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2020.03.04
ゑんら

ゑんら2周年記念ワンマンライブ〜ゑんら成就〜 ライブレポート

連休最後の休日は、2月とは思えないほどの暖かさとさわかさ。見慣れた渋谷の坂道を上りつつ、昨年12月以来のゑんらのライブに期待が高鳴る。
会場に入ると、ギター2本、ベース、ドラム、マニピュレーターのバンドセットが迎える。記念すべき2周年ライブということもあって客席も開演前からわくらくが伝わってくる。

ゑんら


オープニングムービー。渋谷の街中に映し出される、看板やサインマークが見たことある文字だと思ったらゑんらの曲名になっている、凝っている演出だ。気が付いた人もいるかもしれないが、今日のセットリストの曲たちが並んでいる。


ゑんらの3人は、新衣装で登場。今までと同様グレーベースに黒と白のアクセントが入るカラーで、神職装束の狩衣をイメージしたようなデザインに、スカートは、みさとときららは一部が帯状に透けていて、ひかりは左右に大きくスリットの入っている。猫耳にも見える大きなリボンを頭のてっぺんにつけているアクセントがなんとも可愛らしい。

 

ゑんら


いきなり上がる「心中ミッドナイト遊園」からライブが始まる。ゑんらの楽曲はリズムが効いているものが多く、生バンドだとドラム、ベースのサウンドがより心地よく体の奥に響いてくる。3人の歌声は、ややハスキーというか少し鼻にかかるように歌う。その歌声が生バンドと重なった時に、ハーモニーのように調和する。ボーカルも楽器のひとつのように響き合う。かといって決して演奏に埋もれてしまうことのない、耳の奥をくすぐるような歌声で会場を魅了していく。
「のっぺらぼう」からMCを挟み「ホラーかわいい」へ、生バンドになると味付けが変わる。ポップだったサウンドがよりキャッチーになるから不思議だ。
昨年12月のツアーで見たときによりも、彼女たちの進化をしているのがわかる。今日は一段とのびのびパフォーマンスがしているが、ダンスの精度がさらに上がっているように見えた。ボーカルも含めてだが、この日のためにかなりの準備をしてきたのだろうそうでなければ、今日の3人の一体感は出せないだろう。
きららは、自分を魅せることに長けている。どう見られているか何が自分の長所かわかっているのだろう常に笑顔を振りまき、誰よりもオーバーアクションで広いステージでも映えるパフォーマンスを振りまく。ひかりは、何かがのり憑るたかように歌い舞う。表現に長けているのだろう、歌うよりも演じているようにも見えるそれは全身全霊という言葉がよく似合う。体力の限りを尽くしてしまいそうな姿は目を奪われる。みさとは、ステージの支配者なのかもしれない。客席もメンバーもバンドも前後左右が全て見えているのかというくらいの目配りをする。ここぞという時に客席を煽る。ステージのバランスは彼女が取っているに違いない。


MCでは、それぞれ2周年を迎え感謝の気持ちが述べられた。


きらら「私の誕生日がゑんらデビュー日なんです。2年経って振り返ってみて、最初の頃は、色々とできてなかったことも多かったと思うけど、そんな時期からも応援してくださっている人たちがいて、ここにいます。ここまで応援してきてくださってありがとうございます。私たちはZeppを目指しています。今年も色なんなことを始めていきますので、2020年もよろしくお願いします。」


ひかり「今だから話せるけど、私は運営だからと責任やプレッシャーがあって、全部自分で抱えていて余裕がなかった。それがある時限界に達してしまい。2人と一切口をきかない時期がありました。でもこのままではいけないと、一人では無理な時があると打ち明けたら、二人が受け入れてくれサポートしてくれるようになった。それからすごく気持ちに余裕ができて、今はすごく楽しい気持ちで活動できています。そんな時期も一緒にいてくれた二人に感謝、そしてここまで付いてきてくれているみんなにも感謝です。」


みさと「正直、2年もできると思っていなかった。セルフプロデュースなので、全部自分たちで作っている。もしそれを一人でもやめてたら終わってしまうから。喧嘩することもあったけど一緒に作り上げてくれたメンバーに感謝です。そして、こうやって会いに気にてくれるみんながいるから2年間続けてこれました。だからみんなにも感謝しています。私は、こう見えて何もできない、バカだし投げ出したいって思うこともあるけど、みんなのために夢を叶えていきたいと思います。今日はゑんらに会いに来てくれてありがとうございました。」


ジャズテイストもある「厄猫」から「さよならを教えて」「妖怪ディスコ」とジェットコースターのように目まぐるしく曲を続けてくるがこれが唐突ではなく流れるように音が続く、ファンたちはその流れに身を任せて"ゑんらの世界"に溺れていく。
スクリーンにはVJと歌詞が写し出され、さらなる深度で楽曲の世界を引き込む。彼女たちが表現した世界があってそれを魅せる伝える手段がゑんらなのではないかと思わせるほどの歌、ダンス、演奏、映像の調和だ。「君がいない」の落ちサビでは、演奏が消えアカペラになる、生演奏ならではの演出は、3人のハーモニーで応える。サビだけとは言えハモリを聞かせてくるその実力は、アーティストだろう。ただただかっこいい。
楽曲もドラマチックなものも多いがこの日のセットリストでもドラマがある。ライブの定番曲、久しぶりに歌唱する曲、アレンジを変えてきているもの。楽しむ要素が多い。さらに彼女たちがぶつけてくる感情が、ライブをより高揚させる。


タオル曲「ONORE」からライブはクライマックスへ。「だいたらぼっち」では、みさと、ひかり、きららの順でお互いに向き合い手を取る。そして繋いだ手を大きく高く上げる。ミチシルベがありますように。ゑんらの未来を手の先に見るように。そして「アンバランス」で本編は幕を閉じた。

 

ゑんら


アンコールでは、白いTシャツ姿で再び登場。ライブの最後を締めるのは、盛り上がりが約束された「リンネ転生」。ライブの定番曲ではあるが、本編からあえて外すことでこの日の構成の流れを大事にしたのだろう。彼女たち自身が練って作り上げているからこそ感じ取れるものが多いゑんらの2周年ライブは幕を閉じた。

新曲リリースとリリース記念ツアーが発表され、ゑんらの物語は彼女たちが目指す未来へまだまだ続いていくのだろう。

 

 

<セットリスト>
オープニングムービー
01.心中ミッドナイト遊園
02.のっぺらぼう
03.ホラーかわいい
04.厄猫
05.さよならを教えて
06.妖怪ディスコ
07.呪いの飴
08.君がいない
09.迷い地縛霊
10.ONORE
11.だいたらぼっち
12.アンバランス
-アンコール-
13.リンネ転生

 


<インフォメーション>

木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららによる完全セルフプロデュースユニット。
2018年2月10日のデビューライブ以来、全国ツアー「ゑんら怪奇談」、 最先端の映像演出とコラボした新感覚ワンマンライブ「ゑんら百鬼夜行」や、1stアルバム「KEMURI」、1stシングル「さよならを教えて」のリリース、ファンクラブ「ゑんむすび」の設立を行う。
2019年3月2日に開催された一周年記念単独ライブ渋谷wwwx公演SOLD OUT。
初の全国盤流通シングル「妖怪ディスコ」は発売から3ヶ月で1万枚売れたら<全国ツアー>、1万枚売れなかったら<グループ活動解散>というグループの存続を賭けた『10000枚チャレンジ』を敢行。最終発表の総合計枚数は「17,199枚」となり見事達成。
2019年8月より開催の全国ワンマンツアー「ゑんら道中」が決定するなど精力的に活動中。

公式Twitter:https://twitter.com/wyenra

木乃伊みさと
Twitter:https://twitter.com/wyenra_misa
Instagram:https://www.instagram.com/miiramisato/

滝口ひかり
Twitter:https://twitter.com/wyenra_hikari
Instagram:https://www.instagram.com/takiguchi_hikari/

滝口きらら
Twitter:https://twitter.com/wyenra_kilala
Instagram:https://www.instagram.com/wyenra_kilala/?hl=ja

 

 

ゑんら4/29(水)シングルリリース決定

4/29(水)ニューシングル
『アバンギャルドおばけ』発売!

リリースツアー決定
5月9日名古屋RAD HALL 
5月10日大阪2nd LINE 
6月28日渋谷クロール


詳細は公式Twitterにて
Twitter:https://twitter.com/wyenra

 

取材・文:もりたはぢめ

写真:名和洋助

 

 

 

 

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