FEATURE

2022.03.26
林奈緒美

ソロ活動を始めた今も、「Zepp Diver Cityで単独公演を行う」ことが、わたしの中の大きな目標になっています。 林奈緒美インタビュー1 

 「資金繰りからステージングまで全部自分でやります!歌を歌うお調子者、林奈緒美です!」が、キャッチコピー。元「ミライスカート」「最高じぇねれーしょん」のメンバーとして活動。主演映画「クレイジーアイランド〜奈緒美の愛と青春と狂気の爆走ロード〜」では、みずから制作と主演を担うなど、アイドル活動を軸に据えながらも、多様な活動を続けてきた林奈緒美。2021年11月の渋谷WWWでの公演をもって最高じぇねれーしょんのメンバー全員が卒業。次なる動きとして彼女が示したのが、「ZeppDiverCityでの単独公演を目標に掲げた」ソロ活動だった。
 2月にソロ活動を行うことを宣言。3月26日には、その決意を示した配信シングル「幕開け」をリリース。林奈緒美が、どんな想いを胸にソロとして歩み出したのか。その想いをここに伝えたい。


「自分は、ここまでなんのために経験を重ねてきたんだろう」という気持ちがどんどん大きくなりだし、会社人として生きることは辞めました(笑)。


――2016年12月にミライスカートを卒業。一時期は表だった活動を止めていましたよね。

林奈緒美  あの頃も、何かしら活動をしたい気持ちはあったんですけど。具体的に何をやろうかとは決めてなくて、あの当時はやれることを探しだそうとしていた時期でした。

――最初に起こしたアクションが、主演映画「クレイジーアイランド〜奈緒美の愛と青春と狂気の爆走ロード〜」での女優活動でしたよね。
    
林奈緒美  今もお世話になっている、心斎橋にあるライブもできるCafe&Barエミュリボンのオーナーの栗原ゆうさんに「林は何がしたいの?」と聴かれたとき、「映画とか出てみたいです」と言ったことがきっかけでした。
  あの頃は、ミライスカートを通して親しんできたエンターテイメントの世界で、「もう一度自分は何かをしたい」「じゃあ、自分には一体何が出来る?」といろいろ考えていました。その憧れの一つとして「演じる」ことがありました。だから、「映画に出てみたいです」と口にしたわけです。その言葉を聴いた栗原さんが、「林の場合、映画のオーディションを受けるという正攻法で攻めるのではなく、自分で資金を集め、自分で映画を作ったほうがいいんじゃない?」とアドバイスをくださったことから、クラウドファンディングで資金を集め、主演映画を作ることになりました。
  栗原さんなどいろんな方々の協力がありましたが、「ゼロから一つの作品を作りあげることは本当に大変だなぁ」と実感しながらも、あの当時はやっていました。

――そこから役者の道へ進むわけではなかったんですね。

林奈緒美  役者も楽しかったんですけど。わたし、映画「クレイジーアイランド〜奈緒美の愛と青春と狂気の爆走ロード〜」の中、エンディングテーマ曲の「お別れの歌」も歌いました。そのときに感じていたのが、「やっぱし、自分が生きてく中、歌は切り離せないなぁ」という想いでした。そこから徐々に「ステージに立って歌いたい」気持ちが強くなりだしました。

――だからと言って、すぐにアイドル活動を再開するわけではなかったですよね。

林奈緒美  いろいろ自分の中で想いを巡らすことが多かったんだと思います。ふたたびエンターテイメントに関わりながらも、心の中には、「わたしも平日に働き、土日は遊んでという社会人としての生き方が出来るのかな?」と想いを巡らせることもありました。そこから、1年間ほどOLとして働いたのですが……自分には無理でした(笑)。むしろ、普通に会社人として働いたことで、「自分はステージに立つことが生きるうえでの最大の喜びだし、それがないと生きている実感が沸かない」「自分は、ここまでなんのために経験を重ねてきたんだろう」という気持ちがどんどん大きくなりだし、結局、会社人として生きることを辞めました(笑)。

――そこから、最高じぇねれーしょんでの活動へと繋がっていくわけだ。

林奈緒美  栗原さんに、「最高じぇねれーしょんというアイドルグループがメンバーを探してるんだけど、林、やってみない?」と誘っていただきました。そこで触れた最高じぇねれーしょんの楽曲を好きになったこと。ふたたび歌やダンスの表現をしたい気持ちが大きく膨らんだことから、最高じぇねれーしょんに加入しました。


不完全燃焼で終えた感覚はとても強かったですし、「悔しいなぁ」という気持ちのほうが強かったです。


――グループ活動は久しぶりだったんじゃない?

林奈緒美  ほぼ3年ぶりでした。ミライスカートとして活動していたときのメンバーの年齢層が10代から20代頭でしたけど、最高じぇねれーしょんのメンバーはみんな20代。中には、他のアイドルグループと兼任で活動しているメンバーもいたように、同じメンバーとして関わっていく中で、その違いを感じていました。

――そこ、具体的に教えてください。

林奈緒美  そもそも、10代と20代では感覚が違うじゃないですか。わたしが活動していた当時のミライスカートのメンバーは10代が多かったから、気分ですねたりとか子供っぽい行動が多ければ、誰かが落ち込んでいたら、他のメンバーで支えあうなど、そういう関係の中で互いの絆を深めていました。でも、最高じぇねれーしょんは、メンバーみんな20代と大人のように、それぞれが大人として自覚や責任を持ったうえで行動していれば、お互いを尊重しあっていた。そこで生まれる絆は、ミライスカートの活動を通して培った絆とはまた違うものだなと感じていました。ミライスカートでの絆は“家族”、最高じぇねれーしょんでの絆は”親友”という関係性でしたね。

――最高じぇねれーしょんとして活動していた時期は…。

林奈緒美  2020年9月にメンバーとして加わり、2021年11月にメンバー全員が卒業という形で活動を止めたので、実質1年ちょっとでした。ただ、わたしがメンバーとして加入したのは、コロナ禍の真っ只中。正直、両手で数えられるくらいのライブ本数しか経験できませんでした。結果、プロデューサーより、「メンバー全員卒業という形で現体制でのグループの活動を終了します」と言われ、2021年11月に渋谷WWWで行った卒業公演をもって最高じぇねれーしょんとしての活動は終わりを告げました。

――自分の意志で辞めたわけじゃないから、悔いも残りますよね。

林奈緒美  プロデューサーから卒業のことを言われたときは、自然と涙が流れるくらい寂しさはありました。とくにわたしは、コロナ禍という状況中、やりたくても出来なかったことが多ければ、「最高じぇねれーしょんとしてもっと出来ることがあったはず」という気持ちが強かったように、不完全燃焼で終えた感覚はとても強かったですし、「悔しいなぁ」という気持ちも強かったです。

――その悔しさがあったから、ふたたび自分で踏み出そうと思ったわけだ。

林奈緒美  このまま後悔を背負ってエンターテイメントな活動を終えてしまうよりは、たとえ掲げた目標を達成できずにめちゃめちゃ悔しい想いをしたとしても…むしろ、めちゃくちゃ後悔するくらいまでやってみようという気持ちでいました。
  これは、今も掲げているわたしの目標ですが。ミライスカートでも、最高じぇねれーしょんでも、つねに掲げていた目標が「Zepp Diver Cityで単独公演を行うこと」でした。ミライスカート時代は、イベントでZepp Diver Cityへ出演したときに感じた興奮が忘れられず、「今度はここに単独公演で立とう」とメンバーみんなで決めたことでした。最高じぇねれーしょんは、わたしが加入したときから、「Zepp Diver Cityでの主催公演を行う」と目標を掲げて活動をしていました。偶然にも同じ目標を掲げていたからこそ、最高じぇねれーしょんを終えたとき、自分の中に「Zepp Diver Cityの舞台に単独公演で立ちたかったなぁ」という悔しさがずっと残っていました。だから、ソロ活動を始めた今も、「Zepp Diver Cityで単独公演を行う」ことが、わたしの中の大きな目標になっています。

――その夢を叶えようと、ソロとして動き出した形だ。

林奈緒美  いえ、すぐに動き出したわけではなく、結果的には具体的に動き出すまでの2カ月くらいは、いろいろ迷っていました。それこそ、最高じぇねれーしょんを卒業してすぐ「新たにオーディションを受けようかな」とも考えれば、「もうエンターテイメントの活動を辞めようかな」と想いを巡らせてもいました。そんなわたしを今の道に導いてくれた大きなきっかけが、元最高じぇねれーしょんのメンバーとして一緒に活動していた夏花ちゃんの言葉でした。
  最初のきっかけが、今年の元旦に夏花ちゃんと初詣に行ったときのこと。その帰り道に「今年やりたいことを100個ノートに書こう」「お互い書き終えるまで帰れない」ということをやったんですね。最初のうちは、憧れや願望のようなことも含めていろいろ出てくるんですけど。さすがに何十個も書いてると、どんどん絞り出す形になっていくんですね。わたしにとって、それが良かったんでしょうね。むしろ、書き進み、絞り出すほどに自分の本心をノートに書くようになっていました。
  そのノートにわたしが「自分で曲を作って歌いたい」「オリジナル曲がほしい」と書いてたのを見た夏花ちゃんが、「そんなことを思ってたんだね。すごくいい願いだと思う」と言ってくれました。それをきっかけに、「よし、オリジナル曲を作ろう」と心の中で誓ったわけですけど。そう決めた後も、やっぱしわたしは「今後どうしよう」といろいろ悩み続けていました。そんな気持ちのまま1月が終わろうとしていた頃に、突然、夏花ちゃんから連絡が入り、「あなた、今もいろいろ悩んで落ち込んでるけど。あのとき、自分で「オリジナル曲を作る」と言ってたよね、少しは作ったの?」「まだ作ってないなら、今すぐ知り合いの作家の方に電話して、曲を作ってくださいとお願いしなさい」「とにかく、今すぐに行動しなさい」とバーンと背中を押されました。
  夏花ちゃんって、普段そんな強気なことを人に言わない子なんですけと。そこで強く言ってもらえたことから、わたしも「動かなきゃ」と思い、夏花ちゃんとの話を終えたあと、わたしのソロ活動を始めるきっかけにもなった「幕開け」を作ってくださったT.B.L(奥野涼)さんに「わたし、オリジナル曲かほしいんです」と連絡を入れました。

――そこがソロ活動のスタートラインになったわけだ。

林奈緒美  そうです。


(後編へ続く)


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>

 

林奈緒美 プロフィール

京都府出身。ソロアイドル。
キャッチコピーは「資金繰りからステージングまで全部自分でやります!歌を歌うお調子者、林奈緒美です!」。

2014年 京都を拠点として活動する
アイドルグループ「ミライスカート」として芸能活動開始。
2016年にグループ卒業後、クラウドファンディングで支援を募り、
主演映画「クレイジーアイランド〜奈緒美の愛と青春と狂気の爆走ロード〜」を制作、上映。
以降アイドルグループ「最高じぇねれーしょん」としてアイドル活動を再スタート、
2021年11月の渋谷WWWでの公演をもってメンバー全員卒業となる。
 

JKT

1st配信シングル
「幕開け」

発売日:2022年3月26日
各サイトにて配信中。  https://linkco.re/Y5Pg7s6N


【 Youtubeチャンネル「林奈緒美」】
火曜日と土曜日の週二本投稿。
Shorts動画は毎日更新。
投稿動画ジャンルは多岐に渡り、
ゲーム実況や雑談動画、
MV投稿や音楽活動に対する動画なども。

【 Showroom生配信 】
現在、毎日配信を実施中。
雑談を主とし、毎晩22:00から
配信している。

【イベント主催】
自身の主催する「mark party」という
イベントを開催。

【 Twitter 】https://twitter.com/_hayashinaomi
【 Instagram 】https://www.instagram.com/_hnyosm/
【 Youtube 】https://youtube.com/channel/UCLkP6XfJ0UVLgMuYSQgOfGQ

 

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