FEATURE

2022.10.16
春野友夢

必死にもがいたり、叶えたくてもなかなか叶わないことで葛藤している姿も含めての春乃友夢。だからこそ、ソロ活動を通した楽曲では、そういう部分もしっかり描き出しています。 春乃友夢(アンダービースティー)インタビュー

 10月19日に最新シングル『Misty lady』を配信リリースする春乃友夢。普段は、アンダービースティーのメインシンガーとして活動。すでに何枚もソロとして楽曲/作品を重ねれば、2020年より毎年ソロ公演も行っている。春乃友夢は今、どんな思いで活動をしているのか。彼女のパーソナルな面へスポットを当て、今の気持ちを伺った。


どちらを優先ではなく、「アンダービースティーとして」「春乃友夢というアーティスト活動として」と、どちらも同じスタンスで全力を注いでいます。 


―― アンダービースティーの活動と平行しソロ活動を始めてから、もうどれくらい経ちます?

春乃友夢 アンダービースティーの定期公演の演目の一つとしてソロで歌うことをやらせてもらっていたし、早い時期からソロ楽曲もいただいていたから、一人で歌うこと自体はアンダービースティーの活動とほぼ同じくらいの時期から始めています。ただし、定期的に歌ってきたわけではないので、ソロとしての活動を明確に打ち出し始めたのは、春乃友夢として『Rose』をリリースした2019年からになります。ソロとしてのライブも、2020年にO-WEST、2021年に恵比寿LIQUIDROOM、2022年にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREと3本経験。この時期からですね、アンダービースティーの活動と平行し、ソロとしても目に見える形で活動を行いだしたのは。

――友夢さん自身、アンダービースティーとソロでは打ち出し方を変えていますよね。

春乃友夢  わたし自身、「アイドルをやりたい」気持ちよりも、「歌いたい」衝動に駆られてアイドル活動を始めています。アイドルとして活動をしながらも、正直、アイドルらしい振る舞いは得意ではないから、ソロとして表現するときは自由に。本当に好きなことをやらせていただいています。

――アンダービースティー自体も、アイドルっぽくない活動をしていますけどね(笑)。そのうえでの、アンダービースティー/春乃友夢(ソロ)としての差別化をどう図っているのか。その辺、具体的に教えてください

春乃友夢  アンダービースティーのときは、7人の中の1人という意識で活動をしています。ソロとして活動をするときは「私らしく」を前提に、アンダービースティーでは表現出来ない楽曲や歌詞、音楽性を提示しています。今もそうですが、ソロ公演のときにアンダービースティーの楽曲をいくつか歌っていますけど。その曲たちも、ソロ用にアレンジ。そういうところでもグループ活動とソロとの違いを見せれば、アンダービースティーとは異なる色をソロでは出すことを心がけています。

――1stシングル『Rose』を出した頃から、「ソロだからこそ」という色を打ち出し始めていましたよね。

春乃友夢   そこは、心がけていました。ただし、今振り返ると、初めて春乃友夢として公演を行ったときは、「ソロとしてのわたしを見せる」よりも、「アンダービースティーの春乃友夢として恥じないライブ姿を見せよう」と舞台へ上がっていたように、あの時期は「アンダービースティーの春乃友夢」という意識が強くありました。だけど、2回目のソロライブを行うのにあわせ、ソロとしての準備をしていた頃から、スタッフさんに「アンダービースティーの春乃友夢ではなく、春乃友夢という一人のアーティストとして確立していく活動をしていこう」と提案を受けていました。その言葉が、わたしの中ではすごく大きかったといいますか。この頃から、より具体的に「自分らしさをもっと明確に打ちだそう」「アイドルらしさという言葉を脱ぎ捨て、自分らしくやろう」という意識へ、ソロ活動全般に於いて変わりました。

――その時期の意識的な変化が、友夢さんの中では大きかったんですね。

春乃友夢  もちろん、今でも優先順位はアンダービースティーが一番だし、それが変わることはないです。だから、ソロ活動を始めたときも「アンダービースティーの活動を踏まえたうえでのソロ活動」という意識でいました。だけど、「春乃友夢として確立していこう」という言葉をいただいたことで、わたしの中でも意識が大きく変わり始めたと言いますか。その時期から、どちらを優先ではなく、「アンダービースティーとして」「春乃友夢というアーティスト活動として」と、どちらも同じスタンスで全力を注ぐようになりました。

――友夢さんの中、ソロとしてもワンマン活動を始めたことが、気持ちへ大きな変化を与えるきっかけになったのですね。ちなみに、1stソロライブは、自分からやりたいと言ったこと??

春乃友夢  あのときは、「ソロとしてライブをやってみる??」と提案を受けたことがきっかけでした。もちろん、1stシングルの『Rose』をリリースした頃から、ソロでライブをやることへの憧れはありましたけど。アンダービースティーの活動を通し、ワンマンライブを組み立てる大変さをすごくわかっていたから、責任の所在も明確でないまま、気軽に「ソロでもライブをやりたいです」と口にすることは出来ませんでした。だから、ソロとしてのライブを提案してもらえたことで「やれるんだ」という意識になれば、そこから「ソロとしてライブをやりたい」欲求がどんどん高まった形でした。

――客観的に見ていても、ソロとしての作品やライブ活動を重ねるたびに春乃友夢というパーソナルな色を濃く出しているのは感じてきたことでした。

春乃友夢  そこは、自分でも実感していることです。ソロとしてのシングル発売やワンマン公演など、一つ一つ行動を示したことで、いろんな人たちから「良かったよ」という反応をいただいてきました。その言葉の一つ一つが、毎回自分の自信へ繋がった。それが新しい活動や行動へプラスの形で活かされ続けてきましたし、今も活かされています。


自分がソロ活動を行い続けていく中で何よりも大事にしているのが、自分の「成長過程」。


――友夢さんは、自分の歌う楽曲では毎回作詞も行っています。そこにも強いこだわりを持っていません?

春乃友夢 わたしの場合、身近に素晴らしい作詞家(アンダービースティーの植竹優亜)がいれば、その姿を間近で見続けているからでしょうね。うちのリーダーが、グループとしての総意を歌にし続けているのを、メンバーである自分たちで歌いながら強く実感しています。だからこそ、自分が作詞をする場合も「自分らしさ」を毎回心がけています。ただ、作詞はけっして得意なわけではないから、毎回悩みながらも書いています。

――最新配信シングル『Misty lady』へ込めた思いも聞かせてください。

春乃友夢  自分がソロ活動を行い続ける中で何よりも大事にしているのが、自分の「成長過程」。わたしの場合、アンダービースティーとしての活動がアイドル活動としての始まりのように、未熟すぎる状態からのスタートでした。今でも、その頃から見続けてくださっている方々はいます。もちろんアンダービースティーや春乃友夢のこと知った時期が何時とか関係なく、「ちゃんと成長し続けているな」という姿を、ソロ活動に於いてはとくに感じてもらえるように心がけています。楽曲も、最初の頃は「自分の好きな世界観」を大事にしていましたけど。最近では、「今の自分だからこそ出来る表現」を大切にしています。
  わたしが歌い始めたのが、10代のとき。そこから大人へと成長し、今は20代。わたしの場合、ずっと同じ環境の中で過ごしてきたから、極端に大きく変わった実感はないですけど。それでも、歳相応に成長していく中、少し背伸びした面も含め、今の自分に似合う楽曲や歌を今の自分の等身大で届けたい気持ちでいます。その意識を根底に据えたうえで『Misty lady』の歌詞を書きました。ここには、今の自分のパーソナルな感情が映し出されています。

――『Misty lady』の歌詞には、弱い自分の姿も見せていますよね。

春乃友夢  強気な歌詞も大好きだし、アンダービースティーではそういう姿を押しだすことは多いです。わたし自身、本当は弱い人間。だからこそ、アンダービースティーの楽曲を通して自分が強くなれるのは、すごく嬉しいこと。だけど、「強いだけの自分」はけっして私らしい姿ではない。むしろ、弱い気持ちを胸に必死にもがき、叶えたくてもなかなか叶わないことで葛藤している。その姿も含めての春乃友夢。だからこそ、ソロ活動を通した楽曲ではそういう部分をしっかり描き出しています。

――強気に見せて、じつは自信なさげな姿をちら見せるところが春乃友夢らしさですもんね。

春乃友夢   恥ずかしいですが、その方がありのままの私だと思います(笑)。だからこそソロ活動に於いては、そういう面もしっかり出していきたいんです。

――アンダービースティーでは、いつもリーダーが「何糞!!」という反骨精神をぶつけてくるぶん、ソロでは自分の弱さも見せていける。そこのバランスもいいんでしょうね。

春乃友夢  アンダービースティーとして表現する場合は、絶対にぶれちゃいけないものがありますからね。楽曲にもよりますけど、アンダービースティーは基本的に強いサウンドですから、そこに負けない強い意志も打ち出しています。だからこそソロでは、アンダービースティーではあまり使うことのない歌詞の表現や歌い方などをしたくなるし、やっています。それを評価してくださる方々が多いのも、すごく嬉しい自信になっています。

――アンダービースティーを通しても感じることですが、『Misty lady』でも、張った高音の歌声が嬉しいインパクトを持って胸に響きました。

春乃友夢  活動を始めた頃は、張った歌声もけっして得意ではありませんでした。でも、アンダービースティーの楽曲にあわせて練習していく中、何時しかそれが自分の魅力だと、いろんな方々に言ってもらえるようにもなりました。今ではそれが、春乃友夢を歌声で表現してゆくうえで一つの強みだし、そこはソロ活動でも自然に活かされています。ただ、そことの違いも出そうと、『Misty lady』では低音を活かした歌い方など表現の色を変えているので、そういうところにも注目していただけたら嬉しいです。

――友夢さん、ソロとしても本当に伸び伸び活動をしていますよね。
    
春乃友夢  もちろん、責任感を持って活動をしていることですけど。その責任を自分でしっかりと背負えるなら、何でも出来る。その実感と楽しさは、すごく感じています。

――ソロ作品を重ねるごと、自分の心の成長も一つ一つの楽曲へ深く投影し続けているのは、新しい曲を聴くたびに感じます。

春乃友夢  だからこそ、これからは「自分にあったものを突き詰めていく」ことへ、さらに目を向けていきたいなと思っています。

――こうやって、定期的に音源を残していけるのも素敵ですよね。

春乃友夢  ライブ活動だけではなく、円盤(CD)や配信としてしっかり音楽を伝えていけるのは、すごく嬉しいです。応援してくださるみなさんに、こうやって形として自分の思いを伝えていけますからね。 

――完成した『Misty lady』、今の自分にとってどんな作品になりました?

春乃友夢 『Misty lady』は、今までの作品以上に「こういう歌い方の表現をしたい」「こういう思いを伝えたい」など、自分のこだわりを強く押し出した楽曲。完成した音源を聴いたとき、自分の考えていたことを明確に表現できた嬉しさを覚えていたように、本当に自分らしさを持って作れた楽曲になりました。


そこは、アンダービースティーとして譲れないスタイルですからね。


――11月23日には、アンダービースティーとして東京国際フォーラム ホールCを舞台にしたワンマン公演『UB Midnight Flower』も控えています。

春乃友夢  新メンバーが加わり、新体制として走り始めてからちょうど1年を経過してのワンマン公演になります。アンダービースティーの歴史を振り返ると、節目節目の大きな公演のたびにいろんなことがありました。現体制になってからの1年間の日々の中でもいろんな経験を重ねています。それがあるからこそ、メンバー一人一人グループへの思いや思い入れも1年前とはぜんぜん違うなと感じています。そういう熱い思いを、この日のライブにしっかり表現していけたらいいですよね。

――最近では、大きな節目となるワンマン公演をホールで行うことも増えましたよね。

春乃友夢  アンダービースティーにとって、今のライブスタイルをより格好よくしていくうえで、ホールでワンマン公演が出来るのはすごくありがたいこと。これからさらにアンダービースティーを成長させるうえで、演出や見せ方も含め、自分たちの表現枠を広げてゆくのはとても大切なことです。もちろん、ライブハウス公演で見せるノンストップなライブもアンダービースティーの絶対的な魅力になっているから、ホールとライブハウス公演における見せ方の違いに賛否両論もあるかも知れませんけど。アンダービースティーが進化してゆくうえで、ホール公演も大切にしていきたいです。

――ホール公演でも、アンコールの最後にMCをやる程度で、相変わらずノンストップのライブをやっていますけどね。

春乃友夢  そこは、アンダービースティーとして譲れないスタイルですからね。ソロとしてのワンマン公演のときには、割とMCも挟むんですけと。アンダービースティーのときは、どの楽曲にも自分たちの伝えたい思いを詰め込んでいる理由もあるからか、しっかり歌いきることによって、自分たちの思いをみんなへ伝えられた達成感を毎回覚えます。もちろん、ファンの方は、推しメンの声を聴くのも楽しみかも知れませんけど。アンダービースティーの場合、みなさんそこではないものをライブに求めてくださっているから、そこもすごく嬉しいことです。

――改めて、ワンマン公演に向けてひと言お願いします。

春乃友夢  大きなステージに立てるようになることは、日々のライブ活動を頑張っている目標の一つでもあります。そしてワンマンはみなさんから日々いただいている思いを恩返しする場だと思っているので、ぜひその気持ちを1人でも多くの方に届けたいです。今のアンダービースティーをぜひ見に来てください!


TEXT:長澤智典

<インフォメーション>

・2022年10月19日(水) 
春乃友夢「Misty lady」配信リリース
 
 ・2022年11月21日(月)
アンダービースティーワンマンライブ
『UB Midnight Flower』
@ 国際フォーラム ホールC
 
チケットhttp://l-tike.com/underbeasty/ 
 
 
春乃友夢 twitter
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春乃友夢 Instagram
https://www.instagram.com/yumu_34/
 
 
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