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2023.08.28
IDOLS/HTK48/Girls²/STU48

HTK48×Girls²×STU48 グループの垣根を超えたプロジェクト!!「IDOLS~夢のシークエンス~」ライブレポート

 「普段は別々のグループで活動しているメンバーが、実名で架空のアイドルを演じる新しい形のプロジェクト」。それが、IDOLS。過去に、2回開催。第三弾となる【IDOLS~夢のシークエンス~】には、山口綺羅(Grils²)、運上弘菜(HKT48)、石田千穂(STU48)、中村舞(STU48)の4人が参加。
  本公演は、第1部・演劇パートと第2部・パフォーマンスパートの2部構成。スペシャルゲストとして、小田柚葉(Girls²)と菱田未渚美(Girls²)も出演。ここでは、8月25日に品川インターシティホールで行われた昼公演の模様をお届けします。


 第一部は、演劇パート。80年代の歌謡界で大きな話題を集めた4人組のグループ、IDOLS。でもグループは、とある事件をきっかけに存在を消してしまった。
  舞台は現代へ、IDOLSのオフ会のために集まった4人。みんな、現役のアイドルたち。でも、彼女たちは単なるIDOLSのファンではなく、それぞれに心に抱えた秘密があった。そのオフ会の中に突きつけられた、IDOLS解散の真相を暴露した雑誌の記事。その記事を出版社へ持ち込んだ人が、オフ会の中に‥。
  それを探り出してゆく中で見えてきた、それぞれがここに集まった理由。犯人がわかりながらも、なぜ、今になって暴露したかの意味。さらに‥。

 IDOLS解散の真相を語る4人の回想のシーン。さらに、長い歳月を経て再会した4人が取った行動。それをすべて打ち明けたのが、オフ会の場所を提供したカフェの店主。じつは店主は、IDOLS、幻のデビュー曲の作曲者であり、IDOLSが解体する理由にも関わっていた。

  けっして事件や亀裂があってIDOLSは解散したわけではない。いろんな理由がありながらも、今も深い絆で結ばれているメンバーたちのことを知ったオフ会に集まった4人は、IDOLSの意志と幻のデビュー曲を受け継ぎ、事務所という枠を超え、自分たちの力で改めてIDOLSを立ち上げ、活動することを誓う。 

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  第二部は、現代に蘇ったIDOLSのメンバーが、幻のデビュー曲を披露すれば、80年代の名曲の数々を歌う形で進んでゆく。

 パフォーマンスパートの冒頭を飾ったのが、IDOLSとして歌った『Make a Wish!』。80年代に作った楽曲という背景だが、今聞いても新鮮でポップな。今風でいうなら、シティポップの香りを持った曲調だ。とてもスタイリッシュでムーディな楽曲を、Grils²・HKT48・STU48とグループの枠を超えたメンバーたちが一つのグループの一員として歌っていることも、とても新鮮に見えていた。4人の心を一つにした歌やパフォーマンスは、舞台稽古などを通して培った成果?!その姿に、視線がずっと引き寄せられていた。

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 ここからは、ソロコーナーへ。トップを飾ったのが、山口綺羅。彼女は『don't know(BaBe)』に乗せてダンス・パフォーマンスを披露。躍動した動きも魅力に、同楽曲のインストナンバーに乗せ、セクシーなダンスで観客たちの視線を釘付けにしていった。
  ノンストップで楽曲は、石田千穂の歌う『MUGO・ん・・・色っ・ぽい(工藤静香)』へ。キックのリズムも強烈なダンスナンバーにアレンジした楽曲の上で、石田千穂が原曲のメロディーの良さをしっかりと伝えていった。かわいさの中にも艶っぽさを見せていたところも嬉しい注目のポイントだ。
 『艶姿ナミダ娘(小泉今日子)』を歌ったのが運上弘菜。彼女もチャーミングな仕種やパフォーマンスを見せながらも、歌声の中へさりげなく艶やかな色を加え、フロア中の人たちの視線を舞台の上に釘付けにしていった。魅力的な笑顔を浮かべたうえで魅せる色っぽさも、運上弘菜だからこその味だ。
 伸びのある爽やかな歌声を響かせ、『青い珊瑚礁(松田聖子)』を歌ったのが中村舞。とても清楚な魅力を見せる歌声とパフォーマンスだ。軽やかにステップを踏みながら歌うその姿は、本当にキュート。まるで時代が80年代にプレイバックしたようだ。

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 日替わりコーナーとして、25日の第1部公演を担当したのが石田千穂。彼女はX(twitter)で募った小泉今日子の歌唱リクエスト曲の中でもとくに支持の高かった『あなたに会えてよかった(小泉今日子)』を、胸に想いを秘めながら歌唱。気持ちを曲の世界へ溶け込ませて歌う姿に、観ている側も気持ちを同調しながら、曲の持つ世界に浸っていた。

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 MCで口にした、「みなさん80年代を感じてますかー」の声が嬉しい。石田千穂が無言(ノンマイク)パートのときに何か言葉を口にしていた。「そこで焼き肉弁当美味しかった」言ってたことを、中村舞が当てていた。


  次のブロックでは、山口綺羅が『TIMEシャワーに射たれて(久保田利伸)』に乗せ、大胆な動きも混ぜたダンス・パフォーマンスを披露。リズムと動きがシンクロしたダイナミックな踊りと彼女の笑顔から、山口綺羅が思いきりライブを楽しんでいる様が伝わってきた。
 中村舞は、高音域の歌声を魅力に、少し大人びた表情や仕種、歌声を魅力に、ダンスナンバーにアレンジした『CATCH ME(中山美穂)』を歌唱。クールそうに見せながらも、しっかり熱を持ったパフォーマンスを示してくれたのも嬉しい。
 運上弘菜は、天使のようなフワフワッとした甘い歌声を魅力に『天使のキッス(松田聖子)』を歌ってくれた。どこか甘えた素振りも見せながらせまる乙女な姿に、胸がドキドキしていた。
 このブロックの最期を飾ったのが、石田千穂の歌う『My Revolution(渡辺美里)』。彼女もチャーミングさを生かしたうえで、歌うごと声に熱を加え,とてもエモーショナルな歌声をフロア中に響かせていた。原曲とはひと味異なる、爽やかで真っ直ぐな姿がとても印象深く瞼に焼きついた。みんなで大きく手を振りながら、気持ちを一つにしてゆく景色も素敵だ。


 MCコーナーでは、4人で初めて会ったときのエピソード話を披露。中村舞がとても人見知りしていたけど、気づいたら、みんなで普通の会話が出来るまでに関係が深まっていたことなどを語っていた。次は、ユニットブロックのコーナーへ。


  山口綺羅と中村舞の組み合わせで歌ったのが、『愛が止まらない~TURN IT INTO LOVE~(Wink)』。2人はスタンドマイクを前に、互いに歌いをリレーしながら、サビでは声を重ねあわせ、少し艶めいた歌を場内中に響かせていた。サビなどでは、一体化したダンスなど、視線を引き寄せるパフォーマンスも見せていた。躍動的な姿も魅惑的だ。
 運上弘菜と石田千穂も、『寂しい熱帯魚(Wink)』を披露。同じWinkの曲でも、歌い手と曲が変われば、見え方が違ってくることを、2曲を通して実感。2人は、ファルセット声も含め、綺麗なハーモニーを描くことを心がけながら歌っていた。どの曲でもそうだったが、マイクを手にしている人以外のメンバーも、つねに歌っている人の振りを真似ながら楽しんでいたことを伝えておきたい。

 ここからは,ふたたび4人のIDOLSとしてのパフォーマンスへ。『フライデーチャイナタウン(泰葉)』では、ファンキーかつパワフルな楽曲の上で、4人が力強く伸びのある歌声を響かせ、観客たちのハートに熱い刺激を与えていった。大人びたセクシーな歌を、4人が歌うことで、どこか甘い親しみやすさを感じる。そこが、IDOLSの4人としての魅力だ。張りのある声で4人がハモッたときのインパクトは、気持ちを熱く騒がせた。
  続けてIDOLSは、『悲しみがとまらない(杏里)』を歌唱。4人は舞台を目一杯使い、観客たちとの距離感をグッと縮めた姿を示していた。この歌でも4人は、冒頭からインパクト強の強いハーモニーを響かせ、フロア中の人たちのハートをしっかりと奪っていった。たとえそれが切ない曲だろうと、4人の気持ちを一つにした歌声に触れ、冷静でなどいれない。場内のあちこちから、彼女たちに向かって熱いコールが飛び交っていたのも印象的だった。
 

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 MCで山口綺羅は、「お客さんのノリもいいですし、私たちもしっかり思いが届けられて嬉しい」と語っていた。


  最期にIDOLSとして歌ったのが、『真夜中のドア(松原みき)』。この曲でも4人は、胸に秘めた思いを打ち明けるように、そして、痛い感情を歌声に乗せて解き放つように歌っていた。4人の歌声に"想い"を感じていたのも、4人が愛しい思いを持って歌っていたからに違いない。4人が気持ちを一つに歌う声のエモい魅力に、心がずっと引き寄せられていた。


  このシリーズは、今回が第三弾。第四弾が、どんな内容と組み合わせで催されるのかも楽しみになってきた。


TEXT:長澤智典


セットリスト
『Make a Wish!』IDOLS
『don't know(BaBe)』山口綺羅
『MUGO・ん・・・色っ・ぽい(工藤静香)』石田千穂
『艶姿ナミダ娘(小泉今日子)』運上弘菜
『青い珊瑚礁(松田聖子)』中村舞

『あなたに会えてよかった(小泉今日子)』石田千穂

MC

『TIMEシャワーに射たれて(久保田利伸)』山口綺羅
『CATCH ME(中山美穂)』中村舞
『天使のキッス(松田聖子)運上弘菜
『My Revolution(渡辺美里)』石田千穂

MC

『愛が止まらない~TURN IT INTO LOVE~(Wink)』山口綺羅・中村舞
『寂しい熱帯魚(Wink)』運上弘菜・石田千穂
『フライデーチャイナタウン(泰葉)』IDOLS
『悲しみがとまらない(杏里)』IDOLS

MC

『真夜中のドア(松原みき)』IDOLS
 

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