FEATURE

2021.10.01
加藤万里奈

加藤万里奈 インタビュー

「デヴィ夫人の“同居人”」というトピックスでメディアをお騒がせしている女性、加藤万里奈。彼女はかつて口笛での卓越した演奏力を競う世界大会で幼くして優勝した経歴を持つ「口笛の達人」として、近年テレビのバラエティ番組や動画サイトなどで大きな話題を集めています。

今回は2021年10月20日には「歌手」としてデビューすることが決まった彼女にインタビューを実施し、ご自身の口笛との生い立ちとともに、今後目標とする人生の方向性などをうかがいました。


●始めて吹いたときから名人!?天性の才能
 

--加藤さんが口笛を吹かれるようになるまでの経緯を教えてください。

加藤万里奈(以下、加藤):実はもともと口笛には全く興味がありませんでした。家でも親から「浮遊霊が寄ってくる」みたいなことを言われていましたし。

ところがあるとき…中学校2年生の後期ぐらいだったと思いますが、たまたま学校の昼休みに口笛を吹いてる男子を見て、私も吹いてみたくなりました。まあ学校だし、昼休み中だったから吹いてもいいかと思ってちょっと吹いてみたら、周りの友達から「うまい!」とすごく褒められたんです。

相当褒められたからいい気になって(笑)、家で親の前で吹いてみたらやっぱり「すごい、口笛じゃないみたい!」と褒められました。
 

--いきなり吹いたら、既にある程度演奏できるようになっていたと?

加藤:そうなんです、練習したわけじゃないけど最初から音が出ました。ある程度の音域は全音出て、ビブラートも使えていましたし。

それがきっかけですっかり口笛にのめり込んでしまったんですが、ある日ネットサーフィンをしていたら口笛の世界大会があることを知ったんです。そしてその大会で優勝した方の動画を見つけたんですが、それを見た親からは「あんたのほうがうまい」と言われて(笑)。

なので試しに自分のプレーを向こうの口笛協会に送ったら、大会のオーディションに通っちゃったんです。それでアメリカのノースカロライナの世界大会に出場することができて、中学校3年生のときに約7ヶ月のキャリアながら口笛世界大会で優勝することができました。
 

--いきなりトップになった、という感じで?

加藤:そうですね。そのとき一緒にアメリカに行った日本の方が10人以上おられて、大会前に隣にいた方々に何年くらい演奏されているんですかとおたずねしたら、皆さんは10年以上やられているとおっしゃっていました。

逆に「あなたは口笛をどのぐらいやってるの?」と聞かれて「7ヶ月ぐらいですかね…」と答えたら、その人に「あなたは絶対優勝できないから」と言われたんです。初対面でそんなことを言われてちょっと頭に来たんですが、逆にそれで奮起して優勝できたのかもしれません(笑)。

そしてそれからはいろんな新聞やテレビ局に取り上げていただき、2014年には芸術文化功労賞をいただいたんです。また、現在は水戸の魅力宣伝部長もやらせていただいています。また2019年にニューヨークのカーネギーホール(小ホール)でも演奏させていただきました。
 

--もともと音楽的な素養を、何か別の機会でお持ちだったのでしょうか。

加藤:口笛が吹けたということ以外に、小さいときから歌をやっていたんです。小学校一年生のときに合唱団に入っていたことがあって、オペラなどのクラシック的な音楽のいろんな曲を知っていました。そういったことは今にも活きていると思います。

 

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●「口笛」から広がる可能性
 

--今回リリースされるアルバムでは唱歌を多く選曲されていますが、レパートリーにはどんなものが多いのでしょうか?

加藤:ジャンルは問わないんです、普段は。たとえばボカロの曲からクラシック、ポピュラー、さらには唱歌、童謡も演奏しますし、洋楽から演歌、ジャズでも。もともと曲を知っていればすぐ吹けましたし、知らない曲であればその曲を1度聴けば演奏ができました。

今回のアルバムに関しては、プロデューサーの南乃星太先生が「日本の文化である童謡や唱歌を(口笛の世界大会で優勝した加藤が)演奏したら面白いんじゃないか」とおっしゃっていただいたのがきっかけでした。

これは世界中の方々に童謡や唱歌を知ってもらうきっかけになるしれませんし、私としてもありがたいチャンスをいただけて本当に感謝しています。

そもそも口笛って珍しいサウンドだと思うんです。口笛でちゃんとした音楽コンテンツを作ると、結構意外性を感じる人は多いと思うんです。

口笛というものを楽器と認識するということに対しては人それぞれいろんな思いがあると思うんですが、私の音源を口笛と知らずに聴くと「普通のちゃんとした楽器だ」と思われることが多いんです。それは逆に私にとって嬉しいことだと思っています。
 

--世界に向けて発信する意味もあるんですね。

加藤:それもあります。「口笛」という新しい音楽に触れていただくことがきっかけで、プラスして日本の童謡や唱歌の魅力を強く印象付けられるんじゃないかと考えています。
 

--音楽以外の活動についてもお聞かせいただけますか?映画にも出られたというお話をうかがいました。

加藤:2年前に自分が主演で映画のほうに出演させていただきました。その役は、
もともと口笛が吹けない女の子の役なんです(笑)。で、物語が展開するにしたがい徐々に口笛が吹けていくという。

いわゆる「『何もとりえがない』と自分のコンプレックスを持つ子がある機会にどんどん自分に自信をもって、最後にはなにかができるようになる」、そういった物語なんです。

女優を目指されている方には失礼かもしれませんが、私は女優という職業にはそこまで興味を持っていなくて、何回もお断りしたんです。でもプロデューサーの方に推されて結局出演させていただくことになったんですが、結果的には結構いろんな映画の賞をいただくことになりまして…。

ほかにも映画の吹き替えバージョンの収録で、役柄が吹く口笛のアテレコに参加させていただくことがあります。そんなふうにいろんなことをやりながら、今はなぜかデヴィ夫人の家に住んでるという(笑)

 

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●「憧れの人」のもとで育みつつある人生
 

--デヴィ夫人とのことについてもお聞かせいただけますか?もともと加藤さんご自身が夫人に憧れられていたとうかがいました。

加藤:中学生のころにたまたま夫人をあるテレビ番組で見たときに感銘を受けました。「人間として強い」という印象があって、そのころから夫人にずっと憧れていました。

たとえば高齢なのにあんな強い存在感があるとか、そんな表面的なことよりむしろ人類の一人として考えたときに「強い生き方をされている」と感じられるところに魅力をおぼえたんです。

私には絶対こんな人生を歩めないし、この人の脳内は今までどんな環境を経てここまで来られたんだろうと思い、是非一度会ってみたいと思いました。

夫人との出会いは、あるとき偶然参加の希望が叶った夫人のパーティーでのことでした。パーティーに参加された人の中で私が一番若かったことで夫人に私のことを知っていただき、以後私が度々パーティーに参加していたことで気にかけていただけるようになりました。

そして私が大学2年になったときに、水戸から3時間かけて通うという話をした際に、それならば私の家から通えばというお話をいただいて、夫人と一緒に生活することになりました。

夫人との生活は本当に刺激的で、毎日いろんなことを教えていただいて、飽きることもなくたくさんのことを得ています。
 

--大学はこの9月に卒業されましたが、今後の目標や夢などをお聞かせいただけますか?

加藤:目標は世界中で童謡や唱歌を演奏し続けることです。今はまだコロナ禍の影響などで難しいかもしれませんが、日本だけではなく世界で活躍できる人、それも大きな会場、場所で活躍できる人になりたいという思いがあります。

大きな場所というのはコンサートだけでなく、たとえばCMみたいなものでもいいと思うんです。そういった機会も、より多くの方々の目に留まるチャンスになると思いますし、そういったフィールドで活躍できる機会をつくるというのが目標です。

また話が変わりますが、私は馬がすごい好きでアハルテケという馬が飼いたいんです、「黄金の馬」と呼ばれている馬なんですが。

私はもともと騎手になりたくて、口笛に出会うきっかけがなかったら騎手を目指していたと思います。結局その希望は叶わなかったんですが、それでも将来は馬を手に入れてそれに乗りながら世界中を旅しつつ、歌を歌い口笛を吹いて…、というのが一つの夢ですね(笑)
 

--ユニークな夢ですね。では最後に直近の予定と現在の思いをうかがえればと思います。

加藤:10月20日に歌手としてデビューさせていただくことが決定しました。

私にとって歌は本当に小学校一年生までで止まっているので、まず歌でデビューするということにちょっと緊張しています。そもそも私の人生にとって音楽は、実はそれほど関わりは無いものだったわけで、それでも今まで口笛だけは吹き続けてきた人生だったんです。

でも一方で口笛はメロディーだけの音なので、なかなか私自身の思いを皆さんに伝えることが難しくて、それを課題として今までやってきたんですが、そんな中で今回は歌手という立場になることで、聴いていただける方々に対してどうすれば自分の思いを届けられるかと頑張っています。

また口笛と歌を続けることで、今後いろいろなことができたらやっぱり面白いんじゃないかとも思っています。私自身も本当に楽しいので、今後どのような展開が待ち受けているかは、自分自身でもワクワクしているんです。

 

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●加藤万里奈
12月7日生まれ。茨木県出身。
中学在学中にアメリカで開催された世界口笛大会のティーン部門女子部で優勝し、2014年には芸術文化功労賞を受賞。口笛だけではなく、バイオリン、乗馬など多岐に亘り活動を展開している。

また2018年からは女優としての活動も開始、さらには水戸市の「魅力宣伝部長」にも就任。そして2019年、日本人で初めてアメリカニューヨーク市のカーネギーホールに於いて口笛演奏を披露し高い評価を得た。

現在はデヴィ夫人宅に住んでいる元女子大生(大学は2021年9月に卒業)、口笛世界チャンピオンとしてバラエティ番組でも印象的な姿を見せている。

オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/marinakatomito/
公式ツイッター:https://twitter.com/marinaumauma
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/_marinakato_/


●インタビュアー 中脇雅裕
音楽プロデューサー ワールドコア株式会社CEO 
 日本の音楽シーンにおいて、幅広いジャンルでのヒット曲に携わる。近年ではグローバルに活躍するアーティストとのプロジェクトも多い。


加藤万里奈「DO YOU MARINA」YouTube動画
(1) 【心地よい口笛が気持ちが緩ませてくれます。】童謡❘ほっこり❘加藤万里奈|DO YOU MARINA - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Xw_q5OwXtnY&t=50s

 

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