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2023.08.30
maleficium

Aphroditeからmaleficiumへ。その改名の理由とは…。maleficium(ex:Aphrodite)インタビュー

 それはまさに"衝撃"だった。8月25日、Aphroditeが毎月第四金曜日に主催公演を行っている浅草VAMPKINのライブの場で、彼女たちは、誰もが驚く言葉を発していた。それが、「Aphroditeはグループ名を[maleficium(マレフィキウム)に]変えます」という発言。
  かつてのAphroditeの楽曲や魂を受け継ぎながら。そのうえで新たなメンバーたちでグループを再構築したことから、これまでも彼女たちは、新生Aphroditeを通して、"らしさ"と"新しさ"の両方を見せてきた。むしろ、ライブ本数を重ねるごとに"新しさ"を5人は見せるようになっていた。その一つの形として具体的に見えたのが、新生Aphroditeとして発表した新曲の『stigmata~聖痕~』だった。そこには、かつてのAphroditeらしいゴシックの色を軸に据えながらも、これまでの枠を凌駕した、いろんなジャンルの音楽好きのハートをつかむ要素が詰め込まれていた。まさか、それが今回へ繋がる一つの布石だったとは‥。
 3月より、毎週月曜日に行ってきた新宿HISTでの定期公演も、8月いっぱいで終了。maleficiumと名前を変えて以降は、積極的に対バンイベントへと出演。同時に、定期公演は、毎月第四金曜日に行っている浅草VAMPKINのみに絞る形で続けてゆく。
  彼女たちが今、どんな気持ちでmaleficiumとして進もうとしているのか。その胸の内をここに届けたい。

 

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今の新生Aphroditeはまさに、お互いのことを信頼しあっているからこそ、互いに助け合い、支えあってゆくチームに進化成長しています。


──ついに、主催イベント以外での対バンが解禁になりました。どうですか、外のイベントへ出演するのは…。

 

CHIHO FUKUDA 毎回めっちゃ緊張しています。主催という形でここまでたくさんライブをやってきたけど、外の対バンだと自分たちの心持ちもいつもと違うといいますか。毎週ライブをやっているとはいっても,新生Aphroditeとしての経験はまだまだ少ないから、今はまだ緊張が先にきちゃいます。

夜縋らるむ  主催で対バンするのとは、ほんと違うなというのは感じています。新宿HEISTでのライブは慣れていますが、初めての会場でのステージになると、まだまだ先に緊張が来てしまいます。それも含めて、今は、外での対バンイベントを楽しんでいます。

 

――見てくださる方々の反応は、どうですか?

 

CHIHO FUKUDA   興味本位の視線も多いですけど。それでも見てくださっている方が多いのが嬉しいです。

 

――新生Aphroditeは、8月25日に浅草VAMPKINの舞台で発表した通り、グループ名がmaleficium(マレフィキウム)に変わりました。その話に入る前に、新生Aphroditeとしてスタートしてからの約5か月の日々を振り返っての思いから聞かせてください。

 

CHIHO FUKUDA   わたしは、このメンバーの中では一番最後に加入しています。加入して間もない頃は、グループにお呼ばれしたような気持ちでライブをしていましたし、最初の頃は、楽屋で緊張もしていましたけど。今や、すっかり仲良しの関係。みんな、個性的で面白い人たちなんだというのがわかるごとに、気持ちもリラックスしていけば、ライブにも余計な緊張を持つことなく挑めるようになり、みんなの団結力も強まり、今じゃすっかり一つのチームとしてまとまったなと感じています。
  当たり前ですけど、グループの持つ空気はステージにも反映します。今の(取材時点での)新生Aphroditeはまさに、お互いのことを信頼しあっているからこそ、互いに助け合い、支えあってゆくチームにまで進化成長しています。

夜縋らるむ   ほんと、そうだよね。わたしは新生Aphroditeが初めてのアイドル活動への挑戦になりました。準備期間も含めたこの半年間の中、「わたし、しっかりアイドルをやれているかな?」「わたしで大丈夫かな?」と悩んだときもありましたけど。メンバーみんなが心強すぎれば、本当に大好き過ぎるくらい好きなんですね。このメンバーがいてくれるおかげで、わたしはアイドルとしてしっかりと成長してこれた実感があります。でも、この半年間の中で何が一番かって、「アイドル活動が楽しい!!」という気持ち。それくらい今、アイドル活動に夢中になっていれば、新しい生きがいをわたしは見つけることが出来ました。

桜城すず   わたしは新生Aphroditeとして最初からステージに立ち続けてきたメンバー。だからこそ、グループの成長を実感していれば、その成長も見えてるといいますか…。最近のライブ動画と、デビューライブのときの動画を見比べるとよくわかりますけど、最初はみんなどこかよそよそしいライブ姿だったのが、今じゃステージ馴れもして、一体感や迫力がぜんぜん違ってきました。定期的にライブを見てくださっている方々からはとくに、「歌が上手くなっていくね」「観るたびに成長を感じるよ」という言葉をいただきます。成長している姿を、毎回しっかりと見せられているのであれば、それはすごく嬉しいことです。
  新生Aphroditeの強みといえば、個々の個性の強みがまったくかぶらないこと。それが、経験を重ねるごとにどんどん際立てば、みんながみんな、自分の実力の底上げをしっかりし続けている。だからこそよい意味で、お互いに高めあいながらライブ活動が出来ているなとも感じています。

 

――お互いを高め会える関係っていいですね。

 

桜城すず  各自、得意な部分も苦手な部分も違います。それをお互い理解しあい、補いあいながら共に高めあっていければ、それをステージに反映しています。それを形としてしっかり見せていけていることがこのメンバーの強みであり、めちゃめちゃいいことだなと思っています。

ゆら໒꒱· ゜   わたしは、現状どうしても出演環境が限られているから、みんなと一緒に出演してきた回数は少ないんですけど。最初の頃こそ、みんなから緊張が伝わってきていましたが、一緒に出るたびに変な緊張もなくなれば、みんな楽しんでライブをやっている空気が伝わるようになりましたね。

CHIHO FUKUDA   最初の頃は、ライブをやることで精一杯だったからね。それが今では、その日の会場の空気を感じながらライブを楽しめるようにまで成長しました。

夜縋らるむ   ライブを楽しめる余裕は、確かに出てきたよね。

九十九メア   最初の頃はそれぞれが自分のことで精一杯でしたが、今では、ライブ後に「ここはこうだったね、あーだったね」「ここはこうだったから、こう改善していこう」など、お互いに気づいたことを口に出して言えるくらい深い関係になれたなと思います。お互いの関係が濃くなることで、「次はこうしていこう」など、よりグループの現状に深く関われるようになれば、それを形に出来るようにまで成長してきたなと感じています。


ようやく勝負を挑んでいけるだけの土台を彼女たちが作りあげた今、グループ名も変え、ここを5人の新しい始まりの地にしようと思い、改名を決意しました。


――ライブごとに進化を続けてきた新生Aphroditeですが、まさかこのタイミングでグループ名をmaleficiumと改名するとは…。最初に聞いたときは、本当に驚きでした

 

CHIHO FUKUDA  それは、私たちメンバーも一緒です。改名も、ようやく独自の色を出し始めてきた今の自分たちをより進化成長させてゆくためには大切な選択だったなと、今は感じています。

桜城すず   名前の変更については、メンバー全員前向きに捉えています。グループ名が変わることで、何かがガラッと変わるわけではないです。ここまで受け継ぎ、育んできたAphroditeの精神や楽曲を引き継いでゆく姿勢を前提としたうえで、新生Aphroditeとしての色をようやく出せるようになってきた。だからこそ、自分たちがより進化してゆくための一つの意志や姿勢を現した行動が、今回の改名になります。

CHIHO FUKUDA   新生Aphroditeとしてスタートを切ったここまでの数か月の日々は、私たちこのメンバーがしっかりとスタートラインに立てるまでに必要だった、成長のための準備期間。そう捉えていただけたらなとも思います。

安元プロデューサー  改名に関しては、僕から説明をさせていただきますね。先にmaleficium(マレフィキウム)と名付けた理由から語ると、どこともかぶらないグループ名にしたかった理由がありつつ、ここ3-4年、世界中の流行を生み出している商品や現象に使われている言葉にラテン語が多いこともあって、ラテン語で(悪戯・妖しげな術)という意味を持つmaleficiumをグループ名に付けました。
  そもそも、なぜ改名をしたのかの理由を語ると、Aphroditeという名前やコンセプトはすごく気に入ってるし、その精神は今でも大切にしています。その言葉が持つ意味を楽曲や活動に置き換えてゆくうえで、それはすごく描きやすいテーマになっていました。でも、今のメンバーを見ていく中、いろんな方面に広がりを持たせていける可能性を強く感じたとき、Aphroditeが持っていた「女神・ギリシャ神話」という大きな縛りは、むしろ足枷になると思いました。そのきっかけとなったのが、新生Aphroditeとして最初に発表し、今や彼女たちの新しいライブでの顔になっている『stigmata〜聖痕〜』の存在。この曲が、今の彼女たちをより大きな舞台へ連れてゆく力になる。その後に続く楽曲たちも今、制作していますけど。それらもAphrodite時代の縛りを解き放ったところで作っています。もちろん、Aphrodite時代の精神や、ゴシックというスタイルもスタンスもそのままですが、今後、より大きく枠を広げた活動をしてゆくうえで、ようやく勝負を挑んでいけるだけの土台を彼女たちが作りあげた。だからこそ今、グループ名も変え、ここを5人の新しい始まりの地にしようと思い、改名を決意しました。
  maleficiumという名前には、「小悪魔っぽい」や「女の子が悪戯をしかけてゆく」など、ちょっとだけ悪意を持った意味もあります。それも、今のメンバーたちのキャラクターや持ち味に似合うことも、この名前にした理由になっています。

CHIHO FUKUDA   Aphroditeが持っていた「美しさ」「綺麗なもの」という印象。そこへ、「かわいらしさ」や「悪戯心」という今のメンバーたちの色を加えている。むしろ、今の自分たちらしい名前だと、命名した理由を聞いて納得しました。

夜縋らるむ   ほんと、今の私たちっぽいよね。

安元 プロデューサー  同性にも共感してもらいやすい名前なのも、いいですよね。しかも、どこともかぶらない(笑)

 

――maleficiumとして活動を始めるのに合わせ、衣装も変わりましたよね。

 

夜縋らるむ   新しい衣装は、わたしがデザインをして制作もしました。アイドルにとって衣装は、パッと目に入ったときに印象を植えつけるものだから、とても重要なもの。責任重大だからこそ、ちょっと胃がキリキリしながらもデザインをし、作りました。
  衣装は、メンバーそれぞれの個性を生かそうと、統一したイメージを持ったうえで、一人一人の色に合わせて変えています。背中に天使の羽根を付けたのも、ゴシックの要素を生かした表現としてのこと。今の私たちらしい格好よさを出しつつ、動きやすくて軽さもある。何より、Aphrodite時代の延長戦上にある姿を意識しているから、その精神も受け継いだ衣装にしています。


ずっとAphroditeのライブを見続けてきたファンの方々から、「『stigmata〜聖痕〜』、一番好きかも」という言葉を聞くと嬉しいのはもちろんですけど。私たちとしても、新しい道を開けたのかなと思えて嬉しくなります。


――maleficiumのスタートに合わせ、活動以来ずっと主戦場にしてきた新宿HEISTでの主催公演を、8月いっぱいで終了しました。

 

CHIHO FUKUDA   毎月第四金曜日に浅草VAMPKINで行っている主催定期公演「stigmata~聖痕~」は継続しますけど。今も、毎週新宿HEISTに来てライブをやっているから、ここでの主催公演を終えてしまったことには、やはり寂しさは感じてしまいます。

桜城すず   定期公演の「~女神の目覚め~」は、たとえ対バンする相手がいるとはいえ、自分たちが主軸になって続けてきた公演。外での対バンイベントとは空気も違えば、気持ちも異なるといいますか、より気持ちの引き締まる感覚が強かったから、その場がなくなるのは寂しさがありますけど。むしろ、ここまで主催イベントを毎週やらせていただいてきたこと自体が本当にありがたいことですからね。

九十九メア    新生Aphroditeとして初めて立った舞台が新宿HEISTであり、そこから半年弱の間、このステージに立ち続けてきたことで、ここにはいろんな想い出があります。だから寂しいではなく、ここで学んだことをしっかりと身につけて、これからは積極的に外の公演へ向かい、向き合っていけたらなと思います。

 

――今のメンバーで初めて生まれた楽曲が、『stigmata〜聖痕〜』。みなさん、ライブでの手応えをどのように感じています?

 

CHIHO FUKUDA   「今までのAphroditeの楽曲とは違うね」「新曲いいよね」と言ってくださる方々が多ければ、みなさん新しい色を感じつつも楽しんで聴いてくださっています。 

夜縋らるむ   ずっとAphroditeのライブを見続けてきたファンの方々から、「『stigmata〜聖痕〜』、一番好きかも」という言葉を聞くと嬉しいのはもちろんですけど。私たちとしても、新しい道を開けたのかなと思えて嬉しくなります。


グループ名は変わるけど、今までやってきたことがガラッと変わるわけではないどころか、今までやってきたことをしっかりと培いながら、少しずつ進化していこうという形だからね。


――最後に、今のmaleficiumに期待していることを語っていただいても良いでしょうか?

 

ゆら໒꒱· ゜   対バン公演も解禁したことですし、これからmaleficiumはいろんな場へ出ていく機会を増やしていきます。わたし自身、名前が変わったことで今後に強く期待をしています。今回の改名をきっかけにどんな風に活動が広がっていくのか、そこにわたしは期待をしたいです。

桜城すず   正直、先のことはわからないですけど。グループ名の改名を筆頭に、9月からいろんな面で活動を取り巻く環境が変わっていくからこそ、このタイミングで、自分もしっかり進化していけたらなと思っています。何より、Aphroditeという名前が築きあげてきた歴史に恥じない歩みを、これからmaleficiumを通して作っていく意識でいます。

夜縋らるむ   わたし、Aphroditeという名前や存在が大きすぎて、名前を変えることへの不安も正直ありました。実際、経験のない私たちでも、Aphroditeという名前があることでの恩恵もいろいろと受けてきました。maleficiumという名前に色を付けてゆくのは、これからの私たち次第。そこは責任重大だと思っています。
  Aphroditeと言えば、ゴシックを機軸にした「美しく、粛々とした」存在でした。そこへこれからは、今の私たちらしい「はつらつとした女の子」という色を加え、それをmaleficiumを通して見せていこうと思っています。

CHIHO FUKUDA   Aphroditeという名前を出すと、「知ってる」という人たちも多いから、確かに名前が変わることについてのドキドキはありますけど。Aphroditeの歴史や新生Aphroditeを通した経験の土台はありつつ、maleficiumに変わることで、ここから自分たちで1からまた新たな色を塗り重ねゆくことにもなるから、ここからさらに頑張らなきゃという気持ちも強いです。ここまでに受け継ぎ、培った経験を生かしつつ、どうmaleficiumとしてのオリジナリティをみんなで作りあげてゆくのか、試行錯誤も含めて楽しみにしています。きっと、みんなが持っているそれぞれの色も、より反映しやすくなっていくのかなとも思います。

九十九メア グループ名が変わるという経験は、この先もう二度とないこと。それくらい今、一つの大きなタイミングの時期を迎えています。ここでより良い方向へと自分たちの色を出しながら、いい意味で変わっていけたらなと思っています。変わることへの期待感も、そう。今は、変えたい気持ちと、変えないといけない使命感、その両方を感じています。

CHIHO FUKUDA   そうだね。だからと言って急いで変わろうとすることなく、一歩ずつ一歩ずつ、ちゃんと浮き足立つことなく、みんなでゆっくりと、着実に進んでいけたらなと思っています。だって、グループ名は変わるけど、今までやってきたことがガラッと変わるわけではないどころか、今までやってきたことをしっかりと培いながら、少しずつ進化していこうという形だからね。

桜城すず   ファンの人たちも、「Aphroditeからmaleficiumへの改名」と聞くと驚かれると思います。私たちメンバーも、みなさんと同じように驚きというか、衝撃的でした。だけど、すべて良い方向へ進化してゆくためのこと。これまでと変わらず、みんなと一緒に進化の過程を楽しんで行けたらなと思います。9月には名古屋へ足を運ぶように、これからは東京以外の場所でのライブも増やします。そうやって活動の幅を少しずつ広げながら、みんなと一緒に進んでいけたらなというのが私たちの理想です。 

 

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TEXT:長澤智典


maleficium定期公演
stigmata~聖痕~
毎月第四金曜日
浅草VAMPKIN


SNS
https://twitter.com/maleficium_idol

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