10月9日に東京キネマ倶楽部で行われた「FAZ vol.3」。当日のライブより、ブリオガジャのレポートをお届けします。

ブリオガジャ

  どこかに存在するエルドラドを探すように、ブリオガジャのライブは歌始まりの『エルドラド』から幕を開けた。民族音楽風の音色を活かしたスケール大きな楽曲の上で、メンバーたちは黄金郷を探し求めるよう強い意志を持った歌声を響かせていた。彼女たちの歌やパフォーマンス姿は、冒険へ繰り出す女戦士たちのよう。その凛々しい姿が、エルドラドにも見えていた。

躍動したダンスロックナンバー『革命』を通し、彼女たちはフロア中の人たちを熱く煽りだす。メンバーたちは腕を高く掲げ、観客たちを理想郷へ導くように煽動してゆく。ブリオガジャには、観客たちを先導する雄々しい楽曲やライブパフォーマンスがとても似合う。メンバー自身が、沸き立つ熱い気持ちを胸に、このシーンに革命を起こすくらいの強い意識で立ち向かっている。その気迫が、短いイベントステージからでさえしっかりと伝わってきた。

　メンバーとファンたちによる熱いクラップの交わしあい、メンバーたちのパフォーマンスを挟み、ライブは『i hope』へ。この曲でメンバーたちはクールな歌声を響かせる。その歌声の背景から熱いエナジーが滲み出てくるところが、感情的な歌を魅力にするブリオガジャらしさ。歌が進むにつれ、凛々しいパフォーマンスにソリッドさが加わっていた。同じく、凛々しい歌声にも程よい緊張感が張りだす。心地よくもスリリングな空気に、気持ちが嬉しく掻き立てられる。そして…。

　最後もブリオガジャは、『AKATSUKI』を通して会場中に熱い衝動を降り注いでいった。これまで以上に、開放的でエネルギッシュな楽曲という理由もあるからだろう。フロアのあちこちで高く伸ばした手が天へ向かって大きく突き上がれば、メンバーの動きに呼応するように揺れ動いていた。気持ちを解き放ち、一体化してゆく景色が胸に熱い。この熱情した様が、きっと真っ赤な地平線の先に広がる未来へ繋がっていくのだろう。

PHOTO: 永瀬一幸、大西基
TEXT:長澤智典

SNS

https://twitter.com/vary_gp