FEATURE

2022.05.27
水花/サツキ

水花アンケート・インタビュー サツキ編

 先日、2ndミニアルバム『縁』を発売した。完全セルフプロデュースで活動を続けている3人組ガールズユニットの水花。彼女たちの魅力を、アンケート・インタビューという形で紐解いた。


サツキ編


――まずは、今の水花の魅力から教えてください。「水花」と言えば…。
「変」。
良い意味で本当に変なグループです。楽曲はスタイリッシュですしホームページを見る分には真面目で洗練された雰囲気ですが。
グループの立ち上げも私の唐突な閃きでオーディションを始めてみて、よくわからないサツキという謎の人物しかいない運営のグループに関西の病院に就職している“長尾千尋”は辞めて上京してまで活動を決心、バーの客として来店した私と話して水花のオーディションを知り加入してくれた“のん”、個人の自主運営とは思えない豪華なアーティストさん達への依頼、楽曲はフュージョンからユーロにポップスにジャンルの幅が広すぎます。
そしてメンバーもギャップだらけで個性的で、変な人たちが変なキッカケで集まった最高の愛すべき変なグループです。


――他のグループとは異なる水花の魅力。水花だからこその特色。水花として打ち出していきたい面なども教えてください。
関西から病院で就職していたのに水花のために上京してきた熱く優しい空手家長尾、海外から日本を愛し渡ってきていつもみんなを和ませるのん、債務整理や裁判バトルを経験した元いじめられっ子のリーダー…、メンバーたちの個性をもっと打ち出していきたいですね。
いい意味で統一性が無くていい意味で一体感があって、みんな不器用で自然体で自分を後回しにしてしまう。そんな私たちは生き方が決して上手くないかもしれないけど誰かを思い寄り添える心のメンバーと関係者の皆様と優しいファンの人たちとのコラボレーションを繰り返し水花は少しずつ色んな人たちの居場所の一つになれたらと思って活動しています。


――ご自身の水花の中での役割は…。
174cmもあるプロデューサー兼リーダーです。
こんな風に書くと偉そうですが実際は忘れ物等々多く手際が悪いのでメンバーに支えられている立場です。


――『多面的個性の集結』というテーマが気になります。この言葉の意味を、あなたはどう解釈していますでしょうか。
これは特に定義していないのでメンバーそれぞれでも解釈が違うかと思います。
私は昔から人間って多面体だと思って生きていて。見る人によって人に対する感じ方は違うし、どんなに素直な人でもケースバイケースで自分のあらゆる面を自然とコントロールしながら生きている。
そんな中でも特に面と面のギャップの強さを感じているような個性派達は時に世の中で生きづらいこともあると思うのですが、そういった人達がメンバーはもちろん周りの関係者様やファンの皆様いろんな人たちと共鳴しあって大きな多面体として沢山の人に驚きを与えられるような存在になりたいと思ってこのテーマをつけました。
また、色々な「面」を表現していくことでどこかしらの面が一人でも多くの人に寄り添っていけたらと思います。


――一人一人の個性が際立っているのも、水花の特色だと感じます。他のメンバーの個性・特色も教えてください。
長尾千尋はぱっと見、いつも明るく笑顔で絶対に弱音を吐かず他者を常にリスペクトしていて努力の人。どんどん力をつけてくる。赤色担当の似合う空手とダンスとバイクが好きな熱い女の子。けど、そんな彼女もアイドルというものに出会うまでは死にたいという言葉が日々よぎるような過去の経験があったと言います。「今度は自分が誰かを救いたい」そんな意志を強く感じるし、彼女の優しさには私もすでに救われています。
のんはぱっと見イマドキの可愛らしいアイドル。けど、実際に会うと天然ともまた違う他人を笑顔にさせる独特の「のんワールド」を持っている子です。そして彼女も紆余曲折を経て今ここにきてくれています。イラストやデザインやヘアアレンジ等が得意なアーティスト気質に加えて活動に対する真面目さや周りへの気遣い、ほんわりとした笑顔の奥にとてもしっかりした芯があります。海外出身なこともあり水花を世界に引っ張っていってほしいなぁなんて思います。
あとは三人ともダンスの動きや歌い方のクセ、声質等がいい意味でバラバラなのでこの辺りも特色ですね。


――水花はガールズユニットと名乗っています。でも、アイドルという枠の中で捉えられてもしています。その辺に関しては、どんな意識でいるのでしょうか。
「アイドルではない」という信念で活動されている方も多くいますが、水花はどちらでもいいといった感じです。見た人聴いた人の捉え方にお任せしたいと思っていて。けどメンバー二人はアイドルとしてのプライドもアーティストとしての素質も持って活動してくれていてとても尊敬しているアイドル兼アーティスト兼エンターテイナー。
今の水花はアイドルグループとも言えるしアイドルグループじゃないとも言えるのでグループとしてのジャンルはこれから活動していくうちに後からついてくるのではないかと思います。ちなみに私個人は二人とは違いとてもアイドルと名乗れるような者ではございません(笑)


――アーバンでジャジーな音楽性など、とてもスタイリッシュな音楽性を感じます。かと思えば、内側から燃えたぎる熱情を醸しだしたり、インナーワールドへトリップしてゆくような心地よさも感じたり。水花はどのような音楽性を求めているのか。今の水花の音楽性をどのように捉えているのか、とても気になります。
まさに楽曲においても多面性を意識しております。水花の求める音楽性といえどメンバーによってもこちらも解釈が違うかもしれませんし。
水花というグループなことには変わりないのですが1つのアルバムの中でも沢山の面があって。さらに華やかなユーロサウンドやBPMの高い激しいシンセの音が輝く1stアルバムと、生楽器を沢山取り入れた2ndアルバムは同じグループとは思えない180°違うスタイルです。
共通しているものは「物語性」かと思います。そして今のところ私がファンとして聴いていた作家さんに依頼するという「リスペクト」が必ずあります。ざっくりとした音楽ジャンルではバラバラですがこの多面体の奥に共通するものを、楽曲を通して深く感じていただけたらと思います。


――2ndミニアルバム『縁』が完成。この作品を作るうえでの狙い。どういう思いを持って制作していたのか。レコーディング中のエピソードなどがあったら教えてください。
実はこの楽曲達のリリースは水花結成当初の2年半前くらいから企画していました。メンバーの入れ替わりも経てサマーシャワーの約束は10回以上もレコーディングし直している気がします。この長い月日の中で育った縁を胸に新たな再始動の決意を込めて制作しました。そしてこのCDの収録曲は水色担当の永遠に大切な初期メンバー九重りつとの思い出が沢山詰まった楽曲達。それをずっと水花を支えてくれる千尋ちゃんと新メンバーのんちゃんと共に作り上げた水花にとって大切なアルバムです。今回は「売るぞ!」といった野心は特段なく、素直に好きな楽曲と感謝の気持ちと様々な想いを形にしたまさに「アルバム」です。


――作曲を手がけているむらさきひろふみさん。水花とむらさきさんとの関係性も聞かせてください。また、むらさきさんの作る楽曲についての印象も教えてください。
仲が良いのでよくむらさきさんはプロデューサーやスタッフ等ではないのかと誤解されがちなのですが、クライアントと作曲家という金銭を交わす関係です。(笑)
私がゲームファンでセガ好きなのでずっとお名前と楽曲を知っておりました。元々別の私は音楽活動をしようとしていたのですが体調不良で入院して活動を断念した時期で落ち込んでいたらその後たまたま行ったライブにむらさきさんも来ていて「今度僕のライブで歌わない?」って突然声かけてきたんです。私の歌聴いたこともないのに!(笑)けど、もう歌を諦めていたので嬉しくてそこから何年もかけて心身共に元気になり水花を作りたくなって、元々聴いていたむらさきさんの楽曲を買い取れないか、また新たにも書いてもらえないかを相談して楽曲をいただくことになりました。
気づけば長年お世話になっていて沢山救われています。けど、あまり言うと調子乗りそうなのでこれくらいにしておきます。(笑)
むらさきさんはベーシストなのでリズムが独特な楽曲が多いです。変拍子を駆使したプログレッシブな楽曲が得意なのでそういった曲も今後いただきたいです。あとはむらさきさんの楽曲はむらさきさんのお知り合いのミュージシャンの方々の演奏も取り入れることが多く楽器のあたたかさとか全体的に人間味の感じる楽曲が多くて心地よいです。


――ここからは、2ndミニアルバム『縁』に収録した楽曲の解説をお願いします。

「Super Alien」
攻めました。元々むらさきさんが30年前くらいに作った楽曲ということで、ある日聴かせてもらった時にどうにかしてこの曲が欲しいと思い「この曲で女の子達が歌って踊ったら新しいのでは?!」と閃いた全てのきっかけの曲です。ちなみにこの当時私は裏方をやるつもりだったので軽率にそんな発想をしましたがとてもエキセントリックな楽曲で、歌謡もダンスも難しすぎていざとなったら自分がこの曲をやることに怖気付いた楽曲です。
1stアルバムは地下に居場所を作ることがテーマの物語だったので、2ndのこの曲は「地下室の鍵はもうあるはずでしょう」という歌詞をつけました。1stからの経験を糧に新メンバーとともにここから再び始まる意思表示を込めて一曲目にしました。

「導〜しるべ〜」
これは長尾千尋ちゃんの作詞楽曲でこれも最初に収録したのは2年前くらい。2020年のワンマンではまだみんなでやる時間がなく長尾ソロ曲としてお披露目していましたがやっと水花としてリリースできました。
彼女にどういう曲がいいかという部分から考えてもらって全て長尾千尋プロデュースで作ってもらいました。どことなく懐かしさ漂う熱い楽曲で、彼女の想いが込められています。声出しOKになったらサビの掛け合いの部分はファンの人たちに歌ってほしい!

「Amaryllis」
今回のアルバムの中でも個人的には特にお気に入りの楽曲。歌詞はすんなりと書けたのですがタイトルをつけるまで2年かかりました。しっとりとした妖艶な曲調で、イントロは重くAメロは低音で暗い楽曲なのかと思いきやBメロで強さを持ち、サビでは暗闇からパッと光が射す…そんなストーリー性を感じる展開の楽曲。
歌詞も暗い何かを抱えている主人公がそこに誇りを見出していくといったもの。また、「自分はこんな過去があるから」なんて思って未来を縛りそうな人の背中を押せたらと思っています。世間でいう黒歴史は結構な経験値となって様々な感性を磨いてくれるものだと思っているので。
アマリリスの花言葉は「誇り」。
ちなみにこの曲は九重がむらさきさんに「サビのメロディー変えたいです」って言ってむらさきさんがやってみていいよ、と委ねてくれていました。彼女だったらどんなアレンジをしてどんな歌詞を書いてくれたのかなと思いますがそんなエピソードもあって大切な楽曲になりました。

「ルールブルーの空」
とあるラジオだけが使える空間の窓から見える空が美しくて尊くて…心が折れそうになりながらも、もう会えない大切な人の夢をその人の分まで私が叶えるという誓いを込めて書きました。曲調と歌詞コンセプトのギャップの理由はこういう明るい音楽に楽しそうに言葉を乗せる分には私の泣き言も笑って「はいはい、これくらいなら聞きますよ」と、楽しいことが好きな彼女は聞いてくれるだろうなと思いこの組み合わせにしています。彼女と彼女のご家族へ永遠の感謝を込めて。


「Rの想ひ」
こちらはある夏の日の報せを受けたむらさきさんの想いのベースソロのインスト曲。
よかったらアルバムに入れてくださいと言っていただいていたので「ルールブルーの空」と「サマーシャワーの約束」の間に入れさせていただきました。

「サマーシャワーの約束」
元々はむらさきさんを通じたとある企画に使われる予定だった1曲。水花ができる前に作詞して一度ソロ名義でむらさきさんのアルバム内に収録されていますが気に入りすぎて買い取らせていただき、水花バージョンとして新たに演奏を沢山のミュージシャンの方々のご協力のもと形にしました。
2Bの夕暮れのシチェーションの歌詞の部分は赤色担当長尾千尋のパートでもあるので大幅に夕暮れっぽくアレンジし直してもらって千尋ちゃんの伸びやかな歌声にサックスとピアノが混ざり合いとても雰囲気ある部分になりました。
また、ここまでライブでも色々なバージョンで披露してきて、さらに九重りつちゃんのフルコーラス版も実はデータがあって水花としても私としてもずっと一緒に歩んできた楽曲の最初のパートを担うのは新メンバーののんちゃん。今まで千尋ちゃんと守り続けたこの大切な楽曲に新しい風を吹かせてくれました。サビの最後はむらさきさんの提案もありのんちゃんには下のコーラスをやってもらったのですがこれまた新しいいいものになりました。


――完成した2ndミニアルバム『縁』。自分にとって、どんな作品になりましたか。
水花というグループは本当にご縁に恵まれたグループです。尊敬できるメンバーと関係者様達に恵まれ、そしてファンの人たち一人一人もあたたかい方々ばかりで本当に大好きです。今まで出会えた人やこれから出会う全ての方々とのご縁への感謝を形にできた作品になったかと思います。そして、色々な想いが重なりあった作品になったので少しでも多くの人に聴いてもらいふとした時に寄り添える楽曲となればいいなと思います。


――6月19日(日)には、月見ル君想フを舞台に「水花2ndワンマンライブ『第二章・夜明ノ花』」の開催も決定しました。この日は、どんなライブになりそうでしょうか。今、語れる範囲で構いません、見どころをお願いします。
1stワンマンと同じ会場で1年半ぶりの公演となります。その間に水花としても個人としても沢山の紆余曲折がありました。まさに夜が明けた水花をご覧いただければと思います。
また、新衣装もメンバーのイメージにぴったりかつ会場の雰囲気にも合った素晴らしいものを製作中です。前回表現したくてもしきれなかった水花の世界観を沢山表現していく予定です。そしてこの日は新曲披露もあるかも…!?
水花のファンの方々は優しい方々が多くライブ初心者の方も来やすい現場ですので普段あまりライブに行ったことがないという方も是非お気軽にお越しいただければと思います!


――個人としてはどんな活動をしているのか。宣伝もあれば、その宣伝も含めて教えてください。
元々はファッションモデルとして東京コレクション等に出演していました。直近の予定ですと5/18(水)〜6/6(月)富士フイルムイメージングプラザ東京ギャラリーにて「九人のプロ写真家によるラージフォーマットの世界」という写真展の中に、写真家のコタニシンスケさんとデザイナーのRITENUTObytacさんによる作品で私が被写体を務めさせて頂いたものが展示されるとのことなので是非ご覧いただけたらと思います。
また、普段は赤坂にあるBar三代目というバーで店長もしているのですが一日店長さんを募集しているのでバーでイベントをやってみたい方は私にお問い合わせいただければと思います。オーナーが宏洋さんという映画監督兼脚本家兼役者権YouTuberの方なのですがワケアリなご家庭から抜け出し大変な人生を歩みながらも創作や表現活動に力を入れている方で。在籍している店員さんたちも独特な生き方をしている人たちが多いです。
水花に対してもですがですが社会とは別の世界を生み出してそれが新たな選択のきっかけになる環境って尊いなぁと思います。不定期営業ですが気になる方はぜひ。


――最後に、自由にメッセージをお願いします。
日々毎秒ごとに瞬間を終わらせることと瞬間を始めることということを繰り返して人生になっていくと思うのですが、私はその仕組みがとても好きで。全てが過去になってしまう儚さのなかに未来という明るくも恐ろしくも唯一希望にもなれる時系列が存在している。水花のメンバーはそれぞれ様々な過去を乗り越え現在を生き、今もきっとそれぞれ葛藤しながら未来を描き日々を過ごしています。
繰り返される瞬間の連続の中で少しずつ水花という花を皆様と育てていけたらと思います。

とにかく好きなんです。水花のメンバーが、楽曲が、世界観が、全てのことが。好きに囲まれ好きの感覚を愛し好きを届け続けたいです。
水花を立ち上げるまでも立ち上げてからも、ファンの人や両親やメンバー沢山の人に支えられて救われてここまできました。
そして、もし今後過去の私みたいに人生に躓いた人がいたら水花がいつでも寄り添える存在になれたらと思います。私たちは沢山の愛と優しさと憧れに救われて沢山の感動と笑顔をもらってきたので今度は誰かを笑顔にできて生きる勇気になれたらと思います。
不器用な私たちですが、この記事を読んでくださった方々には「水花に出会ってよかった」と思ってもらえるような活動をこれからもどんどんしていきたいと思いますので応援していただけたら幸いです!

まずはワンマンお待ちしております!


質問:長澤智典

 

<インフォメーション>


LIVE

2022年6月19日(日)
水花2nd ワンマンライブ
「第二章・夜明ノ花」

OPEN: START:
¥3,500(+1Drink ¥600)
青山月見ル君想フ

現地御予約・詳細
https://tiget.net/events/174872

配信購入
https://eplus.jp/sf/detail/3603950001



JKT
2nd Albun『縁』
会場にてCD販売中
各配信サイトにてダウンロード・ストリーミング配信中


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