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2020.02.03
エラバレシ

エラバレシ 朝倉ゆり&イケてるハーツ 虹香、Acoustic Live「Let’s Sing!」-LEVEL1- ライブレポート

エラバレシの朝倉ゆり、イケてるハーツの虹香(にじか)によるアコースティックライブ「Let’s Sing!」-LEVEL1-が渋谷GAREETにて開催された。歌唱力で定評のある2人がアコースティックで、いったいどんな歌声を披露してくれるのだろう。

 

Acoustic Live「Let’s Sing!」-LEVEL1-

 

 

力強く美しく異なる2つの歌声ここから始まる選ばれし2人のストーリー

 

 

時間通りにライブがスタートすると、イントロに合わせて朝倉と虹香が登場。虹香の力強い歌声と朝倉の綺麗な高音ボイスの掛け合い、美しいユニゾンで『選ばれし二人になりたい』をアコースティックバージョンで聴かせる。

 

続いての曲からは虹香によるソロのステージ。心地の良いギターのストロークとともにイケてるハーツの『Let’s stand up!』『Sparkle Power』を感情込めて歌い上げた。そして、本人も「とんでもない名曲をもってきてしまって……」と言う久保田利伸のクラシック『LA・LA・LA LOVE SONG』。アイドルがかのソウルフルなナンバーを熱唱する光景。表情もだが、サビの「LALALA……」では客席にも「一緒に!」とレスを求める余裕も見せる。

 

Acoustic Live「Let’s Sing!」-LEVEL1-

 

ここで、いよいよ虹香の弾き語りパートへ。あいみょんの2018年の大ヒット曲『マリーゴールド』。サビの伸びのある歌声が抜群に気持ちよい。アーティストの風格さえ漂うが、ギターを始めてまだ2ヶ月経っていないというから驚きだ。

 

虹香パートのラストを飾ったのはイケてるハーツの『ルミカジェーン』。本人いわく、高音部分のファルセットを回避するためキーを1つ下げたとのことだが、そのためかいっそう力強さが増して聴こえたような気がした。

 

続けてイントロが始まる。次は朝倉のソロステージだ。ここで虹香から曲紹介。「1985年のあの名曲です。イントロのこのリズムだけで曲がわかった人は特典券10枚プレゼントだそうです!」。レベッカの『フレンズ』の印象的なメロディーとともに朝倉がステージに姿を見せる。可愛らしいルックスの彼女だが、あたかも大人の女性のようなオーラを放ち、切なく、とくに歌い終わりが艶やかで色っぽい。

 

Acoustic Live「Let’s Sing!」-LEVEL1-

 

そして朝倉のソロシングル曲『Sing for』を弾き語りで熱唱。この日の朝倉からはアニメ声でもないのにどこかアニソンシンガーのような印象を個人的に受けた。なぜだろうと思っていたら、どことなくLiSAを彷彿とさせる歌い方に近かったからかもしれない。そんな勝手なことを思っていたのだが、この曲に至っては、サビのファルセットの部分がなんとなく藍井エイルのほうが近いかもしれない……。つまり、彼女がアニソン好きなのは周知であって、とても気持ちのいい高音だったということ。

 

これまでアイドルとしての彼女しか知らないという方は、ぜひこれからはソロとしての朝倉ゆりにも注目してみてほしい。今まさに、大人として、ソロシンガーとして昇華しようとしている。

 

また、エラバレシの『もっと、ねぇもっと』。原曲はメタル感満載の楽曲だが、アコースティックなアレンジもいい。歌詞に耳を傾け、自然と聴き入ることができ、新鮮な感じだ。ギターをかき鳴らすかっこいい朝倉の姿がそこにはあった。朝倉自身「最初、カバー曲として『もっと、ねぇもっと』をリクエストしたとき、まさか通ると思わなかったんですよ! だって、ねえ!?」というほど、たしかに、意外な選曲であった。

 

Acoustic Live「Let’s Sing!」-LEVEL1-

 

 

LEVEL1からLEVEL2へ秋葉原の”バックステージ”からシンガーへと昇華

 

それにしても、2人とも初めての弾き語りライブながら、丁寧に歌い切ったところは、さすがである。バンドサポートメンバーの力もあり、もはやアイドルから一皮むけ、アーティストとしてスタートラインに立ったと言っても過言ではない。まさに本公演のサブタイトルにある「LEVEL1」がこの日スタートしたのだ。

 

MCを挟んで次に聴かせてくれたのは、ピアノのイントロが印象的な『キミをつくる全ての要素』。原曲はイントロのキラキラしたシンセメロから始まるエモソングだが、アコースティックだと歌声とともに歌詞もストレートに入ってくる。彼女のソロステージ、ラストの曲は『残酷な天使のテーゼ』。客席の「まさかこの曲!?」という騒めきを楽しむように、ニヒルな笑みを浮かべながら歌う姿には貫禄さえ感じられた。

 

神曲を歌いきったタイミングで虹香も袖から合流。MCでは、虹香の「今日ね、イケてるハーツのメンバーも来てくれてて、ありがとうみんな!」に対して、朝倉が「エラバレシは……誰も来てません(怒)」と笑いを誘った。そこはユニット内の雰囲気というかキャラというか、わかる気がしてしまうのは筆者だけだろうか……。

 

本公演も残り2曲。ラス前は『リズム天国ゴールド』の挿入歌で知られるキャナァーリ倶楽部の『Rainy〜雨に打たれて〜』。2009年の楽曲だ。なんと偶然にも今回2人ともこの曲をカバーとしてリクエストしていたのだという。虹香は卵型のシェーカーをしゃかしゃかと振りながら歌う。AメロからBメロの間の朝倉の「Oh, yeah!」もかっこいい。メロディといい、歌詞といい、つんく♂節をかみしめつつ、この日のラストをイケハーの名曲『Girl, Me♥』をハワイアンチックなアレンジでしめくくった。

 

アイドルの殻を破ろうとしている、異なるユニットの2人のソロシンガーがこの日誕生した。

 

 

<PROFILE>

朝倉ゆり:秋葉原のアイドル育成型エンターテイメントカフェ「AKIHABARAバックステージpass」発のアイドルユニット、エラバレシのリーダー。現在はユニット活動の傍ら、ソロとしても活動中。

 

虹香:MAGES.のアイドルプロジェクト「Stand-Up! Project」により発足したStand-Up! Records所属アイドルユニット、イケてるハーツのグループ最年少リーダー。現在9人体制にて活動中。

 

 

エラバレシ
【HP】
https://leido.co.jp/erabareshi/
【Twitter】 
公式:@_erabareshi_
朝倉ゆり:@askryrnk

 

イケてるハーツ
【HP】
http://stand-up-project.jp/iketeruhearts/
【Twitter】 
公式:@iketeru_hearts
虹香:@nj_68

 

<INFORMATION>
MEDIA
■イケてるハーツ、エラバレシ出演中「MIRAI系アイドルTV」(TOKYO MX/毎週水26:05〜、サンテレビ/毎週土25:00〜)
■イケてるハーツ出演中「TAKE UR HEARTs」(Shibuya Cross-FM/毎週木曜17:00〜17:50)

YouTube
■朝倉ゆり出演「【公認】石ノ森漫画TV」

 

<セットリスト>
選ばれし二人になりたい/朝倉ゆり・虹香
Let’s stand up!/虹香
Sparkle☆Power/虹香
LA・LA・LA LOVE SONG/虹香
マリーゴールド/虹香(play Guitar)
ルミカジェーン/虹香
フレンズ/朝倉ゆり
Sing for/朝倉ゆり(play Guitar)
もっと、ねぇもっと/朝倉ゆり
キミをつくる全ての要素/朝倉ゆり
残酷な天使のテーゼ/朝倉ゆり
Rainy〜雨に打たれて〜/朝倉ゆり・虹香
Girl, Me♥/朝倉ゆり・虹香

 

 

取材・文:名原広雄 写真:牧野健人

 

 

 

 

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