしは今、振付師としての活動もしていますけど。もともとは、あヴぁんだんど時代に、振り付けの先生を用意してもらえず、「べにちゃん、ダンスを習ってたんだから、振り付けもできるでしょ。やってよ」と押しつけられたことからでした。当時、「ダンスは習っていただけで、振り付けなんてやったことないですよ」と言ったけど、そう言っても状況が変わるわけではなかったことで「やるしかない」と振り付けも始めたことから、今のスキルにも繋がりました。あの頃は、自分たちでスタジオを抑えては、みんなでよくレッスンをしていました。

――当初はプロデュースをしたいからではなく、自分たちでクリエイトしないことには何事も進まないからやるしかなかった状態だったわけだ。

usabeni  その通りです。最初こそ、やるしかないから仕方なくやっていましたけど。もともと自分でクリエイトすることが好きだったんでしょうね。振り付けもそうだけど、デザイン関係もやる人がいないから自分でやっていたら、その魅力にはまりだし、大学もデザイン系の学校へ進学しましたし、今ではデザイン関係も頼まれて手がけることも多いように、結果的に自分の手に職に変わっていました。

――あらゆるハンデを、みずからの強みに変えてきたんですね。

usabeni  なんとかしようとしてきたことが、結果的に面みになって、今に生かされています。

――ランドセルを背負い、そこからファミコンのカセットを取り出して投げるなど、ぶっ飛んだ発想は、そのときからあったんですね。

usabeni  初期のあヴぁんだんどは、とくに奇抜でした。私たちは、いわゆるキラキラ系アイドルではなく、サブカル系のアイドルとして活動。時代的にも、ゆるめるモ!さんやBELLRING少女ハートさんなどが最盛期だった時流もあり、あヴぁんだんども「なんとかして目立とう」という気持ちを強く持っていたのもあったんでしょうね。あの頃は、世界的に有名なノイズバンドの非常階段さんと一緒に"あヴぁ階段"としてライブを行ったこともありました。当時のわたしはまだ高校生だったから、ノイズミュージックの意味などまったくわからず。よく理解してないままに、メンバーのみなさんと一緒にノイズを掻き鳴らしていたのを覚えています。あの当時は、そうやって奇抜な活動をよくやっていました。今、振り返ったら、何も知らなければ、何も怖くなかった高校生の自分だったからこそ出来た行動や活動だったのかなと思います。

――それが、今の自分を形作る良い糧になったわけですよね。

usabeni  なりました。当時は、それが話題にもなったおかげで、今でもネタとして話せますし、ありがたい経験になっていたなと思います。

――そういう経験を踏まえ、みずから音楽性を突き詰めだしたわけだ。

usabeni  そうなりましたね。あヴぁんだんど時代は、プロデューサーの方が作る音楽を私たちが表現する形でしたけど。途中から、メンバーもわたし以外一新され、avandoned名義に変わってからは、わたしがプレイングプロデューサーとして活動。その頃から楽曲のプロデュースにも関わりだしました。avandonedとしての活動は1年ほどで終了。その後、ユニット活動を経て、ソロとしてスタートするわけですけど。avandoned以降はセルフ・プロデュースという形で物事を進めてきました。その中で出会ったのが、楽曲のクリエイターでありプロデューサーでもある加納エミリちゃん。わたし自身、彼女の創作する音楽を表現したかったことから、「一緒にやりましょう」と口説き落とし、2022年より、加納エミリプロデュースによる一連の作品制作を続けてきました。


スナップ


あくまでもNO BORDERなスタンスを持ったアイドルとして活動をしていきたい。


――最新ミニアルバム『textures!』より、宇佐蔵べにからusabeniに改名しました。その理由も教えてください。

usabeni  宇佐蔵べにという名前は、わたしがアイドル活動を始めたあヴぁんだんどの頃から使っています。わたし、あヴぁんだんど時代から、トイ楽器バンドのCHILDISH TONESさんの作品にフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加すれば、CHILDISH TONES feat.宇佐蔵べにとして多くのレコードも発売しています。中には、そちらの活動を通してわたしを知ってくださった方もいます。
  平行したいくつかの活動の中、名義をわかりやすくする意味でも、ソロプロジェクトの活動に関しては標記を変えたほうが他の活動との差別化もしやすいかなと思い、今回のタイミングよりusabeniと名前を変えて活動をすることにしました。

――本人としても、そのほうが活動しやすいのもあったのでしょうか。

usabeni  そうですね。活動自体すべて自然体でやっているから、根本の部分では全部同じですけど。ソロプロジェクトについては、いろんな風に視野を広げたいというか、世界という視野で見据えた活動をしていきたいから、よりコンセプトが明確にわかるようにとの思いで名前を変えた面もありました。

――昨年、宇佐蔵べに名義で出したアルバム『NEW』でも多様な音楽性を見せていましたけど。最新ミニアルバム『textures!』では、さらに音楽性の幅を広げましたよね。

usabeni  アルバム『NEW』は加納エミリちゃんのプロデュース作品であり、ほとんど彼女の提供曲で成り立っていました。今回も、加納エミリちゃんにプロデュースをしていただいたとはいえ、すべての楽曲の作家さんが違えば、より幅広さを追求しました。

――usabeniさん自身、音楽的な面でのこだわりは…。

usabeni  自分の中には、先を見据えたうえで、今、打ち出したい音楽性はあります。ミニアルバムの冒頭を飾れば、先行シングルとしてリリースした『trip』は、InstagramやTik Tokの動画としても耳にひっかかる音楽性を打ち出した楽曲。もちろん、そこだけじゃなく、いろんな音楽性を投影しながら、自分の可能性の幅を広げたい意識も持っています。
  わたしは、アーティストではなくアイドルして活動をしています。アイドルは、いろんな楽曲を表現できる場。一つの路線に絞ることも素敵だと思いますけど。それを自分でやってしまうと、表現してゆくうえでつまらなくなってしまうと思っているから、あくまでもNO BORDERなスタンスを持ったアイドルとして活動をしていきたいなとわたしは思っています。

――usabeniさん自身、アイドルへのこだわりを強く持っている方?

usabeni  あります。一つの路線に絞りすぎない、マルチなアイドルという意識を持って活動をしています。わたし自身がアイドルに興味を持ったのが、中学生時代。当時はでんぱ組.incさんや私立恵比寿中学さんに熱中すれば、彼女たちの音楽にすごく心を救われていました。その後、ハロー!プロジェクトさんにドはまりもしていました。
  自分の人生の中、アイドルの存在は本当に大きいものがあります。わたしは、本気でアイドルという存在をリスペクトしているからこそ、アイドルとしての自分でいたいと思っています。それに、今のわたしを応援してくださっている人たちの多くが、グループアイドル活動をしていた頃からの人たちだからこそ、そのスタンスを大切にしたい。usabeniと名義変更をしても、ビジュアル面ではアイドルらしい面を打ち出しているのも、その現れです。

――いろんな活動をしながらも、根底にあるのはアイドルというスタンスがいいですね。

usabeni  いろんな表現をしていくうえで、わたしにはアイドルであることが強みにもなっています。わたしは今、神戸でわたし自身のブランド「NARUHESON;S」の実店舗も経営しています。このお店、「東京で活動しているアイドルがお店をやっている」という口コミが神戸の方々に広がれば、それがプラスの作用にも働いています。もちろん、東京で店舗展開をすることも良いと思いますけど。わたし自身、地方から発信してゆくカルチャーが大好きだし、とくに、何度も遠征に行ったことをきっかけに神戸の歴史や文化が好きになったことから、わたしも、神戸から発信するカルチャーを担う一役をと思って、神戸にお店を出しています。

――usabeniさん自身、「こう」と思ったら行動へ移してしまうタイプ?

usabeni  そうかも知れないです。直感というか、「今、これをやらないと」「今、これをやりたい」と感じたら、今すぐにやらないと気が済まないタイプです(笑)。わたしのアイドル活動自体が、まさにそう。「今、こうしたい」と思ったままに活動をしてきたことが今に繋がっているからこそ、わたしは直感を大切にしてきたし、これからもその姿勢は変わらないと思います。加納エミリちゃんとの出会いも、そうでした。

――そこ、気になります。

usabeni  加納エミリちゃんの楽曲を耳にしたとき、「わたし、加納エミリちゃんの作る楽曲で歌ったら、なんか良さそう」と直感が働き、それで加納エミリちゃんをお茶に誘い出し、あれこれお話をしたんですね。そこで意気投合をして、昨年リリースしたシングルやアルバムの制作へ繋がったわけですけど。その後、加納エミリちゃんがみずから会社を設立すると聞けば、わたしが求めていたことをやっているからこそ、今回のような業務提携という形にまで発展。あのときに声をかけて良かったなと思っていますし、何事においてもそうですが、思い立ったら一歩踏み出す、その勇気って大事だなと改めて感じました。


スナップ


usabeni、収録曲の魅力を語り尽くす。


――最新ミニアルバム『textures!』では、いろんな方々が楽曲提供をしていますけど。みなさん、usabeniさんの感性に触れた方々?

usabeni  そうです。先行シングルとしてリリースした『trip』を手がけたFeww(フュー)さんは…。

(2回目へ続く)

PHOTO:守屋 貴章 
TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


■リリース情報

JKT
usabeni「textures!」
1. trip
2. lonely pop
3. ambivalence,dance
4. コズミックドレス
5. Charming?
6. pureness (baehyuni Remix)

発売日:2023/10/25(水)
2,750円(税込) 
BCL-1001
レーベル名:Blute Company / NARUHESON;S (合同)


■先行シングル

JKT

usabeni 「trip」

01.trip
02.trip (inst) ※CDのみ収録

NRHS-005
レーベル NARUHESON;S
Lyric : Feww
Music : Feww、Hyoe Yasuhara
Mix : Hyoe Yasuhara

配信:https://linkco.re/017tQUdh



■「コズミックドレス」Music Video



■ライブ情報

2023.10.29(日)下北沢Flowers Loft
usabeni & Blute Co. presents
usabeni mini album「textures!」Release Party!

開場11:10 開演11:30 予定
前売 ¥2,900 当日 ¥3,400(+各1ドリンク別)
出演 : usabeni / SZWARC / ばっぷる / 文坂なの
チケット予約
https://tiget.net/events/269534


フライヤー


『SEVEN』presents usabeni 2nd Mini Album “textures!” Release Party
2023.11.5(Sun)神戸RINKAITEN
17:00 Start
Charge 2,500円(+1d)
〈Release Live〉
usabeni
〈Guest Live〉
松田"CHABE"岳二(LEARNERS)
前園直樹 sings 冗談伯爵
Kent Funayama
〈DJ〉
松田"CHABE"岳二
グルーヴあんちゃん
Naotaka Ose / Push(Live+DJ)
todo8o
まおち
L.L.Lotus
ひろしげ

〈Food〉
山田製玉部


usabeni 2nd MIni Album “textures!” Tour in Fukuoka
2023.11.19(Sun.) 福岡UTERO
OPEN 12:00 START 12:30
前売 ¥3,000 (+1Drink) / 当日 ¥3,500 (+1Drink)
出演 : usabeni
GUEST:ALLI / antloop 
https://tiget.net/events/272515


usabeni 2nd Mini Album ”textures!” Tour Final in TOKYO
2023.12.03(Sun.) 新宿Marble
OPEN 12:00 START 12:30
前売 ¥3,000(+1Drink) 当日¥3,500(+1Drink)
出演 : usabeni
https://t.livepocket.jp/e/usabeni_textures
*配信(ツイキャスプレミア)
https://twitcasting.tv/shinjuku_marble/shopcart/263146



アー写

■ SNS

HP
https://www.usabeni.com/

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https://twitter.com/usakura_beni

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https://www.instagram.com/usabeni_

Shop NARUHESON;S
https://naruhesons.thebase.in/

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