FEATURE
Ayakaヴォーカル版で見せた、甘美で浪漫な狂気の世界。 「Mashup LIVE -異彩- streaming by GALPO LIVE SHOW Vol.4」 囁揺的音楽集団AsMR編
太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを筆頭に、音楽系Vtuberユニット Silent Emotionなど、いくつものバンド/ユニット/ソロアーティストが所属しているMashup Records。同レーベルが、2023年1月より、太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラスの3バンドを中心に据えたイベント「-異彩-」の定期開催をスタート。
第四弾として行われたのが、4月26日(木)に青山RiZMで催した「Mashup LIVE -異彩- streaming by GALPO LIVE SHOW Vol.4」になる。この日は、ゲストに高校3年生17歳のシンガーソングライター安城夢那が出演。さらに、オープニングアクトで増井みおも登場。当日のライブの中から、ここでは囁揺的音楽集団AsMRの公演の模様をお伝えしたい。
囁揺的音楽集団AsMR
ライブはゴシック浪漫な匂いを振りまく『薔薇の狂死曲』を可憐に歌い奏でる姿から幕を開けた。とてもクラシカルでシンフッォニックな香りを振りまくライブだ。しかも歌い手を、この日はAyakaが担当。得意のポエトリーと甘く囁く声を巧みに織り交ぜ、この空間に甘美なひとときを作りあげてゆく。歌謡・大正浪漫の匂いも振りまきながら、甘美に、耽美に、陶酔するようにライブは進んでいた。
舞台は、一変。荒ぶる音がフロア中に鳴り響く。どんなアクシデントが起きようと、彼女たちは、そのとき、その場の状況に合わせ,カメレオンのように色を塗り替え、その場に似合う最上級の華激な衝撃を描き出す。Ayakaヴァージョンの『雷命INFESTER』で聴かせた、激しさを打ち出しながらも、耽美さとメロウな面をより強く押し出した丸みを帯びた姿も、この日は嬉しい見どころになっていた。
Ayakaのポエトリーが、意識の下へスッと沈むように響き渡る。「さよなら光 お帰り涙~あなたへのトレモロ」。その物語が導き出したのが、『トレモロ』だ。「さ・よ・な・ら ひ・か・り」「お・か・え・り・な・み・だ」と囁く声。その言葉を合図に、重厚なGINAのキターが唸りを上げる。緩急を生かした荘厳シンフォニックな演奏の上で、生を確かめるようにAyakaが囁く声で歌う。その気持ちをemyu:のヴァイオリンが優しく背中を押してゆく。サビ歌では、Milliのコーラスも背景に流しながら、艶やかさを増した声を響かせていた。たとえいつもとは編成が異なろうと、『トレモロ』の持つ幽玄でドラマチック/轟音シンフォニックな世界は,いつものように闇の中で光を放っていた。ただ、いつも以上に耽美な匂いを感じていたことが、この日だからこその嬉しいサプライズにも思えていた。
エレクトロな音と重厚な生演奏が絡み合う。emyu:の狂気を抱いたヴァイオリンの音色が舞い踊れば、GINAの音がノイズのような衝撃を耳目に与える。タオルを手にしたAyakaが、『震撼SCREAMER』を歌いながら、観客たちを熱情した世界へグイグイ引きずり込む。さぁ、もっともっと心を解き放ち、騒いでしまいなよとでも言うように、Ayakaが甘い声で誘いをかけていた。演奏が進むごとに、楽曲全体が踊りだす。躍動ではない、確かにこの日の演奏は踊っていた。
弾む気持ちをさらに跳ねさせるように、最後に囁揺的音楽集団AsMRは『Saturated World』を演奏。この曲でも巧みに緩急した表情をつけ、サビではおおらかな様を描きなから、いつしかフロア中の人たちを、囁揺的音楽集団AsMRの描く悠久浪漫な世界へと飲み込み、狂気を湛えた杯を飲み干すように、甘美な世界で心地好く意識を微睡ませていった。
PHOTO:鶴田健吾
TEXT:長澤智典
SNS
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https://twitter.com/asmr_band
■インフォメーション
Mashup LIVE -異彩- streaming by GALPO LIVE SHOW Vol.6
日程 2023年6月26日(月)
会場 青山RiZM
出演 まだ見たことのないセカイ/太田家/囁揺的音楽集団AsMR/月照ラス
前売り 3000円 当日 3500円
開場18:15 開演18:45
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https://ch.nicovideo.jp/galpoliveshow