FEATURE

2022.05.22
アンダービースティー/長瀬夏帆

アンダービースティー8周年ホール公演の場で、長瀬夏帆、卒業。 アンダービースティー ライブレポート

 5月20日(金)、アンダービースティーがメルパルク東京ホールを舞台に、バンドを従えて結成8周年公演を行った。この日のライブは、映像にも収録。どんな形でこの日の記録を目にする機会が生まれるのか、そこも楽しみにしていたい。

 破壊的なSE音に乗せ、先に演奏陣が登場。その後、舞台左右からステージ中央で交錯するようにメンバーが姿を現した。
  ライブは、この空間に灼熱の熱狂を呼び起こすように『灼熱ECSTASY』からスタート。多数のレーザー飛び交う舞台の上が、とても華やかだ。その彩りにも負けない存在感を示すように、7人は凛々しい声を上げ、総立ちの観客たちを挑発してゆく。舞台の上で華麗に舞い踊りながら。でも、歌声は滾るほどに熱情している。7人のハーモニーと、バンド陣の爆裂した演奏が綺麗にシンクロするたびに、気持ちが嬉しく騒ぎだす。
  この日は、バンド演奏を従えるからこそより活きる、激しい楽曲を軸に構成。『Nyx』でもメンバーたちは、身体突き刺す攻撃的な演奏の上、見ている人たちのハートを射抜く勢いで力強く歌声を刺してゆく。広い舞台の上で躍る7人の姿も可憐で美しい。なのに、身体から発するのは真っ赤に燃え盛る熱々したオーラ。まさに、アンダービースティーらしい姿がそこにはあった。
  「いくぜ!!」の声を合図に、力強く拳を振り上げ歌い煽るメンバーたち。フロアからは演奏に合わせ熱い手拍子が炸裂。曲が進むごと熱した血を身体中へ注ぐように、彼女たちは『new journey』を歌っていた。アイドルらしい華やかなパフォーマンス姿なのに、その身体と歌声は熱く躍動。見ている人たちを挑発し続けていた。
  今宵の『occult propose』は、生バンドの演奏を背にしたことで何時も以上に熱情した心の叫びとして響いてきた。可憐な気持ちが、どんどん華激になっていく。舞台の上の愛らしい乙女たちが、いつしか妖しい女神たちのようにも見えてゆく。メンバーの動きに合わせ、一緒に飛び跳ねた瞬間、気持ちを恍惚へと導いていった。彼女たちの熱い誘いに、熱い思いをぶつけ返したい。いや、そうし続けていたい。

 「今日は深く心の残るライブになったら嬉しいなと思います」「未来に繋げるためにも、大切な日にしたいと思います」。メンバーらの言葉を受け、次のブロックへ。
  
  「とくに生バンドでやりたかった楽曲です」の言葉に続いて歌ったのが、『LEGEND PLEADGE』。スケール大きくも激しさを抱いた楽曲だ。高ぶる気持ちをキャッチーな歌に乗せ、フロア中に響かせるメンバーたち。胸をくすぐる伸びやかなギターの旋律と、疾走し続ける楽曲の上で、彼女たちは優美な姿と歌声を響かせ、楽曲に華麗な彩りを与え続けていた。
  歪みを上げた攻撃的なギターの音を筆頭に、重厚な音が攻めたてる。轟音の上で、胸張り裂けんばかりに熱情した想いを、メンバーらは『DIVISION』に乗せ、響かせていた。身体を突き刺す激烈した音と、哀愁を覚える歌声が交錯してゆく。熱情という琴線を強く刺激してゆくこの感覚が、たまらない!!
  鋭い爪を剥きだしに、舞台の上で思いきり騒ぎ始めたメンバーたち。『ARCADIA CAT』だ。甘い表情など一瞬で隠し、彼女たちは挑むような視線のもと、妖しく挑発し続けていた。軽快にステップを踏み、ステージの上で軽やかに舞い踊りながらも、挑発の手を緩めないところがアンダービースティーらしい。
  さらに激しく熱情するように、彼女たちは『Past Perfume』を通して攻めだした。胸をグッとつかむサビ歌へ触れるたび、鼓動が激しく高鳴る。切ない感情を、彼女たちは熱情に変えて突きつけてゆく。メンハーたちの大きく振る手の動きに合わせ、客席でも多くのカラフルなペンライトや光や、掲げた手が大きく揺れる。一体化したこの景色が美しくも鮮やかだ。

  短いインターバルを挟み、ライブは後半へ。メンバーらが激しいパフォーマンスを通してぶつけたのが、『Real Blade』だ。メンバー一人一人が、雄々しい声を張り上げ、観客たちを挑発し続ける。野生の魂を剥きだしに攻める、まさに戦闘モードに心を武装したアンダービースティーの姿がそこにはあった。いつも以上に雄々しく、オラオラと攻める歌声として響いたのは、7人がバンド演奏に気持ちを突き動かされていたからか。
  雄々しく高ぶる気持ちを、さらに熱情した血で染めあげるように、彼女たちは『ANTHRO』を、声を張り上げ、高ぶる感情のままに歌っていた。挑発する彼女たちの歌声に触れ、気持ちが熱く奮い立つ。沸き立つ血がどんどん沸騰してゆくのが身体を通して伝わる。滾るこの熱情を、すべて吹き出してしまいたい。客席中の人たちが力強く右手を振り上げ、舞台の上へ想いをぶつけてゆくのも、すごくわかる。
  これまで以上に気持ちを高ぶらせるように、彼女たちは『raven』を歌っていた。とても胸をくすぐる美メロウな楽曲だ。でも、メンバーたちが攻めた意識で、しかも荒ぶる演奏を背に歌うことで、沸きたつ感情に黒い翼が映え、一気に大空へ飛び立つ気持ちにも染まってゆく。メンバーらが力強く振り上げるその腕は、何時しか舞いあがるための翼に変わっていた。強固な意思を持って歌うその姿が、とても凛々しい。
  さぁ、ここからは『ROCK ALIVE』に乗せ、激しいダンスパーティーだ。彼女たちは、舞台の上で思いきり飛び跳ね、観客たちを挑発し続ける。その動きに合わせ客席中の人たちも思いきり高く跳ね続けていた。身体を小刻みに揺ら挑発し続ける7人。メンバーらが飛び跳ねるたびに、客席中でも無数のカラフルな光が頭上高く波打っていた。その声は、心を、身体を熱くさせていた。
  
  これまでの激しい姿から色を塗り替えるようにアンダービースティーが歌ったのが、『over the sky』。とても晴れた楽曲だ。ここに至るまでの日々、楽しいこと以上に、苦しみや葛藤、高い壁を、彼女たちは何度も乗り越え続けてきた。その経験の積み重ねがあって、8周年という今の自分たちが存在している。それをわかっているからこそ、すべての負の要素を飲み込み、それを青空へ思いきり解き放つように、7人は、希望に満ちた表情で『over the sky』を歌っていた。彼女たちが心の中に抱いている希望を持った想い。その想いをさらに膨らませるように、7人は、次の曲へと想いのバトンを手渡した。
  「自分たちが一番つらいときに、自分たちやみんなをもっと幸せにしたいと思って書いた曲です」。最後にアンダービースティーは、ここに集った仲間たちと一緒に、明日の扉を開くための力強い一歩を踏み出そうと『happiness to you!』を歌っていた。8周年という一つの区切りとなる日だから??それもあるだろう。何時だって彼女たちは、大きな節目を迎えるとき、『happiness to you!』を歌いながら、仲間たちと一緒に未来をたぐり寄せてきた。本編兵最後に、しっかり未来を見せてくれたことで、またこの続きを一緒に見たい気持ちにしてくれた。

 アンコールには,病気のために、この日卒業する長瀬夏帆が登場。この日が最後とは思えない、いつものポンコツな姿なのが、彼女らしい。「16歳のときから24歳の8年間で、話したいことは山ほどあるけど」と語ったうえで、長瀬夏帆は書いてきた手紙を読み出した。


LIVE


「楓ちゃん、同じロック好きで、友夢ちゃんから「夏帆と味覚が似てるよ」とずっと聞いてたから、ずっと気になっていたし、「一緒にご飯にいきたいなぁ」と思ってたけど、一緒に行く前に卒業になってしまって残念です。夏帆は、楓ちゃんの好きなバンドとは違うバンドを聞いてたりするから、同じロック好きでも、別々の趣味だぁと思っていたから、今度ロックの話を一緒にしたいです。夏帆の代わりに、ヘドバン頑張ってください。

 かなみちゃん、幼少期からずっと楽器を続けていて、この間、音大を卒業したのを聞きました。わたしも幼少期からバレエを習っていて、友達とあまり遊んでいなかった時期がありました。それをずっと続けていたことや、吹奏楽部だったこともあって、楽器を弾いていたことはあったんですが、同じ楽器をずっと続けていくことにわたしはとても憧れがあったので、「かなみちゃんはすごいな」と思って見ていました。アンダービースティーの活動も大変だと思うかも知れないけど、一つのことをずっと続けていられるかなみちゃんなら絶対に大丈夫だと思うし、期待もしています。ディズニーの音楽とゲーム音楽が好きなので、今度ヴァイオリンで弾いてください。

 鈴炎ちゃん、最初見たときに、この若さで歌とダンスが出来て、こんなにお顔が可愛いなんてずるいと思っていたし、友夢ちゃんから「若いのにとってもしっかりしてるんだよ」と聞いて、いったい鈴炎ちゃんは何者なんだと思ってました。ほんとは一緒に活動をしたかったし、もっと鈴炎ちゃんのことをよく知りたかったなと思っていたので、残念です。個人的に顔がタイプなので、これからも鈴炎ちゃんのことを見ていきます。

莉南ちゃんはとにかく歌もダンスもパワフルで上手で、大好きです。でも、糞ガキで、そこが妹みたいで可愛いところでもあるけど。いつもわたしは「長瀬様」と呼ばれていて、莉南ちゃんなりの気遣いなんだろうけど、そろそろ普通に呼んでください。最近、友夢ちゃんや事務所のスタッフさんたちと話す機会があったときに、「莉南ちゃんが糞ガキじゃなくて、大人になった」と聞いてビックリしていました。「新メンバーが増えて、お姉ちゃんみたいにしっかりしてきたんだよ」とスタッフさんが言ってるのを聞いて、楽屋も綺麗に使えるようになったのかなと思ってたけど。今日、「また汚しちゃった」と楽屋で言ってたので、そこは直ってないんだね(笑)。でも、莉南ちゃんはいつでも、夏帆にとっては可愛い妹なので、これからも夏帆の前では可愛い妹でいてください。

美緒ちゃんはもともと美容師さんとして働いていて、そこからダンスの経験もない中、アンダービースティーとしてアイドル活動を始めたよね。わたしは上手ではなかったけど、幼少期からずっと習い事をしていました。勉強があまり得意なほうじゃなくて、アンダービースティーとしての活動を辞めると決めたとき、普通の仕事が出来るかと考えたときに、無理だと真っ先に思いました。そのときに、この世界に飛び込んできて、ずっとアンダービースティーの難しいことに挑戦し続けていく美緒ちゃんを見て、「すごいなー」と心の底から思いました。これからもアンダービースティーとしての活動を頑張っていってください。

  春乃友夢、最初に会ったときに、同い年で、歌もダンスも上手で、そのうえしっかり者で、MCも上手くて「嘘だろう」と思ったし、たぶん友夢ちゃんも「こんなのが同い年だなんて嘘だろ。」と思ったと思います。約8年間一緒にいたけど、まさか、こんなに仲良くなれるとは思わなかったです。仲良くはないか(笑)。わたしが病気になって記憶がないときに、忙しい中、病院に付き添ってくれたり、入院中、退院後、正直アンダービースティーのことを見るのがつらい時期もあった中、励ましてくれたのが友夢ちゃんでした。友夢ちゃんは歌もダンスも本当に素敵で、「こういう人がプロなんだな」って16歳のときに、はじめて会ったときから思ってました。わたしも、もっともっと頑張らなきゃなってずっとずっと思って頑張ってきたけど、なかなか上手く出来ない中、根気よく友夢ちゃんはレッスンに付き合ってくれました。これから友夢ちゃんに怒られる回数が経るとなると、少し寂しい気もするけど。自分にちゃんとしっかり出来るように頑張ります。あと、春乃と長瀬の関係性の最期の一つは、いつか話そうね。

 植竹優亜さん、わたしが16歳のときからずっとずっとお世話になってきた先輩で、アイドルに最初あまり興味がなかった中、アンダービースティーのコンセプトと優亜ちゃんの人間性に惹かれてアンダービースティーのメンバーに加入して頑張りたいと思いました。優亜ちゃんは本当に凄い人で、歌詞も書くし、動画編集もするし、デザインもするし、わたしがまだ高校生のときは、大学に行きながらアンダービースティーのリーダーとして活動をしていました。本当に使い物にならないポンコツをメンバーとして優しく迎え入れて、こうやって一緒に長年活動してくれて、本当に嬉しかったです。一緒に出来て本当に良かったです。優亜ちゃんの書く歌詞が本当に好きで、病気をしてからいろんな曲を聴くと、いろんな歌詞が心に刺さり、思い入れのある曲がより増えました。優亜ちゃんは、たまに抜けてるし、靴下左右違うのを履いてたりするし、すごく可愛いお部屋に食品サンプルを飾っていたりするし、深夜にゲームに突然誘ってきたりするし、一緒にいてもいまだによくわかんない人だなと思うけど、全部優亜ちゃんの魅力だし、大好きなところです。正直、そこらの優亜ちゃんの推しより、わたしのほうが優亜ちゃんのこと大好きだと思います。これからは優亜ちゃんの隣には立てないけど、これからも優亜ちゃんのことは大好きです。

  プロデューサーさん、わたしは前にワンマンライブのMCで「アイドルに興味があったわけじゃなくて、ロックが好きでアンダービースティーに入ろうと思って、アイトルになりました」というお話をしたことがあります。プロデューサーさんの書く曲がとても好きです。これからはもう歌えないのがすごく悔しいけど、8年もの間、アンダービースティーに在籍できたこと、こんな恵まれた環境で活動できる場所は他にないと思います。わたしが病気をしたとき、万が一を思って、ずっとステージに立つことを止めていたのがプロデュスーサーさんでした。16歳のときから、右も左もわからない、本当のごく普通の女子高生に、こんな素敵な居場所をくれて、素敵な景色を見せてくれたプロデューサーさんには感謝してもしきれないです。8年間ありがとうございました。

最期に、ファンの方々。わたしは女子校出身で、アイドルを始める前、男の人と会話をするのちょっと苦手だなと思っていたので、少し「やだな」と思っていたのですが、アンダービースティーのファンの方はそんなことはぜんぜんなく、加入した当時から本当に優しい方ばかりで、わたしの好きな音楽の話だったり、ゲームやアニメ、映画の話だったり。いろんなお話の出来る人たちばかりで本当に楽しかったし、特典会でお話する時間がただただ幸せでした。病気で記憶喪失になっていて、7月から9月までの記憶がほぼゼロに近いのですが,いつも誕生日のある時期に、twitterで#長瀬夏帆と過ごす夏というのをしていました。ハッシュタグと一緒に夏帆との名前でツイートしてねというのを毎年やっているのですが、このツイートをしてくれた人たちのおかげで、忘れていた記憶をtwitterを見ながら思い出せたくらい、ツイートしてくれた人たちには感謝しかないです。この活動を始めてから、みなさんからいただいたすべてのものを残しているので、読み返していました。わたしが休んでいる間も待っていてくれて、本当にありがとうございました。難病に罹ったにも関わらず、本当に奇跡的にわたしはとても元気だし、この先についても考えてはいるので、またみなさんに良い報告が出来るように頑張りたいなと思っています。」
 

 最後に、卒業する長瀬夏帆にも向け、そして、未来のアンダービースティーへ向けて歌ったのが、『スポットライト』だ。会場中の人たちが力強く手拍子をしながら、舞台上の7人に、長瀬夏帆に、熱いエールを送っていた。大切な仲間が、病気のため、志半ばでアンダービースティーを旅立つ。でも、長瀬夏帆に当たっていたスポットライトはけっして消えることはない。僕らが、アンダービースティーのメンバーらが、長瀬夏帆という存在に輝きを与え続けてさえいれば、何時までも長瀬夏帆はアンダービースティーのメンバーとして居続けてられる。「君にありがとう」の歌詞のひと言を、この日は、卒業する長瀬夏帆に送りたい。もちろん、これからもアンダービースティーが照らす未来の光を追いかけ続けていたい。

LIVE


PHOTOINTETSU
TEXT:長澤智典


セットリスト
『灼熱ECSTASY』
『Nyx』
『new journey』
『occult propose』
『LEGEND PLEADGE』
『DIVISION』
『ARCADIA CAT』
『Past Perfume』
『Real Blade』
『ANTHRO』
『raven』
『ROCK ALIVE』
『over the sky』
『happiness to you!』
-ENCORE-
『スポットライト』
 

次回ワンマンライブ開催決定
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2022.11.21(月)国際フォーラム C
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8周年記念CD 2枚同時リリース⚡️
━━━━*\配信シングル/*━━━━
「dark hope」
「afterlife」
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エイベックス・エンタテイメントより
近日発売予定
https://twitter.com/underbeasty/status/1527617019398344706


アンダービースティー SNS
https://twitter.com/underbeasty
https://underbeasty.jp/

植竹優亜(@yuairisUB)
春乃友夢(@yumu_34 )
神谷美緒(@kamio03o12 )
今井莉南(@imai_rina )
大坂鈴炎(@osaka_suzuka)
桜井かなみ(@kanaminnn1021)
羽石楓(@kaede_ub)                                          
長瀬夏帆(@ub_nagase) 

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