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2020.05.29

expiece インタビュー<1>伊藤ゆいとDJ HINA、これまでの歩みや過去の秘めた話をぶっちゃける!

 現在、毎週金曜日にSHOWROOMで。毎週日曜日には、expiece公式サイトを通して無観客有料生ライブ配信「expiece Studio LIVE生配信!!」(アーカイブ放送も有り)を行っているexpiece。グループとして活動を初めて6年。現在のヴォーカル&DJ STYLEになって1年。そんなexpieceの変遷について、伊藤ゆいとDJ HINAに、2回に分けていろんな話を伺った。

1回目は、expieceの歩みと、DJ HINAの秘密?についていろいろ語っています。

 

 

「グループをDJ STYLEに一新し、それでやってみないか?。それが嫌なら解散しよう」と二択の提案を受けました。

 

 

――最初はヴォーカル&ダンスパフォーマンスを行うグループとしてexpieceはスタート。何時頃からですか、ヴォーカル&DJ STYLEを取るようになったのは。

伊藤ゆい:結成当初のexpieceは、いわゆるアイドルユニットとして「歌って踊る」スタイルで活動を始めました。そこに変化が現れだしたのが、当時はメンバー全員中学生(現在は高校1年生)だった後輩ユニットの"はなここ"が2018年3月に誕生したことでした。

その頃のexpieceは、メンバー全員が20歳オーバー。でも私たちは「ステージに上がれば年齢など関係ない」気持ちでいたので年齢差を気にすることはなかったのですが、はなここと一緒にイベントに出演する機会が増えて、はなここには次々と新規のお客さんが増えていくのに、expieceにはなかなか新しいお客さんが増えず、そこで悩みだしました。

それ以前にも、2016年に赤坂BLITZ(現マイナビBLITZ赤坂)でワンマン公演を行うまで成長して、ここから頑張っていくぞ!というタイミングで、メンバーの入れ代わりが続くなど、なかなか思うように活動が出来ず、何をやってもうまくいかなくて、空回りすることや伸び悩んでいたグループ事情もありました。そんな葛藤を続けていく日々の中、何時しかわたし自身もそうだし、メンバーたちの心にも「状況が好転しない中、何時までアイドル活動をやっていくんだろう」という気持ちが生まれてきました。

とある日、その気持ちをマネージャーに伝えたところ、「グループをDJ STYLEに一新し、それでやってみないか?それが嫌なら解散しよう」と二択の提案を受けました。その言葉を受け止めた私たちが選んだのは、「DJ STYLEとして新しいexpieceを構築していこう」という意志でした。

 

――そこで、DJ HINAちゃんが加入したわけだ。

伊藤ゆい:いえ、当初は別のDJメンバーがいました。新しくDJ STYLEとして動き出したexpieceですが、当初はメンバー自身もヴォーカル&DJというSTYLEに慣れてないことや、自分たちらしさの確立を模索していたこと。対バンしたイベントでも他とは異なるスタイルだったこともあって、初めて観るお客さんたちも、どう反応して良いのか戸惑いを覚えていたことも正直ありました。トライ&エラーを続けていって、少しずつDJ STYLEのexpieceでやるべき方向性が見えてきて、HINAが入った昨年8月頃からは、ちょっとずつ新しいファンもついてきてくれるようになりました。

 

exp

 

「自分なんかいなくても何も変わらない」と思っていたけど、だんだん自分の役割が増えれば、それに責任感と楽しさを覚えられるようになった。

 

 

――HINAさんは、前からはDJをやっていたの?

DJ HINA: 入るまで全然経験はなかったです。メンバーになったのも、前のDJの人の脱退が決まって、マネージャーさんに「DJをやってみない?」と言われたのと、ゆいお姉ちゃんも困っていたから、「少しの間だけでも助けることが出来るのなら」という気持ちから、「じゃあ、やります」って返事をしました。

伊藤ゆい:今でこそライブ中MCもするし、歌も歌いますが、入った当初はコミュ障全開で、MCのときも、「はい」「もうしわけございません」など、アプリに仕込んだ声を流してメンバーやファンたちと会話をしていたくらいだったからね。

じつはHINA、もともと引き籠もりだったんですよ。expieceのメンバーになったのも、いきなりではなくて、その前にexpieceのスタッフとして社会復帰の経験を積んでいたことがきっかけなんです。

DJ HINA: 最初、わたしはexpieceのスタッフとして物販のときにチェキを撮影するなどのお手伝いをしていました。それで、わたしもスピーサーさんたちと面識があったのも、メンバーに声をかけられたときに強く抵抗することなく入れた理由の一つだったと思う。

 

――そして、もうひとつの理由が困っているお姉ちゃんを助けるためだ。

DJ HINA: そう。expieceのDJとして誘われたときも、わたしはメンバーになる意識はまったくなくて、あくまでも新しいDJメンバーが見つかるまでのつもりでした。

 

――当時は、ステージ上でボタンを押すだけの係だったわけだもんね。

DJ HINA: はい。「間単だよ」って言うから…。

伊藤ゆい:マネージャーさんに「MCでしゃべらなくないいよ、マスクも取らなくていいよ、ただ曲を流すときにボタンだけ押してね」って言われてだったよね。

 

DJ HINA そうすることでゆいお姉ちゃんも、グループも助かるし、そこは一石二鳥だからと思って「わかりました」と答えてメンバーになっていくうちに、何時の間にか…。

 

――HINAちゃんがメンバーになると決意した理由も気になります。

DJ HINA: 最初の頃は、「わたしはアイドル活動には向いてない」と思うことのほうが多くて…。

伊藤ゆい:ライブを終えるたびに泣いてたもんね。

DJ HINA: 人前に出るのがホントに苦手で、お客さんに観られてるという時点で身体が固まっちゃうから「もう無理、続けられない」と思っていたんですけど。それでも続けていくうちに、わたしのことを応援してくれる人が出てくれば、わたしをメンバーとして必要と感じてくれる人たちが増えだしたことから、何時しか「わたしもみんなの想いに応えたい」と思うようになったのが大きかった。

伊藤ゆい:引き籠もりだった性格も、どんどん変わっていったよね。

DJ HINA: うん、最初はボタンを押すだけの役割だったけど。そのうちライブのセットリストやMCの内容も自分で決めるようになれば、歌うパートも増えだしたことから、expieceの中での役割も少しずつ増えました。最初の頃こそ「自分なんかいなくても何も変わらない」と思っていたけど、だんだん自分の役割が増えれば、それに責任感と楽しさを覚えられるようになってからはどんどんやる気が出てきました。だから今、「新しいDJが決まったよ」と言われても、「いらない!!」と断ります!!

 

入った当初は、まだまだ人としゃべることへのブランクがあったから、ステージ上ではまったく話せなかったんです。

 

 

――HINAちゃんの意識もだいぶ変わりましたね。

DJ HINA: だいぶ変わりました。

伊藤ゆい:間違いなくHINAの表情は明るくなりました。expieceに入った当初は、まだまだ人としゃべることへのブランクがあったから、ステージ上ではまったく話せなかったんですね。だけど今は、MCでしゃべるどころか、煽りをやれば、歌まで一緒に歌えるようになりました。ライブ中もマスク姿だから、表情の変化は目でしかわからないけど、目に覇気が出ているのは身近で見てても感じてます。

 

――HINAちゃん、自分ではどの辺に大きな変化を覚えています?

DJ HINA: 一番大きな変化は、「We are expiece!!」という曲の中、サビでお客さんたちと一緒に歌うところがあるんですけど。以前までのわたしは大きい声で歌うのが恥ずかしくて、ずっと裏声で歌っていたんですね。理由は、裏声ならみんなに聞こえないだろうと思って。だけど、ボイトレに通うようになって、初めて地声で歌ったら、応援してくれてる人たちに「今日、声出てたじゃん」「歌声が届いたよ」と言われ、それで自信をつけられたのが大きかった。

その後、DJ HINAの生誕祭で1曲歌う事になって。そこから、他の曲でも歌うパートが増えて、歌うことの怖さがなくなったように、あのときの経験が自分を一番変えてくれたと思います。

 

――今では、もっともっと自分の歌うパートが欲しい気持ちもあります?

DJ HINA: 歌うパートをもらえるのは嬉しいんですけど。心配なのが、HINAが歌うことでexpieceの歌のレベルが下がっちゃうんじゃないかってこと。まだ自信を持って「わたしの歌を聴いて」というレベルにはなってないから、引き続き歌をいっぱい練習して、早く自信を持ってそう言えるようになりたいです。

 

――話を聴いてると、HINAちゃんの成長に合わせてexpieceの支持も高まっているようにも感じます。ゆいさんは、その辺どう感じています?

伊藤ゆい:HINAが歌うパートが増えるたびに、楽曲の魅力を伝えるうえでの歌の深さは増してきたなぁと感じています。お互い声質は似てるんですけど、実際に歌ったときの対比が今のexpieceの個性にも繋がっていれば、互いの声の魅力を活かそうと、HINAが加入して以降の新曲では二人で歌うことを魅力にした曲たちが中心になりだしたように、わたし自身がexpieceの曲に新鮮さを覚えながら楽しく歌っています。むしろ、HINAが成長するたびにわたしが焦ってます(笑)。

 

――そうなんですね(笑)。

伊藤ゆい:あんなにおどおどとした姿でステージに上がっていたHINAなのに、今では、わたしがHINAに元気づけられることも多いし、HINAの頑張りを間近で見ていることもあって、「わたしも頑張らなきゃ」という気持ちにさせられることも正直多いです。

 

――HINAちゃん、ライブ中のMCでは、いろんなキャラクターを作って登場していますよね。

DJ HINA: そうやってお客さんたちが楽しんでくれるならと思って、いろんなキャラクターになってMCをしています。

伊藤ゆい:HINAの面白いところが、一応、事前に「今日はこういうMCにしよう」という打ち合わせをするんですけど、本番になると、わたしが予想もしていなかった切り返しや、変な姿で登場するなど、いろんな力と遊び心を発揮してくること。たまに、素で笑っちゃうこともあるからね。

 

――今のexpieceの魅力は、そこにもあるわけだ。

伊藤ゆい:そうです。とても素晴らしい楽曲を毎回いただいているように、そこは恵まれているところでありつつ。DJ HINAのキャラクターの面白さも今のexpieceのライブの魅力になっているのは、わたしも横にいて実感しています。

DJ HINA: ライブでも、SNSでもそうだけど。キャラクターを出しすぎると引かれるし、出さなすぎると興味を持たれないから、そこの上手いバランスを見つけようと、今はいろいろ試行錯誤しています。なので、これからの変化も楽しみにしていてください。

 

TEXT:長澤智典

 

 

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