Speak emo

2019.05.16
寺嶋由芙

「この寺嶋由芙、結構いい女なんだからよろしくね、世間の皆さま」って思って歌うようにしています(笑)

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あの“裏”があるからこそ表に出た時に“いい女”ができるんでしょうね

――で、MVを観ると、さらに具体的な描写がいっぱいあって面白いですね。パンツスーツ姿で帰宅して。

寺嶋:そうなんです。いい女はきっとパンツスーツで仕事をしているという“偏見”です。

――お辞儀のような振り付けもあって、つばきファクトリーの「就活センセーション」を連想させます。

寺嶋:そうなんですよ。

――そこからスウェットに着替えて、猫と戯れて。

寺嶋:いい女は猫を飼っているっていう、また“偏見”です(笑)。

――あと、鍋から直でラーメン食べたりとか、足でティッシュを取ったりとか。

寺嶋:あれ結構難しかったです。

――あれは寺嶋さんの実生活に近いんですか?

寺嶋:あまり実生活に近くはないんですけど…。猫もいないし、鍋でラーメンを食べたこともなかったですし。でも、割とお部屋は散らかってますし、そんなにきっちりしてるタイプではないので、分かるなっていうか。一人だったらそれでもいいよね、みたいな気持ちにはなっちゃうかもしれないですね。

――なるほどね。「いい女をよろしく」とは言いつつ、いい女の“裏側”ばかりが描写されている感があって面白いです。

寺嶋:でも、あの“裏”があるからこそ表に出た時に“いい女”ができるんでしょうね。スーツを着て…スーツのシーンは夜帰宅するシーンと朝出勤するシーンしかないんですけど、朝出勤して帰宅するまでの“外の世界”にいる時はいい女なんですよ。でも、そのいい女を作るための時間がMVで描かれてるというか…。

――逆に言えば、実生活で、会社とかで、いい女に見えたとしても、もしかしたら鍋から直でラーメン啜ってるのかもしれない、って思うと、またある種の魅力が感じられるかもしれないですね。

寺嶋:そうですよね。“ギャップ萌え”じゃないですけど。

――なるほど。そういう歌詞の部分とか、MVみたいな描写とかも含め、寺嶋さんにとって“いい女”とは?

寺嶋:やっぱり2番サビの歌詞が全てですかね。「あなたの前じゃ あんまり泣かない もっと嬉しい話をしよう」っていうことを空元気で言える人、そして実践しようと努力できる人が“いい女”なんじゃないかなって思います。

――それはある意味“アイドル”もそういう存在ですか?

寺嶋:そうですね。アイドルやる上でも“いい女”としてこれが必要だと思っています。やっぱり、みんな楽しいことが欲しくて観に来てるわけじゃないですか。観に来てくれてる人たちが求めてるものだったり、求めている以上のものをちゃんと返してあげられる人でないといけないと思うので、そのためには日々もっと嬉しい話ができる人でいたいなと。

――例えば、それが“いい女”“いいアイドル”の理想像であるとすれば、そうした辛い部分というか楽しくない部分を一切出さない“ファンタジー”を歌うってこともありじゃないですか。でも、この曲でちょっと垣間見せているっていうのは、それも一つの戦略なのでしょうか?

寺嶋:ですかね…?でも、それぐらいの親近感がないとアイドルっていうジャンルは難しいのかもしれないですよね。完全にファンタジーとして出来上がったものをバンって見せることが理想ですけど、でも握手会とかあるじゃないですか。そこってすごく素だし、リアルな物がお互い垣間見えてしまう瞬間なので、いくらステージでバキバキに決めたとしても、やはりそこでふと見えてしまうというか…。握手会の時までツンとしてるわけにいかないので。直接触れ合える場があるのが今のアイドルの楽しさだから、そういうことを考えると完全にファンタジーを貫き通すのはあまり現実味がないと思うんですよね。私も完全にファンタジーを貫きたいわけではなくて、普通に生きている人間だよってことは知っていてもらいたいので。

――なるほど。前回の取材で、個人的な悩みなどをオタクに相談したりはしないとおっしゃっていましたが、かといって、寺嶋さんの実生活が謎に包まれているというわけではないですよね。今のアイドルらしく本音や実生活など随時垣間見せています。

寺嶋:そうですね。そんなに内緒にはしてないと思います。日々どんなふうに過ごしているかとかは、SNSを見てもらえれば一目瞭然なので。私生活を謎にしたいとかは全くないんですが、ただ私生活を出す時も、それを見て「ゆっふぃーが楽しそうなことしてるから真似してみよう」という風に捉えていただけるような出し方が一番いいのかなって思うんですよね。

――おしゃれなカフェに行っておしゃれなスイーツを食べてというばかりではなく、たまには帰りにうどん食べてくみたいなところも…。

寺嶋:そういう親近感ですよね。

――ハロプロの歌詞も結構そういうところがありますよね。「Danceでバコーン!」の「うどん」のくだりもそうだと思いますし、「選挙」のことを歌ってるのもありますよね。

寺嶋:「ザ☆ピ~ス!」ですよね。「投票行って外食する」んですよね。私、大人になって気付いたんですけど、「投票行って」云々っていう歌詞が入っている曲のタイトルが「ザ☆ピ~ス!」なのって、めちゃめちゃ深くないですか?

――あぁ~、ですよね。

寺嶋:「Peace(=平和)」のためには選挙に行かなきゃいけないんですよ。

――なるほど。

寺嶋:改めて、つんく♂さんすごいって思います。

――あまりアイドルが立ち入らない領域というか…。

寺嶋:それまで選挙の歌詞なんてなかったと思います。

――でも、実生活に大きく関わることですもんね。

寺嶋:急に「世界の平和」といった規模の大きいこと言ったかと思いきや、すごく実生活に則したことやミニマムな世界も歌詞の中で共存してるっていうのがハロプロの面白さだと思いますし、そうした部分も今回の「いい女をよろしく」でオマージュしてもらっていると思います。

取材・文
石川真男

寺嶋由芙 商品情報

2019/4/17 発売「いい女をよろしく」
2019 年、“いい女” ゆっふぃーが届けるのは、90 年代正統派アイドルソング!

初回限定盤(CD+DVD)

■初回限定盤(CD+DVD)
TECI-668/定価 1,667円+税

1.いい女をよろしく 2.Last Cinderella 3.いい女をよろしくーOff Vocal ー 2.Last Cinderella ーOff Vocal ー DVD :「いい女をよろしく」MV & MVメイキング

通常盤

■通常盤
TECI-637 /定価 1,111円+税
1.いい女をよろしく 2.Last Cinderella

寺嶋由芙 ライブ情報

寺嶋由芙ワンマンライブ「ゆっふぃーらんらんコンサート」
http://yufuterashima.com/topics/2019-07-07-live/

▼開催 
7/7(日)
開場 15:00
開演 16:00

▼会場 
日テレらんらんホール 
〒206-0812 東京都稲城市矢野口4015-1 
http://www.yomiuriland.com/lanlan-hall/access.html

PROFILE

PROFILE
寺嶋由芙
寺嶋由芙

「古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル。」 千葉県出身。早稲田大学文学部日本語日本文学コース専攻を卒業。中学・高校の国語の教員免許を取得。
2 年連続アイドルクイズ王を獲得。イベント MC やナレーター、アイドル情報サイト『Pop’ n’ Roll』の編集長、 串カツ田中公式応援アイドル、そして地元千葉県木更津警察の一日署長なども務める。 大好きな「アイドル」そして「ゆるキャラ」を繋ぐ「ゆるドル」として活躍中。「ゆるキャラ ® グランプリ」をはじめ、 各種キャラクターイベントに MC、そして” ゆるキャラ通訳” として出演し、ゆるキャラ界で絶大な人気を誇る。 ソロアイドル活動 7 年目になり、12th シングル『# ゆーふらいとII』を 2020 年 2/26 にリリース! 

公式サイト: http://yufuterashima.com/