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2022.12.17
ゆるっと革命団

乙女と野獣。禁断の関係どうしが、禁断の壁を互いに壊しあい、思いを一つに繋ぎあい、互いに熱狂に溺れていた。 ゆるっと革命団 ライブレポート

12月12日(月)、ゆるっと革命団が、Shibuya TAKE OFF 7を舞台にワンマンライブ 『ライブ レボリューション 〜save hina vol.1〜』を行った。メンバーの菅原ひなは現在、がんという病気と闘うために活動を休んでいる。タイトルへ「〜save hina vol.1〜」と付けたように、このワンマンシリーズは、菅原ひなが舞台の上に元気な姿で戻って来ることを願い、彼女の復帰を応援する思いも含めて行われた。
  チケットはソールドアウトを記録。改めて、ゆるっと革命団の人気の高さを示してくれたのも嬉しい。この日は、前半/後半の二部構成で実施。しかも、マスク越しなら声出しはOK。ただ、この日は伊森ゆきも体調を崩して欠席。5名でのライブになった。


前半

 気持ちをアゲるアッパーなSEが流れたとたん、場内中から大きな声が飛び交う。ライブが始まってからも、フロア中の人たちの口上やコールをする声がすごすぎて、メンバーの歌声を掻き消すほどだ。彼女たちは、冒頭を飾った『あめ色ストーリー』を通し、胸をキュンと鳴らす愛らしい歌声とチャーミングな仕種を見せながら、満員の観客たちのハートを甘い刺激で次々と撃ち抜いてゆく。フロアから沸き立つ熱情した口上と、メンバーたちのとろけそうに甘い歌声が交じり合い、この空間の中で熱く、ロマンチックな物語を描き出す。この日のストーリー(ライブ)、かなりハートをバーニングしていきそうだ。

  続く『fromJP』 でも、5人が「好きより大好き」と歌う声に向け、これまで以上に声を張り上げた口上が飛び交う。彼女たちは絶叫した数多くの声を胸の内でギュッと受け止め、熱い恋の告白にして届けていった。メンバーらに向かって飛びだした寅寅寅MIXも熱い。フロア中の人たちは絶叫しながらも、サビでは甘メロな歌や振りに合わせ、同じ振りをしながら気持ちを一つにしてゆく。メンバーらへ向けた「ちょー可愛い!!」の声も、胸アツだ。愛らしい踊りを見せる彼女たちに熱い視線を向けつつ、フロア中から沸き立つ熱情した声の数々に、その場に一緒にいながらも気持ちが嬉しく押されていた。

  MCでは、この日のライブに、今、病気療養中の菅原ひなが戻って来るまで、ここをずっと守り続けるからという思いや誓いも込めていたことを語っていた。

  『君といるセカイ』では、メンバーらの歌に合わせ、冒頭からフロアのあちこちで一緒に歌う声も誕生。「巻き戻したくて」「巻き戻せなくて」と掛け合う場面も含め、5人と満員の観客たちが心拍数を合わせ、思いを一つに声を重ねれば、熱いクラップで、この空間に熱情した景色を作りあげていった。メンバーらと一緒に「君を見たあの日から 頭の中 離れない」と歌う、観客たちの歌声の迫力が凄まじい。少し切ない思いを胸に歌う彼女たちの姿も、胸をキュッとしめつける。

  この空間をカラフルでポップな世界へ塗り上げるように、ゆるっと革命団は『Poppin‘Candy』を歌唱。5人に甘くとろけそうな声と表情で、「本当は誰が好きなの」「君の一番がいいの」などおねだりするように歌われるたびに、無条件に心が降伏する。いや、彼女たちのためにもっともっと熱い思いを注ぎたくなる。この歌のキャンディ、長く頬張るほど、口の中に甘い恋心が広がっていく。「君の一番がいいの」「俺もー」のやりとりなど、この曲でも、メンバーと観客たちとの熱くて甘い告白が繰り広げられていた。

  前半部の最後を飾った『にゃんこいわーるど!』が始まったとたん、「にゃー にゃー~」の熱い声がフロア中から飛び交いだした。彼女たちは、甘えた素振りで見ている人たちを挑発。「名前を呼んでほしいの」や「あなたの声聴かせて」の声に向け、メンバーらの名前を呼ぶ様など、互いが両思いの熱い関係になり、燃える恋心をぶつけあっていた。舞台の上には、愛らしい姿の乙女たちが。フロアには、野太い獰猛な声を轟かせる野獣たちが誕生。まさにこの関係は、乙女と野獣。禁断の関係どうしが、禁断の壁を互いに壊し、思いを一つに繋ぎあい、共に熱狂に溺れていた。これは、まだ前半部だ。後半は、どれだけ熱情した関係か生まれるのか…。


 メンバーらによる、病気と闘っている菅原ひなに向けての思いを言葉にしたメッセージが、次々と流れだす。そして、後半へ…。


後半

 後半戦は、ミュージカル映画の幕開けを飾るような『エリスと不思議な夢日記』からスタート。冒頭から、フロア中の人たちが歌いだす。メンバーたちは、舞台の上でチャーミングな仕種を振りまきながら、一人一人がファンタスティックでドリーミーな世界の住人となり、はしゃぐように歌い踊っていた。
 
  愛らしい空気へ、キラキラしたカラフルな輝きが降り注がれる。フロア中の人たちをさらにロマンチックな世界へ連れたすように、5人は『GIVE U MY SONG』を歌っていた。胸をキュンキュンときめかせ歌う彼女たちの姿が、刺激的で眩しい姿になって飛び込んできた。彼女たちが「あなたに歌を贈りましょう~離れていても届けるから」や「あたしの歌声 真剣 Listen 歌うよ」と歌う声が、この日は、療養中の菅原ひなに向けた歌としても響いてきた。

  熱情ロマンチックな『フリージア』でも、彼女たちは胸の内に抱いた思いを力強く響かせていた。メンバー自身が、沸き上がる熱情へ導かれるように歌っていた。フリージアの花言葉には、「親愛の情」「感謝」「友情」「期待」「純潔」という意味がある。彼女たちが「遠く離れていても忘れないでねずっと 本当はそばにいたいよ」「素直に君に伝えられたら」と歌う声も、ここではない、違う場所で必死に闘っている仲間(菅原ひな)へ向けた希望や夢を抱いた歌のエールとして響いていた。メンバーたちと同じ振りを真似ながら踊る観客たちも、この日は5人と。いや、この日欠席した伊森ゆきも含めた6人と、気持ちを同じにしていた(と思っていたい)。

 隠しておきたい胸の内を零すように、彼女たちは『星のなみだ』を切ない声色で歌っていた。フロアからは、歌のヒロインに心を染めた5人に向かって、励ましの口上が飛び交っていた。曲が進むごと、歌声に熱情した思いが加わりだす。5人と気持ちを一つにした観客たちも、熱い声を上げながら、共に心を切ない色に染めていた。

  「離さないで 離れないで 全部あげるから 早く 早く 早く」と歌うメンバーの甘えた歌声から、楽曲はスタート。でも、曲のエンジンが一気にフルトロットルで駆けだしたとたん、熱情した空間に染め上がる。『SecretKeys』、めちゃめちゃエモくてアッパーな楽曲だ。途中、三拍子に転調。すぐに楽曲は凄まじい速度で爆走しだす。サビで歌う「離さないで 離れないで わたしだけを見ていてね」や「鍵をかけて 髪を撫でて 全部あげるから」と、強い思いを抱いた歌声を胸に突きつけるたび、魂が奮える。メンバーと一緒に、フロア中の人たちも「胸が痛いの ホントはか弱い女の子だもん」と大合唱。メンバーと観客たちが一緒にすべての気持ちをぶつけあい、熱情した歌声の接吻を交わしあっていた。「大好きだよ」の声に向け、「俺もー!」のコールが飛びかっていたのも、胸アツな光景だ。

  美しく清楚な乙女になったメンバーたちが、愛らしくも浪漫を抱いた『空はなみだ跡』に気持ちを寄り添え、淡い思いを告白するように伝えてきた。歌が進むごと、声が熱を帯びてゆく様が伝わる。メンバーらへ向けてフロアから飛び交う熱情したMIX。その声も受け止めながら、5人は胸に潜めた思いを歌声に乗せていた。ソロパートを歌う神凪星七に向け、フロア中の人たちがしゃんで思いを捧げ(ケチャし)てゆく場面も印象的だった。

 「昨日とは違う道に続く 新しい空の下~純潔の花は美しく」、メンバーたちか歌う『純潔の花』に合わせ、フロア中からも一緒に歌う声が飛び交えば、メンバー一人一人が歌うたびに「お前が一番×3」の声も上げていた。メンバーたちは、楽曲の中のヒロインと気持ちを同化し、清楚に、優しく歌声を紡いでゆく。その姿へ向けて飛び交うコール。ときには一緒に歌いながら、彼女たちの切ない気持ちを、フロア中の人たちも自分の気持ちとして受け止め、共に心を重ね合わせていた。

  「一緒に歌ってくれて、ありがとう。みんなメンバーですね」の声も嬉しい。ゆるっと革命団にとってこの日が、新体制としては初。ワンマンとしては3年3カ月ぶりになる。でも、残念ながらベストメンバーでの公演にはならなかった。だからこそ、本当にゆるっと革命団としてあるべき姿でふたたびワンマンの場を作ることを、本編最後に誓っていた。


アンコール

 アンコールは、フロア中から熱いクラップやMIX声が飛び交った『ミセス神さま』からスタート。気持ちをアゲてゆくポップでアッパーなビートチューンだ。この曲でも、メンバーの歌にフロア中の人たちが声を掛け合えば、熱いエールをぶつけていた。無条件で、気持ちをわちゃわちゃとはしゃがせる楽曲だ。その熱さに刺激を受け、メンバーと一緒にMIXを打てば、熱情した声を張り上げ続けるのも納得だ。メンバーと一緒に飛び跳ねる様も含め、互いが赤い糸で固く結びあっていることを示していた。

  最後にゆるっと革命団は、お祭り系の音頭曲『ぐりったー☆』の上で、思いきり可愛いらしさを振りまきながら歌いだした。舞台の上で、夢馳せる思いにわくわくするメンバーたち。フロアで沸き上がる観客たちへ向かって手を振るなど、5人ともこの場で一緒に輝き、熱情することを思いきり楽しんでいた。「それそれそれそれ」と一緒に盛りあがれば、メンバーとフロア中の人たちが大きくタオルを振りまわして熱狂。最後はみんなで「ラララ ラララ~」と歌いながら、共に祭りあがっていった。

  この楽しさは、やはりワンマンでなければ味わえない。早く、7人姿のゆるっと革命団の姿に振れ、一緒に沸き上がっていたい。


PHOTO:Daisy
TEXT:長澤智典

 

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セットリスト

前半
『あめ色ストーリー』
『fromJP』
『君といるセカイ』
『Poppin‘Candy』
『にゃんこいわーるど!』

後半
『エリスと不思議な夢日記』
『GIVE U MY SONG』
『フリージア』
『星のなみだ』
『SecretKeys』
『空はなみだ跡』
『純潔の花』

アンコール
『ミセス神さま』
『ぐりったー☆』

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