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2025.05.07
AKB48

「村山彩希 卒業コンサート~りんごの花が咲く頃に~」公演レポート


 2011年12月8日、AKB48劇場で開催された「AKB48 6周年記念公演」に初出演。誰よりも劇場公演を愛し、大切にし続けてきた村山彩希。6月15日にAKB48劇場で行う予定の卒業公演を前に、5月6日、東京ガーデンシアターで「村山彩希 卒業コンサート~劇場が教えてくれたもの~」「村山彩希 卒業コンサート~りんごの花が咲く頃に~」を、昼夜2公演行った。ここでは、「村山彩希 卒業コンサート~りんごの花が咲く頃に~」のことについて触れていきたい。

 村山彩希の卒業公演は、村山彩希が美しく華麗に踊るダンスパフォースマンスからスタート。そのうえで、この日の出演メンバーみんなで歌ったのが、『それでも彼女は』だった。村山彩希がAKB48で約14年間活動を続けてきた理由。劇場公演に強いこだわりを持ち続けた姿勢など、村山彩希自身の心の指針をこの曲に重ねて見ていた。そのうえで、『シアターの女神』を歌う姿に、胸が熱くときめいた。このタイトルこそ、まさに村山彩希に相応しい。
  AKB48で過ごした青春の日々にも重なるように歌った『チャイムはLOVE SONG』。会場中を華やがせた『ハートの脱出ゲーム』とライブは続いてゆく。そのうえで彼女は、みずからがアイドルとして輝き続けてきた証を示すように、カバー曲の『なんてったってアイドル』を、「アイドルはやめられない」と眩しい笑顔を見せて歌い踊っていた。

 次のブロックには,様々なユニットが登場。村山彩希は、1曲ごとに早着替えを実施。『黒い天使』で見せた、大人びた妖艶かつ情熱的な姿。一変、『コップの中の木漏れ日』では、胸をときめかす爽やかな姿で歌唱。ノリノリのポップロールチューン『カフカとでんでんむChu !』。、クール&セクシーな魅力も伝えた『She's gone』とライブは続いてゆく。『あの頃のスニーカー』では、第13期生として共に歩み続けてきた岩立沙穂と2人で歌う姿を見せてくれた。

  躍動したダンスビートに身を任せ、次の楽曲のアクトとなるメンバーが次々と激しいパフォーマンスを見せてゆく。その中には、NMB48のキャプテン小嶋花梨と元SKE48の斉藤真木子の姿も。そのうえで彼女たちは『野蛮な求愛』を歌いながら、力強く、ときにセクシーに挑発するパフォーマンスを通して、観客たちの気持ちを熱く騒がせていった。

 嬉しいサプライズは、まだまだ終わらない。続く『涙の表面張力』では、"ゆうなぁもぎおん"が登場。向井地美音はもちろん、岡田奈々が久しぶりにAKB48のステージに戻ってきたこと。何より、表だった活動を止めていた茂木忍の出演に、場内中の人たちが胸をバクバクしながら興奮の声を上げ、4人に熱い思いをぶつけていた。さらに、この4人を中心に『久しぶりのリップグロス』を歌唱。会場中が熱気に包まれていった。

  次に村山彩希がゲストで迎え入れたのが、彼女がシアターの女神を目指すきっかけとなった人であり、同じくAKB48劇場を守り続けてきた中田ちさと。2人がデュエットしたのが、劇場公演曲の『夕陽を見ているか?』なのも嬉しい。フロア中が夕陽色のオレンジの輝きに包まれていた景色も胸を熱くした。

  ここからは、「もしも村山がチーム○だったら」と題した、妄想コーナーへ。ここでは、チームA、チームK・チームB。そして、チーム4の楽曲を、次々と編成を変えて披露。チームAとして歌唱した『胡桃とダイアローグ』『Ruby』『スコールの間に』。チームKでは、『RESET』『細雪リグレット』『草原の奇跡』を歌唱。中でも『RESET』では、第13期生の岩立沙穂、茂木忍、梅田綾乃、大島涼花、岡田彩花、北澤早紀、篠崎彩奈、髙島祐利奈を迎え入れてパフォーマンス。本当は相笠萌も出演予定だったが、当日、体調を崩しライブには不参加。彼女の意志も胸に、9人は歌い踊っていた。チームBでは、『正義の味方じゃないヒーロー』『てもでもの涙』『チームB推し』を歌唱。中でも『てもでもの涙』では、村山彩希が憧れる柏木由紀とデュエットを披露してくれた。まさかの組み合わせにファンたちが熱狂していたが、きっと一番興奮していたのは村山彩希自身だったに違いない。
 さらに、「やっぱり村山はチーム4だったな」と題し、身体に馴染んだチーム4の楽曲を次々と歌唱。『猫アレルギー』では、村⼭チーム4に所属していた大西桃香が登場。彼女がプロデュースした16期研究生公演「レッツゴー研究生!」でも歌っていた『High school days』では、 村山彩希+第16期生としてパフォーマンス。KLP48に移籍した黒須遥香と山根涼羽もクアラルンプールから駆けつけ、青春を覚える眩しい姿を見せていた。さらに、『清純フィロソフィー』と『LOVE修行』では、「峯岸チーム4」が復活。村山彩希、岩立沙穂、峯岸みなみ・岡田奈々・茂木 忍・梅田綾乃・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・髙島祐利奈という布陣でパフォーマンス。あの頃の記憶を甦らせ、熱狂していた人たちも本当に多かった。
        
  終盤のブロックでは、『Beginner』『Stand up』『風は吹いている』『Loss of time』『夢の鐘』と、メッセージ性の強い楽曲を並べてきた。1つ1つの曲に込めた思いが、村山彩希自身が14年間の歩みの中で抱き続けてきた意志として、強い説得力を持った言葉となり、胸に響いてきた。
 
 本編最後を飾ったのが、岡田奈々をセンターに、横山結衣も加えた、あの当時のメンバーで歌唱した『根も葉もRumor』。あのダイナミックでパワフルな、一糸乱れぬ完璧なパフォーマンスを目の前にして、嬉し涙が込み上がるほどの興奮を覚えていた。まさに、AKB48だからこそ魅せるパフォーマンスに、熱狂しながらも目が釘付けになっていた。

  アンコールは、赤と白の卒業ドレス姿に身を包んだ村山彩希が、卒業ソング『ゆいりー』をソロで歌唱。秋元康はこの曲を、架空の憧れの存在の卒業を歌った曲として作詞。彼女は,、そこへ自身の姿を重ね合わせて歌っていたのだろうか。歌詞に想いを深く込めながら歌う姿も印象深く見えていた。
  みんなでハーモニーを作りあげて歌いだした『流れ星に何を願えばいいのだろう』。ひと言ひと言を大切に歌うメンバーらの姿も印象深く見えてきた。続く『君が教えてくれた』では、登壇した全員が、村山彩希に向けて「君が教えてくれたね」と歌いながら、感謝の想いを歌にして贈っていた。
  最後に届けたのが、「少女たちよ もうすぐ夜明けが来る 夢の未来はこれから始まる」と歌う『少女たちよ』だった。この歌詞に込めた想いを信じて、村山彩希は14年間、AKB48としての人生を走り抜けてきた。それは、今のAKB48を支えているメンバーたちも。卒業をしたメンバーたちも、そう。この歌詞に込めた想いを勇気に変えて、みんな走り続けてきた。この曲を最後に持ってきたのは、これがAKB48のメンバーとして走り続けるうえで胸に刻んできた想いという理由だけではなく、村山彩希自身が、これからも、この気持ちを胸に新しい道を切り開いてゆくという意志を示してのことではないだろうかと受け止めていた。
  AKB48の村山彩希は、6月15日のAKB48劇場での公演を持ってピリオドを打つ予定だ。でも彼女は、これからも表現者として、この世界を走り続ける。そう、「夢の未来はこれから始まる」のだから。

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TEXT:長澤智典


出演:    【AKB48 現役メンバー 43名】
正規メンバー(35名)
村山彩希・秋山由奈・新井彩永・岩立沙穂・太田有紀・大盛真歩・小栗有以・工藤華純・久保姫菜乃・倉野尾成美・坂川陽香・迫 由芽実・佐藤綺星・下尾みう・鈴木くるみ・髙橋彩音・田口愛佳・千葉恵里・徳永羚海・長友彩海・成田香姫奈・永野芹佳・橋本恵理子・橋本陽菜・平田侑希・福岡聖菜・布袋百椛・正鋳真優・水島美結・向井地美音・武藤小麟・八木愛月・山内瑞葵・山口結愛・山﨑 空。

19期研究生(5名)
伊藤百花・奥本カイリ・川村結衣・白鳥沙怜・花田藍衣

20期研究生(3名)
大賀彩姫・近藤沙樹・丸山ひなた

【ゲスト】※夜公演のみ
峯岸みなみ・柏木由紀・中田ちさと・岡田奈々・茂木 忍・梅田綾乃・大島涼花・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・髙島祐利奈・横山結衣・大西桃香・小嶋花梨(NMB48)・斉藤真木子(元SKE48)・黒須遥香(KLP48)・山根涼羽(KLP48)


●セットリスト(夜公演)          
コンテンポラリーダンス(村山)
『それでも彼女は』村山・岩立・大盛・小栗・向井地・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・武藤・山内
『シアターの女神』ALL
『チャイムはLOVE SONG』ALL
)ハートの脱出ゲーム』ALL
『なんてったってアイドル』村山・秋山・大盛・岩立・小栗・倉野尾・佐藤・下尾・鈴木・千葉・橋本(恵)・水島・向井地・武藤・八木・山内
MC①
『黒い天使』村山・成田・八木
『コップの中の木漏れ日』村山・秋山・新井・鈴木・橋本(恵)・正鋳・伊藤
『カフカとでんでんむChu !』村山・佐藤・徳永・向井地・川村・花田・丸山
『She's gone』村山・工藤・迫・山内
『あの頃のスニーカー』村山・岩立
ダンスアクト(秋山→倉野尾→下尾→山内→山口→小嶋→斉藤→村山→ユニゾン)
『野蛮な求愛』村山・秋山・倉野尾・下尾・山内・山口+小嶋花梨・斉藤真木子
MC② ゲスト紹介(小嶋花梨さん・斉藤真木子さん)
『涙の表面張力』<ゆうなぁもぎおん>村山・向井地+岡田奈々・茂木 忍
『久しぶりのリップグロス』村山・岩立・向井地・小栗・倉野尾・下尾・千葉・鈴木・田口・長友・武藤・山内・大盛・佐藤+岡田奈々・茂木 忍
MC③ ゲスト紹介(ゆうなぁもぎおん)→ 中田ちさと
『夕陽を見ているか?』村山+中田ちさと
映像(もしも村山がチームAだったら)
『胡桃とダイアローグ』村山・岩立・工藤・久保・佐藤・鈴木・千葉・徳永・永野・成田・平田・福岡・水島・向井地・八木・丸山
『Ruby』村山・岩立・工藤・久保・佐藤・鈴木・千葉・徳永・永野・成田・平田・福岡・水島・向井地・八木・丸山
『スコールの間に』村山・新井・岩立・工藤・久保・佐藤・鈴木・千葉・徳永・永野・成田・平田・福岡・水島・向井地・八木・川村・白鳥・花田・大賀・丸山
映像(もしも村山がチームKだったら)
』RESET』<13期生>村山・岩立+茂木 忍・梅田綾乃・大島涼花・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・髙島祐利奈
『細雪リグレット』村山・秋山・倉野尾・坂川・迫・下尾・田口・永野・橋本(陽)・正鋳・武藤・山内・山﨑・山口・伊藤・近藤
『草原の奇跡』村山・秋山・倉野尾・坂川・迫・下尾・田口・永野・橋本(陽)・正鋳・武藤・山内・山﨑・山口・伊藤・近藤
映像(もしも村山がチームBだったら)
2『正義の味方じゃないヒーロー』村山・岩立・太田・大盛・小栗・久保・鈴木・長友・橋本(恵)・福岡・布袋・奥本・川村・花田・大賀
『てもでもの涙』村山+柏木由紀
『チームB推し』村山・岩立・太田・大盛・小栗・久保・鈴木・橋本(恵)・長友・福岡・布袋・奥本・川村・花田・大賀+柏木由紀
映像(やっぱり村山はチーム4だったな)
『猫アレルギー』村山・新井・工藤・倉野尾・坂川・佐藤・髙橋・徳永・永野・橋本(陽)・正鋳・山内・山口・白鳥・近藤+大西桃香
『High school days』<村山+16期生>村山・鈴木・田口・長友・武藤・山内 +黒須遥香・山根涼羽
『清純フィロソフィー』<峯岸チーム4>村山・岩立+峯岸みなみ・岡田奈々・茂木 忍・梅田綾乃・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・髙島祐利奈
『LOVE修行』<峯岸チーム4>村山・岩立+峯岸みなみ・岡田奈々・茂木 忍・梅田綾乃・岡田彩花・北澤早紀・篠崎彩奈・髙島祐利奈
MC④ ゲスト紹介(峯岸チーム4 OGメンバー)
『Beginner』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内
『Stand up』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内    
『風は吹いている』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内    
『Loss of time』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内
『夢の鐘』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・下尾・鈴木・田口・千葉・徳永・長友・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内    
MC⑤ ビデオメッセージ 諸橋沙夏(=LOVE)・本田仁美(SAY MY NAME)
『根も葉もRumor』村山・秋山・小栗・倉野尾・佐藤・下尾・鈴木・田口・千葉・永野・向井地・山内・八木・山口・山﨑・伊藤+岡田奈々・横山結衣
アンコール
軌跡映像〜村山スピーチ
E『ゆいりー』村山
『流れ星に何を願えばいいのだろう』村山・岩立・大盛・小栗・倉野尾・鈴木・下尾・髙橋・田口・千葉・徳永・長友・永野・橋本(陽)・福岡・向井地・武藤・山内
『君が教えてくれた』ALL
MC⑥
『少女たちよ』ALL

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