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新生Aphroditeのライブ空間には、普段は触れることのない爆音と、触れたことのない非日常感が間違いなくあります。それを唯一味わえる場所が単独定期公演だとわたしは思っています。 Aphrodite インタビュー・2
新生Aphroditeになって、早一か月強。彼女たちは現在、毎週月曜日、新宿HEISTを舞台に「新生Aphrodite単独定期公演~女神の目覚め~」を行っている。4月より、毎週異なるゲストを1組招聘。そのスタイルのまま1年間走り続ける。さらに、5月より、毎月第4金曜日に浅草VAMPKINでワンマン公演を行う形で進めようと動いている。
今回、グループを代表し、九十九メア、桜城すず、夜縋らるむ。そして、Aphroditeの安元プロデューサーが参加。Aphroditeが今、どういう意識を持って活動しているのかを伺った。
(1回目は、こちらから)
私たちも、今やファンの人たちも「いつも会えるのではなく、一週間に一回しか見れないからこそ」というのを大事にしています。
――メンバーのみなさん、もっとライブをやりたい欲求はないのでしょうか。
九十九メア ライブ活動自体が好きだから、もちろんライブをやりたい持ちはありますけど。でも、なぜAphroditeは週1回というペースでライブ活動を行うのかの意味をわかっているから、今のやり方に納得はしています。それに、ただただライブ本数をこなせばいいものでもないのも、経験してきてわかったこと。週1回のライブにすべてを込める気持ちで挑んだほうが、より質が高く、内容の濃いものになっていく。私たちの気持ちの面でも、ライブをやりたい感情を6日間ため込んだうえで、ライブを行う月曜日が来たときの気持ちの昂りの強さは実感していますし、ライブに懸ける情熱もぜんぜん違います。
桜城すず わたしもライブ活動が大好きだから、出来るのなら毎日でもライブをやりたい性格ですけど。メンバーそれぞれの生活環境やスタイルも異なれば、それぞれのペースの作り方もあるから、今は、週1回のライブに集中するスタイルが合っているなと感じています。むしろ、新生Aphroditeとしての土台をしっかりと固めきるまでは、今のスタイルのほうが自分たちの全力も出し切れるから合っているなとも感じています。私たちも、今やファンの人たちも「一週間に一度のライブだからこそ」「いつも会えるのではなく、一週間に一回しか見れないからこそ」というのを大事にしてくれています。その大事さを感じて、「月曜日になったから、今日はAphroditeのライブに行こう」という人たちがもっともっと増えてくれたら、私たちも嬉しいです。
夜縋らるむ 私たち自身も、一週間に一回のライブだからこそ、残りの6日間の中でいろんなことを考えていけるんですよね。わたしに関して言えば、何もかもが初挑戦。ダンスはクラシックバレエという経験があるにせよ、歌はまったくの未経験者だからボイトレにも通い始めましたし、普通にお仕事もしてゆく中、それ以外の時間を、みんなでのレッスン時間や自主練習に当てたり、ときには身体を休めたり。そうやって、すべてのピークを月曜日に持っていくペースを作るようにもなりました。もちろん、ライブごとの出来不出来はあります。でも、日々に追われるのではなく、「今日90%だったな」と思えたら、次のライブまでには100%や110%の自分に持っていけるように努力をしていく。週1回のライブだと、その準備が出来るのもすごくありがたいから、今のペースで進んでいけるのは嬉しいです。
新生Aphroditeを通して毎月弟4金曜日に浅草VAMPKINで、"ゴシック劇場"といえる世界観を目指して表現し続けていきたいなと思っています。
――毎回、単独公演で始めたわけですが、4月からは、毎回1ゲストを入れ始めましたよね。
安元プロデューサー それにも理由がありまして。最初の頃こそ、毎回、単独でも良かったんですけど。さすがにレパートリーの限られた中、異なる世界観を構築しながら見せると言っても、お客さんたちの求める欲求に追いつかなくなりそうだなと感じたわけです。いくら、「今、新しい曲を増やしてるから、もうちょっと待ってて」「楽しみに待っていて」と言っても、お客さんたちは、それを待つ前にあきてしまうなと僕自身が感じたことから、メンバーらと話をし、「変わらず対バンイベントには出ない姿勢だけど、主催している定期公演に関しては、毎回1ゲストを呼ぼう。しかも、毎回異なるゲストにしよう」と決め、4月からそのスタイルにしました。現状、半年後まではゲストを決めていますから。その間に表現できる曲数も増やせば、新曲も組み込んでいきます。
――そういう理由もあったわけですね。
安元プロデューサー 現在は、毎週月曜日に新宿HEISTを舞台に「新生Aphrodite単独定期公演~女神の目覚め~」と題して単独定期公演を行っていますが、5月より、毎月弟4金曜日に浅草VAMPKINで、毎回10曲以上は披露するワンマン公演を行うと、今、計画しています。これまでにも楽曲や歌詞、衣装などの面では、納得のいく世界観を形にしてきましたけど、ライブの演出面では、Aphroditeの追求するゴシックの世界観を伝えきることが出来ていなかった。それを、新生Aphroditeを通して毎月弟4金曜日に浅草VAMPKINで、"ゴシック劇場"といえる世界観を目指して表現し続けていきたいなと思っています。
――どんどん理想とする環境を広げていますよね。
安元プロデューサー 新生Aphroditeが、なぜ新宿HEISTと浅草VAMPKINを活動の拠点に据えたのかにも関わることですけど。新生Aphroditeが対バンイベントに出演しないと決めた理由の一つが、イベントの主催者さんや出演する会場ごとに、どうしても「これは出来ない」など、いろんな規制が出てくることでした。もちろん、そこには理由もあってのことであり、それぞれの考え方があってだから、僕らはその考え方や方針を否定するつもりはまったくないです。ただ、その制約に最終的に振り回されるのが、お客さんたちなんですよね。もちろん、コロナ禍真っ只中の頃は、その規制を僕らも受け止めていましたけど。今や政府がマスクの自由化を口にしている中、僕ら自身の出演するイベントごとに、「今日はマスクをしてください」「今日は声出しNGです」と、楽しみに来ているお客さんに言葉を強いるのが嫌だし、それを、お客さんたち自身がストレスに感じていることをファンの人たちから聴いていく中-、だったら自分たちがライブをやる空間だけは、何の制限も制約もない中で、思いきりライブを楽しんでもらいたい。その条件を出したところ、「すべてを主催者側の判断と責任に任せます」と言ってくれたのが、新宿HEISTと浅草VAMPKINだったことから、この2会場を軸に展開を始めたのもありました。
アイドル界のヒエラルキーとか、アイドル界の流れに乗らずに、自分たちの持っている魅力を最高の武器にしながち、自分たちにしかない独特の世界観を、いろんな人たちに届けたい。
――最後に、それぞれ改めてメッセージをいただこうか。
九十九メア よく、アイドルさんのライブを見に行く理由の一つに、キラキラしていてかわいい姿を見ながら癒しを求めるというのもあると思います。もちろん、アイドルさんのライブの楽しみ方もいろいろとあると思いますけど。新生Aphroditeのライブや音楽は、どれとも異なる世界観を持っています。かわいさを全力で売っているわけでもなく、頑張れと直接言うような曲でもない。新生Aphroditeのライブ空間には、普段は触れることのない爆音と、触れたことのない非日常感が間違いなくあります。それを唯一味わえる場所が単独定期公演だとわたしは思っています。その世界観をわし自身大好きだからこそ、それをいろんな人たちに知っていただきたいし、聴いて、楽しんでもらいたい。そう思っています。
桜城すず 今は、新生Aphroditeだからこそ出来ることをもっともっと増やしていこうと思っている時期です。今、このメンバーだからこそ出来るAphroditeの世界観を作りあげたい。活動をする以上、自分たちの色でグループや表現する世界観を染めてゆくのはとても大切なことだし、それを追求していくことが楽しいんです。以前のAphroditeを知っている方は、どうしても比較してしまいがちですし、それも大事やと思いますけど。それをいかに乗りこえる魅力を、わたしたちが発揮していけるのか。
それまでのイメージをどう破壊していけるかが大事なこと。今はまだまだ始めて間もないから、土台を作りあげている期間でもあります。ただ、5月26日に浅草VAMPKINさんで、正式に定期ワンマン公演を行うと決まったときには、そこを新生Aphroditeの正式なスタート地点と定め、そこから本格的に新生Aphroditeらしい色を確立させようと思っています。今の成長過程の時期も含めて、新生Aphroditeを楽しんでください。
夜縋らるむ 私たちはまだ完成形ではない。それどころか、まだまだ未熟な面も多いです。でも、1本のライブごとに経験を重ね、毎回成長もし続けています。場数を踏むごとに成長し続けているのであれば、今の私たちには成長しかないです。だからこそ、その過程を楽しみに見ていただきたいのが一つ。水面下での準備も含め、今は、ゴシックの世界観を、今までよりもさらに魅力的に、上手く表現していくための活動もしています。そこをしっかりと確立し、より良くAphroditeの魅力を発信していけるように成長していきます。
安元プロデューサー Aphrodite自体は、もう長いこと続いているグループです。ただし、以前のAphroditeでは、自分たちにしかない世界観を伝えきれなかった反省点もありました。だからこそ新生Aphroditeでは、自分たちにしかない世界観。今のAphroditeにしか表現し得ない世界観を、もっともっと強く発信していけるようにしたいなと思っています。アイドル界のヒエラルキーとか、アイドル界の流れに乗らずに、自分たちの持っている魅力を最高の武器にしながら、自分たちにしかない独特の世界観を、いろんな人たちに届けたい。その意気込みで、これからも独自の道を作り続けます。少しでも惹かれたら、一度触れてみてください。そのうえで答えを出してほしい。まずは、そこからですから。
TEXT:長澤智典
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