ラストアルバム「deep blue」の発売直後に、アルバムに込めた想いそしてラストライブへ向けた今の心境を聞いてきた。ぜひ「deep blue」を聴きながら”オサカナ”の今までの道程と、今の彼女たちを感じながらインタビューを読んでもらいたい。

 

 

ーー今回のアルバムに収録される新曲「信号」のMV撮影はいかがでしたか？

 

寺口：すごく幻想的に撮っていただいたのですが、あれほぼ外なんです。

 

ーーそうなんですね！

 

神﨑：廃工場みたいなところで撮りました。

 

寺口：足元が見えなくなるほどのスモークが初めてだったので、待っている間にスモークで遊んだりしてて、楽しかったです。

 

ーー曲について聴きどころなどをお聞かせください。

 

寺口：今までのCDのリード曲はもっとにぎやかな曲や、もっといっぱい音があるような曲が多かったので、最後のアルバムのこの「信号」は音数が少なく、今までと違うリード曲になってます。

 

山崎：私は、すごく好きな感じの曲なので、レコーディングしていて楽しかったです。2回に分けて撮ったんですけど、1回目録ったときより2回目録って聴いたときのほうが不思議な気分になりました。

 

ーーどういう風にですか？

 

山崎：なんていうんですか、あれ、曲調のピコピコした音が、自分たちの声らしくて。そういうの加工されていているのを聞いてすごいな思いました。

 

ーーもともと2回レコーディングする予定だったんですか？

 

山崎：もともと1回のみだったはずです。歌のレコーディングをして、そのあとにもしかしたらコーラスのレコーディングがあるかもくらいだったのですが、結局2回目もしっかり歌のレコーディングしました。

 

ーーじゃあよく聴くと声が重なっているんですね。

 

神﨑：でも、自分たちの声だってわからないと思います。

 

寺口：これが1回目？2回目？いつ録ったのかわからないぐらい、声を加工して。

 

ーーなるほど。では神﨑さん、曲についてお教えください。

 

神﨑：「信号」は最後のアルバムの曲なのでどんな曲かなと思っていたんですけど、サカナらしいというか、最後のアルバムでこんなかっこいい曲ができてよかったなと思います

 

ーー今回のアルバムを出すにあたり、過去に発表した曲も全て録り直ししていますが、当時と今回の収録にあたり、変化などあれば教えてください。

 

寺口：昔は曲もらってすぐレコーディングが多かったので、あまり歌い慣れていないままレコーディングしていたので、あんまり自分的には思うようにいかなかった感じがあって。。でも再収録にあたり歌い慣れてから改めてレコーディングしてできたのはよかったですね。

 

山崎：私は、改めて歌い直してみて、思ったより難しい曲を歌ってたんだなと思いました。昔の曲だと音程が高かったり、今だと歌いづらいものとかたくさんあって、それを録り直すとなるとライブみたいに勢いだけでは乗り切れないので、なかなか難しかったです。

 

ーー特に苦戦した曲などはあります？　

 

山崎：「クラウチングスタート」と「Brand New Blue」が特に高かったので難しかったです。

 

ーーライブではよく歌われる曲なので、驚きです。

 

山崎：確かに。でも、ライブの時はダンスもついているので、本当にその勢いだけでどうにかしていたので、歌うだけとなると難しかったです。

 

ーー気持ちの入れ方とか心境の変化とかはありましたか？　

 

山崎：当時は幼かったし必死なのもあってあまり覚えていないんですけど、最後のアルバムなので悔いないように取り組みました。

 

神﨑：私は、聴き直したときに全然声違うなと思って。改めて聴き直すと自分も成長したのかなとすごく実感しました。

 

ーーそれは歌い方もですか？　

 

神﨑：声の感じとかですかね。ボイトレも重ねてきて、それを経て歌ったときの歌がどの曲も違いを感じました。

 

ーー特に変化を感じた曲はありますか？　

 

神﨑：やっぱり一番初期の「クラウチングスタート」が一番若いときに録っていたので、そのときより一番声が変わったなと思います。

 

ーーそれは気持ちの変化とかもあります？　

 

神﨑：当時は、今振り返ると歌というものをわかっていなくて、ただ歌っていたので、そういう面では無意識のうちに歌い方とか気持ちの変化もあったかなと思います。

 

ーー続いて、今回のアルバムはインスト版も発売するんですね。

 

神﨑：ファンのみなさんからも要望が多かったので、このタイミングでみなさんの声に応える形で出すことにしました。

 

山崎：でも私たちも出したいね。って言ってました。

 

寺口：自分たちの声抜きでサカナの魅力を聞きたいと思っていたのでうれしいです。

 

ーー作業用BGMとしては最高ですよね。

 

山崎：確かに。

 

寺口：このアルバム、私たちの歌だけでなく、曲も全曲、全て録り直しているのです。インスト版は同じものを使ってて私たちの声を抜いただけなんです。

 

ーーすごく気合入っていますね！！では、ラストライブに向けての意気込みをお聞かせください。

 

寺口：4時間の長尺で、しかも生バンドで！

 

ーーうわ！体力持ちますか？

 

寺口：もたないです（笑）こんな長い時間ライブしたことないので、とにかくケガなく最後まで楽しくみんなで終われたらいいなと思います。

 

山崎：最後のライブなので、全部出し切って、自分が満足できるようなものができたらいいなと思ってます。それにファンのみなさんも4時間も付き合ってくれるので、飽きさせないようなパフォーマンスができるように頑張りたいと思います。

 

神﨑：4時間という長尺なので、見ているほうも体力使うと思うし、だから最後まで見ていられるような演出とかも、みんなが楽しめるようなこともしたいと思ってます。ライブは最後だけど普通に楽しませたいなというのがあります。

 

 

ーーじゃあ最後にファンの皆さんに一言ずつメッセージをお願いします。

 

寺口：解散したあとも曲はずっと聴けるので、聴いて欲しいなと思います。

 

山崎：ライブは、期待していてもらっても大丈夫！なものになるはずのように準備してます！

 

神﨑：さっき、なっちゃん（寺口）も言っていたみたいに、解散しても曲は残り続けるものなので、ずっと聴き続けてほしいなと思います。ライブも直接来てくださる方も、配信で見る方も多いと思いますけど、その方全員で楽しんでいただけるように残りの期間頑張るので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。

 

 

取材・文：もりたはぢめ