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2023.05.20
伊藤ゆい(expiece)

「いくつまでアイドル活動を続けるの?」「何時までアイドル活動をやるの?」「結婚とかしないの?」など、いろいろ言われることもよくありました。 伊藤ゆい(expiece)インタビュー・1

 15歳でアイドルの世界へ飛び込んでから、今年で丸15年を迎えた伊藤ゆい。現在、活動の軸に据えているexpieceも、今年で9周年を迎えた。生涯アイドル…とは言わないまでも、表舞台に立てるうちはアイドルとして。たとえ表舞台を降りることになっても、裏方としてアイドル業界に長く携わる意志を持って、彼女は活動を続けている。先に伝えておくと、まだまだ現役として表舞台に立ち続けるので、そこはご安心を。
  伊藤ゆいがリーダーとして活動を続けているexpieceの現在のメンバーが、伊藤ゆい・ひなたこころ・DJHINAの3人。彼女たちは実の姉妹。5月14日より、3姉妹グループとして新たな活動を切ったexpieceの魅力も含め、伊藤ゆいに、自身のアイドル活動へ向けての思いを語っていただいた。


モチベーションは、アイドル活動を始めた頃から何も変わっていません。

――ゆいさんは、今年の5月で"アイドル活動15周年"を迎えました。気がついたら、15年の月日が経っていた感覚なのでしょうか。

  まさに、気がついたらそれだけの月日が経っていました。昔も今も、毎週末になればライブ活動を続けていますし、気持ちの面では何も変わってないです。

――ということは、気持ちはまだ…。
 
  10代です(笑)。

――活動を始めた15歳の頃と、今もモチベーションは変わることなく??

 まったく変わってないですね。わたしが最初にアイドルとして活動を始めたのが、いちご姫 with いちごダンサーズのいちごダンサーズとしてでした。その後にSplash!、SPACE GIRLS PLANETのメンバーとして活動。2014年2月にexpieceを結成。そこから、唯一のオリジナルメンバーとして活動を続けています。向き合い方はグループごとに変わっても、モチベーションは、アイドル活動を始めた頃から何も変わっていません。

――今でもYouTube上に当時のライブ映像が残されていますが、SPACE GIRLS PLANETのライブにおける観客たちとのやりとりを見ていると、今のアイドルライブの盛り上がりや沸き方の原点のような景色にも見えてきます。 

  当時の自分たちは、そういう意識はまったくなかったというか。とにかく、目の前にある目標へ全力で向かって、それを成し遂げるために頑張り続ける日々を送っていました。だから、自分たちの活動を俯瞰で観ることもなかったんですけど。改めて当時の映像を観ると、なんかすごいことをやっていたんだなと思います (笑)。
   もちろん、当時は当時でいろんなことを考えてはいましたけど。多くの対バン・イベントの中、とにかく「自分たちがお客さんたちを一番楽しませる」という気持ちを持って、毎回のライブへ挑んでいたことは、今でも鮮明に覚えています。当時の頑張っていた活動が、もし、今のアイドルシーンの乗り方の一つの形を作りあげていたのだとすれば、とても嬉しいことですけど。わたしを含め、あの当時のメンバーたちに、そういう(自分たちがシーンを作りあげてゆくなどの)意識はまったくなかったです。


「アイドル活動以外やりたいことがなかった」から「アイドル活動を続けたい」に変われば、このままずっとアイドル活動を続けていく気持ちでいます。


――ゆいさん自身、アイドル活動へずっと夢中になりながら、今へ至るわけですよね。
 
  そうですね。もちろん、ここへ至るまでにもいろんな節目になる時期はあったと思います。それこそ、高校の卒業時期や、二十歳の成人を迎えた時などなど。そういう節目の時期をきっかけに、アイドル活動をやめて新たな道へという考え方もあったと思いますけど。あの当時も、今も、アイドル活動以外やりたいことがなかったから、当たり前にアイドルとしての道を選び続けてきました。もちろん20代前半時期は、よく「いくつまでアイドル活動を続けるの?」「何時までアイドル活動をやるの?」「結婚とかしないの?」など、いろいろ言われることもありました。だけど、気付いたら、そういうことを言う人さえいなくなっていました。わたし自身の意識も、「アイドル活動以外やりたいことがなかった」から「アイドル活動を続けたい」に変っていって、このままずっとアイドル活動を続けていく気持ちでいます。

――今は、30代のアイドルの方々も多いように、アイドル活動を行うのに年齢は関係ないですからね。

  そうですよね。expieceを始めた20歳を超えて間もない時期は、「今後もずっとアイドル活動を続けたいけど、本当にやっていけるのかな?」という不安も正直ありました。だからこそ、長く活動を続けていくためにもと、歌やダンス、パフォーマンスの面に、より磨きをかけ始めました。見た目の若さだけでは長くは戦い続けられないですからね。そうやって、技術面のスキルアップを心がけ、そこへ磨きをかけてきたことも、長く続けていくための活動の機軸になってきたなと思っています。
  それに、同じことを繰り返し続けていては、見てくださる人たちに飽きられちゃいますからね。もちろん、今のわたしやexpieceを応援してくださるファンの中には、10年前後と長く応援してくださっている方々もいます。そういう方々との関係性の中にも、わたしもそうだし、グループとしてもつねに新しい変化の波を起こしては、成長した姿を示し続けてきたからこそ、今の関係があるのも大きいと思います。もちろん、長く活動をしていれば離れていく人たちだっています。そのたびに、わたしは「まだまだ成長できていないのかな?」と考え込んでしまいます。だからこそ常に、「前回よりもいいライブを見せなきゃ」という気持ちでいれるんでしょうね。

――長くアイドル活動を続けている人たちは、ゆいさんと同じような意識を持って活動をしていますよね。

  その気持ちがないと、長くはやっていけないと思います。同じ、今年活動15周年を迎えた、d-girlsのメンバーとしても活動しているyoshimiさんとも、お会いするたびにそういうお話をするんですけど。対バンでご一緒するたびに、yoshimiさんには「次、会うときまで頑張り続けようね」とエールを送られています。yoshimiさんに限らず、長く活動を続けているからこそ、お会いするたびに刺激を受ける人たちも身近にいるように、十数年前後のキャリアの方々が、変わらず現役でアイドル活動をしている姿を見るたびに、わたしも「まだまだ頑張れるし、頑張らなきゃな」という気持ちになります。

――長くアイドル活動を続けている人たちの姿やモチベーションが、自分自身の意識も高めているわけだ。

  その通りです。長く続けていくほど、「自分はこのままでいいんだろうか?」と考え込むことも正直あります。でも、長くアイドル活動をしている方々のライブを見るたびに、「わたしもまだまだ頑張れるな」という気持ちにさせてもらえます。
                                            
――ゆいさん自身、もう一生「職業、アイドル」という意識でいますよね。

  今は、その意識を持って活動をしています。たとえステージに立てなくなるような理由が生まれたとしても、ずっとアイドルに携わる仕事をしていくつもりです。もちろん、今のわたしは"パフォーマーとしてステージに立ちたい"気持ちが強いからこそ、表舞台に立ち続けます。同時に、作詞や振り付けなどもお仕事として手がけることが増えているように、そういうお仕事も楽しいから、依頼があれば携わり続ける気持ちでいます。


張りつめていた気持ちが一度解き放たれたことで、それぞれに自分の未来を考えてゆくのは当たり前のことだから、正直、誰が悪いわけでもなく、それもまた運命だったのかも知れません。


――ソロ活動もやっていますが、今の機軸になっているのがexpieceとしての活動。expieceに関しては、メンバーでありながら、プロデューサー/クリエイター的な側面も持って活動をしていますよね。

  気がついたら、そうなっていましたね。実際にexpieceの楽曲の歌詞や振り付けなどへ携わるたびに高く評価してくださる方々がいるからこそ、それが自分を突き動かすモチベーションになっています。  
  もちろん、アイドルとして活動している以上、アイドルとしての自分の存在を評価していただけるのもすごく嬉しいんですけど。クリエイティブな面を褒めてもらえるのも、とても嬉しいことなんです。とくに創作というのは、ゼロから作りあげるもの。その大変さを実感しているからこそ、そこの部分で評価をいただけることが嬉しくって。しかもわたしは、表舞台にも出ているわけじゃないですか。だからこそ、そういう声を直接ファンの方々から聞かせてもらえることも多いです。それも嬉しいことですよね。

――クリエイティブな面に携わりだしたことも、アイドルとして長く活動を続けてゆくきっかけの一つになったのでしょうか。

  わたし自身が、アイドルやアーティストの方々から元気をもらって、その姿に憧れてアイドルになったように、自分も「影響を与える存在になりたい」気持ちが、昔からずっとあったのも大きいんだと思います。今でもそう、わたしが作詞をした歌を口ずさんでくれたり、わたしの付けた振りを真似たり、一緒に踊っている姿を見るたびに嬉しくなるし、だからこそ、もっともっと届けたい気持ちにもなります。
  わたしの場合、たとえば「日本武道館に立ちたい」など、そういう願望はあまりないんですよ。もちろん、応援してくださる方々を喜ばせる意味でも、大きな場所を目指したい気持ちはあります。だけどそれ以上に、グループ活動を長く続けていきたいんです。expieceも活動9年を迎えたように、とにかくずーっと長く活動をしていける環境をわたしは大事に育んでいきたいなと思っています。

――ファンの方々も、長く一緒に歩んでいきたい思いでいるのでしょうか。

  そこは、応援してくださる方々ごと、いろんな想いがあると思います。だけど、本当に愛を持って応援してくださる人たちばかりだからこそ、その方々の期待に応えるためにもexpieceが大きく成長していくことも大事だと思っています。

――今は、ワンマン公演の会場も小箱が中心ですけど。かつては、赤坂BLITZでワンマン公演を行ったこともあるように、大きな会場でもワンマン公演も経験してきたじゃないですか。現状と比べた場合、その落差による葛藤が生まれたりもしません?

  もちろん、葛藤はあります。expieceのワンマン公演で一番大きな会場だったのが赤坂BLITZでした。あのときはあのときで、いろんな場所へ路上ライブをしにいくなど、メンバーみんな「絶対に成功させよう」と死に物狂いで活動をしていました。状況的には過酷でしたし、会場をSold Outには出来ませんでしたけど。目標としていた動員500人を超えることが出来たように、メンバーみんな達成感がありましたし、ファンの方々からも多くの「良かったね」という声もいただきました。ただ、グループ内部としては、そこでモチベーションの糸の切れたメンバーも出るなど、いろんな面で気持ちの擦れが生じて、そこから逆戻りし始めてしまいました。
  本当なら、赤坂BLITZでの手応えを新たなスタートに、そこからさらに大きく飛躍したかったんですけど。人それぞれいろんな意識や事情もあるから、そこは、自分の気持ちや行動だけではどうにも出来なかったこと。張りつめていた気持ちが一度解き放たれたことで、それぞれに自分の未来を考えるのは当たり前のことだから、正直、誰が悪いわけでもなく、それもまた運命だったのかも知れません。
  ただ、そこでグループ活動を長く続けていくことの難しさを痛感もすれば、わたしの中に「あきらめる」選択肢はなかったから、今もexpieceとして活動を続けています。むしろ、わたしに関しては「また絶対に大きい場所でワンマン公演をやってやる」というモチベーションに変わりましたし、一層気持ちが燃えました。

――ゆいさん自身がexpieceを引っ張ろうと矢面に立ったことが、結果的にグループを長く続けてゆく要因になりました。ゆいさんの中にも、そういう風にしていきたい気持ちが強くあったのでしょうか。

  ありましたね。ファンの方に直接「expieceを続けて」と言われたわけではないですけど。いろんな人たちからの「expieceを続けてほしい」思いを感じていたからこそ、わたしは「ここであきらめちゃいけない」と思ったし、その気持ちを持って活動を続けていく中、いつしか「あきらめたくはない」に気持ちが変わっていました。


今でも正規メンバーではなく研修生名義のままですけど。今ではDJ HINAも、すっかり頼もしいパートナーになっています。


――expieceが、DJ HINAとの姉妹ユニットになったのは、何時頃からになるのでしょうか。

  2019年でした。だからもう4年は経っています。その当時のexpieceは、メンバー2人によるユニット・スタイルになっていました。だけど、DJも兼ねていたそのパートナーの卒業が決まり、新たなメンバーを探さなきゃいけなくなりました。そのとき、DJに関心を強く持っていたHINAに「次のメンバーが加入するまでの間、ちょっと手伝ってくれないかな?」と聞いたら、興味を示してくれたことから2人で活動を始めました。
  ただし、その話をするまでは、妹と一緒に同じグループでアイドル活動を行うとか、まったく考えてもいなかったことでした。そのときは、本当に次のメンバーが決まるまでの形でお願いをしたのですが、一緒に活動をしていく中、DJ HINA自身もexpieceの活動にのめり込んで、いろんな面で成長したこともあって、そのままずっと活動を続けています。だから今では、すっかり頼もしいパートナーになっています。

――家族だからこそ、気持ちの繋がりも深いですからね。

  家族であるが故に、「ちょっと言いすぎたかな?」と思っても、そこでお互い嫌いになることがないのがいいところですよね。いくら姉妹とはいえ、もちろん人対人ですから、お互いに機嫌の悪いときや、ちょっと怒りっぽいときもあります。でも、そういう空気も汲み取りやすいのは姉妹ならではですね。
  確かに阿吽の呼吸を覚えることは多いですけど。必ずしも、お互いがお互いの気持ちを組み取り合っているかといえば、そんなこともなく(笑)。わたしは、「今日のDJ HINAのテンション、いまいちだな」と感じたら、歌やMCなどでカバーをしながら、DJ HINAのテンションも上げていきますけど。10歳の年齢差があるからなのか、若さ故なのか、DJ HINA自身は、なにかあればわたしを頼ってはくるけど。わたしの調子が悪いときや不機嫌であろうとも、気にせずに自分のペースを保っているから、そこまでわたしのことを気にせずいるときも正直ありますよ(笑)。きっとそこが長女と次女の違いなんでしょうね。そういう面を含めても、DJ HINAがexpieceのメンバーでいてくれて、わたしとしてはすごく良かったなと思っています。

――姉妹グループとして、ここまで4年間活動をしてきましたけど。5月14日のライブより、三女のひなたこころさんがexpieceに加入。ついに三姉妹グループに進化しました。

  こころとわたし、年齢差がひと回り違うんですよ…(2回目へ、続く)。


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


アー写

【expiece3都市One Man Tour2023!!〜We are expiece!!!〜】

6月18日(日) 茨城・水戸Club VIBES
7月1日(土) 群馬・高崎 Club JAMMER'S
7月23日(日) 東京・新宿ジールシアター

OneMan Tour特設ページ
https://www.expiece.jp/oneman-tour2023

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伊藤ゆい
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