FEATURE

2024.10.01
ハナフサマユ

色を題材にするのも面白いと思ったことから出てきたのが、「色彩」というテーマでした。 ハナフサマユ インタビュー!

 ハナフサマユが、10月2日に通算4枚目となるアルバム『色彩』を発売する。彼女は、セルフライナーノーツへ「様々な色の「絵の具」はそれぞれの役割があって、またいくつかの色を混ぜると新たな色になった。人もそれぞれの色があって、誰かと関わることで色が増えていく人生。どんな色も必要とされているように人もそれぞれの良さがあることを伝えたいアルバム。12色入りの絵の具のカラーを12曲それぞれに当てはめました」と記していた。その言葉の意味を、本人の言葉を通してお伝えしたい。


『アネモネの果て』や『プリムラ』、今回のアルバムで言えば『エリンジウム』など、花の名前をタイトルにつけることは確かに増えてますね。


──秋になると、マユさんの新しいアルバムに触れる季節がやってきたなと感じます。

ハナフサマユ  今年も、そう。今は、CDという形で世に放つのがなかなか難しい環境の中、毎年コンスタントにアルバムを出せることを本当にありがたく感じています。

──マユさんの歌には、"花言葉"をモチーフにした歌もいろいろありますよね。毎作品ごと、どんな花言葉をモチーフにした楽曲が出来るのかな?!という密かな楽しみもあります。

ハナフサマユ  『アネモネの果て』や『プリムラ』、今回のアルバムで言えば『エリンジウム』など、花の名前をタイトルに付けることは確かに増えてますね。普段からお花が好きで、「これは何っていう花だろう?」「花言葉は何だろう??」と調べますし、そこから楽曲へ発展していったこともあります。

──最新アルバムのリードトラックの楽曲タイトルにもなった『エリンジウム』も気になっていた花の一つでした?

ハナフサマユ  エリンジウムの花が家にあったことが、そもそものきっかけでした。わたしが1stアルバムの『Blue×Yellow』を発売した時期(2021年10月)にいただいた幾つかのお花の中に、ブルーを象徴するお花の一つとしてあったのがエリンジウム。そのときから、他とは異なる魅力を見せる花でしたし、一般的なお花とは違う花びらを咲かせ、強い存在感を放つエリンジウムが気になっていたので、花言葉を調べたら「光を求める」という意味があったんですね。その言葉がきっかけになり、今回のアルバムを彩る一つの色として似合うなと思い、楽曲を作りました。

──事前にいただいた資料の中に、『エリンジウム』について、マユさんは「エリンジウムはよくある花の形とは違い、トゲトゲしていて青い色をしている。他とは違うことは個性で、それぞれの良さがあることを伝えたい曲」と記していました。花言葉の「光を求める」はもちろん、先の言葉も含めての思いを『エリンジウム』で表現したかったのでしょうか。

ハナフサマユ  そうですね。自分の個性ってすごく曖昧といいますか、自分でも把握しきれないもの。自分では個性と思っていたものが、回りから見たら意外とそうでもなかったりもする。デビュー以降、ミニアルバムも含めると本作でアルバムは5枚目になります。作品を重ねるごと、自分の得意とするところや、自分が求められていることは何か??を考えるようになれば、時には、それを意識して曲を作る自分もいます。その感情を踏まえ、自分の得意分野を詰め込み、その個性を輝かせる曲として、わたしは『エリンジウム』を作りました。『エリンジウム』は、今回のアルバムのテーマを「色彩にしよう」と決めたときに生まれた楽曲でもありました。


「色彩」というテーマが生まれる蕾は、その頃に生まれたもの。


──「色彩」というテーマが生まれたきっかけも気になります。

ハナフサマユ   先に『春と門出』を作って、春に配信リリースをしました。そのときから、この曲にピンクという色を強く覚えていました。「色彩」というテーマが生まれる蕾は、その頃に生まれたもの。その後、正式に「秋にアルバムを出そう」と決まり、『春と門出』の収録も決めたことで、色を題材にするのも面白いと思ったことから出てきたのが、「色彩」というテーマでした。そこから、絵の具やクレヨンなどは12色で一つのセットになっていることも多いから、アルバムにも12色の歌を配色し、12曲入りの作品にしようと決めました。そのうえで最初に生まれたのが、先に触れた『エリンジウム』でした。
  じつは、秋にアルバムを出すことを決めたのが春先だったことから、「夏頃に配信でもう1曲先行で出そう」となり、6月リリースを決めたことで作ったのが、『栄光に向かって」。夏前にリリースということで、今年はパリで開催になるオリンピックもあれば、夏の恒例行事として甲子園もあるから、チームの中で「夏はいろんなスポーツ行事があるし、今年の夏はスポーツの話題で花咲きそうだね」という話をしていく中、これまでスポーツを題材にした楽曲を作ったことがなかったから、一つの挑戦として書いたのが『栄光に向かって」になります。こちらは黄色を当てはめていますけど、配色は、楽曲が完成後に「黄色が似合いそう」という理由から当てはめました。

──12の色が、12人の心模様にも重なって見えてきます。

ハナフサマユ  1曲ごとに登場する主人公の心模様が異なるから、結果的に12人の心模様を彩ったアルバムに落ち着きました。むしろ、「色彩」というテーマを決めたことで、「この色にはこういう思いが似合いそう」と作った曲もあったくらい。一つのテーマを据えたことで、より楽曲制作がスムーズに進んだ面はありました。

──先に絵の具やクレヨンと言ってましたけど。作った曲に色を当てはめるよりも、あらかじめ決めた色に合わせて曲を作った形なのでしょうか?

ハナフサマユ   「色彩」というテーマを決める前に生まれていた楽曲は、後で色を当てはめましたけど。新曲たちは、その色を当てはめるようにも作りました。


アルバムのリリースが10月に決まり、アルバムのテーマを「色彩」と決めたうえで秋=茶色と配色。秋のイメージを持って作ったことから、楽曲タイトルもOctober=10月にしています。


──SNSでの誹謗中傷を題材にした『憂さ晴らし』が"黒"なのは理解できますが、彼女の幸せを願う一途な男性の気持ちを歌った『星が降る度に』が"緑"だったのには、どういう背景があったのでしょうか?

ハナフサマユ  『星が降る度に』と『アステリズム』は、星を題材にしています。本当なら、星=白にしたかったのですが、『彩りキャンバス』を"白"にしたかったので、他の色を当てはめました。『アステリズム』を"黄緑"にしたのは、あなたとの想い出の景色の中に「もえぎ色のベンチ」という言葉を用いたことで、もえぎ色=黄緑にしました。『星が降る度に』に出てくるのは、心優しい男性。優しい人には"緑"の印象を持っていたから、そうしています。

──なるほど、そういう繋がりがあったんですね。

ハナフサマユ  "茶色"を当てはめた『October』の場合、アルバムのリリースが10月に決まり、アルバムのテーマを「色彩」と決めたうえで秋=茶色と配色。秋のイメージを持って作ったから、タイトルをOctober=10月にしています。"オレンジ"を題材にした『Darling I love you』では、歌詞に「五時半の夕焼け」と記していたことから、大切な人とのひとときやその気持ちを、オレンジの夕焼けが広がる時間帯と合わせて選びました。

──このアルバム、1曲ごとに記された物語と、色がどう結びついているのを探りながら聴くと、より深みを持って曲たちを味わえそうですね。

ハナフサマユ  せっかくCDという盤にしていただく以上、1枚を通して、中にいろんな工夫を散りばめました。それは楽曲のみならず、ジャケットやブックレットも含めて。ぜひ作品を手に取り、いろんな風に想像を巡らせながら、このアルバムを楽しんでもらえたらなと思います。

──歌詞一つをとっても、受け手の解釈次第でいろいろ想像の広がっていく楽曲もたくさん入っていますよね。

ハナフサマユ  旅立ちの季節を舞台にした『春と門出』だって、"別れと出会い"という物語の中にも、いろんな解釈や物語が広がっていきます。それこそ、受け手の人の気持ちや捉え方次第でいろんな解釈の広がる『彩りキャンバス』を"白"にしたのも、人が人生を描くとしたら、それはまず白いキャバスから始まり、そこへいろんな人生の色を彩ってゆくわけじゃないですか。その彩りも、その人次第でいろいろと変わっていくから、解釈の広がる曲として書いたし、だからこそ、この曲には"白"を当てはめたかったんです。
   アルバムの流れの面でも、冒頭に『エリンジウム』『彩りキャンバス』と並べたのも、最初にこの作品を通して言いたかったことをドンと提示し、そこからいろんな物語を伝え、聴いた人それぞれに収録した曲たちへ、その人なりの彩りを与えてほしいなと思ったからでした。
 

意外と多いのが、「前作はこうだったけど、今はこう」など、過去の経験から今へと繋がる思いが新しく作る楽曲に反映していくこと。


──マユさんは、アルバムを制作するごとにテーマを掲げてきました。毎年、「今回はどういうテーマにしようか」と思い悩むことも多いのでしょうか?

ハナフサマユ  アルバムのテーマやタイトルを付けるときは、けっこう悩む時間も多いと思います。意外と多いのが、「前作はこうだったけど、今はこう」など、過去の経験から今へと繋がる思いが新しく作る楽曲に反映もしていくこと。前作に収録した、推しに対する思いを書いた『Farfalla』が、思いが膨らみ、今回の『トリコ』へ繋がるなど、過去の曲に登場した主人公の今を書いてみようとなることもあります。少し視点は変わりますけど。『アネモネの果て』で花言葉を題材にしたことから、花言葉をテーマに据えた『プリムラ』や『エリンジウム』が生まれるなど、これまでの歩みが、新たな形を持って今に繋がることはよくあります。

──新作アルバムが出るたびに、アルバム単体としてはもちろん。じつは、すべての作品が一つの繋がりを成しているんですね。

ハナフサマユ  自分で作詞作曲をしているからこそ、すべての思いは根底で繋がっていますし、そうやって作品を重ね続けていけるのが、みずから楽曲を手がけるうえでの特権ですからね。


いろんな色を重ねながら、ツアーフイァナルの場でどんな新たな色彩が広がるのかを楽しみたいです。


──11月からは、東名阪を舞台にしたワンマンツアーがスタート。合わせて、10月から2月にかけて「ハナフサマユ2マンツアー ~色とりどり~」もスタートします。

ハナフサマユ  ワンマンライブは、わたしの楽曲が好きな人たちが多く集まってくれる場。そこは、自分にとってのご褒美の場じゃないですけど。そのときのわたしが表現したいような形にして伝えています。2マン公演は、相手もいてのライブだから、共演する方の色に合わせて選曲する楽しさもあれば、あえてガラッと色を変えて特色を出す楽しさもあるなど、いろんな表現の仕方が出来るから、そこの違いを楽しみたいし、見てくださる方々にもそこを味わっていただけたらなと思います。合わせて、ワンマン・2マンライブの合間にも、いろいろとイベントライブにも出演するので、その形態に合わせたいろんなハナフサマユの姿を、ライブを通して楽しんでください。

──そのうえで迎えるのが、来年4月25日に行う"なんばハッチ"での公演になります。

ハナフサマユ  今回のワンマンツアーの中で、いきなり"なんばハッチ"で公演を行うよりも、ワンマン・2マンツアーを重ねたうえで、一連の流れをツアーのファイナル公演の地になる"なんばハッチ"へ繋げたかったんですよね。そこへ至るまでに、どんな色彩を重ねていけるのか。いろんな色を重ねながら、ツアーフイァナルの地でどんな新たな色彩が広がるのかを楽しみたいです。

──最後に改めて、アルバム『色彩』は、今のマユさんにとってどんな1枚になったのかを聞かせてください。

ハナフサマユ  このアルバムが出来たことで、わたしもそうですし、誰かの人生を肯定できる1枚になったらいいなと思います。日々、暮らしていく中でいろんなことがある中、自分を認めたり、自分を愛せる、そんな1枚であったら嬉しいです。聴いた方それぞれの感じ方で、その人の中でいろんな色が広がっていけたらいいですよね。


TEXT:長澤智典
 

<インフォメーション>


JKT

■NEW 4th ALBUM『色彩』
発売日:10月2日(水)
品番:TKCA-75246 価格:2,800円(税込み)
<CD収録楽曲>
M1. エリンジウム
M2. 彩りキャンバス
M3. October
M4. Be Free
M5. Who am I
M6. 憂さ晴らし
M7. 星が降る度に
M8. 春と門出
M9. Darling I love you
M10. 栄光に向かって
M11. トリコ
M12. アステリズム

■Digital Single「栄光に向かって」
楽曲配信中:https://tjc.lnk.to/TCwc1KIH

■Digital Single「春と門出」
楽曲配信中:https://tjc.lnk.to/KTOOEbsH


ツアー情報

■「メジャー4th フルアルバム「色彩」リリースツアー ~彩り~」

【愛知】ell.FITS ALL
     日時:11月1日(金)OPEN19:00 / START19:30
【大阪】LIVE SQUARE 2nd LINE
     日時:11月4日(月/祝)OPEN18:00 / START18:30
【東京】渋谷duo MUSIC EXCHAGE
     日時:11月14日(木)OPEN18:45 / START19:30
【大阪】なんばハッチ(※ツアーファイナル)
     日時:2025年4月25日(金)OPEN18:00 / START19:00

■「ハナフサマユ2マンツアー ~色とりどり~」

 【関東(東京)】渋谷TAKE OFF7
日時:10月27日(日)
        ゲスト:橋爪もも
 【関西(神戸)】神戸C-Lump&UP
        日時: 11月30日(土)
        ゲスト:さちかぜあきの
 【山陰(島根)】会場(※後日発表)
日時:2025年1月開催予定(※詳細後日発表)
        ゲスト:山根万理奈
 【東海(名古屋)】会場(※後日発表)
日時:2025年2月開催予定(※詳細後日発表)
         ゲスト:富金原佑菜
 【九州(福岡)】会場(※後日発表)
日時:2025年3月開催予定(※詳細後日発表)
        ゲスト:立花綾香
 
ライブ/イベント出演情報

■10月5日(土)18:45~ 【大阪】グランフロント大阪 うめきた広場
■10月6日(日)13:00~/16:00~ 【愛知】アスナル金山イベントステージ
■10月19日(土)12:00~/14:00~ 【大阪】高槻阪急スクエア店
■10月26日(土) 【愛知】キュリオ常滑イベント
■11月16日(土) 【神奈川】横浜フリーイベント 


SNS

ハナフサマユ 公式HP
https://87mayu.jp/

ハナフサマユ 公式Instagram
https://www.instagram.com/hanafusamayu/

ハナフサマユ 公式TikTok
https://www.tiktok.com/@hanafusamayu?lang=ja-JP

ハナフサマユ 公式X
https://x.com/hanafusamayu

徳間ジャパン Information
https://www.tkma.co.jp/jpop_top/Hanafusa-Mayu.html
 

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