FEATURE
kolme LIVE MUSEUM 「Do you know kolme?」 -again- ライブレポート ー「これがライブだ!」って心から感じましたー
昨年、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、延期を余儀なくされたkolme 5周年ツアーファイナル公演。ちょうど1年後の開催を予定していたが、緊急事態宣言の影響もあり、さらに延期し3月20日に満を時して開催される。何度も延期になったがゆえに、kolmeの3人は並々ならぬ思いでステージに立つことだろう。1年前に予定されていたライブを同じ会場の渋谷WWWXは、感染対策が万全に取られ、座席数も50%に制限されている会場は、静かに今日の幕が上るのを待つ。
開演前のBGMが収まり静けさが開幕の合図となり、今日の期待を込めて会場から拍手が巻き起こる。そして、オープニングSEが流れ、3人がゆっくりとステージに立つ。
まずは「Gotta look」からだ、静かに始まるこの曲は、これからライブの盛り上がりを整えるようにクラップを促し、彼女たちは踊り出す。5周年ツアー衣装を身に纏った3人は今日も切れ味抜群で、会場を魅了する。1年ぶりに締めくくられるツアー最終公演ということもあり、まずはウォーミングアップと言わんばかりにいつも以上に体を動かしペースアップしてくる。続けて「Get your control」へ。深く刻まれるリズムに、客席は自然と体が揺れる。そしてステージは、そのリズムを受け取り歌声を繋いでいく。そして「Tie me down」へ、ジャジーな楽曲でクールに攻めてくると、会場の空気を変えてくる。声、表情、ダンス、すべてにおいて、この歌の世界観を表現してくる。
今日のRUUNAも、絶好調だ。もともとボーカルに定評はあるが、今日は一段高いギアを入れ、初めの1音からカツンとくるように音を飛ばしてくる。声の力強さが魅力の一つだが、さらにしなやかさが加わり心地よく響きわたる。
MIMORIも、ボーカルがいつもと違う。通る声と力強さを持つ彼女だが、今日は特に遠慮なく声を出す。それは、この情勢下の鬱憤をぶつけるように感じ、気持ちがいい。そして、音と戯れ律動に寄り添い歌い踊る姿は、本当に楽しそうだ。
KOUMIは、歌声にも艶がかる。変わらずセクシーさで魅了しながら歌い踊るが、声の響きが伸びやかで、リラックスしながら歌っているのを感じる。いつだって難なくこなすように踊るダンスに、詰めて仕上げたことは、その動きを見ればよくわかる。また一歩彼女の理想に近づいているのかもしれない。
ここからは「楽曲で5周年を振り返っていきたいと思います。」MIMORIが口にすると、始まるのはシングルリリース楽曲パートだ。まずは「To shine」。初めて聞いた時にクオリティの高さに驚かされたのを思い出す。優しいリズムに乗って歌いだすと、この6年間、そして延期になったこの1年を思い出すかのように、優しい表情になる。何度も歌ったこの歌だからこそ、自分自身の成長も感じながら歌っているようだ。続いて「Can not change nothing」だ。ギターの歪みが気持ちいいこの曲は、ドラマのタイアップのために書き下ろされた歌詞が、今までのkolmeの曲作りとは異なりドラマに寄り添うという手法が、ターニングポイントのひとつなっているだろう。ユニゾンで重なる声が、あの頃より、さらに融和しているのを感じる。
そしてピアノの前奏が印象的な「Confession」へ。kolmeがジャジーでダンサブルなナンバーをシングルカットした挑戦的な1曲だ。ポップさを抑えて、より洗練された楽曲は、今のkolmeの方向性の礎となった曲といってもいいだろう。大人っぽさを交えつつ、激しく踊る様子は、フロアにもっと体動かしたくなるでしょ?と言うように挑発的な表情を浮かべて歌で煽る。どの曲もいいのだが、あえて傑作と言わせてもらう「One time」へ繋ぐ。この頃からボーカルの中心をRUUNAに据えて彼女を軸に歌唱を組み立てるようになった転換期といっていいだろう。このリリース以降、kolmeの個性がより洗練されていったように思える。「Bring you happiness」運ぶ事をテーマにしたタイアップ曲。先ほどのクールな流れを断ち切るように、ポップさを表現する楽曲。様々な楽曲にチャレンジし続けてきたからこそたどり着いたポップなサウンドは、ひとつのkolmeらしさを浮き彫りにしてくれる。カッコイイだけじゃない可愛い一面を笑顔とともにメロディに乗せて、会場全体に運び届ける。
そして再びツアーのタイトルにあるアルバム「Do you know kolme?」より楽曲を披露。「Remind me...」はRUUNAが愛犬を亡くし、匂いや感触は薄れていくけど、思い出はちゃんと覚えているという想いで作られたと紹介される。先ほどまでのテンションを一度リセットするように、ミディアムバラードの楽曲に物語のように語られる歌詞は、聞いているだけで情景が浮かび、涙を誘う。作詞したRUUNAがどれだけ愛情深い人物なのかを強く感じる。
「I live in hope」「Same mistakes」と続き、振り付け講座をしつつ「Wonderland」へ。座りながらでもできる手振り身振りに、ファンの心も体もほぐれたところで、
まだまだ上げていきますよ!と言わんばかりにアップテンポに切り替える「Why, Mr.?」へ。最後まで楽しもうと3人は踊り出し、時に自由に、時にカッコよく、時に美しく、ステージを舞う姿が気持ちいい。「Up all night」から「step by step」へと、ここまで全力で踊ってきたとは思えないほど、さらにパワーアップしているかのように楽しいを全身で表現する。「一緒にクラップを!」とKOUMIが声をかけると大きな手拍子で会場中がひとつになる。声は出せないが、コールとして聞こえてきそうなくらい熱のこもったクラップとフロアの笑顔を感じて、彼女たちの汗が光る。
ラスト前に、リーダーRUUNAが代表して話しだす
「みんなと過ごすのが当たり前だったライブができなくなって、みんなが来てくれるのがこんなにも大きかったんだなと感じました。みんなの顔を見て、一緒にボルテージが上がっていくのを感じて、そして、みんなから力をもらって、自分たちのテンションが上がっていくのを感じられて「これがライブだ!」って心から感じました。
昨年は今までやってきたような音楽活動ができなくなってしまい、私たち自身が、すごく不安になるときもありましたけど、今日を迎えられたのは、準備してきてくれたスタッフのみなさんはもちろん、一年間待っててくれたみんなのおかげだと思ってます。ありがとうございます。
kolmeの存在が自分たちにとってこんなに大きかったんだと感じる年月で、みんなとkolmeというグループに支えられているんだと改めて実感しました。
これから世の中がどんどん明るくなって、安心してみんなと笑顔を直接見れる日まで頑張っていきますので、みんなも一緒に乗り越えていってください。これからもよろしくお願いします。」
最後にみんなと手を振って終わりたいと思いますと「Repeat」が始まる。kolmeは自分たち自身のことを歌った曲が多いがこれもその一つだ。今日の歌声は、とても優しくそして、歌詞を投げかけてくるように歌う。ファンへの感謝、そして私たちは音楽を作り続けていくよ。と。こうやって見せることも魅せることもできるのがkolmeなんだろう。
そして、3人はステージの中央に立ち「以上、kolmeでした!」と挨拶をする。
「と、言いたいところですが・・・・」とRUUNAが止め、1年越しのツアーファイナル
その間に作った新曲を披露したいからと、ファンへ少し待ってて欲しいと、新しいカタチのアンコール(?)へ。
全身、赤とピンクでそれぞれ型の違うジャケットにRUUNAはスカート、MIMORIとKOUMIはパンツスタイルの新衣装に着替えて登場。
赤とピンクのヒールに履き替えた彼女たちは、満面の笑みで楽曲を彩る。ジャズテイストであるがオールディーズのテイストも混じるパフォーマンスは、ミュージカルを見ているよううだ。三人の声が重なると最高のハッピーを感じる。間奏ではデビュー曲「To shine」をクロスオーバーさせ、裏打ちでクラップを入れたくなるそのリズムは、まさにパーティだ。
この曲のテーマは「私たちの人生って最高じゃない!!」とMIMORIが語ってくれた。その最高の環境で作られた音楽をいつでも届ける、再生するよと意味を込めた。と何度も聞きたくなるこの楽曲は4月28日にデジタルリリースが決定したと嬉しいサプライズ発表も。
この日のラストは「See you feat. fox capture plan」。またみんなと会えますようにと会場全体で大きく手を振りながら、最後の1音が鳴り終わるのを聞き終わるのと同時に盛大な拍手が巻き起こりライブは幕を閉じた。
<セットリスト>
オープニングSE
01.Gotta look
02.Get your control
03.Tie me down
04.To shine
05.Can not change nothing
06.Confession
07.One time
08.Bring you happiness
09.Remind me...
10.I live in hope
11.Same mistakes
12.Wonderland
13.Why, Mr.?
14.Up all night
15.step by step
16.Repeat
-アンコール-
17.Playback
18.See you feat. fox capture plan
取材・文:もりたはぢめ
<インフォメーション>
2021年5月5日(水/祝)
kolme単独LIVE開催
kolme LIVE「Ultra kolme」
時間:
1部 OPEN 14:00 / START 14:30
2部 OPEN 17:30 / START 18:00
場所:初台DOORS
チケット詳細
https://avex.jp/kolme/schedule/detail.php?id=1088215
kolme
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