d-girlsのメンバーとして活動中。同時に、声優への道へも進み、今は役者としての自分にも磨きをかけている瀬戸千花。このたび舞台役者として、4月20日-24日(日)にシアタープラッツで行われる舞台「O-keyプロデュース　カワイイ公演〜versin.2~～爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」へ出演する。本番間近にせまった中、同公演への意気込みを伺った。

――まもなく上演になる舞台「爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」に千花さんも出演します。舞台に立つのは、10年以上ぶりになるそうですね。

瀬戸千花  そうなんですよ。わたし、アイドル活動を始める前は、舞台を中心にお芝居をやっていました。あの頃は役者の道で活躍できる場所を探していたところ、いろんなご縁があり、アイドルを始めることになれば、今も、d-girlsのメンバーとして活動を続けています。
  d-girlsのメンバーになって以降は、歌を通した表現へ夢中になっていったこともあって音楽の道へのめり込んでいきました。でも、活動をしていく中、ふたたび役者として表現したい欲求も生まれだした。そこから、大好きな声の道へ進もうと声優業を学び始め、声優として事務所へ所属をすれば、d-girlsと平行しながら声優業としての道も歩みだしました。
  今も、d-girlsの活動を軸に据えながら、声優としての活動の場を広げようと自分に磨きをかけています。そんな自分の中の「演じたい」想いがまわりにも伝わったからでしょうね、今回の舞台への参加のオファーをいただきました。


――同じ演じるでも、舞台と声優では異なるものですよね。

瀬戸千花  今もコロナ禍の影響もあり、アフレコ現場の人数も制限した中で収録を行っていることから、大勢で一緒に演技をする機会は持てていません。それに、マイクに向かって演じるように、直接顔を見合わせての掛け合いをやることは声優のお仕事ではないんですけど。お芝居は、一つの舞台の中でいろんな役者さんどうしが顔を見合せ、声を交わしあう演技をしてゆく。そこの表現の違いは、やはり大きいですね。
  わたし自身、舞台に出演するのが10年以上ぶり。今は稽古を通し、舞台の上で演じる感覚を少しずつ取り戻しながら本場へ気持ちを高めているところです。


――いろんな人たちと顔を突き合わせ、やりとりを交わしあう舞台に、今は新鮮さを覚えている感覚なんですね。

瀬戸千花  そうなんです。声優業の面でも、今は、ナレーションや朗読など、比較的一人で完結する声のお仕事が多いから、声を掛け合う演技の機会をあまり多く持ててはいない理由もあるからでしょうね。セリフを交わしながら空気を作りあげてゆくお芝居が、今はとても楽しいです。だからこそ、今回の「爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」での経験を通して、ふたたび舞台役者としての表現にも磨きをかけたいなと思っています。


――舞台「爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」はどういう内容なのか。千花さんの演じる役柄も含めて教えてください。

瀬戸千花  舞台「爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」は、いろんなショートストーリーが展開してゆくオムニバス形式の舞台になります。毎公演ごとに5つの演目を用意。しかも、全9演目用意した物語を、毎公演組み合わせを変えて上演。今回は、「爆組」「裂組」とWキャスト公演にもなっています(両方に出演する役者もいる)。わたしは「爆組」のキャストとして、「引越し」「リベンジ」「天才振付師」「おどし玉」「ニコイチ」の5演目に出演します。どの物語も演じる内容が異なるから、わたし自身が物語に合わせ、5つのキャラクターを演じ分ければ、そこを自分の見どころにもしています。
  わたしは、上演期間中に全部で5公演行われる「爆組」公演に出演。毎回の公演ごとに演目も異なるから、全公演を見ていただき、わたしが演じる5つの役柄も味わっていただけたらなと思います。


――ショートストーリーとはいえ、異なる5つの演目を演じるのは大変じゃない?

瀬戸千花  でも、そこがお芝居をする醍醐味ですからね。確かに最初の頃は、役者さんみんな演目ごとに役柄が変わるから「なんて役名で、どんな人だっけ?」と戸惑う面もありましたけど。むしろ、その多様性が面白さ。わたし自身も、演目によって王道キャラからコメディ調までいろんな役柄を演じています。演目によっては、踊らせていただく役柄もあるから、そこは、d-girlsとして培った経験も活かしています。
  短編劇を並べたオムニバス形式の舞台とはいえ、1本1本の物語の起承転結がしっかりしているから、1本ごとにいろんな感情で物語を味わえます。しかも、5演目用意した物語がテンポ良く進んでいくので、現実を忘れて楽しんでいけるはず。わたしが演じる5演目はもちろん、用意した全9演目、いろんなキャストさんを変えて楽しんでいただけたらなと思います。


――本番はこれからとはいえ、また舞台に立ちたい欲求は…。

瀬戸千花  あります。舞台って、みんなで一つの物語を作りあげてゆく場。その舞台のために人が集まり、稽古期間を通して互いの関係を深めながら一つの物語を作りあげてゆく。そこへのやりがいはすごく感じています。
　舞台「爆烈アンチテーゼ -Shuffle-」を通して初めて出会う方々ばかりの中へ飛び込んでゆく緊張感も含め、一緒に絆を深めてゆく中で物語を作り上げる。それこそが舞台の面白さですからね。役者陣の中には、わたしと同じようにアイドル活動をしている方々もいます。そういう人たちとも知り合い、いつの間にか一緒に自主練をするなど関係を深めてゆくのも、舞台を通してこそ得ることのできる感覚だなとわたしは感じています。


――千花さん自身の演技へ向かう気持ちにも、いろんな変化は出てきています?

瀬戸千花  改めて、「わたし、お芝居が好きなんだな」と感じていれば、今でも「もっとこうしたい」とレベルアップしたい欲求が高まっています。舞台経験を重ねながら自分の技術や意識を向上し続けたいし、そのためにも、また機会を作って舞台に挑戦したいです。


――今後も、d-girlsの活動と平行し、声優や舞台などの役者業にも磨きをかけていく形だ。

瀬戸千花  そうしていくつもりです。


――最後に、ひと言いただいても良いですか。

瀬戸千花  今回、わたしが「やりたい」と思っていたお芝居をする姿をみなさんに見ていただく機会を作ることができました。わたし自身も久しぶりの舞台出演ということで、すごく貴重な機会にはなっています。ただし、今回を「貴重な経験」で終わらせるつもりはなく、これからも舞台をやり続けていくためのきっかけにしていきます。ぜひ、多くの方に、いつものd-girlsの姿とは異なる役者・瀬戸千花の姿を観ていただきたいです。
  d-girlsとしても、4月23日にアルバム『START!!』を発売します。d-girlsといえば、オリジナル曲たちはもちろん、プロデューサーdenchuさんがいろんなグループを通して作り続けてきた曲たちも歌い続けています。アルバム『START!!』は、d-girlsとして作りあげた曲ばかりをまとめあげたアルバム。こちらはCDだけでなくサブスクでも配信される予定ですので楽しんでいただけたらなと思います。もちろん、ライブもお待ちしております。

TEXT:長澤智典