FEATURE

2021.09.28
Aphrodite

黒い轟音渦巻く中、闇/病みの宴を催したAphrodite。その一夜の模様をレポート!!

黒い轟音渦巻く中、闇/病みの宴を催したAphrodite。その一夜の模様をレポート!!

 9月24日(金)、渋谷CLUB QUATTROを舞台にAphroditeは単独公演「月は無慈悲な夜の女王」を行った。この日は、タイトルに記した新曲「月は無慈悲な夜の女王」をライブで初披露。Aphroditeらしい黒い轟音渦巻くライブの模様を、ここへ記したい。

 闇の中へと響く心を幻惑する音色。重苦しい音の調べと魅惑的な歌声が、観ている人たちを闇の奥底へと広がる黒い楽園へと導いてゆく。落ちて、落ちて、、落ちて、、、落ちた先にいたのは、黒いドレスを身にまとった修道女たちだった。彼女たちは蝋燭の灯に手に、舞台の上をゆっくりと歩き出す。動きを止めた彼女たちがフッと息を吹き、揺らめく灯火を消し、この空間を闇へ返すと同時に。会場中へ悲鳴にも似た歌声が響きだした。

 「なぜ悲しいの、なぜ傷つけるの…」。その歌声へ導かれるように、轟音が流れだす。猛々しい音へ6人のメンバーらの合唱が重なるとともに、楽曲は「Ēlysion」へと形を成していった。黒い修道服のような衣装を身にまとった6人の女神たち(新里菜摘のみ男装の麗人姿)は、可憐な動きを示しながら。でも、沸き立つ気持ちを凄まじい感情の塊に変えてぶつけてきた。慟哭にも似た心の叫びを、彼女たちは煽る声に変え、身体を揺らしながら届けてゆく。

  とても凛々しい姿だ。Aphroditeのライブへ熱狂の風景を描き続けている「GENESIS」に乗せ、沸き立つ気持ちを吐き出すように彼女たちは身体を奮わせ歌い躍っていた。刺激的な黒い轟音と自分たちの感情を重ね合わせた6人は、轟音シンフォニックな音が渦巻く世界の中、ここで生きていることを示すように張り裂けんばかりの声を上げていた。

  理性をぐちぐゃぐちゃに掻き乱す轟音が身体を直撃。楽曲が進むたびに、騒ぐ気持ちを抑えられない観客たちが次々と立ち上がり、舞台の上で舞い躍るメンバーたちへ熱い視線と拳のエールを送っていた。とても雄々しい歌声と姿だ。6人は「ユダの接吻」に乗せ妖しく、でも、凛々しさを持って歌いかける。熱を満載した黒い音の接吻は、触れた人たちの気持ちを奮えさせた。

 ラウドでゴシックなギターサウンドが暴れ出す。黒い重厚な楽曲の上で、メンバーたちは「セラフィムの夜」の夜を、まるでオペラ歌手のような様で、フロア中の人たちへ向けて歌いかける。楽曲と歌声と踊りが巧みに重なりながら、心を魅了する景色を描き出す。フロア中を支配しているのは凄まじい轟音だ。でも、そこに甘美を覚えれば、胸潤す耽美でメロディアスな彼女たちの歌声に触れ心が震えるからこそ、轟音と闇が支配する舞台劇に強く惹かれてゆく。

 黒く歪みを上げた轟音は、さらに黒い熱を増してゆく。攻撃的な音とは裏腹に,気持ちを高陽へ導くハーモニーを作りあげるメンバーたち。「creator」も、そう。他の楽曲でも、Aphroditeは轟音の中へ、聞き手の心をグッとつかむ耽美で甘美な歌を重ねてゆく。ときに激しく攻めながらも、尊くも美しく、ときに雄々しい歌声へ触れるたび、彼女たちの織りなすシンフォニックな歌声に酔いしれてしまう。

  MCでは、意外と緩い姿を見せるところもAphroditeの魅力??

  奈落へとぐいぐい引き込むような楽曲が轟きだした。メンバーたちは観ている人たちをけしかけるよう挑発的な姿勢で、ときに拳を天高く大きく突き上げ、「lament」を歌い踊りながら観客たちを煽りだす。凄まじい轟音の中でさえ、ときに感情のストッパーを外し叫ぶ彼女たちの強い意志を持った歌声が、生き生きとした姿となり胸へ突き刺さる。だから、その歌声を全力で受けとめたくなる。

  美しくも壮麗な幕開けだ。そこへラウド/ハードコア/ゴスな演奏を描き加えながら、楽曲は、短い感覚で様々に表情を変え爆走していく。「Distopia」、観ている人たちの感覚の螺子を次々と熱情という炎で溶かし、歪ませてゆく。彼女たちは舞台劇の一場面を描くような様を見せながらも、全員で気持ちを一つに雄々しき歌声を重ねあわせ、観ている人たちを刺激していった。

  そこに広がっていたのは、楽園?それとも…。今まで以上に凄まじい轟音を振りまき、彼女たちは絶叫し、ときに酔いしれるように歌いながら、「EDEN」を届けてきた。理性を破壊する衝撃的なサウンドも魅力だが、この曲は、サビへ向かうにつれ歓喜と高陽が高まりだし、サビで彼女たちと一緒に恍惚のひとときへ浸れる美しき高陽感を与えてゆく。ここに存在している自分を力強く示すように、彼女たちは高く拳を突きあげ歌っていた。

  身体を痛く激しくつんざくギターの旋律が、耳に心地好い。美しくメロィアスながらも艶かしい、幻想/轟音/浪漫を舞台の上に描きだす「My Sweet Bach」の登場だ。刺激的かつ轟音浪漫な音の上で、彼女たちは華麗に歌い、舞い躍る。黒い女神たちが笑みを浮かべ戯れる宴の、なんて甘美なことか…。闇の中で存在を解き放つ病んだ人形たちの宴に触発され、気持ちの奮えが止まらない。

  MCではけっこう緩い様で、進化し続けてゆくAphroditeについて説明していた。ここで、2022年2月12日に下北沢シャングリラでワンマンを行なうことを発表。それに伴い全国各地へ足を運ぶことと、来年シングル発売を予定していることも伝えてくれた。
      
  最後にAphroditeが届けたのが、この日初披露となった新曲の「月は無慈悲な夜の女王」。Aphroditeと言えば轟音でゴシックな音楽。その印象を嬉しく裏切る、光や希望を抱かせる楽曲だ。漆黒の闇の中へ、突如、強い輝きを放つ一本の光の筋が見えたような…。同時に、歌声へ抱きしめられたような温かさも覚える。でも、全体的に激しければ、途中には、身体を折り畳み暴れられる表情も組み込んでいるように、心で絶叫しながら、感情も、体力も一気に吐き出せる楽曲だ。

  Aphroditeは、新しい表情を見せながら今宵のライブの幕を閉じていった。最後の曲で新里菜摘が興奮のあまりの熱狂しすぎ、口を切って血だらけ?になっていたことも伝えておこう。


PHOTO: 成松哲
TEXT:長澤智典

 

LIVE

 

セットリスト
1 Ēlysion
2 GENESIS
3 ユダの接吻
4 セラフィムの夜
5 creator
6 lament
7 Distopia
8 EDEN
9 My Sweet Bach
10 月は無慈悲な夜の女王


★インフォメーション★

Aphrodite SNS
https://twitter.com/aphrodite_idol
http://aphrodite-official.com/

 

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